#37 海と森に囲まれた都市レイン王国
お待たせしました。第37話公開です。船に揺られて三日ようやく新しい離島に着いたみたいですね(≧∇≦)b
船に揺られて三日目を迎え、ようやく船はレイン王国の港に着いていた。
やっと着いたよ。やっぱり噂通りの国だね。お金持ちが来そうな場所だよ。
ここレイン王国は海と森で囲まれた島で、奥に行くと深い森があるため、基本的に観光に来る人は港周辺に集中している。また港周辺にはたくさんのリゾート施設があって、たくさんの人で賑わっているが、その多くは貴族でお金持ちの人が大半を占めていた。
「それで次の定期船はいつ出るの?」
あまり長くいると資金が底を付くのでアリスに確認していた。
「それがやっぱり二週間おきなのよ。分かっていたけど何か高そうな施設が多くてお金が心配だわ。とりあえず宿の値段を確認してからギルドに行くか決めましょう」
「分かったよ、荷物も一旦置きたいからね、レイス、いつも荷物を持たせてごめんね」
「いえ、このくらい大丈夫ですよ。毎回僕が自ら名乗り出て荷物を持っているので」
五人は港から宿に向けて歩き、リゾート施設みたいな所で受付をしていた。
「値段高すぎよ、何とか安くなりませんか?」
アリスが店員に値段の交渉をしていた。
「ごめんね、嬢ちゃん、多分どこに行っても同じだよ。ここで泊まるならサービスするよどうだね」
「少し考えさせて貰うわ」
「ちっ、ただの冷やかしかよ」
アリスがリゾート施設から出てきた。
「アリスどうだった?」
「ダメだわ、違う所に行きましょう。さっき、出て来ると舌打ちしていたから良くないわ。しかもプラチナ貨二十五枚何か払えないわよ。払ったらほぼ資金が底だわ」
宿が高すぎて、アリスが嘆いていた。その後も宿を周り、アリスが確認していたがどれも軽くプラチナ貨二十五枚以上なので、五人は一旦近くの休める場所に行き休んでいた。
「はぁ、どれも高すぎよ。噂通りだけど、ここまでとは思わなかったわ」
あまりにも値段が高すぎて、五人は宿をどうするか悩んでいた。
「ここは港周辺に近いから高いのかも、もう少し奥に行けば安いんじゃないの?」
港の奥は森だけなので、奥に行けば人が少なくて値段を安くして受け入れていると思った。
「確かに、その可能性はあるけど本当に宿はあるのかしら?」
メインは海でのバカンスので、果たして海から離れた場所に宿があるのか心配だった。
「とりあえず行くしかないだろうアリス、なかったらまた考えれば良いんだから?」
「そうね、とりあえず行ってみましょうか?」
五人は再び歩き出し、森に向かって歩き出し、数十分奥に歩いて行くと、かなりオンボロな宿が一つポツリとあった。
「レン君、宿を見つけたけどかなりオンボロ過ぎて本当にやっているのかしら?」
宿を見ると、かなりボロボロで屋根から雨水が落ちているんじゃないかと思うくらい酷い状態だった。
「分からないけど行くしかないよね。僕達は寝られればそれで良いんだから」
「本当、レン君は宿にこだわりがないわね、寝られれば何処でも良いとか、レン君だけよ」
「別に良いんじゃないか、普通に野宿もやっているからあまり気にしていないんだよ」
「それを言われたら終わりよね、それじゃみんなで行ってみましょう」
五人はボロボロの宿に入るとそこには人がいなかった。
「すみません、誰か居ませんか?」
レンが叫ぶと上の階段から、三人が慌てて下りてきた。
「まぁ、珍しい。この宿にお客さんが来るなんて何年ぶりかしら」
「いらっしゃいませ、ようこそアクアレインへ」
「すまないなこんなオンボロ宿で」
階段から下りてきたのはここの家族みたいで、父親、母親、娘の三人で経営しているみたいだった。
「あのう、この宿はやっていますか?」
「あぁやっているよ。何日泊まっていくんだ」
「二週間程度滞在したいんですけど、いくら掛かりますか?」
「そうだな、朝と夕食をつけてプラチナ貨十五枚になるけど支払えるのか」
男性に値段を言われると、他の所よりもかなり安かったのでアリスは躊躇わずプラチナ貨十五枚を支払っていた。
「まさかこんなに大金が舞い込んで来るなんて、ナナリー、ナンシー、お前達に美味いご飯を食べさて上げれるよ」
「えっ、あのう、それ私が払ったお金よちゃんと朝食と夕食を出せるの?」
宿の人が喜んでいたので、かなり不安だった。
「すみません、見苦しい所を見せて、もちろん朝食と夕食は付けますから安心して下さい。ただここ数年お客さんが来なかったので経営が苦しくて、キルドをやりながら生計を立てていたので、君達が来た時は驚きましたよ」
ここの宿の父親はギルドを副業として二人の生活を支えていたことを五人に話していた。
「それよりも何でこの宿はボロボロ何ですか?」
「それは、港周辺にたくさんのリゾート施設が出来たからだよ」
宿の父親は詳しい説明してくれた。
「へぇ、それは大変ですね」
「港周辺に宿を作ることは考えなかったの」
「それは考えましたよ、だけど資金が足りなくて宿が開けなかったからここで頑張って居るんですけど、そろそろ辞めようと考えていたときに君達が来たんだよ」
「そうだったんだね、アリス」
「はぁ、分かったわよ。これは私達からの気持ちよ」
アリスはプラチナ貨十枚を追加で渡していた。
「いえ、こんな大金受け取れませんよ」
「良いから受け取って下さい。私達はギルドでまた資金を稼ぐので大丈夫ですよ」
宿の父親は受け取りを拒否していたが、強引に渡していた。
「本当にありがとうございます。このお礼は食事で頑張りますから」
「私からもありがとうございます。こんなに頂いて夢みたいだわ」
「あっ、ありがとうございます」
五人は宿の三人に感謝されていた。
「まったくレン君のせいで結局、港周辺の宿代と変わらないわ」
「アハハッ、ごめんねアリス」
「それよりも君達はギルドで資金を稼ぐとか言っていたけど大丈夫なのか? ここのギルドは並大抵の依頼はないよ。どんなに掛かっても数週間の依頼だらけだよ。私も最初はクリアするまで一ヶ月掛かったんだよ」
宿の父親に経験を説明されていたが五人は平然としていた。
「大丈夫ですよ、僕達もかなり経験してますから初心者には負けませんよ」
五人が不安そうな表情をしていないので、宿の父親は逆に心配していた。
「そうか、ならギルドに行って見れば、大変さが分かると思うよ、ギルドに行くときは私が案内しよう」
「はい、その時はお願いします」
「おい、ナンシー、五人を部屋に案内してあげなさい」
「はい分かったわ、父さん、それじゃ私に付いて来て下さい」
ナンシーに案内されて五人は部屋に来ていた。
「へぇ、五人部屋があるんだね」
「はい、今はお客さんがだれもいないので家族部屋にしてみました。嫌なら個別の部屋がありますけど、どうしますか?」
「いや、大丈夫よ。この方が皆の様子を確認出来るから」
ナンシーから宿の説明を受けた後、五人は明日の事を話していた。
「しかしベットは壊れそうな感じに軋んでいるよね」
ベットを押すと軋むような音がしていた。
「確かにそうだけど、掃除はちゃんとされているからその点では安心よ」
部屋は隅々まで掃除をされていたので、部屋の中は比較的綺麗だった。
「それよりも、明日からどうするんだ、資金が余りないんだろう、昼飯を考えると、バカンスは一旦中断して一回ギルドで稼ぐか」
資金はほぼ底に近い状態だったので、ギルドに行くか悩んでいた。
「いや、明日は予定通り、海でバカンスしましょう。万が一ギルドが長期化したらまずいでしょう?」
「確かにそうだね、まだ資金は完全になくなってないから明日はバカンスで楽しもうよ」
五人は悩んでいたが、レンが提案すると四人は頷き明日の予定が決まっていた。
「それじゃ、夕食まで時間あるから、外に出て観光しようか」
五人はレイン王国周辺を散策するため、宿を後にしようとすると宿の父親が声を掛けていた。
「おっ、どこかで掛けるのか?」
「はい、軽くレイン王国周辺の散策をしようと思いまして」
「そうか、なら気を付ける事だ最近暗くなると盗賊に遭う被害が多発しているから気をつけろ」
「えっ、盗賊に襲われるんですか?」
宿の父親に言われて、五人は驚いていた。
「あぁ、ここ数ヶ月で起きている事件何だけど、未だ捕まってないみたいだよ。俺の娘も襲われて金目の物を奪われたから、夕方になりと外に出さないんだ、だから君達も気を付けるんだぞ」
宿の父親に言われて若干不安があるが、五人はレイン王国周辺の散策に向けて歩き出した。
「ねぇ、レン君、さっきの話が気になるわね」
「そうだね、やっぱり金持ちがたくさんいるから盗賊に狙われるのかな?」
「まぁ、盗賊だろうと俺達がしっかりレンを護るから安心しろよ」
「そうですよ僕達が付いてますから安心して下さい」
四人はレンを護ると言っていたので、若干苦笑いしいたが、盗賊の事を頭に入れて、散策を始めていた。
「しかし、どこを見てもお金持ちの人がたくさんいるよね」
周りを見ると富裕層の人たちが、あちらこちらにいた。
「そうね、まぁここはリゾート施設が密集している場所だから仕方無いんじゃない、その分サービスが良いしね」
「へぇ、そうなんだね。とりあえず港周辺に行ってみようか!」
五人は港周辺に向けて下り始めて、海が見える場所の海岸の岩に座っていた。
うぁ、綺麗な海だよ。中が透けて見えるよ。
海の水質はかなり良く、目視でもある程度の魚を見ることが出来た。
「ズゴイ綺麗だねレン君、これなら明日のバカンスは楽しみだわ。見てよ、あそこの人だまり、それに砂浜にお店がたくさんあるわ」
五人は砂浜の方を見ると多くの人が海水を楽しみ、近くには飲食店などのお店がたくさんあった。
「そうだね、明日が楽しみだよ」
「レン、明日俺と一緒に勝負しないか?」
「良いですね、どっちがたくさん泳げるか勝負しましょう」
「いや、僕は勝負しないよ」
二人は明日が待てないのか、既に勝負しましょうとレンに言っていたが、レンに断られていた。それから五人は暫く海を眺めた後、街の中を見て回り、夕方前には宿に帰っていた。
「お帰りなさい、皆さん、もう少しで夕方になりますので、テーブルで待っていますか?」
ナンシーに案内されて、五人はテーブルに座って待つことにした。
「どんな夕食が出て来るんだろうなレン?」
「そんなの知らないよ」
「まぁ、食事が貧相なら訴えるけど、レン君がお金をあげちゃうから文句言えないわ」
レンは困っている人を見捨てられない性格の為、つい困っている人を見付けると手助けをしてしまう。
「何で僕のせいになるの? 別に不味くて腐ってなければ大丈夫でしょう」
レンは不味かったり、腐っていなければ、基本的に何でも食べている。
「まぁ、そうだけど。かなりの大金払ったんだから、少しは豪華じゃないと変でしょう?」
プラチナ貨を二十五枚を支払っているので、その金額に見合う料理を出さないとおかしいと四人に説得していた。
「まぁまぁ、アリスさん、僕は料理に文句は言いませんよ」
「僕も言わないよ。レンお兄ちゃんと一緒なら文句言わない」
「全く、少しは文句を言いなさいよね」
あまり料理にこだわりがない四人を見てアリスは呆れていたが、レンが決めた宿なのでそれ以上は文句を言わなかった。それから暫くテーブルで待ち続けると宿の三人が料理を運んできてテーブルに並べていた。
「さぁ、皆さん、遠慮しないでたくさん食べて下さい」
「うーわすごい量だよ」
「えっ、こんなにたくさんの種類の料理を食べて良いんですか?」
「あぁ、構わないよ。俺達の家族も一緒に食べるから構わないよね」
「はい、構いませんよ。こんな量、五人では食べきれませんので」
宿を経営している家族が大量の料理を持って現れたので、五人は驚いていた。それから宿の三人と一緒にテーブルを囲み夕方を楽しみながら宿でゆっくり過ごしているのだった。
場所は変わり、とある森の奥にある洞窟内では、
「お頭、今日も大量の金品が手に入りましたよ」
「ほぅ、捕まった奴はいないんだよな」
「えぇ、お頭の持つ精霊の力で上手く姿を隠す魔法を掛けてくれるから安心でやんす」
「そうだろう、なぁエレナ」
男性が声を掛けると、目の前に女の子が姿を現した。
【呼びましたかお頭、私が姿を消してあげたのは一時的ですよ。砂煙を作るくらいで完全には消せないんですからね。それに約束忘れないで下さいね。私は犯罪みたいな事したくないんですから】
「そうだったな、確かお前のかつての仲間に会いたいんだな」
精霊エレナはかつての仲間に会いたい為に、お頭と契約をして仲間に会いに行こうとしていた。
【そうですよ、いつになったらこの地から移動するんですか?】
中々移動しないので精霊エレナが怒っていた。
「それにはまだまだ資金が必要なんだよ。そのためにも頑張ってくれよ、エレナ、今日はもう帰れ、また呼ぶよ。エレナ帰還」
【はぁ、分かりましたよお頭、ちゃんと約束守って下さいよね】
お頭に言われると、精霊エレナは姿を消して周りから気配が消えていた。
「お頭、本当に精霊の約束を守るつもりですか?」
「はぁ、何で守る必要があるんだよ。しかもここなら富裕層がたくさんいるから大量の金品やお金が手に入る絶好な場所だぜ。移動する方がおかしいだろう。それにあの精霊はかなりのバカだから、上手いこと言えば、信じてくれるから扱いが楽だぜ! さっきの事を信じたから暫くは言って来ないだろうな!」
お頭は精霊を騙して、多くの金品を集めようと企んでいた。
「流石お頭、精霊の扱いに慣れていますな。お頭こそ最強の精霊使いですな」
「やめろ照れるだろう。エレナにはこれからも、俺達の部下の手助けをして金品をたくさん集めて貰うからな。今日は宴だ酒を持ってこい、明日もじゃんじゃん稼げガハハハ」
何やら、森の奥の洞窟内では宴会が始まり、多くの手下が明日の盗みについて話し合われているのだった。
次回更新は未定です。温かくお待ち下さいm(_ _)m




