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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第5章 長い夏季休暇中に巻き起こる冒険と新たな事件 第3節 遭難と海に棲む巨大な魔物の討伐
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#45 自衛団本部の依頼とつかの間の休憩

お待たせしました。第45話公開です。盗賊の件があっさり終わり、また冒険をしようかなと考えていた矢先、またまた問題発生ですね(。>ω<。)

 盗賊達の事件から二日が経ち、レイン王国の街中はいつもの活気に戻りつつあった。五人は街中を歩き、自衛団本部に向かっている最中だった。


「だいぶ、活気が戻って来たね」

「そうだな、被害があった建物もだいぶ元通りになりつつあるしな」


 街中を見渡すと、被害があった建物もだいぶ修復していたので五人はホッとしていた。五人は自衛団本部に着くと客室間に案内されて、暫く待つとクリスがやって来た。


「やぁ、君達、盗賊の件は本当に助かったよ。改めてお礼をさせて貰うよ」

「いえ、僕達はただ盗賊達を捕まえただけですから盛大に、表彰されるのは困ります」

「そうか、私は名誉だと思うのだけどあまり目立ちたくないんだな」


 クリスが大勢の前で表彰しようと言っていたので、レンは断っていた。


 これ以上目立ったら、自由に冒険出来ないよ。


 盗賊達は捕まり、精霊エレナに関してはレンがクリスに事情を説明して、何とか秘密にしてと言ったばかりなので、人前で表彰されるのがよっぽど嫌だった。


「はぁ、仕方ない。表彰はここでさせて貰うよ」


 クリスは袋をレン達の前に差し出していた。


「あのう、これは何ですか?」

「今回盗賊達の協力してくれたお礼だよ。プラチナ貨百枚程度入っているよ」

「えっ、百枚もくれるんですか?」


 クリスがプラチナ貨百枚程度入っていると言うと、アリスが袋を開けて確認していた。


「凄い、これなら暫く生活は大丈夫よ、レン君」

「でも、こんなに頂いて良いんですか?」


 あまりの大金に何か裏があるんじゃないかと思い確認していた。


「あぁ、それはギルドと自衛団本部の気持ちが込めてあるから、受け取っても大丈夫だよ」

「分かりました、これは大事に使わせて貰います」

「やった、これでおいしい物をたくさん食べれるわ」


 お金を受け取り五人が喜んでいると、クリスが別の依頼を提示してきた。


「それで、盗賊達を捕まえた腕を見込んで、私の依頼を受けて欲しいんだ」


 自衛団本部のリーダークリスが頭を下げて、頼み込むので五人は戸惑っていた。


「あのう、何かあったんですか?」

「実は‥‥‥」


 クリスから事情を聞くと、最近この周辺の海域に謎の生物が船を襲っていると言う情報だった。


「えっ、それじゃその生物を倒さないと定期船も出ないんですか?」

「そうだね、その生物はここ数日前に現れて、いくつかの部隊がその海域を調査するため向かったのだけど、誰一人帰って来なかったんだ。そこで精霊を扱える君達なら、謎の生物と対等に戦えると考えたんだよ。だから私達に協力してくれないか、わがままかも知れないが、もはや君達しか頼れる戦力がないんだ」


 クリスは必死に頭を下げて、何とか謎の生物の調査に協力してくれないか、五人に頼み込んでいた。


「クリスさん、頭を上げて下さい。定期船が出ないと僕達も困るので、その依頼請けますよ」

「はぁ、またレン君が余計な依頼を請けているわ」

「仕方ないよ、どの道定期船が出ない以上、誰かが調査しないと解決しないだろう?」


 四人はレンが決めた事に反対しなかった。


「ありがとう君達、この件が終わったら改めて、別にお礼をさせて貰うよ。それで依頼の調査何だけど四日後に新たな部隊を編成するからそれに同行して貰って良いかな」

「はい、分かりました。その時はよろしくお願いします」


 クリスと握手をしてから、五人は自衛団本部を後にして街中の喫茶店で寛いでいた。


「何かまた大きな事件に巻き込まれたな」

「今度は謎の生物ですね」

「しかも謎の生物を倒さないと定期船が出ないとかあり得ないでしょう」

「僕、泳ぐの苦手だよ」


 四人は我に返ったのか、依頼を請けた事に後悔していた。


「四人とも後ろめいた事を言わないの、どの道謎の生物を倒さないと僕達帰れないんだよ」

「はぁ、それはそうだけど、お前を危険な所に行かせたくないんだよ」


 ファングが心配していた。


「まぁ心配するのは分かるけど、請けてしまったから頑張るしかないわね」

「しかし、謎の生物って何でしょうね」

「それが分かれば、対策しているでしょう」

「アハハハ、確かにそうですね」


 五人が話していると注文した、料理がやって来た。


「お待たせしたしたレイン王国名物、ポロネリパスタとレイン牛のステーキです」


 料理が来ると五人は目を輝かせていた。


「はぁ、久しぶりに飲食店で料理を食べるよ」

「そうだな、海に入った以来だから、久しぶりのご馳走だぜ」

「うーん、良い香りだよ。レンお兄ちゃん」

「早く食べましょう皆さん」

「ちょっと待って、私がお皿に盛り付けるから勝手に取らない」


 アリスに分けられてから五人は一斉に料理を口にしていた。


「あぁ、久しぶりにまともな昼食を取っているぜ」

「そうだね、僕も久しぶりに豪華な食事をしているよ」

「たまには贅沢も良いでしょう。折角盗賊達を捕まえてお礼も貰ったからこれは私達のご褒美よ」


 五人は料理を堪能していると、レンに向かって精霊四人が声をかけて来た。


【レン、俺達にも一口くれよ】

【レンさん、僕も食べたい】

【レン様、一口で良いので下さいよ】

【レン、私も食べたい】


 精霊四人は前に食べた料理が美味しかったので、精霊達は人間の料理に関心があった。


「いや、人前だから無理でしょう」


 周りには大勢の人がいるので、誰かに見られたら困ると言うと、精霊四人はガッカリしていた。


 はぁ、そこでガッカリする声をしないで、全く困った精霊だよ。


 レンは呆れていたが、精霊四人に食べさせる方法を考えていると、アリスが声を掛けて来た。


「もしかして、精霊達が何か言っているの?」

「うん、一口だけで良いから食べたいって言うんだよ」


 レンが話すとアリスは呆れていたが、アリスは精霊四人の分を皿に分けると、こっそりとレンの膝に置いた。


「これなら見えないでしょう」

「まぁ、そうだけど、食べずらそうな位置だよね」


 レンが食べて良いよと合図すると、膝に置いたお皿にあった料理が一瞬にして消えていた。


「何これ、凄い。一瞬にして、料理が異空間に吸い込まれたわ」

「うん、僕も見ていたけどどうやって食べたの?」


 膝に置いた料理が一瞬して消えたので二人は驚いていた。


【はぁ、美味しかった】

【一口だけど、凄い美味しいよアクト】

【口の中に肉汁が染み渡りますわ】

【凄く美味しい、もっと食べたいくらいだよ】


 精霊四人は料理を一口食べて感動していた。


「アクト、どうやって食べたの?」

【えっ、普通にレンの膝に顔近づけて、料理を食べただけだけど】

【飛びながら食べたんだよ】


 アクトとアルトニスの説明を聞くと、精霊達が凄い芸当をして食べているので驚いていた。


「やっぱ凄いわね、普通は出来ないわよ、まぁレン君の精霊だから凄い事をしてもおかしくないわね」

「いや、僕の精霊だけ例外扱いしないでよ」

【それよりも、もっと食べたいよレン】

「ダメだよ、約束したよね。まぁ、皆が残したらその時はあげるよ。精霊達は残飯処理ね」

【やった、早く皆さん残して下さいよ】

【早く食べたい】

【アクト、アルトニス、エレナ、気持ちは分かりますけど、レン様の食事なんですよ】

【分かってるよ、だけどエレントも早く残さないか待っているだろう】

【それはそうですけど‥‥‥】


 精霊四人は早く料理を残さないか、レンの上空から見ていた。


 全く何で精霊四人が僕達の料理を食べたがるんだよ。しかも残飯処理で喜ぶとかおかしいよね。食べられれば状態は関係ないのかよ。


 精霊四人が食欲旺盛過ぎて、呆れていた。


「まぁ、精霊達の分は気にしなくても大丈夫だから食べようか」

「そうね、早く食べないと冷たくなってしまうわ」


 精霊達の事は忘れて、再び料理を食べ始めていた。


「話を戻すけど、四日後は海に行くんだよな」

「そうだけど、多分自衛団の大型船に乗るんじゃないの?」

「そうなると、仮に戦闘になったらどうするんだ?」

「その時は船の上から攻撃でしょう」

「確かにそうだけど、俺とレイスは無理だろう」

「あっ、確かに」


 ファングとレイスは近接戦なので、海の中にいる相手には不向きだった。


「やっと気付いたかよ。普通に戦えるのは、レン、アリス、レオスの三人だけだよ。俺達は見ているしか無いんだぜ」

「でもファング、ソニックブレードなどの遠距離技持っているよね」

「えっ、あぁ確かに言われて見ればアハハハ」

「ファングさん、僕も遠距離の技はありますよ。前に見せたでしょう?」

「えっ、そう言えば」

「はぁ、ファングは無自覚だから分からないのね」

「うるさい、レンに言われなかったら気付かなかったよ」


 ファングは顔を赤くして、さっき言った事を忘れようとしていた。


「でもこれで戦える事を確認出来たから良いんじゃないの?」

「まぁ、確かに戦力が欠けるよりはマシよね」


 五人は食事を済ました後、街中を散策していた。


【レン、酷いよ何で残してくれないの?】

「いや、僕達五人の食事だよね」


 五人が料理を残さなかったので精霊四人はレンに怒っていた。


【少しくらい残して欲しかったよレンさん】

【はぁ、あの味を楽しみたかったのに酷いよレン】

【私も、もう少し食べたかったわ】


 精霊四人がくだくだとレンに文句を言っていた。


「はぁ、それ以上文句言うのなら、僕は呼ばないよ」 


 精霊四人に対して呼ばない宣言をした途端態度が一変していた。


【ちょっと待ってレン、今のは言い過ぎたからごめんレン】

【レンさん、ごめん。わがまま言わないから、さっきの取り消して】

【ごめんレン、だから呼ばないとか言わないで】

【レン様ごめんなさい。つい人間達の料理に興味があったので少し熱くなってしまいましたわ。だから呼ばないとか言わないで下さい】


 精霊四人はレンの回りを飛び回り必死にレンに謝っていた。


 はぁ、コロコロ態度を変える精霊だよ。まるでここにいる四人と変わらないよね。


 精霊四人が頭を悩ます四人と変わらないので、レンは両方に頭を悩ます事になり若干疲れていた。


「だったら、文句を言わないでよ」

【うん、分かったよレン。ちゃんとレンが俺達に料理をくれるの待つから、レンがあげる気になったら受け取るよ】


 精霊四人はホッとしたのか、レンの周りを軽く飛び回り上空に上がって五人を見ていた。


「精霊達、怒っていたの?」

「うん、怒っていたけど、ちゃんと言ったから大丈夫だよ。それよりも何か買う物とかある?」

「うーん、とりあえず見て回りましょう。調査は四日後だしそれまでに一通りの物を見て準備しましょう」


 五人は街中を散策して、四日後の調査に向けて着々と準備を進めながら買い物をしているのだった。

  





 

次回更新は明日です。温かくお待ち下さいm(_ _)m

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