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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第5章 長い夏季休暇中に巻き起こる冒険と新たな事件 第3節 遭難と海に棲む巨大な魔物の討伐
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#61 レイン王国を襲うモンスターと巨大な影

お待たせしました。第61話公開です! 久しぶりの戦闘が始まります。レン君活躍できるかな?

 五人は急いで武器を取りに宿へ戻っていた。


「よし、これでオッケー、ファングはカイトと分離して」

「あぁ、分かっているよ。カイト出番だぜ。しっかり働けよ」


 レンに言われて、ファングとカイトが分離していた。


「うーん、久しぶりの外の空気!」


 カイトは一日振りの外の景色なので新鮮に感じていた。


「お前、ずっと俺の中にいた雰囲気出すなよ。それよりも服装それで行くのか?」

「えっ、そんな分けないでしょう! ちゃんと普通の服に着替えるよ」


 ファングが王子の服装でやるのか聞くと、カイトは一旦白い液状の化け物になり、体内から服と武器を吐き出していた。


「よっと、これで良いかな。それじゃあ着替えるよ」


 人間の姿になると、吐き出した服と武器を装備して、再び化け物に戻ると脱いだ服を体内にしまって、もとに戻っていた。


「お前、替えの服や武器を体内にしまっていたのか」

「そうだよ。便利な入れ物だよね」

「いや、自分の体に入れるとか変だよね」


 カイトが変な事を言っているので、頭が大丈夫か気になっていた。


「それよりも、その服、ごく一般の服だよな。本当に王子を辞めたんだな」

「当たり前だよ。僕は生まれ変わったんだから、新しい気持ちでやるよ」

「生まれ変わったと言われても、カイトは俺達の先輩だろう? 俺らと六から七も歳が違うんだぞ」

「そうだけど、普段は表向きにいないから大丈夫だよね」

「そう言うもんなのか?」


 ファングは疑問に思いつつ、カイトの服装が普通だったので、皆が驚いていた。


「それじゃあ、皆行くよ」


 六人は急いで宿を出て自衛団本部のクリスに会いに来ていた。


「君達は確か、クリス団長の知り合いだったかな。こんな所で何のようかな?」


 門番の人に声を掛けられていた。


「すみません、クリスさんはいらっしゃいますか? ちょっと緊急の話があるんですけど」


 門番の人に頼むと渋った表情をされたが、客室間に案内されて待たされていた。暫く椅子に座って待っているとクリスがやって来た。


「やぁ、君達。今日は何のようかな? 何か急ぎの用事と聞いたが」 

「その事で話があります」


 レンはクリスに事情を説明すると、険しい表情を見せていた。


「レン君、それは本当なんだな。大量のモンスターが我が国に向かっているのは?」

「はい、間違いないです」


 自衛団本部の客室で話していると、慌てた様子で部下が数人やって来た。


「大変です。海沿いに大量のモンスターを目撃してます」

「クリス団長、既に大量のモンスターが陸に上がり始めていて、各少数部隊が応戦していますが間に合いません」

「何だと、分かった。直ぐに部隊を作って応戦する。お前達は急いで各部隊に伝達しろ」

「はっ!」


 部下が急いで各部隊に伝達しに走って行った。


「レン君、君達も協力を頼む。私は急いで部隊編成を作って向かわせる。それと国王にも話をしなくては行けないので」

「分かりました、こちらも出来るだけ頑張ります」

「すまない君達。では私は先に失礼するよ」


 クリスは急いで準備をするため、客室を後にしていた。


「アクト、聞こえる。もしかして食い止められなかったの?」

【レン、すまない。あまりも数が多すぎて、食い止められなかった】

【だけど、こっちではある程度倒したから、包囲網から逃れたモンスターだけだと思うけど】


 精霊四人がいる方のモンスターはある程度片付けたと言っているがレンの一言で精霊四人に衝撃がはしった。


「それが、大量にモンスターがいると自衛団の人達が証言しているんだよ」

【何だと、もしかて別の方向からも来ているのか?】

【まずいよアクト、急いでレンさんの所に戻ろう】


 精霊四人は事の重大に気付き急いでレンの所に戻っていた。


「エレント、アルトニス、エレナは急いで、自衛団の応戦に入って」


 六人は街中を走りながら、戻って来た精霊四人にレンが指示を出している。


【レン様、宜しいのですか、姿を晒しても】

「構わないよ。今はそんな事を言っている場合じゃないよね。どうせいつかは精霊使いだってバレるから良いよ」

【分かったよレンさん】

【レン、私達頑張るよ】


 精霊使いがバレる前提で精霊三人を先に行かせていた。


【レン、何で俺は行っちゃダメなんだ?】


 レンに指示を出して貰えなくて苛ついていた。


「アクトは今すぐ僕と精霊依をして」

【えっ、お前、人前で精霊依を見せるのか?】


 突然精霊依をしようと言われたのでアクトが困惑していた。


「どの道、今は緊急事態だから、バレるのは仕方ないよ。僕も覚悟しているから」

【はぁ分かったよ。ならやろうぜレン!】


 精霊依をするとアクトは凄く喜んでいた。


【はぁ、やっぱりレンの中は最高だぜ! どんどん極上の魔力が俺の中に流れてくるよ】


 アクトはレンの魔力に酔っていた。


「アクト、事の重大さが分かっているの?」

【悪いレン、久しぶりだからレンの魔力に酔っちまったよ。さぁ、行こうぜレン。俺が全力でサポートするから】

「ありがとうアクト。ファングとカイトは右側を、レオスとレイスは左側の街中をお願い。アリスは僕のサポートで中央の街中を行くよ」

「分かったぜレン。気をつけて行けよ。アリス、レンを頼むな」

「分かっているわよ。そっちも気をつけてよ」

「任せろよ。俺とカイトは精霊フォレスト何だからやられたりしないよ。カイト、行くぞ」

「了解、レン君、皆さん、気をつけて下さいよ」


 ファングとカイトは足早に、右側の街中の方に走って行った。


「レン師匠、僕とレオスも行きますね」

「うん、気をつけて。レオス、危なくなかったら、兄さんに変わりなよ。それと強力な古代魔法を許可するよ。ただし街中を壊さないようにね」

「分かっているよレンお兄ちゃん。僕がそんな破壊的な事はしないよ。やるとすれば兄さんだから。それよりも気をつけてよレンお兄ちゃん。何かあったら契約印で呼んでよ」

「分かったよレオス。くれぐれも無理しないようにね」

「うん、気を付けるよレンお兄ちゃん。レイスお兄ちゃん行こう」


 レオスとレイスは左側の街中に向かって走って行った。


「アリス、行くよ。後ろからのサポート宜しく」

「任せなさいレン君、やっと二人きりで行動出来るわ」


 二人きりになれて、アリスが浮かれていた。


 アリス、大丈夫かな? 何か選ぶの間違ったかも。ちゃんとサポートしてよね。


 アリスがニヤニヤしているので、若干不安だった。


「アリス、行くよ。風衝剣(ふうしょうけん)

「任せなさいサンダーストーム」


 レンは一体一体倒すのに対して、アリスがまとめて倒すので戦っている感じがしなかった。


「レン君、そんな顔をしないの」

「いや、してないけど、魔法と剣士だと戦い方に雲泥の差があると思って」


 まとめて一気に倒す事は理論上無理なので、アリスの全体魔法攻撃がちょっと憎かった。


「それよりも、街中までモンスターが入ってくるなんて。しかもクラブガニやアクアマイデットとか色々いるし」


 街中はモンスターで溢れていて、建物を壊しながら進んでいた。


「一般の人は避難しているけど、戦える人は何とか抵抗しているわね」


 街のあっちこっちでは剣や魔法を扱える人達がモンスターとやり合っていた。


「僕達は急いで、モンスターの根源、海沿いを急ごう」

「そうね、おそらく自衛団の人達もいるハズだから状況を確認しましょう」

「アクト、ごめん。もう少ししたら精霊依の力を使うから」

【良いよ。俺はお前の中に居られれば文句は言わないから】

「全く、呑気なんだから」


 レンとアリスは急いで海沿いに向かっているのだった。


「どんだけ入るんだよ。これじゃレンの所に行けないだろう」

「ファング、独り言を言わないで、さっさとやるよ」

「命令するな。していいのはレンだけだよ」

「わぁお、恐い顔だね」


 ファングとカイトも大量のモンスターに遭遇して、戦っていた。


爆殺焼刃剣ばくさつしょうじんけん

光来瞬衝刃剣こうらいしゅんしょうじんけん


 ファングの炎とカイトの光の剣技を炸裂させていた。


「お前、結構やるじゃないか」


「当たり前です。僕は国の騎士団に憧れていたんですから、このくらい出来ないと国を守れませんよ。それよりもファングは火と炎系何ですね。てっきり闇精霊の闇系の剣技を使うと思っていましたよ」


 カイトは光の精霊の力を使って光系の剣技を使うのに対して、ファングは闇精霊の力を使わず、もともと使っていた火と炎系の剣技を使っているので、カイトが不思議に思っていた。


「俺はレンと契約するまで、精霊の力を封印していたから使えないんだよ。俺は得意な火と炎を使わせて貰うぜ。もちろんフォレストの姿になれば闇系は扱えるけどな」

「へぇ、そんな事がレン君の間にあったんだね」

「そんな事は良いから、さっさとやるぞカイト」


 話している間も次々とモンスターが奥からやってくる。


「そうだね、レン君がフォレストで戦ってって言えば早く終わると思うけど」


 精霊の姿で戦えば、ほぼ不死身で強力な魔力なども使えるので、早く片付くと思っていた。


「確かに精霊の力を使えば楽だけど、レンがそれを望むか?」


 フォレストの姿になると化け物になるので、人々から見られた時の反応を気にしていた。


「そうだね、レン君は望まないね。だけどこいつらを見るとよだれが出そうなんだよ。こいつら食べれば大量の魔力を得られると思って」


 カイトはモンスターを見ながら、唾液をすする仕草をしていた。


「お前、変な事を言うなよ。確かに美味そうだけど、俺はまたあんな苦い経験は嫌だよ。レンの許可が下りるまではどんな姿になっても食べないよ」


 ファングは遭難した島で苦い経験を味わっているので、レンの許可が下りるまでは絶対にモンスターを捕食したくなかった。


「えっ、ダメなの。まぁレン君が怒りそうだね。だけど食べたかったな」

「カイト、キャラ崩壊してないか? 何か獲物を狩る目つきで恐いんだけど」

「そうかな、僕は普通だよ。ただこいつらを食べれば、レン君を護れる力を手に入ると思っただけだよ。ここのモンスターは僕達のエネルギーになるんだから、早くレン君の許可が欲しいよ。そう思うよね()()()()

「フッ、お前は俺と似ているな。だけど、食べる気はないぜ」

「そう、残念だよ。ならこいつらを倒してからレン君に聞こうか、それじゃあ僕を楽しませてよ」


 ファングとカイトは似たもの同士で大量のモンスターとやり合っていた。


雷撃衝迅波(らいげきしょうじんは)

「ファイアストーム」


 レオスとレイスは左側の街を襲っているモンスターを退治している。


「それにしても数が多くないですか?」

「そうだね、これは異常だね。早く海沿いに行ってマスターと合流しよう」


 レオスは兄と変わっていた。


「そうですね、遠くの方で大きな音が聞こえるから、アリスさんが協力な魔法を放っているのかも」


 別の方から大きな音が聞こえるので、魔法を扱えるアリスがやっていると思っていた。


「それは分からないよ。一般の人達も魔法で応戦しているから、今は先を急ごう」

「そうですね、さぁモンスター達、僕達が相手ですよ。魔法もたくさん撃って来て下さい」


 レオスとレイスは左側から海沿いに向かっている途中だった。


「はぁはぁ、きりがないね」

「そうね、だけど自衛団の人達が見えたわよ」

「あれはアルベルトさん、でも精霊三人が見当たらない」


 大量のモンスターを突破して、海沿いにくると自衛団の人達が横一列になって、食い止めていたが、全てを止められていなかった。レンとアリスは急いでアルベルトの所に行き、状況を確認していた。


「えっ、別の方向からも来ているんですか」

「あぁ、見ての通りだよ。この人数だと大量のモンスターを止めるのは無理だよ。なるべく数を減らすように努力しているがこれが限界だよ。無理に深追いすると、自衛団の人達に負傷が出るから」


 アルベルトさんからは悔しさを感じていた。


「気持ちは分かりますよ。だけどアルベルトさんはちゃんと部下達の指示が出来ていますよ」

「そうだぜ、アルベルト。お前は良くやった」

「えっ!」


 レンが話していると、クリスが後ろにいた。


「クリス団長、なぜここに入るんだ?」


「俺はレン君に報告を聞いて、増援部隊を急いで作ったんだよ。お前、何としても止めろよ」

「分かっていますぜクリス団長、お前ら行くぞ」

「ウォー!!!!!!」


 自衛団本部の増援達が応戦に入り、モンスターの侵入を防いでいた。


「これなら防げそうだぜ」


 アルベルトが喜んでいた。


「アルベルト、客観的に見るな。原因が分からない以上、いつまで持つか分からないんだぞ。それよりもレン君、何か姿がいつもと違わないか」


 アルベルトに注意していたが、レンの異変に気付いていた。


「えっ、これは精霊の加護を纏っているんですよ。今は水と氷の精霊アクトの加護を受けています」


 精霊依の事を話せないので、雰囲気的に納得する事を色々言って説明していた。


「成る程な、さすが精霊使いだな。精霊に護られているなんて」

「アハハッ、そんなに凄くないですよ。精霊使いなら当たり前です」


 当てもなく適当に言っていた。


「それでクリスさん、アルベルトさん、僕は精霊の力で海を見て来ますよ」

「そうか、宜しく頼むよレン君」

「アリスは、クリスとアルベルトの指示に従って行動してよ。ファング達が来たら、ファングかカイトを使って連絡お願い」

「分かったわ、レン君」

「エレント、アルトニス、エレナは今どこにいるの?」


 アリスに指示を終えると精霊三人に怒っていた。


【すみませんレン様、命令を背いてしまって】

【だけど大変なんだよ。例のクラーケンをエレナが見付けたんだよ】

「えっ、エレナが見付けたの」


 クラーケンを見付けたエレナに驚いていた。


【そうだよレン、戦っている時に偶然遠くに黒い影を見付けたんだよ】

【その影が一直線にレン様のいる所に向かっていますわ。私達が攻撃しても歯が立ちません】


 精霊三人の報告を聞いて、怒っていたレンは態度を一変して険しい表情をしていた。


「レン君、精霊三人から何を言われたの?」

「それが‥‥‥」


 精霊三人の報告をアリス、アルベルト、クリスに話すとレン同様に険しい表情を見せていた。


「まずいわね。クリスさん、魔法部隊は一度体力を回復させてくれませんか。クラーケンが現れた時に備えて」

「あぁ、そうだな。直ちに指示を出そう」

「クリス、他に武器や増援は来ないのか」

「国に報告してあるから、この事態を見てすぐ来るハズだが、クラーケンが来る前に到着するか分からないよ」


 クラーケンが来る前に国の増援達が到着するか怪しかった。


「なら、僕が何とかしますよ」

「レン君、危険よ」

「だけど、やるしかないよ。少しでも時間を稼げば良いんだから」

「分かったわ、もし危険だと感じたら戻って来なさいよ」

「分かったよアリス、そっちも気をつけて」


 アリスはあまり行かせたくなかったが、海の中では何も出来ないので、レンに託すしかなかった。


「それじゃあ、アクト行くよ」

【あぁ、任せろ。絶対にレンを安全に護るから安心しろ】


 レンは精霊三人がいる場所に向かって海の中を泳いでいるのだった。

 

次回更新は明日です。温かくお待ち下さいm(__)m

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