#42 森の捜索でピクニック?と夜の襲撃
お待たせしました。第42話公開です。レン君達は盗賊を捕まえるために森に入ったけど‥‥‥(。>ω<。)
五人は現在、森の開けた場所で昼食と休憩を楽しんでいた。
「はぁ、四人とも上空監視を頼んだのに直ぐに昼食になってごめんね」
監視を始めた直後にアリスが昼食を告げたので、精霊四人に申し訳ないと思い謝っていた。
【レンが謝る必要はないぜ、俺達が時間を取らせたのが悪いんだし】
「僕も時間を確認するの忘れたから、これ四人で食べてよ」
レンはアクトにお弁当箱を一つ渡していた。
【レン、これはなんだよ?】
「何って、サンドイッチが入ったお弁当箱だけど?」
【いや、そう言う意味じゃなくて、何で毎回俺達に何かしらの食べ物を渡すんだよ】
「だって、君達は僕の家族でしょう? 皆で食べた方が楽しいでしょう?」
【はぁ、お前だけだよ。精霊を人間扱いしているの?】
レンが真面目に答えるのでアクトはため息を吐いていた。
【なになに、アクト、レンさんにサンドイッチもらったの一つ貰うよ‥‥‥うーん、美味しいよ。ほらアクトも食べて、レンさんが悲しむよ】
【アルトニス、ちょっとやめろよ、俺はまだ受け取るなんて言ってないぞ】
アルトニスがつまみ食いをして、サンドイッチの半分をアクトに食べさせよとしていた。
【またまた、嬉しいくせに、そう言う所だけは真面目なんだから、エレントとエレナも食べよう】
アルトニスが遠くにいるエレントとエレナを呼び寄せていた。
【それじゃ、アルトニスに言われたので頂きますわ‥‥‥うーん美味しいですわ】
エレントがサンドイッチを一つ食べていた。
【えっ、私も食べて良いんですか?】
【ほら、エレナ、早く食べなさい】
【うん、分かったよエレント、何これ凄く美味しいんだけど、初めて食事するけど、味覚は感じるんだね、でも食べた気分にならないな、もっと頂戴】
エレナは初めて、人間の食事を体験するので、サンドイッチを食べて感動していた。
【おい、エレナ、勝手にサンドイッチを食べるな、俺の分も残せよ】
三人が勝手にサンドイッチを食べているので、アクトも食べたい様子だった。
【アハハッ、やっぱりアクトも食べたいんでしょう?】
【当たり前だろう、お前らが勝手に食べるからだろう。これは四人で食べろとレンが言ったんだぞ、何で俺の指示をする前に食べるんだよ!】
本来なら断るつもりだったのに三人が勝手にサンドイッチを食べた事でレンの約束を破ったと落ち込んでいた。
【アハハッ、戦いと食事は別だよアクト、レンさんを困らせちゃダメだよ】
【困らせているのは、お前らだろう】
アクトはガックリしていたが、レンから渡されたサンドイッチは離さず、自分の分をモクモクと食べていた。
はぁ、素直に食べれば良いのに、アクトはプライドが高いな。それにエレナは、短時間でかなり馴染んでいるみたいたいだな。
サンドイッチを美味しそうに食べている精霊四人を見ながら、色々と観察していた。
「ねぇ、エレナは仲間になってまだ短時間だけど、皆に慣れた?」
【はい、慣れましたよレン。皆さん優しく接してくれますよ。前の契約者の仲間と全然違いますね】
エレナはレンの前で色々と熱弁して、前の契約者の仲間と違う所を言っていた。
【それに、三人と再会出来たから私は嬉しいですよ。また三人と一緒に居られるんだから。三人に色々規律を言われた時は嫌でしたが、三人の話を聞くと納得しましたよ、こうして自由に居られる事やレンを護る事など色々理由が分かりました】
「そう、ならよかったけど、僕を護る規律がちょっと気になるね」
エレナが意味深の事を言っているので、精霊三人が何をエレナに何を吹き込んだのか非常に気になっていた。
【エレナ、いつまでレンと話しているんだよ。お前はまだ規律を全て話してないんだから、こっちにこい】
【えっ、まだあるのアクト、私はもう十分だよ】
【ダメですよエレナ、しっかり学びましょう、レン様のためなんですから】
【僕も、分かりやすく教えるから】
精霊三人はエレナを連れて、エレナに色々と教えていた。
「何か、あの四人楽しそうだよね」
「そうだね、皆と再会出来て嬉しいんだよ」
レンとアリスは楽しそうに話している精霊四人を見ていた。
「なぁ、レン。あとどの位歩けば盗賊のアジトに着くんだろうな」
「レン師匠、今日は野宿ですか?」
遠くを見回しても、木々が一面に広がっているので、今日中には着かないと、ファングとレイスが思っていた。
「えっ、野宿するの?」
「いや、そんな顔されても、野宿は避けられないよ」
レンは過去に苦い経験があるので、あまり四人と野宿をしたくなかった。
「はぁ、野宿は避けられないよね、レオス、ここからどの位歩きそう」
「うーん、まだ半分も移動してないから、まだまだ歩くよ」
「えっ、まだ半分以下なの、確実に野宿決定だよ」
「レン。何で野宿の言葉を言うと全力で嫌な表情をするんだ」
「いや、また野宿するとあれになるよね」
「あれって何だよ、俺達何か野宿でしたのか?」
「君達、四人は気付いてないけど、僕は嫌なの」
野宿で四人は何もしてないが、レンから見ると四人がレンを挟むように囲むので、自由に寝返りが出来なかった。
「はぁ、それじゃ歩こうか、エレント、アクト、アルトニス、エレナ、改めてよろしくね」
【おう、任せとけレン。しっかりお前を見ているぜ、特にエレナは俺が見ているから】
【アクト、酷い。私は大丈夫ですよ】
【お前は、勝手に姿を晒しそうで恐いんだよ。それに教えた事を直ぐ忘れるだろう?】
【大丈夫だよアクトが入れば忘れたりしないよ】
【何だよ、その理屈は、まぁレンに迷惑を掛けなければ良いけどな。エレント、アルトニスいくぞ】
【それじゃレンさん、僕達は上空監視してるね】
【レン様、私達は常に近くにいますので安心して下さい】
四人は笑顔で姿を消すと、何故かレンの所だけ弱い風が靡いていた。
何で僕の回りを飛んでから上空に行くの?
五人は盗賊集団のアジトに向けて歩き、時々周りを警戒しながら奥に進んでいた。
「しかし、森の中に俺達がいるのに、盗賊が現れないな」
五人は結構森の中を歩き進めていたが、盗賊の姿が一つもなかった。
「確かギルド依頼の場所にこの森が書いてあったから、相手はギルド依頼の仕事をしていると思っているんじゃないの?」
「なるほど、なら現れない分けだ」
「ファングさん、油断は禁物ですよ。相手は盗賊集団なんだから、どこかで僕達を見ているかも知れませんよ」
「ファングは言葉を鵜呑みするバカだから、仕方ないわね」
「何だとアリス、レンの前でバカと言うなよ。俺がバカだと思われるだろう」
「レン君も、ファングがバカだと知っているわよ」
「おい、レンそれは本当なのか?」
「ちょっと、顔が近いんだけど」
アリスが余計な一言を言うので、ファングが激怒して、レンに確認していた。
アリス、余計な事を言わないで、ファングがバカなのは、誰でも知っているから。
その後もファングがしつこいので、ファングに向かって怒っている表情を見せると、ファングはレンから引き下がっていた。
「アリス、酷いよ。レンを怒らせるようにはめるなんて」
「いや、ファングが自分からレン君に詰め寄っていたよね」
「まぁまぁ、ファングさん、ファングさんがバカなのは皆知っていますよ」
「レイス、本当に俺を慰めているのか、なんか俺がバカだと全体に広めているんだけど、レイスも俺と変わらないんだけど」
「酷いファングさん、僕はバカかも知れませんがファングさんよりもバカでは無いですよ」
「レイス君、自分でバカだと自覚しているんだね」
「アハハッ‥‥‥なんか話が変わってない?」
話がいつの間にか、ファングとレイスの認知度に変わっているので、レンは首を傾げていたが、再び話を戻していた。
「それで、盗賊の事なんだけど、エレナなら何か知っているんじゃない? 相手の特徴など」
「確かに、そうだけど、首謀者とか偉い連中しか見ていないんじゃないの? おそらく、どの位いるかは分からないわよ」
精霊エレナに聞けば、盗賊集団全体が分かると思ったけど、アリスに真っ向否定されたので、レンも納得していた。
「そうか、良いアイディアだと思ったけど、確かに全員確認するのは無理だね。とりあえずエレナが知っている事は夜に聞くとしようか!」
それから五人は、何も無い森をひたすら歩き、日が暮れて来たので、精霊四人が安全に休める場所を探してもらい暖を取っていた。
はぁ、結局何も起きず、ただピクニックしている感じだね。四人も全然緊迫してないし、精霊は楽しそうに遊んでいるけど、いちいち上空に飛ぶ時は姿を消すんだから。
周りを見渡すとアリスは夕食の準備を始め、ファングとレイスは剣の素振りや体術などの練習を始めていた。レオスはレンの膝で夕食が出来るまで軽く寝て、精霊四人は地上では姿を晒し、上空に飛ぶと姿を消しながら、追いかけっこして遊んでいた。
「レン君、どうしたのボケーッとして」
アリスは鍋を火に掛けてからやって来た。
「いや、皆緊張感がないなと思って、僕達盗賊集団を捕まえるのに危機感が全くないよね」
「そんな事はないよレン君。レン君は気付いてないけど、ファングやレイスは常に周囲を気にしているのよ。それにレン君の精霊だって、楽しんで遊んでいるけど、時々上空に向かって飛んでいるでしょう?」
アリスに言われると説得力があり、よく考えて見ると確かに周囲を気にしているのが分かった。
アリスは意外と皆の事を見ているんだな。
アリスと暫く話していると、鍋が沸騰しているので、アリスは鍋に向かって、調理の続きを始めていた。
【レンは遊ばないんですか?】
エレナが急にレンの近くにやって来たので驚いていた。
「うわ、何だエレナか、ビックリさせないで、レオスが起きるでしょう」
【おい、エレナはこっち来い、悪いなレン。エレナが脅かして】
【アクト、私はレンと遊びたいの?】
【お前は少しは考えろ、だからバカだと言われるんだぞ! 少しは周りを確認しろ、レンとは契約しているんだからいつまでも遊べるだろう?】
【えっ、私はレンと遊びたいの、せっかく人間らしい姿になったんだから】
エレナはアクトに引っ張られて、エレント、アルトニスの三人がエレナを叱っていた。
はぁ、完全に自分が精霊だって事を忘れているよね。普通に僕と遊びたいとか言わないし。
精霊四人が人間らしい事をしているので、自分が精霊だって事を忘れないか、遠くから心配していた。精霊を見ていると、アリスが料理を運んで来たので、皆は暖を囲むようにして、食事を始めていた。
「はぁ、生き返るよ」
「レンお兄ちゃん、これ凄く美味しいよ、それに体が温まる」
「たまには、汁系の食事も良いですね」
「あぁ、そうだな、しかしこれスゲー美味いな」
「当たり前でしょう、街中で材料揃えたんだから、美味しくなかったら、買ったお店に文句言うわよ」
五人はアリスの作った料理を美味しく食べていた。
【はぁ、やっぱり美味しいよ。俺、幸せだよ。レンと契約して良かった】
【そうだね、僕も同じだよ】
【何これ、凄く美味しいよ。もっと欲しいくらいだよ】
【クスクス、エレナは、同じ感想しかないんですか?】
精霊四人はレンから渡された料理を美味しそうに食べていた。五人と精霊四人が食事を終えるとレンがエレナに質問をしようとしていた。
「ねぇ、エレナは盗賊集団の人数や相手の力とか分からないかな、知っている事で良いんだけど?」
エレナは盗賊集団のリーダーに従っていたので、相手の能力などが分かれば、レン達の戦闘に有利になると思い質問していた。
【えっ、急に言われても、私はお頭に従っていただけだから、相手の能力は分からないよ】
【お前、ずっと契約者に仕えていたのに、契約者の能力も知らないのかよ】
アクトが呆れた様子でエレナに聞いていた。
【だって、お頭は一歩も洞窟から出なくて、ずっと私を使っていたから、知るわけないでしょう】
【エレナ、それは完全に扱き使われていますわよ。上手い話に乗せられたんじゃないの?】
【そうだねエレント、多分、エレナの言っていた約束を逆手に取られたんだね】
【エレナはあまり人を疑わないから、騙されたんだな】
【三人とも、私がバカ見たいに言っているでしょう。私はお頭を信じていたんだよ、騙されたなんて思ってないし】
精霊三人は呆れた様子でエレナを見ていると、エレナは三人に必死に弁明をしていた。
「はぁ、結局の所、相手の能力は分からないみたいだな。どうするレン?」
「仕方ないよ、情報がない以上、警戒しながら戦うしかないよね」
エレナの情報に期待していたが、有力な情報がなかったのでガッカリしていた。
【ごめんレン。せっかくレンに乗り替えたのに何も情報をあげられなくて】
「別に良いんだよエレナ、知って入れば、楽に捕まえられると思っただけだから」
精霊三人に怒られたのか、エレナが必死にレンに謝っていた。
「さて、食事も終わったから僕は早めに寝るね」
「えっ、レン君もう寝るの」
アリスはもう少し、皆と話をしようと言ったが、レンは寝袋に入ると、レオスもやって来たので二人は先に寝てしまった。
「はぁ、レン君とレオス君、二人仲良く寝ちゃったよ」
レンとレオスはくっつく様に気持ち良さそうに寝ていた。
「まぁ、レンは言った事は実行する奴だから、仕方ないよ」
「そうですね、レン師匠は言った事を必ず実行するから、僕達もヒヤヒヤしますよ」
「そうね、レン君が私達を捨てるとか、仲間を解消するとか言った時は鳥肌が立ったわ」
「俺だって、鳥肌が立つよ。レンが突然爆弾発言するから、最近はレンの逆鱗に触れないように気をつけているし」
「ファングさん、レン師匠がもし起きて聞いていたから、ファングさんは終わりですよ」
「えっ、まさか聞いてないと思うぜ‥‥‥ホッ大丈夫みたいだな」
ファングは寝ているレンの方を向いて、聞いてないか目視で確認していたが、聞いている様子はなくホッとしていたが、レンはファングに対して、背を向けているので、実際には三人の会話が聞こえていた。
僕まだ寝てないけど、三人はまだあの事を根に持っているの? はぁ、別に三人を仲間から外さないよ。外したら確実にあれに凶変するよね。
精霊四人はレンの近くで見守っているので、レンが起きている事は三人には言わないでと言うと精霊四人は頷いていた。
【レン、三人に言わないから安心しろ。お前は俺達がしっかり見張っているから、ゆっくり疲れを取れ】
アクトに言われるとレンは安心したのか、精霊四人を軽くみたら、ゆっくりと眠りに入ったので、精霊四人は暖を取っている三人の近くで行っていた。
【それじゃ、俺達は姿を消して、レンの近くにいるからこっちは心配するな】
【僕達はレンさんを囲むようにいるので安心して下さい】
【レン様の事は私達に任せて下さい。エレナ行きますよ】
【えっ、分かっているよエレント、皆さんレンは必ず護りますから安心して下さいね】
「あぁ、レンの方はよろしく頼むぜ」
「レン君の事をしっかり見張って下さいね」
「レン師匠の方、よろしくお願いします」
精霊四人と三人はそれぞれ、役割を決めた後、精霊四人は姿を消して、レンの周囲に特殊な精霊魔法を掛けて監視を始め、三人は暖の近くで交互に休憩しながら、見張りをしていた。
「しかし、レン君は凄いよね。精霊四人も従えているなんて、普通はあり得ないわ」
「まぁ、レンは駄々物じゃないと思っていたけど、やっぱりスゲーな」
「そうですね、精霊四人をまさか小さい子供が従えていると知ったら、大騒ぎだと思いますよ」
三人はレンの従えている精霊四人について、話していた。
「それよりも、今頃になって遠くから気配を感じるんだけど」
「ファング、まさか敵なの?」
「いや、分からないけど、俺の能力の範囲内に複数反応があるから、もしかすると盗賊が俺達を嗅ぎ付けたかも」
「はぁ、レン君が寝ている前であまり戦闘はしたくないわ」
「仕方ないですよアリスさん、ここは僕とファングさんで行きますよ」
三人は寝ているレンの近くで、戦闘を避ける為にアリスを残して、ファングとレイスが反応があった場所に向かって走って行った。
はぁ、ファングがやばい表情で行ったけど、誤って殺したりしないか心配だわ。レイス君がファングを止めてくれると良いんだけど?
ファングは不気味な笑みで、反応があった場所に走り狩りをしようとしていたので、アリスは心配していたが無常にも、森の奥から叫び声と不気味な声が響き、暫くすると二人が涼しい表情で戻って来ていた。
「はぁ、つまらないぜ、期待薄だよ」
「ファングさん、森の中から声が聞こえていましたよ。レン師匠が聞いていたら、完全に怒られるレベルですよ」
「別に良いだろう、レンにはバレてるし、別に殺さなければ問題ない」
「いや、そう言う意味じゃないですよ」
ファングとレイスは戦った後の感想を言っていた。
「ファング、殺したりはしてないよね?」
「当たり前だろう、そんな事をしたら完全にレンに嫌われて捨てられるよ。倒した奴は気絶させて、奥で寝てるよ」
「そうなら良いけど、殺していたら、完全にレンに怒られるから心配していたのよ」
アリスはファングの言葉を聞いて安心した後、レンの精霊を一時的に借りて、気絶させた相手を植物のツタで木に縛り付けていた。
「悪いな、エレント。本来ならレンの許可が必要だと思うけど、彼奴寝ているから」
【良いんですよ、私を使ってもレン様は怒りませんよ。それに、レン様が寝ている間は私達四人で護っていたんですから、使って貰っても構いませんよ】
「あぁ、そう言ってもらうと助かるよ。だけどレンには明日、俺から言うよ隠し事はしたくないから」
ファングはエレントに感謝した後、明日レンに精霊を借りた事を素直に言おうと誓っていた。それからファングとエレントは気絶させた相手を周り、全て木に縛り付けた後、皆がいる場所に戻り、エレントは精霊三人と合流して再びレンの監視に付いていた。ファングはアリスとレイスに合流して、暖で交互に休憩をして一夜を過ごしていたのだ。
次回更新は未定です。長期にお待ち下さいm(__)m




