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#5 森に棲む精霊と学園の案内

お待たせしました。第5話公開です。レン君初めての冒険どうなるのでしょうか。目が離せませんね(。>ω<。)

 季節が巡り、レンが5歳になったある日の朝、リュックを背負い一人でリノワール平原にある、エレイント森林にやって来ていた。エレイント森林は、リノワール平原にそびえる森林で奥には湖や珍しい植物、モンスターが立ち込める神秘的な森林である。そのため、多くの観光客が訪れている。そんなレンは正規の道から外れて、何故か茂みを歩いていた。


 本当にいるのかな。女の子の幽霊?


 それは、数日前に戻る。何時ものように、セレアからお使いを頼まれて、リノワール中心部に来ていた時、観光客と思われる人が喋っているのを偶然聞いたのだ。


「知ってるか、エレイント森林の道外れに、女の子の幽霊が出る噂」

「なにそれ、怖いのだけど」

「せっかく観光に来て近いんだから、行って見ようよ。どうせ噂だし、別に怖くないだろ。それに正規の道だから遭うことないだろう」

「そう言うなら、行ってみよう。湖が美しいと有名みたいだしね」


 その2人組の会話を聞いて、


 へぇ、エレイント森林にそんな噂があるんだ。初めて知ったよ。エレイント森林に行って、噂の確認しよう。ちょっと、冒険見たいになってきた。


 そして今、ウキウキしながらエレイント森林の茂みを歩いている最中だった。


 しかし、何処を見渡しても森だらけ、森林だからかなり広いな。とりあえず目印を付けながら歩いているが、何もしないと完全に迷子になるよ。暗くなる前には戻らないと、また家族に心配かけるから早めに切り上げよ。


 初めてのお使いで、家族を心配させたことを教訓に、今日は見付けられなくても、明日もあるので時間的にはかなり余裕があった。それから、数十分歩き茂みにある岩に座り込んだ。


 しかし、歩いても、緑一色だな。それにしても風が吹くと、木々が揺れるて心が落ちつくよ。遠くからは鳥の声かな?


 レンは、リュックから飲み物を取り出し、水分補給をした。それから目を閉じて、木々が揺れるせせらぎ感を楽しんだり、遠くから聴こえる鳥の鳴き声を聞きながら、つかの間の休息をしている。そして、再び立ち上がると、更に森林の奥に向かって歩き出した。更に歩くこと数十分、深い森の茂みをかき分けながら、歩いていると突然、広い場所に出た。


「うわぁ!凄い」


 レンは、目を輝かせていた。そこは、エレイント森林にある大きな湖までにはいかないが、そこそこ大きな湖に出ていたのだ。更に驚いたのは、太陽の光が湖に反射して、森が幻想的な空間に包まれていたのだ。


 凄い綺麗だよ。こんな幻想的な空間初めて見たよ。


 あまりの綺麗さに湖をずっと見ていると、遠くに人影が見えた。だが、光が霞んで見えないため、目を細めて見た瞬間、


「うわ!」


 突然驚き、顔を真っ赤にして森の茂みに隠れた。


 何で女の子が全裸になって、湖に入っているんだよ。


 あまりの出来事に頭が混乱していた。すると、遠くから少女の声が聞こえてきた。


【私が見えるのですか?】


 レンは、顔を真っ赤にしたままで、少女の声は聞こえてない様子だった。不安に思った少女は全裸のまま、レンに近付き上からのぞこんだ。


「うわぁ!」


 全裸の少女が見下ろしている姿を見て再び、顔を真っ赤にして後ろを向いた。


「お願いだから、服を着て」


 必死に服を着てと少女に声をかけると、少女はクスクスと笑いながら小さな声で、


【やはり、私が見えるのですね‥‥‥】


 後ろ向いて数十秒後、少女を見ると魔法を使ったのか、いつの間にか服を着ていた。


 服を着て、改めて見ると可愛いなぁ!


 レンの目に映っているのは、髪は緑色のロングヘアで目もエメラルドグリーンみたいに綺麗な緑色をしているのだ。


「ごめんね。まさか女の子が湖に、入っているなんて思わなくて」


 少女に向かって謝っていた。


【良いのですよ。人間がこの湖に来るの久しぶりでしたので、少し油断してましたわ】


 少女は笑顔で気にしないでと、レンに語りかていた。


「あのう、久しぶり会ったと言っていますが、ここには人が来ないのですか?」


 少女の言葉に疑問を感じて、尋ねてみた。


【そうですね! 人間に会うのは数百年ぶりでしょうか】

「えっ!」


 少女の言葉を聞いて、ある噂を思い出し体が突然震えだした。


 嘘だろ。今、数百年ぶりと言ったのですか。どう見ても、10代に見えるよ。もしかして‥‥‥。


 レンは、震えながら少女に聞いた。


「もしかして、幽霊ですか?」


 すると、少女は失礼とばかりに頬を膨らませて答えた。


【失礼ね。私は幽霊ではありません。このエレイント森林に棲んでいる、風の精霊エレントです】


 少女の発言に、レンの思考は固まっていた。少し間をおいて驚きだす。


「精霊!」


 口をパクパクしているレンを見て少女は、クスクスと笑っていた。


【それよりも、あなたの名前を知りたいですわ。私だけ名乗って、名乗らないつもりですか?】


 エレントはレンにズカズカと近付き、問い詰めようとしているため、慌てて答えた。


「僕の名前はレン・フォワードです」


 すると、エレントは笑顔で可愛いと声をかけていたのだ。それからレンは綺麗な湖に戻り、リュックから敷物をしくと、その上に座りお弁当を取り出し食べ始めた。その様子をエレントは見つめていたのだ。


「お弁当、一緒に食べる。たくさん作って貰ったからどう?」


 エレントがお弁当をマジマジと、見ているため声をかけた。


【いえ大丈夫です。精霊は食事しなくても、自然のマナがあれば生きて行けますので】


 エレントはそう言っているが、お弁当を食べたそうに見つめていた。それを見たレンは、お弁当をエレントに差し出した。


「簡単な、サンドイッチだけど食べて」


 すると、エレントは笑顔になって、


【食べて、良いのですか?】


 レンに勧められてエレントはサンドイッチを手にして口に入れると、突然涙を流していた。レンはエレントの突然の涙にあたふたしていると、


【ごめんなさい。人間と一緒に食事をしたの生まれて、初めてだったので】


 その時のエレントは、今まで見せたことのない姿をみせていたのだった。食事を済ませると、敷物とお弁当をリュックに入れて、帰る準備をしていた。


【もう帰られるのですね】


 エレントは寂しそうに、声をかけた。


「うん、そろそろ帰らないと、家族が心配するし。それに、また遊びに来るから!」


 エレントに伝えると、必ず遊びに来てねと、笑顔で手を振っていた。それからさっき通った道を通り、一度休息した茂みにある岩で休息を取っていた。


 しかし、精霊に会うなんて想像しなかったよ。レイジ兄さんに言ったら何て言うかな。


 さっき会った、精霊エレントを思い出していると近くで、


「ワォーン!」


 モンスターの鳴き声が聞こえた。慌てて立ち上がったが、異様な気配を感じて、振り向くと狼が群れで、レンを見つめているのだ。


 嘘だろ。あれは図鑑で見たスターウルフだよ。この付近はいないはずだよ。


 レンは、慌てていた。武器を持っていないからだ。仮に魔法が使えたとしても、全体魔法を覚えていないので一匹ずつしか対処出来ない。そのため群れで掛かってきたら、一溜まりもないのだ。レンは、この場を何とか回避しようと、考えていたが思い付かなかった。


 ごめん。父様、母様、レイジ兄さん、僕、ここで死ぬみたい。僕、また家族に迷惑をかけちゃうね。今度は怒られそう。


 遠くで見つめていた、スターウルフの群れが襲ってくるなか、レンは弱音を吐きながら、遠くを見つめ死んだ時を思い目を瞑った。


「キャン!」


 すると、突然スターウルフの鳴き声が聞こえ目を開くと、周りの様子に驚いていた。植物のツルがスターウルフに絡まって動けないのだ。更に、そのツルの一部はスターウルフに突き刺さっていたのだ。突然の光景に呆然としていると、少女の声が聞こえてくる。


【やはり、心配で付いてきて正解でしたわ】


 少女の声が聞こえた方に振り向いたが、姿が見えなかった。まさか幽霊かと思っていると、


【私は上ですわ】


 言われて、上を見上げると、さっき会った精霊エレントが空に浮いていたのだ。


「エレントさん、宙に浮いているのですが」


 レンは、口をガクガクしながら言うと、


【精霊ですもの、宙に浮いていてもおかしくないと、思うのですが】


 エレントは首を傾げていたが、次第に地面に下りて、レンのもとにやってきた。


【怪我はないですか?】


 エレントに訪ねられ、レンは大丈夫と言いつつ、


「助けてくれて、ありがとうございます」


 エレントに向かって、助けてくれたお礼をした。


【良いのよ。お友達になったのだからレン君を護ってあげないと、それに、これからずっと一緒にいられそうだし!】


 エレントの言葉に、一瞬固まりながら聞き返した。


「今、ずっと一緒にいられるとか、言いませんでしたか?」


 すると、エレントは笑顔で言いましたよと、言っていた。それからレンは岩に座って、頭を抱えながら整理していた。


 どうしよう。精霊を連れて行く何て、前代未聞だよ。精霊を連れて行ったら有名になって、僕のやりたい事が出来なくなるんじゃ。でも、エレントがずっと笑顔でこっち見つめているよ。


 レンは将来のことを考えていたが、エレントが物凄く笑顔で見つめているので、断ることが出来なかった。そして、諦めたように口を開いた。


「分かったよ。一緒に付いてきて良いよ」


 すると、エレントは嬉しそうにレンに抱きついた。


【ありがとう。レン様。それじゃ、契約しましょう】


 エレントの言葉に聞き返した、


「えっ! ついて来るんじゃなかったの? 契約って、何?」


 一瞬何のことか分からず、立ち尽くすとエレントが声をかけた。


【簡単な事ですわ。魔法を唱える要領で私に触れて、名前を言えば済む事ですわ】


 エレントは簡単に言っているが、レンは躊躇(ためら)っていた。


 いや、契約って死ぬまで一緒にいることだよね。それに精霊と契約すると、自分の魔力をエネルギー源にしてると、レイジ兄さんから聞いたことがあるよ。もし、契約してる途中や契約後に死んだら、シャレにならないのですが。


 レンは、頭を抱えながらエレントに言った。


「あのう、僕、契約したら魔力を吸われて死ぬのですか?」


 すると、クスクスと笑いながら言った。


【大丈夫ですよ。レン様の魔力量を見込んで、契約を頼んでいるのです。吸われたとしても、支障はありません。それに、普通の人だと多分死にますわ】


 エレントは平然と、恐ろしいことを言いながら、大丈夫と言っている。


 僕、そんなに魔力が高いのかな? 確かに、魔法の練習をしていた時、レイジ兄さんが魔力量が高いとか、言ってたし。精霊と契約するんだから、それなりの魔力さえあれば簡単に契約出来るのかな?


 レンは、あまり気にする様子もなく、淡々とエレントに向かって、手を触れて叫んだ。


「エレント!」


 すると、淡い光と風がレンの周りを包んだ。そして、光が収まるとエレントは再び抱きしめたのだ。それから、レンはエレントと一緒に自宅に向かってエレイント森林を歩き出した。数十分歩いて、リノワール平原に出たときに、ふと気になることを思い出した。


「あのう。エレントさん、最初に会った時、凄く驚いていましたよね。何故ですか?」


 エレントは呼び捨てで構いませんと言いつつ、笑顔で淡々と答えていた。


【普通の人は、私の姿を見ることは出来ませんわ。何故か、レン様は私の姿が見えているのですけど。おそらくは精霊と契約が出来る何かを、持っているかと】


 エレントの言葉を聞いて、驚いていた。


「えっ! それじゃ、いま僕は見えない相手と話しているように、他人の人はそう見えてるの?」


【大丈夫ですよ。今はレン様と契約をして、たくさんのマナを貰っているので、姿を見せることが出来ます。嫌なら姿を消しますが】


 エレントの言葉を聞いて、ホッと胸をなで下ろしていた。


 よかった。姿の見えない相手に話しかけていたら、変な人だと思われちゃうよ。


 とりあえず、人目が付くリノワール平原に出ていたので姿を消すように言って、姿を消してもらった。その姿はレンにも分かるように消えて、声だけが聞こえる。


「ごめんね。姿を消さして、消しているときは宙に浮いても大丈夫だから」


 エレントはクスクスと笑いながら、謝らないで大丈夫ですよ。レン様のこと分かっていますなどと言いながら、宙に浮きレンに付いて行った。自宅が着く頃には、辺りは夕暮れになっている。そして、レンはまた玄関前で悩んでいた。


 レイジ兄さん帰っていてるだろうな。何て、言おうか。


 前回みたいなことがあったので、また何か言われそうだと考えながら、玄関の扉を開ける。


「ただいま!」


 すると、声に反応して自宅の奥から、男性一人が勢いよく走ってきて、抱きついた。


「レン、お帰り。何処まで、エレイント森林で探索してたの、遅いから心配したんだよ」

「グェ! レイジ兄さん、いい加減抱きつくのやめて」


 レイジ兄さんに何時ものように抱きつかれていたが、彼の目線はレンの隣に向いていた。


「レン、隣にいる美しい少女は誰だい」

「えっ!」


 振り向くと何故か、エレントが姿を見せている。エレントは小さな声で言った。


【折角レン様と契約したのだから、家族に挨拶しないと】


 エレントの言葉を聞いて、頭を抱えてうな垂れている。


 何で姿さらしてるの。精霊が家族に挨拶なんて、何処の文献でも聞いたことがないのですが。


 レンはパニックになっていた、普通精霊が家族に挨拶するのかと、そして家族に何て言おうか。必死に答えを探したが一つしかなかった。


「レイジ兄さん、父様と母様が帰ってきたら全て話します」


 肩をがっくしと落としながら、自分の部屋に向かった。そして、夕食の時間を迎え、家族団欒の場にいた。


「それで、先程からいる美しい少女は誰なんだ?」

「紹介して欲しいわ、レン」


 マイクとセリアが、エレントを見つめながら聞いてきた。


「彼女の名前はエレント。エレイント森林であった女の子です。ちょっと、訳ありで泊めて欲しいのです」


 何とか精霊と契約したことを隠そうと、困っていた少女を自宅に泊めてあげられないかと、装っていたがそれはすぐに崩れた。


【初めまして、私はレン様と契約をしている、風の精霊エレントです】


「チョ、何言ってるの!」


 エレントが堂々と契約をしていることを伝えると、家族全員は口を開けながら驚いている。エレントの隣では頭を抱えながら、終わったと言いながら一人(うずくま)っていた。しばらく間が空いたあと、レイジ兄さんが喋り出した。


「レン、精霊と契約ってどう言うことだ? 精霊とは、普通契約出来ないよ。本当に精霊なの? 目の前にいるの普通の少女だよね」


 目の前にいるエレントを見ながら尋ねてくる。無理もない、精霊を見た人などほとんどいないのだ。更に目の前にいる少女が、普通の人間の姿をしているので、本当かどうか疑っていたのだ。レンはため息を吐きながら、諦めるようにエレントに言った。


「エレント、家族の回りを飛んでみせてあげて」

【わかりましたわ、レン様】


 すると、エレントは笑顔で宙に浮き、家族の回りを何回も飛び回った。その光景を家族全員が呆然と、エレントを見ていたのだ。その飛び回るエレントを見て、レイジ兄さんが目を輝かせていた。


「凄いよレン。精霊と契約するなんて、しかし、初めて精霊を見たよ。しかも、こんなに美しいなんて」


 レイジ兄さんは、エレントを見ながら興奮していた。その横で苦笑いをしていたが、マイクが頭を抱えながら言った。


「レン、精霊と契約して、どうするつもりなんだ。他の人に精霊が飛んでいる姿を見せたら、大騒ぎになるぞ」


 将来のことを心配しながら言われたので、


「大丈夫ですよ父様。エレントは姿を消せますし、それに見えている時は、普通の少女のように歩いて、行動するので」


 平然とマイクの心配に対して答えていた。それから、エレントと会った出来事を話した後、家族にエレントの姿を消したり、現れたりを見せている度に、何回も驚いていた。そして、食事も終わり部屋に戻ろうとしたとき、マイクに声を掛けられた。


「レン、ちょっと時間はあるか? 話があるんだ」

「はい、大丈夫ですが」


 マイクの突然の話に不安があったが、家族団欒の所に着くと、何故か家族全員が椅子に座って待っていた。椅子に座ってから、


「話って、何ですか?」

「レンは、来年から学校に行くのだから、そろそろ何処に行くか決めようと、思ってね。なるべくレンの将来を尊重したいから、こうして家族皆と話そうと思っていたんだ」


 レイジ兄さんが真剣の目で言ってくる。


「レイジ、レンがいない時に話したら、まだ学校は早いとか、近くの学校で良いとか、騒いでいたじゃないか?」


 マイクがレイジ兄さんの変わりように呆れていた。


 レイジ兄さんそんなこと考えていたのか? 確かに、近いと便利だけど、レイジ兄さんが毎日送り迎えされることを考えると退くよ。


 自分がもし、近くの学校を選んだ場合のことを想像していると、


「とりあえず、レンが通えそうな学校を選んでおいたわ」


 セリアがいくつかの資料を、レンの前に差し出した。それを黙々と眺めていたのだ。それから手渡された資料を眺めて、数十分が経ち、マイクが口を開いた。


「何処か、行きたい学校はあるか?」


 尋ねられたので、資料を見ながら一つの学校を指差した。


「僕、リズワール王国にある、リズワール王国魔法騎士学園に行きたいです」


 すると、何故か突然レイジ兄さんがハシャギ出す。


「レン、僕の通っていた学校に行くんだね。それなら何でも聞いて僕はあの学校の卒業生だから」


 レイジ兄さんが通っていた学校なのか、何故か嬉しそうにしているが、気にしないで学校に付いて聞いてみた。


「それで気になったのですが、この学科は、魔法科、剣武術科、魔法騎士科の三つなのですか?」


 すると、レイジ兄さんは淡々と説明してくれた。


「そうだね、学科は三つだよ。それぞれの学科で授業が違うんだ。魔法科は、その名の通り魔法の専門。剣武術科は、武器と体を使った授業で主に護衛や力仕事だね。魔法騎士科は、剣武術科と違って武器に魔法を付属させたり、魔法と武器を使い分ける、高度な授業があるよ」


 レイジ兄さんの説明に関心していると、つけ足すように言った。


「この学園一番の魅力は、ギルド支部公認の学生ギルドがあることなんだ。ギルドで依頼をこなすと、卒業の単位と報酬が貰えるんだよ」

「学生ギルド何て、あるんですか?」


 レンは、目をキラキラ輝かせながら、レイジ兄さんを問い詰める。


「学生ギルドは、学園に入ったら必ず入るよ。初等部からあって、各部によって依頼は違うけど、その分授業の講義の日数が少ないんだけど、実践形式だから、かなり経験を積めるし将来に役立つからね。この地域では珍しいから、かなりの実績がないと入学出来ないんだ」


 レイジ兄さんの説明を聞いて、相当な実力がないと、入れないことが分かると、肩を落としていたが、


「レン、何落ち込んでいるんだ。レンの実力なら飛び級で、中等部から入れるんじゃないか!」


 落ち込んでいる、レンに声をかけると


「父様、僕に実力や実績があるのでしょうか?」


 不安そうに答えていると、


「レンはもう精霊と契約しているんだから、相当な実力を持っていてもおかしくないわ」 


 セリアが優しく、励ましていた。


「本当ですか母様?」


 するとレイジ兄さんが、


「レンなら、飛び級で中等部から入れるよ。それに精霊と契約してことが分かったら先生達びっくりするだろうね。それでどの学科を希望するの?」


 先生達が驚いている姿を想像しているのか、レイジ兄さんはかなり楽しそうな表情をしていた。


「僕は、魔法騎士科に入りたいです。レイジ兄さんに魔法や剣術など教わって貰っていたので、それに‥‥‥」


 家族に伝えると、誰もレンの意見を否定することはなかった。それから、セリアはレンが学園に行く、手続きの準備をしていた。


「あのう、入学試験はあるのですか?」


 リズワール王国魔法騎士学園の、入学試験内容が聞きたくて質問すると、


「あるけど、レンは中等部初級程度の授業内容は、既に習得してるから問題ないだろう」


 レイジ兄さんが、呆気なく答えていた。その後も家族といろいろ話した後、部屋に戻っていた。


「はぁ、今日は一日疲れたよ」

【そうですわね。レン様】

「えっ!」


 レンは驚いていた、自分の部屋にエレントが姿を現したのである。


「僕、呼んでないんだけど」

【誰も見ていないのですから、良いのでわ】

「嫌、駄目だって、僕、そろそろ寝るんだから」


 そろそろ寝る準備をしていると、エレントは笑顔で答えた。


【それならレン様、一緒に寝ましょう】


 エレントの発言で、顔を真っ赤にする。


「ダメだよ。てか、精霊は特殊な空間で寝てるんじゃないの?」

【確かに、普通の妖精ならそうですが、精霊は自由ですね。私の場合は宙に浮きながら寝てますわ。レン様が嫌なら、上から護っていますわ】


 エレントはレンの上に飛ぶと、お休みなさいと言って姿を消した。それから顔を真っ赤にしたままベッドに入り、エレントに見守られながら眠りに入った。


次回更新は未定です。長期にお待ち下さい。出来次第更新します。温かくお待ち下さいm(__)m

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