#75 決戦最下層に眠る、勇者リブロスVSレイス!
お待たせしました。第75話公開です。いよいよ最下層、お宝は見付かるのかな(。>ω<。)
五人は魔方陣で最下層にやって来ると、ファングが驚いていた。
「嘘だろう。何で昔の勇者の一人がいるんだよ」
「誰なの、あそこに座っているのは」
「知らないのかよ。あれは勇者の一人、リブロス・リトル、格闘技の達人、ナックル使いだよ」
「あれが、リブロス・リトル、俺様も名前は知っていましたが、姿を見るのは初めてです」
四人が驚くなか、レンは考えていた。
ファングはさっき勇者達の一人と言っていたけど、勇者達はもう死んでいるはず、何で目の前にいるんだ?
レンは疑問に思いながら、ファングに聞いていた。
「ねぇ、ファング、なんかおかしくない?」
「レン、何がおかしいんだよ」
「だって、勇者達はいつ頃現れたの?」
勇者達の年代を聞くと、ファングは考えていた。
「それは‥‥‥! そんなはずは」
ファングはリブロスの方を見て、驚いていた。
「そうですよファング、リブロスは年齢的に死んでいるはずですよ」
「それじゃ、あれは何なんだよ。全然ミイラ化してないだろう」
ファングとレイスはリブロスの方を見ていると、死体が勝手に動き始めた。
「アハハッ、さすがだなぁ。そこの小僧、貴様らが、我の力を継承するものか」
「なっ、何で急に立ち上がるんだ」
死んでいるはずの勇者リブロスが立ち上がり、五人が後ろに退いていた。
「見て、胸に魔方陣があるわよ。おそらく、魔方陣の力で生きているんだわ」
リブロスの胸を見ると魔方陣が光っていた。
「ほう、貴様、魔法使いか」
「そうよ、何か文句あるの?」
「嫌、無いよ。貴様らは我に消されるんだからな」
リブロスが手を翳すと、帰還の魔法陣が消えていた。
「嘘だろう。レン、どうする相手は伝説の勇者の一人だぞ」
「そうよ、どうするのレン君」
「レンお兄ちゃんどうするの?」
「僕に言われても‥‥‥」
「ここは、俺様にやらせて下さい」
三人がレンに詰め寄る中、レイスが先陣を切って前に出でいた。
「レイス、お前正気か、相手は伝説の勇者の一人だぞ」
「分かっていますよ。だから俺様がやるんですよ。同じ格闘技で負けれません。それに相手は言いました、力を継承する者かと、だから俺様が勝って、新たな力を貰います」
レイスの力説を聞いて、ファングが感動していた。
「レイス、お前って奴は、レン、レイスに任せようぜ」
「えっ、危険だよ。僕達も戦うよ」
「すみません、レン師匠、ここは俺様に任せて下さい」
レンは心配していたが、レイスの熱意に負けて、送り出していた。
「ほう、我に対して一人で来るとは大した度胸だなぁ」
「俺様は負けるつもりはありませんよ」
「クククッ、なら部外者は見学だな」
リブロスは手を翳すと、四人は透明な壁に囲まれていた。
「貴様、レン師匠達に何をした」
「クククッ、彼奴らは見届け人だよ。貴様が死ねば、透明な壁の中で、自爆して死ぬがな」
「そんな事は絶対にさせません」
レイスはレイビィスの殺気を纏わせて、異様な雰囲気を出していた。
「クソ!」
「完全に閉じこめられたわね」
「レイスは大丈夫だよね」
「分からないわ、今は見守るしかないわ」
「レイス、絶対に勝って、俺達を救えよ」
四人は密閉された空間から、レイスの戦いを見守っていた。
「ほう小僧、貴様、不思議な力を感じるな、名前は何だ」
「俺様はレイス・クライド、半魔神族です」
「ほう、聞き慣れない種族だな」
「さっきなったばかりのホヤホヤ種族ですよ」
レイスは勇者リブロスに名前や種族を教えていた。
「あいつ馬鹿だろう。何で種族をバラすんだ」
「仕方ないわよ。だって馬鹿二人だから、正確にはレイの人格があるから三人よね」
「アリス、ちょっと言い過ぎだよ。レイスが聞いたら泣くよ」
結界の中では、四人が色々レイスの事を話していた。
「なぁレイス、俺達、馬鹿呼ばわりされているぜ。レン様まで」
レイスの精神の中で三人が話していた。
「そうですね、レン師匠にギャフンと言わせないと無理でしょうね」
「仕方ない、レイ、絶対に勝てよ。レン様を失望させるな」
四人に色々言われていたので、レイに頼んでいた。
「分かっているよ俺様が、負けるかよ。二人は俺様の中で、上手くコントロールしてよ。俺様は二人の虚像で作りかけの偽者だよ」
「そんな事ないですよ。レイは僕とレイビィスが作った人格だから頑張ってよ。レイは僕で僕はレイなんだから、ちゃんとレイスらしくやりなよ。君は僕の分身なんだから」
「そうだぜ。お前は俺様でもあるんだから、しっかり働けよレイ、いやレイス! 俺様を楽しませろよ」
二人に言われて、レイは精神の中で抱きしめていた。
「ありがとう、レイス、レイビィス、俺様を生み出してくれて、絶対に勝って来るね。だけど、四人は相変わらず言いたい放題だな」
四人が色々言っているので、レイスは不満だらけだが、目の前の敵に集中していた。
「クククッ、まぁ良いか、小僧、我を楽しませろ」
「俺様が勝ちます」
勇者リブロスが攻撃を仕掛けると、レイスは素早く動き、強烈なパンチを撃っていた。
「その程度では、我に当たらんよ」
レイスは素早くパンチを出しているが、簡単に避けられてカウンターを喰らっていた。
「雷衝懺擊拳」
「ぐはぁ!」
リブロスの強烈なパンチを直接喰らい、壁に激突していた。
「ふん、やはり見込み違いか、ならあの四人は消えてもら‥‥‥」
「アハハッ、良いぞ! もっと俺様を楽しませろ」
レイスは不気味な奇声を上げていた。
「馬鹿な、直接攻撃を喰らったハズ」
「はぁ、良いね。俺様の体に刺激的だぜ。もっと俺様を頼ませてよ」
「良いだろう。簡単に倒れては困るからな」
リブロスとレイスは激しい戦いが始まっていた。
「退屈よね」
「そうだな、レイスは不気味な奇声を上げているぜ」
レイスの笑い声が響いているので、四人が退いていた。
「そうだね、あれ完全にレイスだよ。しかも、体の快感はレイビィスだよね」
「そうだな。一番たちが悪いパターンだぜ。あぁなったら、止められないな」
レイスとレイビィスが表に出ていたので、四人は安心して見ていた。
「ねぇ、あぁなったレイスがリブロスに勝てると思う?」
アリスが三人に聞いていた。
「多分、勝つと思うぜ。レイスは半魔神族だしな」
「なら、私達はフォレストの中で一服しない?」
レイスが勝つと予想すると、アリスが提案していた。
「それ良いね。退屈だから、中でおやつにしようか」
「賛成、こんな退屈なら、中で話しながらおやつ食べた方がマシだよ」
四人は話し終えると、三人はフォレストの中に入り、カイトも混ざって、五人でおやつを楽しんでいた。
レン師匠、俺様の力を見て下さいよ‥‥‥! なっ、何でいないの?
レイスは戦いながら、四人を見ると、ファング以外誰もいなかった。
俺様を差し置いて、おやつの時間にするな。はぁ、やばいお腹が空きそうだ。
レン達が絶対フォレストの中で、おやつにしている事を確信しているレイスは羨ましそうに、ファングの方チラ見していた。
やばいお腹が‥‥‥。レイス、レイビィス、我慢してよ。今は、目の前の敵に集中して。
レイスのお腹はおやつに反応して、活発に動き始めていた。
しかも、ファングの目線が不自然だよ。俺様の動きに合わせ動いているし、ファングもフォレストの精神にいるの?
ファングの動きは明らかに不自然な動きをして、レイスを捉えると、機械のようにカクカクだった。
はぁ、やるしかないか。お腹が空く前に倒さないと、レン師匠、俺様のおやつ残して下さいよ。
レイスはお腹が空く前に、リブロスを倒そうと、本気で戦い初めていた。
「ファング、毎回進化してない。フォレストの中にいるのに、何でファングが見ている映像が見えるの?」
フォレストの中で、五人はお菓子を食べながら話していた。
「俺がフォレストの中にいても、遠隔で操作出来るようにしたんだ。もちろんカイトも動かせるぜ。なぁカイト」
今までフォレストの本体は寝ている状態だったので、ファングとカイトは色々試行錯誤して、フォレストの中でも本体をうごかせるようにしていた。
「そうだね、僕もファングの補助をしているよ」
「相変わらず、凄いわね。ますます化け物だわ」
ファングとカイトが色々考えているので、アリスは驚くしかなかった。
「レン、どうかしたのか?」
ファングが見ている映像を見て、固まっていたのでファングはレンに声を掛けていた。
「いや、レイスがこっちチラチラ見ているよ」
ファングが見ている映像を見ながら、五人はお菓子を食べていたが、レンが映像を見て気付いていた。
「本当だわ。チラチラ見ているわ。多分、一人だけ、おやつの時間に入れなくて、恨んでいる目だわ」
レイスがファングの本体を見ている。
「仕方ないな。俺がレイスに言ってくるよ、お前のお菓子は残しておくと」
「いや、大丈夫だよ。レイスは分かっているから、終わったらレイスにたくさんあげて良いよね」
「はぁ、仕方ないわねレン君の頼みだから良いわ。だけどレイス君がお腹を空かせないか心配だわ」
「大丈夫だよ、彼奴ならやってくれるよ。俺達はここから、レイスを見守ろうぜ」
五人はフォレストの中でお菓子を食べながら、レイスを見守っているのであった。
「アハハッ、我をもっと楽しませろ」
「くっ、いい大人が、こんな事をするんですか?」
「我は既に死んでいるが、ここを守護するためにはやもえないのだ」
レイスはリブロスの攻撃を一方的に喰らっていた。
「なら、俺様はあなたを倒します。そして、俺様がリブロスの力を継承します」
レイスはリブロスに向かって、言うと笑っていた。
「クククッ、アハハッ、笑わせるな、その程度の力で我を倒せるのか? 貴様に継承など出来ない」
「それは、やって見ないと分かりませんよ。桜花列瘴拳」
「ぐはぁ、馬鹿な」
レイスは二人の格闘技と魔法を複合させて、強烈な一撃を与えていた。
「はぁはぁ、やばい限界だよ。グー、グー」
「懺擊波動擊」
「ぐはぁ!」
「クククッ、どうしたその程度かぁ」
レイスは空腹感に襲われて、リブロスの攻撃に反応出来ず、直接擊を喰らった。
「どうした、その程度かぁ‥‥‥何だこれは、さっきの攻撃のダメージを修復出来ないだと」
体を見ると、レイスの攻撃を喰らったダメージが、魔方陣の力で修復してない事に気付いていた。リブロスはレイスの攻撃が来る間、魔法でダメージの回復を始めていた。
「何で、レイスは急に動きが止まるのよ」
フォレストの中で観戦している、アリスが大声で叫んでいた。
「多分、お腹が空いたのかもな?」
「ファング、冷静な判断しないで」
ファングが冷静な判断をしているので、レイスは大丈夫か聞いていた。
「厳しいかもな。今のレイスは空腹状態で力が入らないな。何か食べさせれば別だけど」
「どう見ても無理だわ、結界が張ってあるし」
レン達は結界の中に閉じこめられているので、食料をレイスに手渡す事が出来なかった。
「じゃあ、レイスはこのまま負けるの?」
「いや大丈夫だよ。レイスなら食事をしなくても、魔力を喰えば大丈夫だろう?」
レイスは魔法を吸収して、エネルギーに変える事が可能である。
「でも、レイス君はどうやって魔力を吸収するんですか?」
カイトが疑問を呈していた。
「そんなの簡単だよ。ワザと相手にぶつかって魔力を吸収するんだよ」
「ファング、そんな事をしたらレイス君が死ぬわよ」
「いや、大丈夫だよ。確かにダメージを受けるけど、レイスの能力忘れたのか?」
「あっ、確か、体を鋼のように硬く出来たよね」
課外授業の時に見せてもらった事を思い出していた。
「そう言う事だぜ、だからレイスは負けないぜ。魔力を吸収して空腹を抑えるよ」
「本当かしら」
レンとファングが大丈夫だと確信しているが、アリスは不満だった。だがアリスの不安は一瞬で消し飛ぶ事になる。
「グー、グー、グー」
「何だこの大きな音は」
リブロスが傷を回復している中、周囲に大きな音が響いていた。
「ねぇ、貴様のせいで俺様のお腹が鳴り響いているんだけど、どうしてくれるの? 俺様のおやつの時間を返してよ。グーグー、あぁ、二人が餌を求めているよ」
レイスのお腹は激しく、動いているため、複雑な動きをしていた。
「アハハッ、小僧、腹が減ったのかぁ、それは残念だな。なら今、楽にしてやるよ」
ふらつくレイスを見て、リブロスは失望していた。リブロスは勢いよく、攻撃をすると、レイスはワザとらしい動きをして、全身に直接当たるように喰らっていた。
「ぐはぁ!」
「小僧、早まったか、やはり期待ハズレだな。これでトドメだ死ねぇ。殺僇炎衝拳」
リブロスの炎の拳がレイスに直に当たったが、レイスは不気味な笑みをして、飛ばされていた。
「これで死んだか‥‥‥何だと!」
レイスは死んだと確信したリブロスは、結界にいる四人を始末しようと移動した時、壁から這い上がる音がした。
「はぁ、良いね、お前の魔力最高だな。だけど一時的にしのぐ程度だな。やっぱり現物の食べ物を食べないと空腹感に襲われるよ。レイス、レイビィス、今はあいつの魔力で空腹をしのいでよ。‥‥‥うん、分かったよ、もう少し魔力を吸収すれば、空腹感を抑えられるんだね」
レイスはお腹を触りながら、精神にいる二人に話し掛けていた。
「小僧、誰と話している」
レイスがお腹を触りながら、他人事を話しているのでリブロスが聞いていた。
「さぁ、俺様は俺様ですよ。他に誰がいるんですか?」
レイスの中には二人がいるけど、リブロスに話すことはなかった。
「まぁ良い、小僧面白い力を持っているみたいだな。なら貴様を殺して、その肉体を喰わせろ、そうすれば我は最強だぁ」
リブロスはレイスの肉体を喰らって、力を得ようとしていた。
「残念ですけど、あなたは俺様に殺されますよ」
「何だと‥‥‥がはぁ、何をした」
二人が話していると突然、リブロスのお腹に風穴が開いていた。
「さよなら、リブロス」
「小僧、我に何をした、答えろ」
「仕方ないですね。見えない闇の波動を撃ち込んだんですよ。俺様の得意な魔力を練りこんだ、強力な一撃はどうですか? あっ、一つ言っておきますけど、魔方陣を無効化しましたから、修復は無理ですね」
「何だと、がはぁ、我が消えるだと、クククッ、アハハッ、さすがだ、なら我の力を受け取れ」
リブロスは勝った暁に、力を授けようとしたが、レイスは断っていた。
「すみませんが要りませんよ。あなたに寄生されるのは目に見えていますから、あなたは自分より強い相手が現れたら、胸の魔方陣を相手に移す予定でしょう」
レイスはリブロスの違和感に気付いていた。
「クククッ、アハハッ、小僧、面白い事を言うな。そんなわけ無いだろう。さぁ、我が消滅する前に我に触れろ」
リブロスは消滅する体を動かしながら、レイスに近付いていた。
「そうですか、なら本当にさよならですね。勇者リブロス、あなたは勇者から、落ちこぼれた一人ですね。ダークサイクルスーム」
「貴様あぁ」
レイスは闇魔法を使って、リブロスを消していた。
「さよなら、世界を救った勇者、ゆっくり眠りな」
レイスはリブロスが消えた方を見て、黙祷をしている。
「オーイ、レイス終わったのか」
いつの間にか、フォレストの中からレン達が出ていた。
「ファング、それに皆さん、無事でしたか」
「レイス、凄いよ。最後の魔法はレイビィスのでしょう」
「アハハッ、そうですよ。一つ前は二人の混合技ですよ」
レンに聞かれたので、レイスが説明していた。
「それよりも、レン師匠、おやつ下さい。お腹ペコペコですよ。二人が激しく餌を求めていたから、辛かったです」
レイスはお腹を見せながら、話していた。
「そうだね、ファング、レイスにお菓子をあげて」
「そうだな。それにしても分かりやすい腹だよな。ちゃんと胃袋が二つ動いているのが分かるぜ。早くお菓子くれって、胃袋を膨らませて、合図が来るよ」
ファングはレイスのお腹を触って、二人の胃袋の動きを確認していた。
「ファング、俺様のお腹に触っていないで、早くお菓子を下さいよ。空腹で二人が暴れているんですよ。お腹を触って分かりますよね」
「分かったから落ち着けよ。ほら、食べなよ」
ファングはお腹に手を突っ込んで、お菓子を取り出してレイスに渡すと、勢い良く食べていた。
「レイス、そんな勢い良く食べると喉を詰まらせるぜ」
「大丈夫ですよ。うーん美味しいです。二人も喜んでいますよ。はぁ生き返りま、ゴッホゴッホ、飲み物!」
「ほら、言った通りになった。ほら、飲み物だよ」
「すみません、つい美味しくてアハハッ」
「それだけ元気なら大丈夫だね」
「そうね、一時は心配したけどね」
レイスが笑顔でお菓子を食べていたので、四人はホッとしていた。
「はぁ、美味しかったです。見て下さい、俺様のお腹が元気ですよ」
「レイス、いちいちお腹を見せて、二人の様子を言うなよ」
レイスはお腹を見せながら、二人の状態を伝えているので、ファングが注意していた。
「えっ、この方が二人の状態が一番分かりますよ。俺様のお腹が二人の状態を表しているんですから」
「そうだね、二人の状態はお腹を見れば分かるよね。だけど、もう大丈夫だよ。だって二人はレイスになったんでしょう? なら見せなくても大丈夫だよね。二人の表情はそのまま、顔に出ているから」
レイスの表情を見ていたレンは、二人の表情が既に融合した体に現れていた事に気付いていた。
「えっ、本当ですか、俺様は二人の表情まで出来ていたんですね。俺様はちゃんと完全な半魔神族のレイス・クライドになったんですね」
「そうだよ。だからいちいちお腹を見せなくても大丈夫だよ。寂しくなった時に、僕達が触る程度で良いから、普段は普通にしてよ」
「レン師匠、ありがとうございます。俺様はちゃんとレイスになったんですね。もし寂しくなったら、言ってくれれば、人格を入れ替えますよ」
「うん、ありがとうレイス」
レイスは改めて、自分の存在意義に気付き、レンに向き合っていた。
「それでレイス、リブロスから力を受け継いだのか?」
「えっ、それなんですけど」
レイスは四人に説明すると、ファングが驚いていた。
「何だと、リブロスが体を奪うとしていたのか」
「そうですよ」
「そうか、勇者も堕ちる時は堕ちるんだな」
レイスから、衝撃的な事を聞いて、落胆していた。
「仕方ないわよ。誰でも悪に染まる人はいるわよ。私達もいつかは闇に堕ちる可能があるんだからね」
「そうだね、人間誰もが善意じゃないし」
「それはそうだけど、もしこの事を知ったら大ごとだぜ」
「そうですね。だから、誰かが来る前に俺様が消しました」
五人はリブロスの生きた道のりを見て、暗くなっていた。
「なぁ、俺達はリブロスみたいにならないよな」
「さぁ、そんなの分からないよ。だけどリブロスを見れば分かるよ。闇に堕ちれば、どうなるか」
「そうですね。僕達はリブロスみたいにならないようにするには、僕達の行動次第ですね」
「だから、こんな暗い話は終わりにしよう」
「そうだな、俺達には関係ないしな」
リブロスの話をやめると、五人は直ぐに通常モードに切り替わっていた。
「それよりもお宝は」
レンは目をキラキラさせながら、四人に聞いていた。
「どうするんだ、アリスが悪いんだぞ」
「そうですよ。アリスがレン師匠を唆すから、本気になっていますよ」
「何で私なのよ、確かに言いだしっぺは私だけど、あんな目で見られたら言えないわよ」
三人が輪になって、コソコソ話している中、レオスが何かを見付けていた。
「レンお兄ちゃん、こっち来てよ」
「レオス、何か見付けたの?」
レオスはリブロスが座っていた、椅子を指さすと後ろに宝箱があった。
「うぁ、宝箱だよ。本物だぁ」
ゲームなどに出てくる宝箱が実際にあったので、レンは目をキラキラさせて、宝箱を撫でていた。
「でかしたわレオス君」
「お前、宝箱があってホッとしているだろう」
「そんな事はないわ、さぁ宝箱を開けましょう」
アリスに言われ、宝箱を開けると巻物が一つあった。
「えっ、これだけなの?」
巻物しかなかったので、レンはガックリしていたが、アリスは驚いていた。
「凄いわ。これはレイス君の物よ」
「えっ、俺様ですか?」
アリスに言われて、レイスがポカンとしていた。
「アリス、その巻物、そんなに凄いの?」
「凄いわよレイス君、これはリブロスの技が記録した巻物よ。レイス君、これを持って見なさい、リブロスに認められれば光ハズよ」
アリスはレイスに巻物を手渡すと突然、巻物に書かれた文字が光、レイスを包んでいた。
「えっ、何ですかこれ、頭にリブロスの記憶見たいのが流れます」
「何が起こっているのアリス」
「レイス君はその巻物にある技を受け継いでいるのよ」
光が消えると巻物に書かれていた文字は無くなっていた。
「レイス、大丈夫なの?」
「はい、特に何もありませんね。アリス、これで技は受け継いだのですか?」
特に変わった所がないので、アリスに聞いていた。
「いや、ちゃんと受け継いでいるわよ。ならリブロスが使っていた技をやって見なさい」
アリスが無茶振りしていた。
「俺様、リブロスの技なんか知りませんよ」
リブロスの技を知る人なんか、普通はいない。
「良いからやって見なさい。私が巻物に書いてあった技名を言うから」
レイスは疑いながら、前に出るとアリスが技名を色々叫んでいた。
「えっ、何で俺様の知らない技が撃てるんですか?」
アリスと言われると、何故かレイスの知らない技が頭に流れ込み、勝手に体が動いていた。
「ほら、ちゃんとリブロスの技を受け継いだでしょう。しっかり技名を覚えなさいよ」
「凄い、凄いよアリス、俺様リブロスの技を使っているよ」
伝説の勇者の一人、リブロスの格闘技を修得して喜んでいた。
「やったなぁレイス、これでお前は更に強くなったな。ますます化け物だな」
「ファング酷いな。ファングだって化け物だよね」
「何だと」
「何ですか」
「また喧嘩しているわね」
「アハハッ、二人は似たもの同士だからね」
「違うぜレン」
「そうですよ。俺様はファングと、似たもの同士ではありません」
ファングとレイスが喧嘩しているので、三人は呆れながら見ていた。
「はぁ、今回も残念なお宝だよ」
「レン、次は頑張ろうぜ」
「そうですよ。今回は俺様が新たな力を手に入れましたが、お宝は色々な場所にありますから、きっとレン師匠が想像するお宝がありますよ」
「そうね。世界は広いから、きっと凄いお宝が見付かるよ」
「レンお兄ちゃん、次も頑張ろう」
四人がレンを励ますと、目をキラキラさせていた。
「そうだね、次は頑張ろう」
「レン君、元気になったね」
「やっぱり、笑顔のレンが一番だよ」
「そうですね、次は頑張りましょう」
「レイスは帰ったら修業だよ。あの音はちょっと迷惑だから」
「えっ、もしかして、お腹の音を聞いていたんですか」
レイスは四人にお腹の音を聞かれて、顔を赤くして恥ずかしい表情を見せている。
「そうだよ。レンに言われて、フォレストの中に流していたがうるさいよ。だから空腹状態で修業な」
ファングとカイトに頼んで、外の音をファングの耳を通して、響かせていた。
「そんな、それじゃ二人が可哀想ですよ。二人が嫌がっていますよ」
レイスは精神にいる二人を持ち出して、拒否していた。
「レイス、二人は関係ないよ。だって君がレイスだよね」
「うっ、確かに、分かりましたよやりますよ。はぁ、二人のせいで、とばっちりですよ」
「お前、二人に責めるのか?」
「いえそんなつもりでは、俺様は二人ですから、受け入れますよ」
レンに指摘されて、レイスはガックリしていた。
「それじゃ帰ろうか」
「そうね、帰りましょう。今日は疲れたわ」
「僕も疲れたよ。魔法の練習は暫くあけて良いよね」
「うん、別に良いよ。疲れを取ってからやろうね」
「レイス、まだ落ち込んでいるのか?」
「落ち込んでいませんよ。今からお腹を空かして、早くお腹の音を調整するんですよ。そうじゃないと、俺様はいつまでもご飯が食べられませんよ」
「そうだな、まぁ頑張れよ」
五人は楽しく会話しながら、自宅に向かって、もと来た道を戻っているのだった。
次回更新は未定です。温かくお待ち下さい。次回更新は番外編になります。間もなく第6章スタートです(。>ω<。)




