#46 周辺海域の調査へとファングの悩み
お待たせしました。第46話公開です。いよいよ調査開始、だけど船で移動なので多少時間が掛かるみたい、その間も四人は何かを考えているみたいかな?(。>ω<。)
五人は海に現れた謎の生物を調査するため、宿を出ようとしていた。
「それじゃ、僕達は暫く宿を留守にしますので、荷物などの管理よろしくお願いします」
「あぁ、大丈夫だよ。お前達は世話になっているから、荷物の方は任せておけ」
「皆さん気をつけて行って来て下さいね」
宿の三人見送られて、五人は自衛団本部に向けて、必要最低限の装備や荷物を持ち歩き進めていた。
「いよいよだね」
「あぁ、何か緊張するぜ」
「ファングは緊張じゃなくてワクワクの間違いじゃないの」
「はぁ、別にワクワク何かしてないよ」
「そうですか? 楽しそうな表情してますよ」
「ファングお兄ちゃん、嘘が下手、顔に出てるよ」
「レイスはともかく、レオスに言われるのはショックだぜ」
五人は楽しく会話していると、自衛団本部の入口でクリスが待っていた。
「やぁ、待っていたよ。それじゃ、部分のメンバーの所に行こうか」
クリスに案内されて、今回調査するメンバーの所に案内されていた。
「ここだよ、今は作戦会議中だから静かに裏で見ててね」
クリスに案内されると50人程度の人がリーダーの話を真剣に聞いていた。
うぁ、本格的な会議の場だよ。何か緊張してきた。
五人は会議の様子を見守り、会議が終わるとクリスが調査リーダーと入れ替わるように話し始めていた。
「お前達、今回任務は謎の生物の撃退と行方不明になっている、我が同僚の救出だから、くれぐれも気をつけて任務を遂行するように」
クリスが調査部隊に激励などの言葉を掛けた後、五人の紹介をしていた。
「初めまして、レン・フォワードです」
「おぉ、君が精霊を扱う人間だね」
「えっ、何で知っているんですか?」
「僕は一応今回指揮をする、アルベルト・コーナーだよ。クリスには事前に聞かされていたから、こんなに小さいのにあの盗賊達を捕まえたから、自衛団本部内ではかなりの噂になっているよ」
「えっ、クリスさん話が違いますよ」
「悪いな、部下がしつこく聞いてくるから、だけど君達の事を話したら、皆小さい子に負けられないと、急にやる気を出したから良いお灸かも知れないよ」
クリスが話していたのでレンはガッカリしていたが、五人は一通り自己紹介した後、クリスに挨拶してアルベルトの部隊に合流していた。
「調査期間の間、よろしくお願いします」
「あぁ、こちらこそよろしくな。俺達は荷物の積み込みなどあるから、午後になったら港に来てくれ」
「分かりました、少し街中を散策してますね」
アルベルトと一旦別れて、街中を散策していた。
「何か時間空いちゃったね」
「何か食べたい」
「そうね、喫茶店で軽いデザートでも食べない」
「それ良いですね、行きましょう」
「レイス、お前は食事をしたいだけだろう」
五人は時間を潰すため、前に来た喫茶店でデザートを頼みながら話していた。
「自衛団の会議凄かったよね、自分も自衛団の一人になった気分だよ」
自衛団本部で行われた、調査部隊の会議について話していた。
「確かに、将来騎士とかになるとあんな事するんだな。良い経験を体験したよ」
「ファングは騎士を目指しいるんだよね」
ファングは有名騎士の三男なので、ゆくゆくは騎士なると思っていた。
「あぁ、そうだけど、騎士と言ってもレンの騎士になるつもりだぜ」
「レンの騎士ってなに?」
ファングがレン専属の騎士になると言っていた。
「何って、レンと一緒に居るために、専属の騎士になるだよ。そうすれば、ずっとお前の傍に居られるし住み込みも出来るだろう」
ファングはどこまでもレンの傍に居るために手段を選ばないので、レンはガックリしていた。
「ファング、僕は騎士は要らないよ。ファングは自分の将来を頑張ってよ」
「何でだよ。俺はお前の傍が良いんだよ。俺を騎士として買い取ってよ」
ファングがレンに泣き付いていた。
何なんだよ、此奴はどこまで僕の傍に居たがるんだよ。しかも人身売買みたいな事を言わないで。ファングは自分の夢が僕の護衛で良いの?
ファングが目指している夢が全く分からなかった。
「はぁ、好きにすれば、僕はファングの世話はしないからね」
「別に世話はしなくても良いよ。お前の傍に要られればそれで良いから」
「あっそう、言っても無駄だからこれ以上聞かないけど、三人も同じ考え何でしょう」
レンが三人に目線を送ると、何故か顔を背けて誤魔化していたので、レンはうな垂れていた。
はぁ、結局三人もファングと同じなんだね。
結局三人もレンの傍にずっといたい事が分かり、レンの人生は今後どうなるのかはこの四人の行動次第だと感じていた。
「はぁ、四人は将来の夢はないの?」
「俺はレンの騎士だと言っただろう」
「僕はレンさんの護衛をしたいです」
「私はレン君と‥‥‥」
「僕はレンお兄ちゃんと一緒にいたい」
「本当にそれが四人の夢なの?」
再度確認したけど、返ってくる答えが同じなのでガッカリしていた。五人は注文したデザートを食べた後、喫茶店を出て待ち合わせの港に向かっていた。
はぁ、結局四人から将来の夢を聞き出せなかったよ。本当に僕の護衛が夢なら、僕の自由は無くなるよ。
四人の夢がレンと一緒にいることしか言わないので、仮に現実になったらレンに取っては悪夢しかなかった。
それよりも、結構大きな船だね。
集合の港に着くと、大きな船が目の前に広がっていた。
「やぁ、君達やっと来たね、それじゃ船の中に案内するね」
アルベルトに船の案内をされた後、それぞれの部屋に案内されていた。
「それじゃ、君達の部屋はここだから、好きに使ってくれよ」
「はい、ありがとうございます。アルベルトさん」
「いえ、これはあくまでも仕事なので、何かあったら私の部下に色々聞いて下さい。調査ポイントに着きましたら連絡しますので、それまでは船内で自由にして構いません」
アルベルトが部屋をあとにすると四人はジャンケンしていた。
「ヨッシー、俺とレンが一緒の部屋だぜ。お前らは三人で隣の部屋な」
「はぁ、また負けたよ。何でレン君と一緒になれないの」
「僕もですよ。レン師匠と一緒の部屋になった事ありませんよ」
「僕、レンお兄ちゃんと一緒に寝たかった」
四人はジャンケンでレンの取り合いをしていたので、レンは恥ずかしかった。
自衛団の人がいるのに、何やっているの?
レンは四人を無視して足早に部屋に入ると、後からファングがやって来て、レンを抱きしめていた。
「ファング、やめて気持ち悪いよ」
「良いだろう、やっと二人きりになれたんだから、それに話したい事があるから」
ファングが何か思い詰めている様子だったので、荷物を置いて椅子に座ると、船が出発したのか汽笛が響き渡っていた。
「それで、話って何?」
「あぁ、それは‥‥‥」
ファングは誰かに聞かれたくないのか、ドアの鍵を閉めてから話し始めた。
「レンは俺の事どう思っているんだ?」
「えっ、いきなりどうしたの?」
ファングがいきなり唐突な質問をされたので戸惑っていた。
「ファングは頼りになると思うよ、いつも僕を護ってくれるでしょう?」
「俺はお前を護れてないよ、前に言った事を直ぐに破っただろう」
ファングは課外授業の時の事件を蒸し返していた。
「それは、仕方ないでしょう。あの時は部屋が遠かったから」
「違う、俺はお前の魔力を感じれるのに、あの時は課外授業だから先生もいるし安心だと思い魔力探知を解いていたんだよ。あの時、俺が魔力探知を解除してなければ、あの事件は起こらなかったんだよ」
ファングは過去を後悔して、自分の気持ちをレンに伝えていた。
「ファング、そこまで僕を護る理由が分からないよ」
「あるよ、お前は俺を新しい世界にこうして連れてくれるだろう。
レンにあった時、お前から感じるオーラが普通と違ったんだよ」
ファングはその後もレンに色々と溜まっていた事を吐き出していた。
「ファング、君の気持ちは分かったよ、好きにすれば、ファングのやりたいようにすれば良いよ。僕はもう何も言わないから」
「ありがとなレン、お前には迷惑掛かるけど、お前を怒らせたりしないからこれからもずっと一緒にいてくれよ」
ファングはレンに全てはき出した後、レンに暫く抱き付きながら、感謝していた。
はぁ、ファングらしい答えだよ。
ファングは抱き付いた後、レンにお願いごとをしていた。
「えっ、風系の技や魔法を学びたい」
ファングが突然、レンに頼み事をしていた。
「俺が火と炎系が得意の事は知っているよな」
「うん知っているけど、風系を学びたいのと関係があるの?」
「あるある大ありだぜ」
「顔が近いよファング」
「悪ぃレン、俺は火と炎以外の技は基本的にダメダメ何だよ。だからもっとレンを護れるように、あらゆる属性の技を学びたいだよ」
「はぁ、そう言うことね」
ファングが突然、技を教えて欲しいと言った理由が分かり、レンは悩んでいた。
「ファングは別に火と炎の技だけで行けると思うけどなぁ」
「確かに今は良いけど、相性が悪い相手だとダメだろう?」
「うっ、確かに」
ファングに毎回確信を突かれるレンであった。
「だろう、だからレン、俺に風系の技を教えて下さい」
ファングが土下座してレンに頼み込むので、レンはため息を吐いてから、ファングに教えることにした。
「はぁ、分かったよ。だけどまずは風を自在に扱える練習をしてよ。エレント」
レンはエレントを呼び出していた。
【レン様、何かご用ですか?】
「レン、エレントを呼び出して何をするんだ」
エレントを呼び出していたので、ファングは首を傾げていた。
「エレントに攻撃じゃない普通の弱い風を当てるから上手く避けて見て」
「レン、そんな事を出来るわけないだろう」
「はぁ、じゃエレント、好きなタイミングでやって見て、姿を消して」
【分かりましたわ、レン様】
レンはエレントに指示した後、椅子に座りジッとしていると、レンは急にしゃがみ込み、風が流れていくのがハッキリと分かった。
「どうファング、風の流れを把握出来れば簡単に避けられるよ」
「お前、精霊と会話してないだろうな」
ファングが疑っているので、姿を見せてエレントの背を向けて見えないようにしてから、もう一度見せてあげるとファングは驚いていた。
「スゲー、本当に精霊とイカサマしないでやっているんだな」
「はぁ、僕がイカサマすると思っているの? ならこの話は無しで」
「待てレン、俺が悪かった」
ファングはレンに謝ってから、練習を始めていた。
「うぁ、もう一回お願いします」
ファングはエレントに何回も弱い風に当たっているので、レンは見かねていた。
【なぁ、レン、最初からしゃがんで入れば楽に避けられるよな】
「それはずるだよアクト、僕はギリギリで交わしていたから、ファングも同じにならないと、僕の位置に付けないと思って入るんだよ」
【ファングさんはああ見えて結構真面目だからイカサマはしないんだよ】
【ふーんそうなんだ、でもあれを避けられないと先が思いやられるぜ】
「そんな事を言わないの、僕もマスターするまでにかなり時間が掛かったんだからね」
レンは幼少期にマスターしているが、かなりの時間を要していた。
「ファング、僕は少し寝てるから頑張って」
「あぁ、お前が起きる時にはクリアしているぜ。エレント、もう一回お願いします」
「アクト、アルトニス、エレナ、ファングの練習を見て時々アドバイスとかお願いね」
【あぁ、任せなレン】
【レンさんはゆっくり休んでね】
【レン、起きた時にはファングが見違えるようにするよ】
「それじゃ宜しくね、ファング三人に見てもらうから時々アドバイス貰いなよ」
「あぁ、すまないなレン」
精霊三人をファングの近くに行くとレンはベットに入り軽い昼寝を始めていた。
「はぁ、なんで上手く避けられないんだよ。たかが普通の風だぞ」
エレントから送られる風が何回も顔に当たって嘆いていた。
【今は普通の風ですけど、風の刃に変えればファングは大怪我しますよ】
「うっ、それは‥‥‥確かにそうだけど、中々避けられないんだよ」
【お前、本当に火と炎以外はダメダメ何だな】
「うるさい、だからこうやって練習してるんだろう」
【ファングさんは敵が目の前にいると、あり得ない瞬発力や力を発揮するのに、目的を失うとダメダメだよね】
「それは自覚しているから言わないで」
ファングは椅子に座りながら顔を振っていた。
【普段もその位の瞬発力があれば良いのにな。ファング、何で避けられないか教えてやるよ。お前は周囲の風の乱れを読めてないんだよ】
「それどう言う意味だよ」
ファングはアクトにアドバイスを説明されて納得した後、アクトに言われた事を実践すると風を避けられるようになっていた。
【上達早いな、レンが言っていたけど呑み込み良いな】
「これもアクトのおかげだよ。エレントもう一回お願いします」
ファングはエレントに何回も風を出して貰い練習をすると、完璧にレンに言われた事を習得していたので、ファングはレンを起こしていた。
「うーん、どうしたのファング? もしかして夕食の時間になった?」
ファングに無理やり起こされていたので、若干寝ぼけていた。
「悪いレン、寝ている所起こしてしまって、だけどお前が言った事は習得したぜ」
「へぇ、そうなんだ。じゃ見せてよファング」
ファングは練習をした成果をレンに見せていた。
「やるねファング、短時間で習得するなんて凄いよ」
「当たり前だろう、この位出来ないとレンに近付けないし」
「そうだね、それじゃ次はこれね」
レンは手のひらを出すと、そこに小さい風が渦を巻いていた。
「これをやるのかレン」
「そうだけど、風魔法の基本だよ。風を自在に扱えないと風系の剣技や魔法は使えないよ」
レンが魔法を使い始めていたので、ファングはうな垂れていた。
「ファングどうしたの急に、力尽きたみたいな表情をして」
「いや、俺魔法は苦手なんだよ」
【お前、わがまま言っていたら、風系は使えないぜ】
「そうだな、言ったのは俺だから頑張るよ」
ファングは気合いを入れ直すと、手のひらを出して練習を始めていた。
「ファング、直ぐには習得するの大変だけど、僕も見ているから頑張ろう」
「あぁ、お前が入れば、勇気がつくよ」
ファングは手のひらを見つめながら、必死に風を起こそうとしていたが、起きないのでベットに倒れ込んでいた。
「はぁ、ダメだぁ全然風が起こる気配を感じないよ」
「まぁまぁ、始めたばかり何だから直ぐには無理だよ。毎回やるしかないね」
「うん頑張るよ。久しぶりにお前に修行付けてもらっているから俺スゲー嬉しいんだよ」
「へぇ、そうなんだ。あんまり目をキラキラさせないで欲しいな」
ファングはレンに稽古を付けられて、喜んでいた。
「さて、練習するかな、えっい」
【ファングは意外と練習熱心だよな】
「そうだね、まぁそこがファングの長所だよ。練習で弱音を吐かない努力家だからね」
それからファングは時々アドバイスをレンから貰い、必死に練習を進めていると、弱い風を起こせるまでに成長していた。
【へぇ、やるじゃないか】
「凄いよファング」
「これもレンのおかげだよ」
手のひらには弱い風が渦を巻いていたが、時間が経つと消えていた。
「はぁ、今の自分の限界だな。今日はもう無理だよ」
「まぁここまで出来ればあと少しだよ、毎回練習しなよ」
「あぁ、任せろ。絶対に明日には習得してみせるぜ、ちょっと俺休むわ」
「はいはい、威勢だけは人一倍何だから、ゆっくり休みなファング」
ファングはベットに倒れたまま寝ていていたのでレンは軽く布団を被せたら、アリス達のいる部屋に歩いているのだった。
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