#54 苛立つ三人とレイン王国の王城へ
お待たせしました。第54話公開です。レン君を助けに行けないアリス達、かなり苛ついています(≧∇≦)b
おかげさまで累計PV数2万突破ありがとうございます(。>ω<。)
レンとファングが離ればなれになって、早くも一週間が経とうとしていた。
「何で一向にレン君の捜査が始まらないの?」
「そんな事を僕に言われても困りますよ」
宿の中でアリスがレイスに八つ当たりしていた。
「あぁ、レン君が生きていることは、エレナから聞いたから安心しているけど、もう一週間が経とうとしているのよ」
エレナからレンが生きている一報を聞いて喜んでいたが、その後アリス達の方は進展がないので苛ついていた。
「レオス君、暫くの間、お兄さんと変わってくれない」
「えっ、良いけどあまり兄さんを困らせないでよ」
アリスの不機嫌が頂点に来ているので、レオスは足早にレオスのお兄さんにバトンタッチをしていた。
「何でここで変えるのレオス、アリス、僕に何の用かな? アハハッ」
レオスは苦笑いで、アリスの方を見ていた。
「ねぇ、レオスのお兄さん、レン君の所に行く方法ないの? 空間移動を使って」
レオスは古代魔法などが扱えるので、レン達の場所に行く方法はないか確認していた。
「いや、無理だよ。仮に使えたとしても、一度僕達がその場に行かないと、空間同士を繋げるのは不可能だよ」
「はぁ、駄目なの? 古代魔法があっても使えないなんて、本当役に立たないわね」
「アリス、魔法で何でも出来ると考えているのアリスくらいだよ」
魔法を使えば、何でも解決すると考えていたが、やっぱり現実は無理だった。
「ねぇ、エレナ。レン君の状況はどうなっているの、最近聞かないんだけど」
【えっ、元気にしているよ。ただ、ずっとレンの魔力が流れて来ないから、かなり心配なの】
レンとファングは無事に生きているが、エレナに魔力が供給されていない為、レンの状態を心配していた。
「おそらく、食事には有り付けているが、栄養が十分に取れていないんだわ。やっぱり早くレン君を助けないと、栄養失調になってしまうわ」
このままだとレン体が痩せ細った姿になるので、アリスは何とかして、レンを助けに行く方法を考えていた。
「でもどうやって助けに行くんですか? レン師匠は無事ですけど、エレナさんの話を聞くとなんかやばいですよ」
「分かっているわよ。だから、さっきからこうして話しているのでしょう?」
レイスが同じ事を聞くので、アリスが苛ついていた。
「アリス、落ち着いてよ。そんなに苛立ってもマスターを助けに行けないんだよ」
レオスはアリスの機嫌を落ち着かせようとしている。
「そうね、焦っても仕方ないわね。こうなったら直接クリスさんに抗議をして、強引に状況を聞くわ」
「うぁ、アリスが本気だよ。どうするレオス」
「あれは無理だよ。僕には止められないよ」
アリスは自衛団本部に殴り込もうとしていたので、レオスとレイスはビクビクしていた。
「さぁ、行くわよ。レオス君はお兄さんの状態でいなさいよ。あなたが一番頭が良くて知識が豊富何だから、ちゃんと意見を言いなさいよ」
レオスの兄は、とある学園の高学年でトップクラスの頭の良さなので、クリスの言い分に反論して貰おうと考えていた。
「えっ、僕が反論するの、嫌だよ」
「つべこべ言わずにやりなさい」
「うっ分かったよ」
レオスは拒否しようとしていたが、アリスの威圧感に負けて従っていた。三人は宿を出ると、寄り道をしないで真っ直ぐ自衛団本部に向かっていた。
「何だ君達は、ここから先には行けないよ」
「何でよ、私達はクリスさんに用があるの!」
アリス達は自衛団本部の門の手前で止めらて、暴れていた。
「そう言っても、ダメな物はダメなの」
「何だこの騒がしさわ」
「すみませんクリス団長、この子達かクリス団長に会わせろと言うので」
アリス達の大声を聞きつけて、門番の様子を見に来ていた。
「おや、ここで何をしているんだ」
「それは、こっちの台詞よ」
アリス達は一向にレンの捜査を始めないので、いつになるのか聞くとクリスは困った表情をしていた。
「その事か、ここでは言い辛いから、客室に行こうか、私が案内するから君達は引き続き仕事をしてくれ」
「はっ、畏まりましたクリス団長」
クリスに案内されて客室に入ると、飲み物を差し出されてから本題に入っていた。
「クリスさん、率直に聞きますけど、いつになったら捜査を始めるんですか、もう一週間が経とうとしているんですよ」
レオスが率先して話し始めていた。
「君はレオス君だっけ、前にあった時と雰囲気が違うな」
「僕はその時、あまり話さなかっただけです」
レオスの弟はレン以外は基本的に話さないので、若干違和感があったが、姿が弟のままなのでクリスは兄の言い分に納得されていた。
「それで、さっきレオス君が言った件何だか、実は‥‥‥」
クリスはアリス達に説明すると、三人は納得していなかった。
「えっ、船が出せないですって、どう言う事よ」
「それは‥‥‥」
クリスは国王陛下に直談判して説明したがクラーケンなど存在しないと一蹴りされてお払い箱にされていた。
「何て無責任な国王なの、国に損害が起きるかも知れないのに自覚がないわね。もう言い私が直接話すわ」
アリスがレイン王国に殴り込もうとしていた。
「アリスさんの言い分は分かるが、今すぐに取り次いでくれるか分からないよ、今はリノワール王国の皇太子殿下、皇太子妃とそのご子息達が来ているから」
「えっ、皇太子殿下と皇太子妃が来ているの? しかも、高等部の生徒会長まで」
リノワール王国のお祭りで見た人達が来ている事に驚いていたが、一番驚いたのは高等部の生徒会長だった。
「君達、ご子息を知っているのか?」
「はい、私達が通っている高等部の生徒会長ですよ、面識はありませんが。それに私はリノワール王国出身なので、国王陛下達の姿はお祭りで見ましたから」
「なら知っていて当然だな」
「そうですね、話は戻りますが、もう一度国王陛下と直談判して下さい。今後は私達も行きますから」
「分かったから、そんな顔をするな。なら明日、レイン王国の王城に行こうか、レイン王国の人達には私から話すから」
アリス達は強引に国王陛下と直談判する確約をクリスにお願いすると、自衛団本部を後にして、宿に戻っていた。
「これで何とか、なるわね。明日が正念場よ、レオスのお兄さんは明日もよろしくね」
「えっ、明日も僕が話すの?」
「当たり前よ、国王陛下相手取るんだから、頭の良いあなたが入れば大丈夫でしょう?」
「はぁ、分かったよ」
レオスの兄は嫌な表情をしていたが、アリスに逆らえないので、渋々受け入れていた。
「レイス君は基本的にあまり余計な事はしないでよ」
「分かっていますよ。僕が何かするんですか?」
「美味しそうな食べ物を探しに、王城を彷徨わないか心配なの?」
「アリスさん、酷すぎます。まるで僕が食べ物に餓えている人じゃないですか」
アリスは冗談で言ったが、レイスが本気に捉えていたので、自覚があるんだと思っていた。三人は明日のために、話す内容を想定した特訓をして宿で一日中過ごしているのだった。
翌日、三人は早起きすると一斉に準備をして、太陽の日差しが照りつける中、クリスの待つ自衛団本部に来ていた。
「早いね、君達」
「それで、国王陛下と会えるんですか?」
「あぁ、何とか時間を作ってもらったよ、王城に着く頃には良い時間帯になるだろう。ただし、休憩時間の合間だからそんなに長くは入られないよ」
「分かりました、単刀直入で言うので、そんなに時間は掛からないと思います」
国王陛下との面会時間があまりないと言われたので、アリス達は短時間で蹴りを付けさせる練習を昨日していたので、大丈夫だと思っているが内心では心配だった。三人はクリスに案内されてレイン王国の王城の中に案内されていた。
「へぇ、ここがレイン王国の王城の中なのね、やっぱりお金持ちは凄いは」
三人はレイン王国の王城の豪華さに圧倒されていた。
「君達、あまりキョロキョロしないで、今はリノワール王国の人達も来ているんだから」
「すみません、つい王城の中が豪華すぎて」
三人はクリスに注意されていた。
「しかし凄いですよね、アリスさん、ここの国王陛下はどんな人何ですかね」
「さぁ、知らないわよ。多分、金ピカをジャラジャラ付けているんじゃないの?」
「そんなにお金があるのならもう少し、この国の人々に使えば良いのにね。治安維持とかに」
三人はコソコソと話しながら、クリスの後を付いて行っていた。
「こら、カイトどこに行くんだ。これからレイン王国の国王陛下と昼食会があるんだぞ」
「えっ、まだ時間があるよね、父上、母上。折角来たんだから、まだ歩いていない部分の王城を歩いてくるよ」
「はぁ、分かったわ、くれぐれも人前ではあの力は使わないようにね」
「大丈夫ですよ母上、心得ていますから安心して下さい」
父上、母上に挨拶をするとカイトは、レイン王国の王城を散歩しに行った。
「全く、13歳で高等部の生徒会長になったのに、中身はまだまだ子供だな。他の国に見られたら恥ずかしよ」
「仕方ないわよ、あの子は特別なんだから、それにいつか、カイトが私達から巣立つ日が来るんですから」
「そうだな、カイトをあんなふうにさせてしまったのは私の責任だからな。本来なら私の後継きはカイトなんだが、その資格を失っているからな」
カイトには何か秘密があるみたいだった。
「大丈夫よ、あの子は特別な力で、人を見極めるから、きっといつかはカイトを幸せにしてくれる人が現れるわよ」
「そうなら良いんだが、もう数百人以上と面会させても、カイトは全部拒否しているし、中には有名な人まで蹴り落としているんだぞ」
カイトを引き取って貰おうと、有名な人達を王国に招き入れていたが全て拒否していた。
「おそらくカイトは人柄や人の心などを見抜くから、カイトを使って国を悪用されないか危惧しているのよ」
「全く、私がカイトの人生を狂わせたのに、カイトは一つも不自由なくやって、しかも私を許してくれるんだから、私はカイトに受け入れられているんだな」
「そうよ、カイトは誰にでも優しいですからね」
「そうだな、少しでもカイトの力になれるように、私達も努力しよう」
カイトの父親と母親は、来賓の部屋で寛ぎながら、カイトの将来の事を話しながら昼食会を待っているのであった。
しかし、どこを見てもキラキラの装飾品だよな。おや、あの子達は確か、私の学園の生徒だった気がするな。
カイトは装飾品に飽き飽きしていると、クリスに案内されていたアリス達を見付けていた。
どこに行くんだ、しかもこんな所に何の用があるんだ?
学園の生徒がこの王城の中にいるので不思議に思っていた。
歩いても、キラキラの装飾品しかないから、あの子達に付いて行ってみようかな。なんかありそうだし。
装飾品に飽きていたので、アリス達の後を興味本位で後を付けていた。
「お待ちしていました。こちらの部屋でお待ち下さい」
アリス達とクリスは王城内の使用人に案内されて、部屋に入り、椅子で座って待っていると、やがて全身装飾品を身に付けた人と連れの方がやって来た。
「待たせて済まなかったな、リノワール王国との会談をしていたので」
「いえ、大丈夫ですよ、クリシス伯爵。私も今来ましたから」
「それよりも、なんだね、その子供たちは? わしはその子供たちと話すのか?」
「ご無沙汰しています。アブロ国王陛下」
クリスがクリシス伯爵とアブロ国王陛下と挨拶している間、三人はコソコソと話していた。
「うぁ、本当に金持ちが身につける物を付けて来たわね」
「アリスさん、あまり変な事を言うと失礼ですよ」
「しかし、凄い派手だよね。別な所にお金を回せば良いのに?」
「なんだね、私の服に何かあるのか?」
「いえ、何でもありませんわ、ウフフ。お初にかかります、私はアリス・テイラでこちらは‥‥‥」
コソコソと話していると、アブロ国王陛下に声を掛けられたので、慌てて貴族の嗜みに切り替えて、挨拶をしていた。
「それで、クリス団長、わしをわざわざ呼んだ理由は何だ」
「その事で、この子供達がアブロ国王陛下に話が」
「そうよ、アブロ国王陛下、率直に聞きますが‥‥‥」
アリスは何故、行方不明者の捜索や海の周辺調査に乗り出さないのか、アブロ国王陛下に問いただしていた。
「またその話か、海の魔物など存在しない。おそらく船が座礁して沈没したんだろう」
「何ですって!」
アリスがアブロ国王陛下に罵声を浴びせていた。
「アリス、落ち着いて、アブロ国王陛下、僕達はクラーケンを目撃しているんですよ」
「ほう、なら君達は生きているんだ。もし本当なら君達は死んでいるのではないのか」
「あんたって人は、それでもこの国の王なの」
他人の命を気にしていない様子だったので、アリスがアブロ国王陛下に再び、食い掛かっていた。
「アリス、だから落ち着いて。アブロ国王陛下、僕達は仲間のレンに助けられて、ここまで来ました」
「ほう、どうやって来たんだ、話によると船は沈んだのだろう? どうやって助かったんだ」
クリシス伯爵とアブロ国王陛下が疑問を呈してきた。
「分かりました、助かった証拠を見せますよ。だけど、助けた本人は行方不明ですが、レンが皆を助けた方法を見せますよ、エレナ、国王陛下達に挨拶して」
レオスがエレナを呼ぶと姿を現して、クリシス伯爵とアブロ国王陛下に挨拶をしている。
【初めまして、アブロ国王陛下、私はレンと契約している、土と雷の精霊エレナです。今は諸事情でここにいませんが、レオスが言った事は全て事実です】
エレナはレンを助けるために一語一句間違えないように丁寧に話していた。
「何と、君達は精霊を従えているのか」
エレナが目の前に現れるとクリシス伯爵とアブロ国王陛下は驚いた表情をしていた。
えっ、あの子達精霊を従えているのか?
アリス達の後をついて来た、カイトは特殊な力を使って姿を消して、アリス達やアブロ国王陛下達がいる部屋の中にいた。
あの精霊何で契約者がいないのに、自由に現れたり出来るんだ?
契約者が目の前にいないのに、別の人が呼んで現れたので疑問に思っていた。
こうなったら、あの子の記憶を少し覗かせてもらうか、あの子には悪いけど、ちょっとだけ見させてね。
カイトはアリスにターゲットを絞ると、特殊な力を使ってアリス記憶を覗いていた。
へぇ、精霊を自由にさせているんだ、初めて見たよ。普通は自由にさせないに。レン・フォワード君かぁ、実に興味深いな。それにまさか僕の半身に出くわすなんて、まさに一石二鳥かな。
カイトはアリスの記憶を見て、驚いていた。
レン・フォワード、彼なら僕を幸せにしてくれそうだな。
カイトはレンに興味を抱き、意味深な発言を一人でしながら、アリス達の会話を聞いていた。
「何で、船を出してくれないんですか」
精霊エレナを見せながら説明したのに、アブロ国王陛下は拒否したので、アリスが切れていた。
「そんな事に船など使えるか、それに行方不明は既に死んでいる。今更調査して何になる。定期船の方も航路を変更すれば問題ないだろう」
「船を一隻でもダメ何ですか」
「駄目な物は駄目だ、もう話は良いだろう。わしはこれから昼食会のために着替えなくてはならないのだ、おいそこの使用人、彼らを王城の外に案内しなさい」
「何ですって」
「アリス、落ち着いて」
アブロ国王陛下はアリス達の話を切り上げて、足早に部屋を後にした。アリスは切りながら、レオス、レイスに抑えながら、王城の外に出されていた。
「何なのよ、あの金ピカクソ国王は」
「アリス、言い過ぎたよ」
アリスは王城の外に出た瞬間、アブロ国王陛下を罵声していた。
「だから、言っただろう。言っても無駄だって」
クリスが三人を見て、言っていた。
「はぁ、これからどうしよう、これじゃレン君とファングを助けられないよ」
「そうですね。このままレン師匠に一生会えないんですかね」
「それはダメだよ。マスターを助ける方法を考えようよ」
レンを助け出す手段がなくなり、路頭を迷うとしていた。
「その件は、こっちも考えておくよ。私もこのままでは入られないからな。何か進展があったら直ぐに部下達に報告するよ」
「分かりました、私達も宿に戻ります」
クリスと王城近くで分かれると、三人はグッタリした様子で宿に向かって歩いていた。
「父上、母上、今戻りました」
アリス達の会話を姿を消してこっそり、見ていたカイトはアリス達の会話が終わると王宮の客室に戻っていた。
「どうした、そんな笑顔で」
カイトの表情が浮かれていたので、尋ねていた。
「あっ、その事何だけど、父上、母上、力を貸してくれませんか?」
カイトが父親と母親に説明をすると驚いた表情をしていた。
「ふむ、そのレン・フォワードと言う少年は、この近くで行方不明になったのか」
「はい、そうです。父上」
「カイトはそのレンと言う少年に拾われて欲しいの?」
「はい、母上、彼はまだ私よりも年齢は低いですが、他の人と違う感じがします。それに私は彼の精霊を見ました。精霊を見たときは驚きましたよ、活き活きと自由に飛んでいるんですから」
カイトはアリス達の会話を聞いていた時に、偶然アリス達が精霊エレナを呼び出して、見たことを鮮明に覚えていた。
「急に興味を示すと言う事はお前、あの少年に決めたのか」
「はい、父上、だからこうして頼んでいるのですよ。急いで、アブロ国王陛下に取り次いで、捜索用の船を与えて欲しいんです」
カイトは父親に必死に頼み込んでいた。
「分かった、お前がそれで幸せになれるのなら、力を貸そう。それで構わないよな」
「ええ、カイトの頼みですから、私は構いませんわ」
「ありがとう、父上、母上、感謝します」
カイトは父親と母親に頭を下げていた。
「カイト、頭を上げなさい。船の件は父親の私が何とか、取り次いでおくから、そんな心配な顔をするな」
「大丈夫よ、私達を信じなさい。カイトは隣の部屋で昼食会が始まるまで休んでいなさい。時間になったら呼びに行くから」
「分かりました、父上、母上、私は隣の部屋で休ませて頂きます」
カイトは少年の安否を心配しながら、隣の部屋に入ると、ソファーに座っていた。
レン・フォワード、彼が僕の半身と契約しているんだな。早く僕も彼と契約して、半身と一つになりたいよ。そうすれば、僕の体は安定するし、本来の力を取り戻す事が出来るよ。
カイトは自分が半精霊みたいな趣旨を言うと、手のひらを見つめ、不気味な表情が近くの鏡に写り込んでいた。
はぁ、早く僕の所に来ないかな、ファング・ドレイク。君と一つになれば、僕は完全な姿になれるんだよ。そうすれば僕は完全な不死の体に近い存在になれるよ。
アリスの記憶を覗いて、カイトはレンと契約したファングを狙っていた。
早く彼と一つになって、僕はファング・ドレイクに生まれ代わり、レン・フォワード君に尽くしてみたいよ。その為にも、父上と母上には頑張って貰わないとな。レン・フォワード、君は直ぐに僕に会えるよ、楽しみに待って。
カイトは父親と母親に気付かれないように、裏の顔を見せて、レンがやって来る日を待ち望んでいるのだった。
「あぁ、ダメね、今日はもう寝ようかしら」
アリス達は近くで散策した後、夕方頃には宿に戻って、ベッドに倒れていた。
「アリスさん、近くの飲食店でデザートを沢山食べていましたね」
「当たり前よ、あの金ピカクソ国王のせいでイライラしていたのよ」
アリスは未だにアブロ国王陛下を罵声して、イライラしていた。
「確かに、あの衣装や装飾品には苛立ちますね」
「それに、あの国王陛下が船を一隻も出さないなんて、普通はあり得ないよ。せめて一隻だけでも出して欲しいよね。あんなに金持ちなら」
レオスとレイスもアブロ国王陛下の考えに納得していなかった。
「考えてもしかないわね。また明日考えましょう。今日はこれ以上考えると、あのクソ金ピカを思い出すから」
アリス達は足早に寝ようとすると、扉を叩く音がした。
「アリスさん、お客さんが来ていますよ」
宿の娘ナンシーが声を掛けていた。
「どうしたの、ナンシー、お客さんって誰ですか?」
「それが、自衛団のアルベルトさんがお見えになっているんですけど」
ナンシーから聞かされて、三人は驚いていたが、とりあえず部屋に連れてきてとナンシーに言うと、アルベルトがやって来た。
「すまないなこんな時間に、君達を訪ねて」
「いえ、大丈夫ですけど、何かあったんですか」
アルベルトが夕方に来たので、三人は不思議に思っていたが、アルベルトが用件を伝えると歓声が響いていた。
「えっ、船を出してくれるんですか?」
突然手のひらを返し、船を出してくれると言ったので三人は驚いていた。
「あぁ、そうだ。夕方前に突然王城の仕えが、自衛団本部のクリスの所に来て、船を数隻出して貰える事が決まったんだよ」
「でも、国王陛下は船を出さないと言ったはずよ。何で急に船を出したの?」
アリス達や自衛団本部の人達は、リノワール王国の王子が父親と母親に頼んで、アブロ国王陛下を説得していた事を知らなかった。
「あぁ、その事何だか、私も正直驚いたよ。クリスも、突然の出来事で今でも信じられない表情をしているよ。でも、これで捜査が出来るよ。早くれば二日後に出発したい、私達と捜査をしてくれないか?」
「そんなの決まったいるでしょう。当然行きますよ」
「早く、マスターに会いたいよ」
「僕もレン師匠とファングさんに会いたいですよ」
三人は早くレンとファングに会いたかった。
「あぁ、そうだな。それじゃ私は急いでクリスと作戦などを立てたり、武器の積み込みをしないと行けないから、私はこれで失礼するよ」
アリス達と分かれると、アルベルトは二日後に出発出来るように、足早に自衛団本部に足を運んでいた。
「これでやっとレン君に会えるわね」
「そうだね、僕はホッとしたよ」
「アリス、マスターに連絡しないの」
「そうだったわ、エレナ、アクト達と連絡してレン君に伝えておいて」
【分かりましたよ、アリス】
「それじゃ、私達も二日後に備えて準備をしましょう」
レンの捜査が始まることが決まると三人は喜んでいた。三人は二日後に備えてクラーケン討伐作戦など準備を着々と進めていた。そして二日後を迎えると、三人はアルベルトと自衛団本部の精鋭を引き連れて、クリスが見送る中、レンがいる島に向かって船を進めているのだった。
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