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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第5章 長い夏季休暇中に巻き起こる冒険と新たな事件 最終節 学園が始まるまで遊び尽くす五人と新たな悩み!
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#66 トロッコレースで大勝負!(決勝編)

お待たせしました。第66話公開です。トロッコレースも大詰めレン君達は優勝出来るのか?そして何やら不穏な動きが‥‥‥(。>ω<。)

第66話だけファング=アリスの扱い方になりますm(__)m

 トロッコレースの予選を全て終えると、辺りは夕暮れを迎えていた。レンとファングは決勝戦が行われる坑道に移動してトロッコに乗り込んでいた。


「いよいよだね」

「あぁ、緊張してきたよ」


 レンとファングはトロッコに乗り込むとかなり緊張していた。


「さぁ、皆様、いよいよ決勝戦です。実況は私、コロッソ村の観光協会のリル・マクベと」

「私、マスコットキャラクターのコロッソ君がお送りします」

「さぁ、いよいよトロッコレースの決勝が始まります。さてコロッソ君、決勝戦に乗ったチーム紹介をよろしく」

「はぁい、決勝戦のチーム名を紹介するよ。第一レーン、熱い親父、ファイア爺。第二レーン、今日は何しに来たんだ、ネムケスター。第三レーン、突然舞い降りた、嵐の少年、サイクロンツインズ。第四レーン、癒やしの瞳、巨乳ラブリン。第五レーン、温泉施設は俺のもの、温泉兄弟。第六レーン、何だこのムキムキは筋肉マッスル。以上六チームが今宵トロッコレースの頂点を競います」


 運営進行の司会者の会話を聞いて、レンとファングが色々喋っていた。


「何だか凄いチーム名だらけだな」

「そうだね、皆個性的な感じだよね。しかも凄い巨乳の女性もいるし」

「レン、どこを見ているのかな?」

「えっ、別に見てないよアリス、アハハッ」


 右側のレールには、チーム巨乳ラブリンがいるために目が行っていた。


「それじゃ決勝戦のルートを紹介するよ。まずスタートしたら、洞窟コース、ここでは暗闇で相手チームの姿が見えないよ。上手く相手チームの攻撃を交わそう。その先には、六つのルートを選べるよ。暗闇の中、魔法でレール切り替えのバーに当てて好きなルートを選ぼう。その先は天国か地獄か運頼み。洞窟を抜けると湖コース、周りを周回して、再び洞窟に戻ります。戻りは上りなのでスタミナが気になりますね。以上総距離10キロメートルの決勝レースです」


 解説を聞きながら、レン達が作戦を考えていた。


「決勝は予選と全く違うな」

「そうだね、だけど好都合かも」

「どう言う意味だ?」

「暗闇だと、フォレストの闇系を扱えるでしょう?」

「あっそうか、その手があったな。なら俺の力で全て防いでやるよ」


 レンとファングが話しているといよいよ決勝が始まろうとしていた。


「さぁ、それでは決勝レーススタートです。合図のコロッソ君よろしく」

「はい、それじゃ位置についてヨーイドン」

「さぁ、始まりました。スタートは全チーム一斉に加速しています」


 スタートの合図が始まると一斉にスタートしていた。


「レン、作戦はあるのか?」

「そうだね、恐らく洞窟内で仕掛けてくると思うから、ファングは警戒してよ」

「あぁ、任せな」


 洞窟の中に入る前は攻撃されないと、レンは考えていた。


「レースは現在、洞窟コースに向けて走行中、未だ各チーム攻撃がありません」

「恐らく、洞窟コースで仕掛けてくると思いますね」

「現在一位はファイア爺、二位に巨乳ラブリン、三位にサイクロンツインズが続いています」


 観客達が実況を聞いて、盛り上がっていた。


「ファング、そろそろ洞窟内に入るよ。気をつけて」

「あぁ、分かっているよ」


 レン達が洞窟内に入るとかなり真っ暗だった。


「スゲー暗いぜ」

「ファングは周りが見えているんでしょう?」

「まぁなぁ、ここは俺に任せて、お前はトロッコの走行に集中しろ」


 ファングは精霊なので、暗闇でもハッキリ見えていた。


「さぁ、全チーム洞窟内に入りました。各チーム一斉に攻撃が始まっている模様です」

「レン師匠とファングさんは大丈夫でしょうか」


 実況中継を聞いているレイスが不安げな表情をしていた。


「大丈夫だよマスターなら、きっとやってくれるよ」

「えっ、レオスのお兄さん、いつの間に」

「さっきだよ。レオスが眠いと言うから変わったんだよ」

「そうなんですね」

「とりあえず、優勝できるように見守ろう」

「そうですね」


 レオスとレイスは観客席の巨大スクリーンで三人を見守っていた。


「うぁ!」

「レンはそのままのスピードを維持しろ」


 洞窟内では激しい攻撃が始まっていた。


「まずいよ、ファング」

「分かっているよ。クソ、どうやって的確に攻撃しているんだ。精霊の俺以外は見えないはず」


 各チームから的確に攻撃されているので、ファングは何とか打開策を考えていた。


「レン、俺が闇系の魔法で防壁を張るから、スピードをあげろ」

「うん、分かった。エレントも力を貸して」

【分かりましたわレン様】

「行くぜ、シャドウミラー」


 ファングがトロッコを包み込むように、黒い鏡で覆うと、撃って来た攻撃を全て受け取り、反射させて反撃していた。


「何だ、あの黒い壁は全て俺の魔法が跳ね返されるぜ」

「あんな高度な魔法を使える子供がいるのか?」

「私達はあの子供達を見誤ってしまいましたわ」

「何か、対策を取らないと、優勝はあの子供が高いぞ」


 各チームでは、ファングの魔法に悪戦苦闘して、かなり焦っていた。


「さぁ、レースは只今、坑道の中で各チームが攻撃の嵐になっています」

「特に、第三レーンを走行中のサイクロンツインズに各チームが苦戦していますね」

「なるほど、確かにあの黒い壁は厄介ですね。しかも凄い高度な魔法を使える少年達は何者何でしょうか?」

「そこがサイクロンツインズ、嵐の二人組なんですよ」

「なるほど、まさに突然現れた、嵐を呼ぶ二人組ですね。さぁ、いよいよ各チームがルートを決める場所に向かいます」


 実況中継の二人がチームサイクロンツインズについて熱く語っていた。


【レン、そろそろルートを決めるバーがあるけど、どうするんだ?】


 アクト達が先に行って、確認していた。


「うーん、どうしようか? ファング、どうする?」

「何故、俺が決めるんだよ」


 二人が悩んでいると、分岐点に差し掛かっていた。


「おい、時間が無いぞ」

「なら、アクトが決めてよ。僕は信じるから」

【えっ、俺が決めるのか?】

【アクト、これは重要な選択だよ】

【アクト、ファイトですわ】

【アクトが勝利の鍵】

【うっ、責任重大だな】


 皆に見られて、アクトが悩んでいた。


【アクト、早く】

【分かっているよ。あぁ、もうやけくそだ。これで行くぜ】


 アクトは悩んだ結果、五番目のバーに攻撃すると、各レールがいくつも切り替わり、五番目の穴に突入していた。


「げっ、レン。後ろから、熱い親父が来たぜ」

「なるほど、レールの切り替えで、一対一を作れるんだね」

「レン、何を呑気に納得しているんだよ。明らかに俺達が的になっているだろう」


 レールを切り替えた事で、先に走行中のレンとファングが熱い親父チームの標的になっていた。


「まぁ、そこはファングとアリスに任せるよ」

「はぁ、仕方ないぜ。なら俺の魔法を見せてやるよ」

【悪いレン、ファング、俺のせいでこんな事になって】

「いや、アクトは悪くないよ。どの道、どれを選んでも同じだよ」

「そう言うことだぜ、結局どれを選んでも必ず一対一を作れるようになっているんだよ」


 アクトは謝っていたが、二人は気にしていなかった。ファングはアリスと人格を入れ替えていた。


「レンは普通に走行に集中していいから、こっちは任せな」

「ありがとうアリス」


 レンはトロッコの走行に集中し始めていた。


「でも、どうする気だよ。俺ら完全に的になっているぜ」


 ファング、アリス、カイトが精神の中で会話をしていた。


「それは、あっちも同じよ。カイトの魔法も借りるわよ」

「えっ、僕の魔法を使うんですか?」


 突然、カイトの魔法を使いたいとアリスが言ったので、驚いていた。


「そうよ、光魔法で一瞬、目眩まし出来ない。私と一時的に入れ替わるのよ。今の私達は三位一体でしょう?」

「そうだけど、相変わらず無茶苦茶な要望をするよな。まるでレンだぜ」


 レンはいつも無茶苦茶な要望を出すことがあるので、アリスの言葉を聞いて、過去を振り替えながら考えていた。


「出来るわよね。ファング、カイト」

「出来るに決まっているだろう。カイト、アリスの指示に従え」

「うん分かったよ。久しぶりにレン君の為に何か出来るよ」


 カイトは凄く喜んでいた。


「さぁ、各チームレーンを切り替えて、バトルが始まっているぜ。まず注目は熱い親父とサイクロンツインズだ」

「ここは運悪く一対一のバトルが始まっているよ」

「その他のチームは上手く交わしていますね」

「そうだね、サイクロンツインズは上手く熱い親父チームを交わせるのか、私達も注目する一戦です」


 実況の二人が盛り上がっていた。


「まずいよ、レン師匠が不利になっているよ」


 モニターで観戦している、レイスが不安そうな表情を見せていた。


「そうだね、だけどマスターとファングなら、何かやってくれるよ」

「僕もそう願いたいですけど、レン師匠の方が不利ですよ」


 熱い親父チームがレン達を追尾されているので、レン達の姿が完全に捉えられていた。


「大丈夫だよ。マスターを信じよう。それに、ファングなら何かやってくれるよ」

「そうですね、なんせファングさんは今はあの状態ですからね」


 二人はモニターを見ながら、レン達の優勝を祈っていた。


「おらおら、喰らえ、ファイアショット」


 レンとファングは後ろから攻撃されていた。


「アクト、アクアバブル」


 レンは適当に魔法名を言って、アクトに魔法を撃ってもらっていた。


【レン、このままだと、切りが無いぜ。どうするんだ】

「それは俺に任せて下さい」

「えっ、カイトがやるの?」


 突然、ファングの喋り口調をカイトになったので、レンが驚いていた。


「はい、今から彼奴らに目眩ましをしますので、レンは前に集中して下さい」


 光魔法で相手を目眩ましするので、発光する光を見ないように、前を向いて欲しかった。


「分かったよ。アクト、引き続き相手の炎系を打ち消して」

【任せろ、カイト頼んだぜ】

「うん分かっているけど、ファングと言って欲しいな。今はエントリーしているの二人だよね」


 トロッコレースにエントリーしているのは二人なので、アリスとカイトがいるとまずいと思っていた。


「大丈夫だよ。多重人格だと言えばバレないよ」

「そうなの? なら普通に喋ろうかな?」

「カイトはファングになるんだからダメだよ」

「えっ、けち。まぁ良いか、それじゃ行くよ。シャイングフラッシュ」


 カイトは若干不満を漏らしていたが、熱い親父チームのトロッコ目掛けて、光魔法を発動すると、光の玉がトロッコの上空で暴発して、激しい光が包み込んでいた。


「うぁ、何だこの光は、周りが見えない」


 熱い親父チームの二人は、突然の光に混乱していた。


「さて、行きますか。グランドタワー」


 カイトからアリスに変わると、レーンに岩の壁を作っていた。


「フゥ、何とか消えたな」

「おい、前を見ろ」

「えっ!」

「ドッスン、ガラガラガラ‥‥‥!」


 急ブレーキを掛けたが、間に合わず、アリスの魔法の障壁にぶつかり投げ出されていた。


「クソ、こんな所で」

「あぁ、終わったぜ」


 投げ出された二人は、地面を叩きつけてかなり悔しい表情を見せていた。


「さぁ、早くも熱い親父チームが脱落です」

「まさに突然現れたサイクロンツインズ、中々目が離せません。この先、どんな期待を我々に見せてくれるのでしょうか?」

「そうですね、私も期待しますよ。さぁ各チーム供に洞窟を抜けて、湖にやって来ました」

「ここは湖のへりをぐるりと回るので、各チームを脱落させる格好な場所ですね」


 実況の二人は更に熱くなって、各チームの状況を観客席の人達に説明していた。


「レン、洞窟を抜けたぜ」

「そうだね、攻撃に備えて、アクト達も行くよ」

「へへぇん、面白くなって来たぜ」

【俺達も頑張るぜ】


 洞窟を抜けるとファングと精霊四人が燃えていた。


「やはり、あの少年達が生き残っていましたな」

「まさか、あの熱い親父チームを交わしたのか」

「ふむ、中々やる可愛い子ちゃんね」

「さて、どうしたもんかね」


 各チームがレン達を見て、驚いたり、悩んでいたりしてどうするか考えていた。


「レン、攻撃来ないけど、どうする?」


 各チームが攻撃して来ないので、レンにどうするか作戦を聞いていた。


「恐らく、各チームが出方を見ているんだよ。レースはまだ折り返しくらいだから、最後の追い込みで仕掛けるんだよ」

「そうか、なら俺はちょっと体力を回復させて貰うぜ」

「いや、攻撃されたらどうするの?」

「大丈夫だよ。その時はアクト達がいるだろう?」

【はぁ、何か手を抜いてないか?】


 ファングがやる気なさそうな雰囲気を出すので、アクト達が呆れていた。


「さぁ、レースは折り返し地点を越えました。依然と各チームが攻撃を仕掛けてきません」

「恐らく、各チームが警戒して攻撃が出来ないのかも、あるいはラストの追い込みで仕掛けるかも知れませんね」

「なるほど、さすがコロッソ君ですね。的確な解説ありがとう、さぁ各チームは上り坂の洞窟に入って行きます」

「おっ、やはり各チームがバトルが始まりましたね」


 モニターを見ていた、実況の一人が食い入るように見て、興奮していた。


「さぁ、優勝はどこのチームだ。ラストのスパートだ」


 実況の二人や観客席の人達はここぞとばかりに盛大に盛り上がっていた。


「うぁ、何か凄いよ」

「そうだな、無差別に攻撃をしてくるぜ」


 各チームが一斉に攻撃しているので、どのチームを先に脱落させるか、見当がつかなかった。


「特に、何だよ。このアホみたいな。煙幕は」


 黒い霧が一チームを除いて、各チームに纏わり付いていた。


「そうだね、だけどファングは見えているんでしょう?」

「当たり前だ。煙幕が掛かってないのはネムケスターのチームだな」

「そう、ならファングは煙幕を張ったまま攻撃して、煙幕を逆手に取ってね」

「あぁ、任せろ。喰らえ、ブラックランス」


 ファングは煙幕を逆手に取って、各チームに闇系の魔法を撃っていた。


「何だよ。あのサイクロンツインズのチームは煙幕を張ったのに何故俺達が見えるんだ」

「お前、前を見ろ」

「えっ、うぁ」


 ネムケスターチームの二人がファングの攻撃で、弾き出されていた。


「よし、あと三チームだな」

「さて、追い込みと行くかな。エレント、力を貸して」

【分かりましたわレン様】

「アリ‥‥‥ファング、飛ばすから、上手く相手チームを足止めして」


 一瞬アリスと言いかけたが、ファングに言い直していた。


「オッケー待ってました。チェーンロック」


 アリスが拘束魔法で相手チームのトロッコを止めるとレン達は一気に加速して、ゴールに向かっていた。


「さぁ、間もなく優勝が決まります」

「やはり、優勝はサイクロンツインズですね」

「おっ、やって来ました。サイクロンツインズです」

「圧巻ですね」

「ゴール、優勝はサイクロンツインズです」


 実況の二人は実況席から立ち上がり、観客席の人達と一緒にサイクロンツインズに祝福を贈っていた。


「やったぜレン」

「そうだね、ファング。皆もありがとう」

【やったよアクト】

【あぁ、そうだなアルトニス】

【エレントのおかげだね】

【照れますわエレナ】 


 レン、ファング、精霊四人は喜びを交わしていた。


「それでは、表彰式を行いますので、壇上に来て下さい」


 サイクロンツインズの名前が呼ばれると、レンとファングは壇上に上がって喜んでいた。


「おめでとう、賞金のプラチナ貨十枚と温泉施設の無料券五十枚が贈呈です」

「ありがとうございます」


 賞金と温泉施設の無料券を手渡されると、観客席の人達から盛大に祝福されていた。


「さぁ、次は準優勝の巨乳ラブリンにはプラチナ貨五枚と温泉施設の無料券十枚の贈呈です」


 各チームに賞金を手渡されると、トロッコレースは終わりを迎えていた。ファングは表彰式を終えると人目の無い場所に行き、アリスを連れて帰って来た。


「ふぅ、何とかバレずに優勝出来たわね」


 アリスは涼しげな表情で戻って来たが、内心は心配していた。


「なら、最初からやるなよ」

「でも、私がいたから優勝出来たでしょう?」

「そうだけど、俺はヒヤヒヤしたぜ」

「まぁ、優勝出来たから良いよね。はいアリス、賞金だよ」


 資金の管理はアリスがやっているので、賞金を全て渡していた。


「ありがとうレン君、それじゃ温泉施設に行きましょう!」

「そうだね、楽しみだよ」


 五人はトロッコレースの疲れを取るために、コロッソ村の温泉施設に向かって行ったのだった。


「クッソ、折角優勝出来ると思ったのになぁ」

「まぁ、これも運だろう、仕方ないぜ」


 熱い親父チームを名乗っていた、青年二人がフォード王国に向かって歩いていた。


「しかし、お前が持っている。そのランプは何だ薄気味悪いぜ」


 トロッコレースの洞窟内で偶然見つけていた。


「そう言うなよ。もしかしたらお宝かも知れないぜ」

「そんな物は捨てろよ」

「ちょっと、うぁ」


 ランプを落とすと、蓋がずれ口先から黒い煙が吹き出していた。


「おい、何だよ。あのランプは」

「見ろ、何か現れたぜ。しかも少年だぜ」


 黒い煙が消えると少年が一人いた。


「ふぁ、やっと出られたぜ。お前らには感謝するよ」

「何だお前は」

「へぇ、魔神族をしならないのか? 俺様は魔神族の王の息子だぜ。訳あって親父達に封印され、まさかこんな人が来ない洞窟に捨てられるとは! 絶対に親父達に復讐して、俺様が魔神族の王になって、世界を支配してやるぜ。アハハッ」


 魔神族の少年は憎しみに溢れて、怖い素顔を見せていた。


「お前が魔神族だと?」

「まさか、こんな得体の知れない姿が魔神族なのか?」


 青年二人が魔神族の少年を見て驚いていた。


「そうだよ。俺様の体は液体や気体など様々な姿に変えられるから魔神族なんだよ、更に魔力も強大だけどな。でも君たちのおかげで、また楽しい事が出来るよ。とりあえず一人は俺様が封印されていたランプが、汚いと言ったから消えてね」

「お前、何を言って」

「グァ!」


 魔神族の少年は一瞬で青年を一人消していた。


「お前、何をした」

「さぁ、何をしたんだろうね。ところで君の体をくれないかな。俺様、ずっと封印されていから、魔力が足りないんだよ。だから君の体に寄生さてね。アハハッ」

「何だよ一体、うっ、体が動かない。来るなやめてくれー、グァァァ」


 青年は悲鳴を上げながら、魔神族の少年に襲われていた。


「ゲフ、ゲップ‥‥‥中々良い体だ。こいつの魔力が俺様に補給されるぜ」


 青年はお腹を触りながら、不敵な笑みを見せていた。


「さて、俺様の肉体がこいつに溶け込んだら、魔力を狩りに行くか? それにもっと魔力を持つ肉体があるみたいだし、そいつの体に寄生しなおそうかな? そうしたら俺様を封印した奴らを皆殺しだアハハッ」


 魔神族の少年に寄生された青年は、記憶を覗いて不気味な笑い声を上げると、コロッソ村に向かって戻っているのだった。

次回更新は明日です。温かくお待ち下さいm(__)m

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