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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第5章 長い夏季休暇中に巻き起こる冒険と新たな事件 最終節 学園が始まるまで遊び尽くす五人と新たな悩み!
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#74 リノワール王国にある遺跡と五人を襲う試練(地下三階~地下六階編)

お待たせしました。第74話公開です!冒険を待ち受ける五人の試練は‥‥!続きをどうぞ(。>ω<。)

おかげさまでPV30000突破ありがとうございますm(_ _)m

 六人はフォレストの中で食事を済ましていた。


「それじゃ、カイト、また来るよ」

「うん、僕はファングの中で見ているね。ファングは四人をよろしくね」

「分かっているよ。何かあったら、お前の力も借りるよ」

「分かった、その時は力を貸すね」

「それじゃ、お前らを外に出すな。そこを動くなよ」


 カイトに挨拶すると四人はフォレストの中から出ていた。


「ファング、ありがとう。あそこで寄り掛かっていたの?」


 ファングの本体を気にしていたレンは、ファングに確認していた。


「あぁそうだよ。立っているのも変だから、壁に寄り掛かっていたんだよ」

「そうなんだ。今回は寄り掛かれたけど、次からはファングの為に、安全な方法を考える必要があるね」

「レン、無理に考えなくても良いよ。そこは俺が何とかするから」


 レンが色々悩んでいるので、ファングが止めていた。


「本当に大丈夫なの?」

「あぁ、大丈夫だよ。いつまでも、お前に頼っていると罪悪感になるんだよ。だから、これだけは俺にやらせてよ」

「分かった、ファングに任せるよ。それじゃ行こうか」


 ファングの事を心配していたが、大丈夫と言われたので、これ以上言うことはなかった。五人は階段を下りて地下三階にやって来た。


「何だよ。ここは」

「うぁ、道が湖になっているよ」

「凄いわ、どうやって作ったのかしら、ここ地下だよね」

「凄いです。どうやって進むんでしょうか?」


 道は途中から、湖みたいな沼地が一面に広がっていて、石版には見たこと無い石が埋め込まれていた。


「これ、泳いで行くの?」

「嫌よ、濡れるのは絶対に嫌!」


 アリスが全力で、行きたくないと言っていた。


「レン師匠、ここにも石版がありますけど、変な石が埋め込んでいますよ」


 レイは石版にはめてある石を指差していた。


「本当だ。この石は何なの?」

「これは、精霊抑止石だわ」

「精霊抑止石って何?」


 アリスが精霊抑止石と言っているが、精霊を使っているレンは知らなかった。


「精霊使っているんだから、少しは知っていた方が良いわよ。簡単に言えば、石版を越えたら精霊の力が使えなくなるよの?」

「えっ、精霊が使えないの? それじゃファングはどうなるの?」

「多分、精霊の力は使えないわ。姿が消えたりしないから安心して」

「そうか、一時的に人間になるんだな」


 アリスの説明を聞いて、笑顔になっていた。


「何で笑顔なの?」

「当たり前だろう、さっきのあれを見せられたら、分かるだろう」


 地下二階で自分の分身と戦っていた時、姿がフォレストだった事に、ファングはショックを受けていた。


「確かに、ファングは人間らしく生きるのに、フォレストの姿が本来だと突き付けられたわね」

「だから、一時的に精霊の力が使えなければ、人間だろう」

「確かにそうだけど、複雑よね」

「複雑なのは俺だって分かっているよ。レンを護るには精霊の力は必要だからな。だけど、一度ここで人間の力を試したいんだよ」


 ファングは本来の実力が試せると、ワクワクしていた。


「なら、ファングは泳いで行ってね」

「アクト、精霊抑止石の外から運んでくれる」

「なっ、精霊の力は使えないんだろう」


 ファングはアリスに言っていたが、レンが説明していた。


「使えるよファング。だって、反対側にも石版があるから、この空間だけ、使用出来ないんだよ。つまり、石版の外から精霊の力を借りれば問題ないよ。そうだよねアクト」


 奥を見ると、同じ石版が見えていた。


【あぁそうだよ。俺も初めて見るけど、対策はあるからな。遠くからコントロールするから、かなりの魔力を使うけど問題ないぜ】

「そう言うわけで、ファングは泳いで行きなさい」


 四人はアクトの魔法で奥に運んでいたが、ファングは泳いでいた。


「ファング、ファイト!」

「お前らは鬼だ!」

「ファングがやるって言ったんでしょう」

「いや、言ってないよ。実力を試すと言ったけど、泳ぐ何て言ってないぞ」


 ファングは必死に泳ぎながら、四人に怒っていた。


「はぁはぁ、何とか着いた。マジで溺れ死ぬかと思った」


 ファングは辿り着くと、床に倒れていた。


「頑張ったわねファング」

「そうだね。精霊の力も戻ったから、フォレストの力で体を修復して、全然濡れてないね」


 ファングの体は全く濡れてないので、精霊の力が戻っているのが分かった。


「もう嫌、お前ら鬼だよ。何で俺だけ泳いでいるんだ。普通はレイも泳がせろよ。レイはレイスだろう」

「何で俺様が泳ぐんだよ。何でも俺様を巻き込むな」

「何だと、お前は完全体になるんだろう。なら泳いで、二人の絆を深めろよ」

「俺様は戦いで絆を深めるんだよ。何で泳いで深めるんだよ」


 ファングとレイが喧嘩していた。


「相変わらず、ファングはレイを敵意しているわね」

「そうだね。レイと言うか、レイスに食い掛かっているけどね」

「ファング、レイ君、喧嘩しないで先に行くわよ」

「そうだな。レイ、次はちゃんとやれよ」

「何で俺様がいちいち、ファングの付き添い何だよ」


 レイが納得していない中、ファングが強引に纏めていた。五人は地下四階に進むと、そこは真っ暗で何も見えなかった。


「くら! 何も見えないよ」

「俺は見えるけど」

「ファングは光と闇の精霊だから見えて当然でしょう」 

「これじゃ、自由に動けませんよ」

「レンお兄ちゃんどこ?」


 五人はそれぞれ、暗闇の中を歩いていた。


「レン君、どこにいるの?」

「僕はここだけど、何でファングは光魔法を使わないの?」

「えっ、あぁ忘れていたぜ」


 ファングは慌てて、光魔法で辺りを照らしていたが、四人はファングを睨み付けていた。


「何だよ。その目は、来るなぁ」


 ファングは四人にボコボコにされていた。


「全く使えない精霊だわ、レン君、ファングと契約破棄すれば」


 アリスの言葉を聞いて、ファングの表情が険しくなっていた。


「ちょっと待って、さっきは悪かったから、レンに変な事を言わないで」

「なら、次は気を利かせなさい」

「分かっているよ。カイトも気付いたら、教えろよ。光系はカイトだろう」


 アリスに言われて、ファングはカイトに怒っていた。


「ごめん、お昼を食べた後、昼寝をしていたよ。アハハッ」

「笑い事じゃない。お前のせいで危うくレンと契約破棄される所だったんだぞ」


 深刻さに気付いて、カイトが反省していた。


「えっ、そうなの、ごめんファング。次は気を付けるよ。レン君と契約破棄したくないよ」

 カイトはファングに謝ると、ファングはカイトに活を入れて、話を終わりにしていた。


「また石版があるわね」

「多分、各階にあるんだよ。レオス、何て書いてあるの?」


 レオスは石版を見て、喋り始めた。


「暗闇の中に、新たな道が開かれるだって」

「それって暗闇の状態じゃないと、地下に続く道が現れないの?」


 アリスが驚いていた。


「そうみたいだね。だけど大丈夫だよ。ファングがいるでしょう」 

「あぁ、そうですね。ファングは暗闇でも見えますね。さすがレン師匠です」


 四人はフォレストの中に入り、様子を伺っていた。


「さすがファングね。ファングが見ているのが分かるわ」


 アリスはファングが見ている映像を見て、驚いていた。


「それにしても、簡単に試練をクリアしているよね」

「そうだねレン君、僕達が優秀なんだよ」

「カイトの言うとおりだわ。私達がそれぞれ特性を生かしているから、行けるだけだよ」

「そうだね。ファング、頑張って階段を見つけてよ」

「あぁ、任せろ。お前らは中でゆっくり休んで見ていろ」


 ファングは自信満々に言うと、階段を目指して歩き進めていた。


「ファングが階段を探している間、私達は一休みしましょうか」


 アリスはフォレストの中に完備した冷蔵庫から、飲み物や食べ物を持って来た。


「ファングにもあげないとね」

「確か、直接細胞に与えるだよね」

「そうだよアリス。ファング、大好物のお菓子あげるね!」


 レンは食べ物や飲み物を下にわざとこぼすと、フォレストの細胞が勢いよく、食べ物や飲み物を捕食していた。


「うめー、レンもっとくれよ」


 ファングは歩きながら、笑顔になっていた。


「勢いよく食べ過ぎよ」

「良いだろう。お前らは俺とカイトの中何だぞ! さっきの食べ物が中から伝わってくるぜ」

「分かったから、お腹触る仕草をしないの、みっともないわよ」


 ファングの目線が若干下がって、手をお腹に当てている仕草が見えたので指摘していた。


「あっそうだった。つい美味すぎて、お腹を触ってしまったぜ」

「それじゃ、少しずつあげるから、ファングは引き続き頑張ってよ」

「ありがとうレン、俺頑張るから」


 レンは時々、フォレストの中にこぼすと、ファングは一番の笑顔で歩き進めていた。


「それにしても、地下に続く階段はどこにあるんだ?」


 ファングは暗闇の中を歩き回っているが、中々見つからなかった。


「そうね。だけど石版の意味だと暗闇の中で見つかるはずよ」

「確かに、だけど地下の階段が見えても良いけど、見当たらないよね」


 ファングが見ている映像を見ながら、考えていた。


「ファング、床に不審な場所とかない? もしかしら暗闇の中しか分からない方法があるんだよ」

「分かった、とりあえず確認して見るよ」


 ファングは周りをくまなく見渡しながら、歩いていると、壁から小さな光が漏れているのを発見した。ファングは光が漏れている壁を触っていると、壁の一部に違和感があった。


「レン、この壁変だよ」


 ファングに言われて見ていたが、特に変化している様子は見えなかった。


「うーん、この映像だと分からないな。ファング、とりあえずそっちで確認して」

「ファング、気を付けなさい。罠かも知れないから」

「分かっているよ。慎重にやるから、お前らは見ていろ」


 四人が色々言うので、ファングがキレていた。ファングは光が漏れている所を触ると、壁が崩れて隠しレバーがあった。


「よし、レン押すぞ」

「うん、分かったよ。危険だと感じたら、フォレストの力を使いなよ」


 ファングはレンに言われた事に頷くと、思いっきりレバーを下に押すと、遠くで音がした。


「ファング、もしかすると‥‥‥」

「あぁ、間違い、地下へ続く階段だよ」


 ファングは音がした方に走ると、地下へ続く階段を見つけていた。ファングはフォレストの中から四人を出すと地下五階に来ていた。


「次は道が無いわよ」


 途中で床がなくなり、大きな穴が遠くまで続いていた。


「本当にここ地下なのか、穴の底が見えないぜ。落ちたら助からないぜ」


 穴を除くと、底が見えず深い暗闇だった。


「また石版だね」


 穴になっている手前に石版があるので、次は何の試練なのかレオスに聞いていた。


「真実の目を見ることが出来れば、道が開かれるだよ」

「真実の目ってどう言う事だ?」


 五人は石版の意味を考えていた。


「雰囲気的に、ここは光の試練だよね」

「そうね。だけど分からないわ」

「レイはどうなんだ。その姿になって一度も活躍無いぜ」


 レイの姿になってから、何もしてないのでファングが怒っている。


「分かっていますよ。だからこうして俺様考えているんでしょう。二人の思考を巡らせても分かりません」


 レイはレイスとレイビィスの脳を使って、考えていたが何も思いつかなかった。


「本当、使えないよな。お前は脳筋かぁ?」

「失礼ですよ。ファングだって脳筋でしょう?」

「何だと!」


 些細な事で喧嘩を始めていたので、三人は無視して話していた。


「相変わらず、小さな事で吠えるわね。とりあえず、色々試してみましょう」

「そうだね」


 ファングとレイが喧嘩している間、三人は試せる事を始めた。まず最初に、石ころを投げて、見えない床がないか確認していた。


「えっい!」

「ヒュー‥‥‥」

「駄目ね、普通に落ちたわ、しかも深いわ。音が聞こえないんだけど」


 石ころが当たる音すら聞こえないので、穴に落ちたらどうなるのか、不安だった。次に水系の魔法で、あたり一面を濡らして、さっきと同じ事をしたが、やはり穴に向かって流れていた。


「これじゃ、通れないわ。ファング、いつまで喧嘩しているの? ファングの力で飛んで、私達を運べないの?」


 喧嘩している中、ファングに聞いていた。


「無理だよ。確かにフォレストになれば空を飛べるけど、お前らの体重が乗るから無理だよ。せいぜい契約者のレンだけだよ」


 フォレストの中は大量に入れる事が出来るが、入れすぎると体重が増加するので、見た目は普通だけどかなり重くなっていた。


「へぇ、見た目は普通なのに、かなり体重があるの?」

「なら、試してみるか? レン、俺をおんぶしろ」


 ファングに言われるまま、背中に乗せてあげようとした時、いきなり重い物が背中に走り、倒れていた。


「何今の、危うく背中の骨を骨折するよ」

「これで分かっただろう。お前らが色々やるから俺の体重はピーだよ」

「何よ、今のピーは、恐らく何トンレベルね」


「お前、言うなよ。今度身体測定されたら、俺が人間でないと直ぐにバレるよ」


 ファングは凄く落ち込んでいた。


「大丈夫だよ。その時はカイトと分離して、一時的に全部庇って貰えばバレないよ」

「あっそうだったその手があったな。忘れてたぜ」


 学園の人達に、バレない方法が見つかって喜んでいた。


「ファングが一気に運べないようだと別の方法を考えましょう」

「えっ、一人一人運んでやるぜ」


 ファングは全員を運ぼうとしたが、アリスに止められていた。


「ダメよ、レン君の魔力も使うよね」

「うっ、確かに、一人一人だと魔力の消費が半端ないな」


 レンの魔力を使うので、悠長していた。


 何でやめるの? ファングはアリスの言いなりにならないで、多少の反則も良いよね。


 折角奥に行けるのに、何で止めるのか、レンには理解出来なかった。


「ファング、ちょっと来て」

「レン、俺に何か用か?」


 レンに呼ばれて、ファングがビクビクしている。


「ファング、ごにょごにょ」

「なっ、レンやめろ!」


 ファングはレンに言われると、フォレストになって試しに、反則で行けるか実験していた。


「ファングに何を言ったの?」

「さぁ、何だろうね?」

「レン師匠が恐いです」


 四人はフォレストを見ていると、フォレストは見えない攻撃を受けていた。


「やっぱり反則は出来ないか?」

「出来ないかぁ、じゃないわよ。ファングの体がバラバラになっているわよ。ファング、死んじゃうよ」


 フォレストの体は無残に切り刻まれ、バラバラになって穴に落ちていた。


「大丈夫だよ、(心臓)が壊れない限りファングは生きているよ。フォレスト、戻って来な」


 レンが呼ぶと、頭上からフォレストの細胞が大量に落ちて動いていた。

「何これ、気持ち悪いわ」

「そんな事を言ったら、ファングとカイトが可哀想だよ。ほら、細胞が一つになって、体を形成始めたよ」


 バラバラになったフォレストの体は一つに纏まると、ファングの姿を形成していた。


「レン、酷いよ。俺を殺すきか」

「えっ、大丈夫だよね。それにファングは人間じゃないと証明したよね」

「そんな分けないだろう。俺とカイトの心臓がやられたら終わりだぞ!」

「それはそうだけど、フォレストの姿なら、心臓は空間の中だよね。僕達が中に入って攻撃しない限りファングとカイトは死なないよね」

「確かにそうだけど、人間の姿だと、簡単に死ぬぞ」


 レンが恐ろしい事を考えているので、ファングは頭を抱えて、悩んでいた。


「それにしても凄いわね。たくさんバラバラに刻まれても生きているんだから」


 フォレストの様子を見ていたアリスが、さっきの事を思い返していた。


「それが精霊何だろう。俺は化け物だよ。それにレンは俺を道具しか見てないよ」

「そうかもね。ファングはそれで良いの?」


 道具みたいに扱われているので、ファングは落ち込んでいた。


「良いよ、俺は別に気にしてないからな。俺はレンの傍にいられればどんな姿でも構わないよ」

「そう、ならレン君に言われても反抗しないことね」


 レンはアリスとファングの会話を気にせず、次の方法を考えていた。


「分かっているよ。だけどレンの命令はいつも酷な要望だし」

「それは仕方ないよ。ファングは精霊だから。だけど一つだけ言えることがあるよ。レン君はファングを信頼しているから頼んでいるのよ。普通は頼まないわ」


 アリスに言われると、ファングは声を詰まらせていた。


「えっ、本当なのかアリス」

「そうよ。だってファングは最近レン君といる時間が長いでしょう」

「確かに、レンは俺を考えているんだな」


 アリスに言われるとファングはレンの所に来ていた。


「レン、俺をたくさん使ってよ」

「うぁ、何にファング、急に?」


 考えて込んでいたレンに飛び付いたので、驚いていた。


「俺、何でもやるから命令してよ。どんな危険でもやるから」


 ファングの言葉を聞いて、レンの表情が険しかった。


「ファング、僕がどうして命令したか分かっているの?」

「俺は精霊だからだろう?」

「確かにそうだけど、僕はフォレストになれば死なない事に気付いたから、命令したんだよ。フォレストになればファングとカイトの心臓は空間の中で護られるでしょう。僕見たんだよ、ファングとカイトの心臓が特殊な力で護られている事を、しかも僕達が休む所に仕込んでいたでしょう?」


 レンはフォレストの中にいた時、色々確認しているので、ファングは笑っていた。


「アハハッ、やっぱりレンは凄いな。何で俺とカイトの心臓がお前らのいた、近くにあると気付いたんだ」

「いや、明らかに不自然な大きさが二つあるよね。しかも僕が休むテーブルの目の前に大きな球体が二つ、上下の細胞と繋がっているから」


 フォレストの中で、レンは不自然な物を見つけていた。


「アハハッ、そうだっけ」

「笑い事じゃいよ、何でみんなが見える所にあるの?」

「確かに、私達も気になっていたわ」


 レンとファングの会話を聞いて、アリス達が話に加わっていた。


「お前らの傍が安心だからだよ。お前らの空間は特殊だから、心臓を隠す場所に打って付けなんだよ。色々な家具でカモフラージュ出来るだろう?」

「確かに雰囲気的にカモフラージュしているけど明らかに変だよ。上下で繋がっている細胞なんて」

「そうかな。俺は良いと思うけどな」


 ファングはあまりにも考えが甘かった。


「ファング、それじゃ心臓を突いて下さいと言っているのと同じよ。何で分かりやすい場所にあるの? 心臓は特殊な細胞で隠しているけど、バレるに決まっているでしょう」


 アリスがファングに注意していた。


「別に心臓を突いても、構わないよ。簡単に心臓を突く事は無理だから、細胞を剥がしても、俺とカイトの心臓は特殊な膜と力で常に護られているから、心臓を突くのは無理だよ。俺を殺せる事が出来るとすればレンだけだよ」

「確かに、精霊だから、なせるけど、もう少し考えた方が良いね。ファング、僕の命令に従って」


 ファングの考えが甘いので、レンが命令していた。


「うっ、うぁ、レンやめて命令を止めて、俺の心臓がぁ」

「ごめんファング、苦しいけど我慢して」


 レンはフォレストの心臓を変化させていた。


「レン君、ファングにあんな命令してよかったの?」

「仕方ないよ。ファングの為だから、多少苦しくてもファングは喜ぶよ」


 レンはファングの事を心配していた。暫くするとファングは苦しみがなくなっていた。


「ごめんファング、あんな命令をして」

「良いよ。これは俺の為なんだから、それにこれで、俺はお前を更に感じやすくなったからな。今度からレンのベッドは俺の心臓だからな」


 レンが命令したのと、違う言葉が返ってきた。


「えっ、僕はそんな命令してないよ。あくまで分かりにくい場所に移動してと言ったハズ? まさか‥‥‥」

「そのまさかだよ。お前の命令で心臓を移動する時に、お前のベッドを喰らって、そこに俺とカイトの心臓をベッドに変化させたんだよ。俺の鼓動が常に伝わって良いだろう。常に俺とカイトの感情が伝わるよ」

「本当に気持ち悪いわ。心臓の上に寝るなんて」

「うるさい、心臓があっても細胞で覆われているから分からないよ。それにちゃんとベッドになっているから分からないよ。フカフカの布団が下に敷いてあるから、絶対にバレないぜ」


 ファングがあり得ない事をされたので、レンは頭を押さえていた。


 何で心臓の上で寝るの? 確かに、どこから見ても分からないけど、おかしいよ。ファングは何を考えているの? カイトはどうして反論しないの?


 フォレストの中にカイトがいるのに、何で反抗しないのか理解出来なかった。


「レン、早く俺のベッドに寝なよ。俺の鼓動を感じて欲しいよ」

「えっ、また今度ね。今は遺跡の探検でしょう?」


 このままだとファングに流されるので、話を戻していた。


「確かに、それじゃ終わったら寝てよ」


 ファングがしつこかった。


「ファング、いつまでやっているの? さっさと先に行く方法を考えなさい」

「それなんだけど、レン、俺と精霊依にならないか? 今回はカイトにバトンタッチするけど」


 ファングがレンに提案していた。


「えっ、精霊依になるの?」

「あぁ、そうだよ。他に方法があるとすればそれしか無いだろう。フォレストと精霊依をするんだ。俺もサポートするけど、今回はカイトな。光の精霊の力を司っているから、攻略の手がかりが見付かるかもよ」

「なるほど、ならやって見る価値はあるけど、精霊依になったら僕はフォレスト見たいになるの?」

「さぁな、やって見ないと分からないだろう」


 若干不安があるが、やって見ないと先に進まなそうなので、さっさと精霊依をしていた。


「これが僕なの? 特に変わった様子がないな? アリス達はどう見えてるの?」


 アリス達に尋ねると、口をガクガクしていた。


「レン君がイケメン過ぎるわ。超カッコいいわ」

「さすが、ファングとカイトさんですね。イケメンがレン師匠に移っていますよ」

「レンお兄ちゃん、カッコいいよ」


 三人は凄いと言っているけど、自分の姿が見えないので、アリスが鏡を渡すと、驚いていた。


「何じゃこれは、えっ、これが僕なの? 目がオッドアイで、髪が三色だし。しかも顔付きが別人何だけど」


 レンは鏡を見ながら、体を触っていた。


「体はレン君ベースだけど、ファングとカイトが混ざっているから仕方ないよ。しかしイケメン二人が合わさると凄いわね。女性達が集まりそうね」


 アリスは別の意味で危惧していた。


「凄いな、これが精霊依何だね。レン君の魔力が伝わるよ。しかも極上だね」

「だろう、レンの魔力が染み渡るぜ。このまま居たいよな」

「それはやめて、何でカイトも同じ事を言うの?」

「えっ、みんな考えは同じなんだ」


 カイトが精霊達と同じ事を言うので、レンは頭を押さえていた。


「それよりも、ちゃんと人間みたいなれてよかったな」

「そうだね。まさか、イケメンになるなんて、想像しなかったよ」

「でも、これで俺とカイトは人間だよな」

「確かに、見た目は人間だけど、体はレン君だよ」

「それでも良いんだよ。俺は人間を体験出来るからな」


 精霊依の時だけ、フォレストみたいな化け物にならないから、ファングはホッとしていた。


「カイト、お前がレンを誘導しろよ。俺とカイトは連動して、レンをサポートするんだから」

「分かっているよ。意識は分離してるけど、体をサポートするには僕とファングの意識が合わないといけないからね」


 ファングとカイトは心を交わしていた。


「それにしても不思議だよ。僕の中にファングとカイトがいるのに、二人がいる感じがしないよ」

「それが精霊依なんだろう。俺とカイトは精霊なんだし。だけど、俺とカイトはレンを強く感じるよ。魔力に浸ってかなり気持ちいいし」


 レンは胸に手を当てて、ファングとカイトを感じていた。


「それじゃ始めようかレン君、僕の力を貸すから、真実を見透す目で周りを見てね」

「分かったよ」


 レンはカイトに言われるまま、遠くを見ていると、カイトが力を解放して、片目が光っていた。


「凄い、さっきまで無かった床が見えるよ」


 カイトの力を使うと、見えない床が突然現れていた。レンはカイトの力を借りて、床に向かって歩いていた。


「嘘、レン君が浮いているわ」


 アリス達には見えてないので、不思議な光景だった。


「アリス、僕が歩いて来た所を歩いて、ただし踏み外したら落ちるよ」

「アリスさん、レン師匠が恐い事を言っていますよ」

「そうね、だけど行くしかないわ」

「僕は恐いから、兄さんに任せるよ」


 アリス達はレンの後ろを慎重に歩いていた。


「レン君、どのくらいの幅があるの?」

「そんなに無いよ、普通の石畳の大きさかな」

「あんまり余裕はないわね」

「だけど恐いよ。下が透けているよ」


 見えない床下を見ると、深い暗闇が広がっているので、三人は怯えながら慎重に歩いていた。


「はぁはぁ、やっと着いたわ」

「よく頑張ったなぁ」


 精霊依を解除して、ファングが声を掛けていた。


「これもファングさんのおかげですよ」

「いや、違うぜ。カイトの力だよ」

「どっちでも良いでしょう。とりあえずありがとうと言っておくわ」


 三人はファングにお礼をすると、五人は地下六階に来ていた。


「何だよ。次はクソ熱いぞ」

「本当にここ、遺跡なの? マグマが噴き出しているわよ」


 地下六階に来ると、床下はマグマが噴き出して、異様な熱さが辺り一面に広がっていた。


「とりあえず、魔法で炎耐性を付けるわね」


 アリスが魔法を掛けて、耐熱性の膜を全体に掛けていた。五人はマグマが噴き出す、道を歩き進めると中央に石版があった。


「六つの属性が合わさる時、新たな道が開かれるだって」

「今度も難しいわね」

「多分、あれだろう?」

「そうだね」


 奥にを見ると、六つの石像が置かれていた。


「水、闇、土、風、火、光の順番に向いているね」


 石像にはそれぞれの属性が描かれていて、適当な向きで配置されていた。


「これを動かせば良いんだよな」

「そうね、ただし法則にすれば良いんだわ」


 五人は手分けして、石像を動かして、法則通りにしたが反応が無かった。


「おかしいわね。火、水、土、風、光、闇であっているハズなんだけど?」


 法則通りに並べたのに、何も起こらないので、五人は悩んでいた。


「何で、何も起きないの?」

「俺に言われても困るだろう。レイ、たまには活躍しろよ」


 レイになって、まだ活躍がないのでファングが怒っている。


「俺様だって考えているんだよ。うん、待てよ。レン師匠、光と闇の位置が違うのでは?」

「えっ、光と闇は対だよね」

「違います。六属の属性が合わさるには、別の観点から見ないと行けないですよ」

「あっ、そう言う事ね。光と闇は特殊で分離しているけど、六属性に例えると、順番は、光、火、水、土、風、闇か闇、火、水、土、風、光のどちらかね」


 レイ、意味を理解したアリスがさっそく、石像の向きを変えて、新しい順番にすると、石像から何やら音がした。


「スゲーじゃんかレイ、もうレイの姿で生きれば」

「えっ、それは二人に聞かないと、何とも言えませんよ」

「良いじゃんか、どうせレイスで生きるんだから」

「レン師匠、助けて下さいよ」

「ファング、レイをからかっちゃダメだよ」


 レイとして生きろとファングが強く言っていたので、レンが注意していた。


「だって、完全に二人の意識が一つになっているんだぜ。なら、この姿でも充分生きられるだろう、ちゃんと食事や排泄は出来ているんだから」

「それはそうだけど、それを決めるのは二人だよ。もし二人がレイとして、生きるのなら、その時は尊重してあげよう。それまでは、ファングが言うのはおかしいよ」


 レンに言われて、怯んでいたが、ファングはレンに提案していた。


「うっ、確かに、なら、二人に聞いて見ようぜ」

「はぁ、それでファングが納得するなら、レイ、ファングのわがまま聞いてあげて」

「分かりました。仕方ありませんね」


 レイは呆れながら、レイスの姿に戻っていた。


「ファングさんはレイの姿が良いんですか?」


 レイスがしょんぼりしていた。


「だって、その姿の方が最強だろう、格闘と魔法を持ち合わせるレイの方が」

「確かに、僕の格闘技とレイビィスの魔法を持つレイは最強ですけど、ファングさんは本当にそれで良いんですか?」


 レイスはファングにもう一度確認していた。


「俺は良いと思うけどな。いちいち、レイビィスに変わっている時間が勿体ないだろう」


 ファングに指摘されると、何を思ったのかレイに前向きになっていた。


「確かに、時間が勿体ないですね」

「だろう、だからレイビィスと話をさせろ」


 レイスは納得したまま、レイビィスに変わると、レイビィスも納得していた。


「さすがファングだぜ、レン様を護るにはその方が良いな。アルビィスの俺様は完全に消えて生まれ変わるのか、どの道俺様は死んでいるのと同じだな」


 レイビィスは過去を振り替えながら、新しい人生を想像していた。


「なら、さっさとレイになれよ、レイビィス」

「なら、もう一度レイスと話な、俺様は良いけど、体の所有者はレイスなんだからな」


 レイビィスはファングに伝言を言うと、再びレイスに戻っていた。


「レン師匠、僕、僕は‥‥‥」

「レイス、もしかしてレイになる気なの」


 レイスは涙を流しながら、四人を見ていた。


「僕、決めました。僕の存在は消えますけど、僕はレイの中で生き続けるので、レイとして見て下さい」

「分かったよ。ごめんレイス」

「何でレン師匠が謝るんですか? 僕はむしろ感謝しますよ。新たな力が手に入るんですから」


 レイスはレンを抱きしめるとファングに伝言を伝えていた。


「ファングさん、レイになってもしっかり管理して下さいよ」

「分かったよ。しっかり管理してやるよごめんなレイス、俺のわがままに付き合って」

「構いませんよ。ファングさんは僕のライバルですから、それじゃ僕は行きますね」


 レイスは涙を零しながら、深呼吸すると、レイの姿になろうとしていた。


「何これ、レイになる過程で体が光っていったけ?」

「レイスとレイビィスがシンクロしているんだよ。完全に一つになっている証拠だな。多分一度なったら後戻りは出来ないぜ。ごめなレイス、俺のせいで、恨んで構わないぜ」

「レイス、本当にごめん」


 レンとファングはレイスとレイビィスに謝りながら、見届けるとレイの姿に変わっていた。


「あれ、何で俺様、涙を流しているんだ。止まれ、止まれ、何で勝手に流れるんだよ」


 レイの意識で涙が止められず、混乱していた。


「レイも泣いているんだな」

「うるさい。これは二人の涙だよ」

「そうだね。レイになっても二人には変わりないんだね」

「レン師匠、俺様、うぁ‥‥‥」


 レイはレンに抱きしめると二人分の涙を流していた。


「レイ、もう落ち着いたか」

「はい、落ち着きました。二人はちゃんと生きていますから安心して下さい」

「うん、分かっているよ。二人はここにいるんでしょう」


 レンはレイのお腹を触って、レイに確認していた。


「はい、ちゃんといますよ。だって俺様はレイスとレイビィスだから」

「そうだな。お前の体はレイスとレイビィスだったな」

「そうです。だから、レン師匠の声は聞こえていますよ。ほら、相づちして、お腹が靡いていますよ」

「アハハッ、凄いね。だけどレイが動かしているんでしょう。二人の機能はレイなんだからな」


 二人の体は完全に一つになったので、レイの物と思っていたが、否定していた。


「レン師匠、確かに俺様が動かしていますけど、胃袋は二つだし。排泄量も二倍ですよ。それに俺様の意識は二人で一つですよ。だから名前で言えば、レイスレイビィス・ドレイクです」

「なんか二人の名前を繋げただけだなぁ」

「ファング、俺様の名前にいちゃもん付けるんですか?」


 ファングが期待ハズレの態度を見せるので、レイが怒っていた。


「お前、レイと言うより、完全にレイス寄りだろう。レイビィスはどこにいった?」


 喋り口調がレイスなので、ファングが質問すると何故かレイがキレていた。


「はぁ、俺様を侮辱するんですか、見て下さいよこの耳と肌質、完全にレイビィスでしょう。それに片目だって」


 レイは体を指しながら、レイビィスのパーツをファングに説明していた。


「いや、人格の話してるんだけど、なんか僕が俺様に変わった程度でレイビィス要素ないよな」

「何だとファング、俺様に向かって良い度胸ですね。レン師匠、ファングをしごいて良いですか、一度言い聞かせないと行けないみたいだし、レイビィスの力を見せてやります」


 レイの限界は頂点に来ていた。


「アハハッ、ファング、レイを挑発しないの? 人格はレイス寄りだけど、レイビィスはいるんだよ」

「レン師匠、俺様嬉しいです。レイビィスはちゃんといますよ。あまり表向きではないので、力で証明しますよ」


 レイは笑顔でレンに答えていたので、ファングが不満を見せていた。


「お前、レンと態度が違うだろう」

「はぁ、当たり前だろう。何でファングに優しくするんだよ」

「今度はレイビィス寄りかよ」

「これで分かったでしょう。俺様は二人の意識で動かされているんですよ。俺様の感情は常にレイスとレイビィスのどちらかですからね」

「分かったから、そんな目で見るなよ。お前の体どうなっているんだよ」


 レイスとレイビィスの態度を自在に変えられる事を知り、ファングは驚いていた。


「それでレン師匠、名前はどうします。レイですかそれともレイスですか?」

「お前、レイビィスの選択肢はないのか?」


 レイビィスの名前が選択肢になかったので、ファングが驚きながら聞いていた。


「レイビィスって誰ですか? 俺様はレイかレイスのどちらかしかないですよ」

「そうかよ。レイビィスは自分の存在を本当に消すんだな」


 レイになる前に言った言葉を思い出して、罪悪感になっていた。


「レン師匠、ファングはほっといて決めましょう。どっちにしますか?」


 レイがレンに聞いていた。


「えっ、僕が決めるの? レイが決めなよ」

「俺様が決めるんですか、うーん、ならレイスで良いですか?」

「うん、良いけど、レイをやめるの?」


 二人が融合した少年はレイスの名前を選んだので聞いていた。


「はい、俺様はレイスです。レン師匠は言いましたよね。どんな姿でもレイスだって、だから俺様はレイスで生きますよ。名前もレイス・ドレイクですよ」

「分かったよ。なんか変な気分だけど、宜しくねレイス」

「はい、俺様も変な気分ですけど、レイビィスに取っては新しい名前ですよ。これかもレイスとして、見て下さい。レイビィスもお腹で喜んでいますよ。新しい人生が始まると言っているのが伝わりますよ」

「アハハッ、レイスはレイビィスの代弁が上手いね」


 レイからレイスに戻して、レイスは笑顔で答えていた。


「何というか、男と男の約束みたいね」


 三人の様子を見守っていたアリスが頷きながら色々考えていた。


「アリスさん、レオスさん、改めてレイスとして宜しくお願いします。俺様、頑張ります」

「レイスとレイビィスが一つになっても、中身はあまり変わらないのね」

「アハハッ、基本的に変わりませんよ。喋り口調や態度以外なら、俺様はレイスですからね」


 二人が融合しても、態度なとがレイス寄りなので、アリスは驚いていた。


「なぁレイス、精神の中では、二人と会話出来るんだろう?」

「はい、常に二人は俺様の目を通して見てますよ。時々二人の助言をくれますから助かっていますよ」


 レイスとレイビィスは両目を通して、見ていた。


「そうか、なんか変わっているな。お前は本当に第三の人格何だな。なら、定期的に二人の意見は聞きなよ、お前は二人の自我なんだからな」

「ファング、俺様は二人ですよ。第三の人格はありませんよ。なんか勘違いしているので、言いますけど俺様はレイスとレイビィスの自我ですからね」


 レイスは否定していた。


「いや、それじゃ第三の人格だろう、お前の言いたい事は分かるけど、現実を受け入れろよ」

「むっ、仕方ないですね。とりあえず第三の人格と思って構いませんよ。だけど、精神と人格は切り離して考えて下さいよ。確かに第三の人格に見えますけど、精神の中で二人がコントロールしているんですからね、俺様の自我は精神にいる二人の物何ですからね」


 レイスは納得していなかったが、ファングはレイスの説明を真剣に聞いていた。


「そう言う事かよ、だから自在に性格を変えたりしていたのか」

「そうですよ。これで俺様の謎は解けましたね。だから俺様はレイスとして、見て下さいよ。レイビィスで見たら殺します」

「あぁ、分かったぜ。レン達も理解したよな」

「そうだね。だけど凄いよ。まさかそんな体の作りになっているなんて」

「すみませーん、今まで黙っていて」


 レン、アリス、レオスはレイスの説明を聞いて納得していた。


「レイス君の体に興味あるけど、それはこの遺跡が終わったらゆっくり見せてね」


 二人が融合した体に興味を示していた。


「はぁ、別に良いですけど、俺様を色々実験しないで下さいよ」

「分かっているわよ。安心して()()()()

「なんか嫌な予感しかしませんね」


 アリスが不気味な笑みを見せていたので、レイスが怯えていた。


「それよりも石像を動かして、音がしたけど特に変化無いよね」


 レイスとレイビィスの事で、時間を潰していたが、特に何も起こっていなかった。


「おかしいわね。とりあえず、変わった所がないか探しましょう」


 アリスの掛け声で五人はマグマに落ちないように、周囲を見ていると、魔方陣を見付けていた。


「まさか、魔方陣でワープするパターンだよね」

「そうだな。アリス、この先に敵はいそうか?」

「分からないわ、だけどここまで何も起きないのは変だわ」

「確かに、ここは慎重に行きましょう」

「僕もその方が良いよ」


 五人はこの先に警戒しながら、魔方陣に乗ると、光に包まれて、最下層にワープしているのだった。

次回更新は明日です。温かくお待ち下さいm(_ _)m

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