番外編#3 船の中で謎のボードゲームとレン争奪戦!(後編)
お待たせしました。引き続き番外編の後半戦をどうぞ(≧∇≦)b
五人はお昼を終えてつかの間の気分転換を楽しんだ後、再び部屋に入ると、レンを除く四人が険しい表情になっていた。
「はぁ、このままだとレン君が優勝するわね。やはりまだ捲れてない8枚のカードに掛けるしかないわね」
「そうだな、まぁ、俺は分かるから早く引きたいぜ」
「僕も早く引きたいですよ」
「僕のカードも忘れないでよね」
四人はレンがほぼ優勝すると読んでいたので、自分が書いた白紙のカードに賭けるしかなかった。
やっぱり、僕に関連する事を書いたんだね。
アリスがカードに賭けると言っていると三人も反応していたので、カードの内容が非常に気になって仕方がなかった。
「よし、飯を食べたし、体力が回復したから行くぜ。えっと4だな」
後半戦が始まり、マスには運命の人と結ばれるチャンス、1か2が出れば好きな人とペア成立とあった。
「ファングには関係ないマスだわね」
「そんな分けないだろう。俺はレンを選ぶぜ」
「えっ何で僕なの?」
「俺はレンが良いんだよ。ペア成立したら、レンは俺の膝の上に座れよ」
「なっ、レン君は渡さないわ、上手くハズしなさい」
ファング以外の三人はレンを渡したくない様子でリールをマジマジと見つめて、ハズすように目線で圧を掛けていたが無惨にも2に止まっていた。
「ヨッシャー、さぁレン、俺の膝に来いよ」
レンは仕方なく息を吐き、ファングの膝に座ると嬉しいのか、ファングが普段見せない姿になっていた。
「ファング、なんか気持ち悪いわよ」
「うるさい、お前達には関係ないだろう。レン、やっと触れられるよ。俺、辛かったんだよ。お前に迷惑掛けっぱなしで本当にごめんな。少しこの状態でいさせてよレン」
「ファング、急にどうしたの? ファングが弱音を吐くなんて久しぶり見たよ」
「悪いな、お前が目の前にいるとつい本音が出ちまって、俺、レンの目の前だと本当にダメ人間だな」
ファングは中々言えなかった事を皆に話した後、ファングはレンを抱きしめていた。
まったく普段は強気なのに僕の前だと全くの別人に変わるよね。まぁ、ファングをこんなふうにした原因は僕にあるんだけど、少なくとも僕はファングを操ってないからね。
誰に言っているのか分からないがファングは暫く、レンを抱きしめて心を落ち着かせていた。
「それじゃ、僕の番だね。兄さん力を貸してね。えっと10だね」
レオスは白紙のカードに止まりカードを捲ると、レンお兄ちゃんにたくさん撫でてもらうと書いてあった。
「わぁい、僕のご褒美マスだよ。レンお兄ちゃんたくさん撫でて」
「羨ましいわ、ちょっとムカつくけど」
レオスはレンの所に行くとたくさん頭を撫でてもらいかなり嬉しそうな表情をしている反面、レオスを見てたアリスがちょっとイラッとしていた。
「私以外、レン君に良い思いして、私もご褒美欲しい」
「なら、ご褒美マスに止まるしか方法ないだろう?」
「分かっているわよファング、さぁ行くわよえっい、1だわ」
アリスも白紙のカードに止まり、カードを捲ると、恥ずかしい踊りをすると書いてあった。
「何よこれは、レン君のご褒美じゃないの?」
「あっそれは僕が書きました。もう一枚はご褒美ですけどハズレを引きましたね」
「何で、両方ご褒美を書かないの、レイス君のバカ」
アリスはレイスに怒りながら、恥ずかしい踊りをした後、暫くベットの中に潜り込み、悪夢を忘れようとしていた。
「アリス、大丈夫かな?」
「大丈夫だと思うぜ、さぁアリスの事は忘れてレンの番だぞ」
「うん、そうだね。えっと5だね」
マスには土地の開発に成功、資金が稼げるマスにジャンプしようと書いてあった。
「お前凄いな、ほぼ独走状態じゃないか」
「アハハッ、そうだね」
自分にだけまだ罰ゲームマスに来てないので、この先の罰ゲームが恐かった。
「それじゃ、俺だな、8だな」
ファングは白紙のカードに来たのでカードを捲ると僕のお腹にたくさんの魔法を食べさせてもらうと書いてあった。
「おい、何でまたレイスに魔法をあげるんだよ」
「アハハッ、レン師匠の罰ゲームと重なりましたね、さぁファングさん魔法を僕に下さいよ」
「ちょっと待て、来るなレイス」
「ファング、頑張れ」
「レン、何で目線を逸らしながら言っているんだよ」
「ファングさん、早く下さい。グヘヘ」
ファングは嫌がっていたが、レンに言われると逆らえないのか、呻きながら魔法を放ち、ベットにふらつきながら倒れ込んだ。
「もういや、何で一日に三度もレイスに魔法を撃っているんだよ」
「えへへ、ありがとうファングさん、はぁファングさんの魔法が僕の体中に染みわたるよ」
「お前はもう人間じゃないよ、悪魔だよ」
「なっ、酷いファングさん、僕はれっきとした人間です」
ファングはレイスの魔法吸収量を見て、人間ではないと疑い始めていた。
「本当かよ、魔神族とか悪魔のハーフなんじゃないかお前」
「ファングさん、僕はれっきとしたクラウド家の息子ですよ。僕が魔神族や悪魔のハーフなら家族は魔神か悪魔ですよね」
「いや、隠し子の可能性もあるだろう?」
「僕の何処をみたらそんな事を言えるんですか、目や耳などあらゆる部分を見ても人間ですよね」
レイスは身振り手振りでファングに見せたり、触らせたりしていた。
「確かに、普通の人間だけど、お前の能力は異常だよ」
「そうですね、僕も分かっていますが、魔法を見ると最近無性に魔法を吸収したくなるんですよ。だからファングさんに管理されれば抑えられますから安心してますよ」
レイスは最近魔法を見ると、魔法吸収したい欲求が抑えられないみたいである。
「さて僕の番だね、えっい11だよ」
再び白紙のカードに止まり捲ると、レンと修行するとあった。
「何これ、絶対にファングお兄ちゃんだよね」
「あっ、それは俺とレンが修行するカードじゃないか、最近相手してくれないから書いたんだよ」
「僕はレンお兄ちゃんと修行しないから、次アリスお姉ちゃんよろしくね」
「はいはい分かったわ、えっと5だわ」
レオスは期待していたが、ファングが書いた内容だったので意味ないと言うとファングは何故か切れ気味になっていた。アリスはレオスに促されて、マスを進めると白紙のカードに止まり、そこにはレンお兄ちゃんに抱き付くとあった。
「えっ、これはレン君のご褒美カードだわ、うふふ」
「なんかアリスが気持ち悪いんだけどレン大丈夫かよ」
「いや、ダメだと思うよ」
レンはアリスから逃げるように離れようとしたら、アリスに捕まり強く抱きしめられていた。
「グェ、僕がアリスに殺される、誰か助けて」
「うふふ、レン君の良い匂い、うふふ」
「レン、すまない。我慢してくれ」
「僕も無理ですね、アリスさんの殺気を感じます」
「レンお兄ちゃんごめんね」
レンは三人に助けを求めたが、アリスの殺気が強くただ見ているしかなったので、三人に対して薄情者と叫んでいた。
「はぁはぁ、死ぬかと思った」
「次はレイス君の番よ」
「えっ、そうですね、えっと5ですね」
レンに睨まれながら、恐る恐るゲームを進めると農業開発で失敗マイナス5000Gだった。
「僕、完全に借金になっているんですけど」
「そうね、借金まみれだわ。レン君だけよ借金にならないのは」
既に四人は借金まみれになっていて、どん底を歩んでいた。
「まぁこれはゲームなんだから気楽にやろうよ! えっと6だね」
土地が更に増え、小さな国に発展したプラス5000Gとボーナス報酬10000G追加とあった。
「お前、凄すぎ何だけど、ここで運を使い果たすのか」
「アハハッ、それはどうだろうね‥‥‥」
あまりにも順調に進み、この先の実戦で上手く行かないんじゃないか不安でいっぱいである。その後もゲームは続き、レンを除く四人は借金まみれのどん底レースが続き、いよいよ最終ターンを迎えていた。
「これで最後だなぁ、終わったら何か軽い物を食べに行こぜレン」
「そうだね、何か無駄に体力を使うよねこのゲーム」
「本当そうだわ、なんか関係ないマスがやたら多くて苛つくわ」
「でも、意外と楽しかったですよ」
「僕も楽しかったよ」
「確かに、船の中でボーッとしているよりマシだよね」
五人はボードゲームの感想を述べた後、ファングがリールを回していた。
「それじゃ行くぜ、えっと6だな‥‥‥これってもしかして‥‥‥!」
ファングは白紙のカードに止まりカードを捲ると、突然表情が暗くなり、次第にふらつきながらベットの角で不気味な独り言を始めていた。
「アハハッ、俺は終わりだ。アハハッ」
「ファング、急にどうしたのよ、聞いてるのファング」
「アリスさん、このカードを見て下さい」
レイスがカードを渡すと、そこにはレンと二時間だけ仲間を解消すると書いてあった。
「これレン君が書いたの?」
「えっ、そうだけと罰ゲームらしいでしょう。てか三人とも表情が暗くなっているけど大丈夫?」
最後に恐ろしい罰ゲームを見て、三人がコソコソと話し始めている。
「ちょっと何で最後のターンに恐ろしい罰ゲームがあるのよ?」
「そんなの知りませんよ、かなり油断してました。僕はファングさんの二の舞は嫌ですよ」
「僕も嫌だよ二時間もレンお兄ちゃんと離れるなんて」
「私も嫌よ。だけど、私達はレン君の恐ろしい罰ゲームを受ける可能性は十分あるわ」
ファングの二の舞は絶対に避けたい三人だが、罰ゲームには十分に止まる場所にいるので、リールを回すのが恐かった。
「確かにありますけど、レン師匠のカードの手前にカードがありますよね。あれはアリスさんのカードですよね」
「そうよ、教えるけど、あのカードには‥‥‥」
「ねぇ、コソコソと話さないで早く進めてくれないかな?」
三人がコソコソと話してゲームが進まないのでレンに促されていた。
「えっ、そうだわね、さぁレオス君行って」
「うん、行くよ。絶対に5だけは来ないで‥‥‥ホッ9だよ」
マスには土地の返済が終わり一からスタートすると書いてあった。
「凄いはレオス君、最後の最後に借金をチャラにしたわ」
「えへへ、やったよ。レンお兄ちゃん」
「凄いね、まるでギャンブルに勝ったみたいだね」
「次は私ね、絶対に7が来たらボードゲームを壊すわよ、えっ6だわ、うふふうふふ」
「えっ、なんか嫌な予感がするんだけど」
レンは嫌な予感がして、後ろにゆっくり下がるとアリスがカードを見せていた。
「なっ、アリスこれ本気なの?」
「当たり前よ、ゲームなんだから」
カードにはレン君と一緒に寝ると書いてあった。
「さぁレン君一緒に寝ましょう?」
「アリスお姉ちゃん、それはダメ」
「何でレオス君が邪魔するのよ」
「さぁ、二人が喧嘩しているけど次はレイスだね」
二人は喧嘩をしていたが、早くゲームを終わらせたいので無視して強引に進めていた。
「アハハッそうですね、絶対に8は来ないで下さいよ‥‥‥アハハッ、アハハッすみません少し離れますねレン師匠」
「えっ、うん分かったよ」
レイスはふらつきながら、ファングの隣に歩いて行くと、ファングの隣に座り何やら暗い表情で独り言を始めていた。
はぁ、二人とも大丈夫かな? 罰ゲームは二時間だけど、まさか鵜呑みにしないよね。
二人があまりにも死にそうな表情をしているのでかなり心配と不安が両方あった。
さてと次で終わりだな。えっと1だね。
マスには国王の娘と結婚ワクワクの生活がスタート、国から援助費を支給プラス50000Gだった。
はぁ、結局は僕の一人勝ちだね。
周りを見渡すと、ファングとレイスは角に居座り、死にそうな表情をしてブツブツ喋り、アリスとレオスはレンの事で喧嘩して今の状況になっていた。
「はぁ、ファング、レイス、僕の所に来て」
「ふぇ、分かったよレン」
「今行きますよレン師匠」
二人はふらつきながら、隅っこから立ち上がり、レンの傍に来ると、床に座り込んだ後、二人の頭を撫でていた。
「僕は別に捨てたりしないから、内容を鵜呑みにしないで、たかが二時間待てないの?」
「だって、二時間もレンと一緒に居られないんだよ。俺には辛いよ」
「僕もレン師匠と離れると胸が苦しいです」
「だったら二時間、ここで待つからそれで良いでしょう?」
レンが提案すると二人は息を吹き返し頷きながら、ここで正座していると言っていたので、正座が二人の罰ゲームに変わっていた。
まったく僕の言うことに素直に従うんだから、まぁ二人が壊れないだけマシだな。あとはアリスとレオスだな。一緒に寝ると書いてあったけどどうしようか?
レンは暫く考えた後、アリスとレオスを呼んでいた。
「レン君、一緒に寝る気になったの?」
「レンお兄ちゃんダメだよ、一緒に寝るのは」
「はぁ、もう分かったから二人で一緒に今から寝れば良いでしょう?」
「えっ、僕も一緒に寝れるの?」
レンの提案に二人は驚いていたが、二人は素直に従いベットに入っていた。
「はぁ、それじゃファング、レイス、二時間経ったら起こしてよ。僕は二人と罰ゲームを始めるから」
「分かったよレン、俺とレイスは正座して見守ってるから」
「レン師匠、ゆっくり疲れを取って下さい」
「それじゃ、寝るよ二人とも」
「うん、レンお兄ちゃんありがとう」
「ちょっとレオス君、レン君に抱き付かない」
二人は若干喧嘩があったけど、暫くすると二人は気持ち良く寝たので、ベットから脱出していた。
はぁ、やっと寝たよ。時間になったらまた入ろう。
二人の寝顔を確認した後、レンは二人の所に来ていた。
「二人とも大丈夫、何か険しい表情してるけど?」
「大丈夫だぜ、このくらい訓練だと思えば楽勝だよ」
「アハハッ、そうですね、若干足が痺れて来ましたけど大丈夫ですよ」
二人は正座で足が痺れてかなり辛そうな表情をしていた。
無理なら無理と言えば良いのに?
レンは暫く二人の近くで付き添った後、レンはレイスの服を捲りお腹を触っていた。
「アハハッ、レン師匠やめて下さい。正座の姿勢が崩れちゃいますよ」
「ごめんレイス、あのプニプニを触りたかったから、やっぱりもとに戻ると、プニプニ感は無いんだね」
レイスのお腹のプニプニ感を触りたくて、お腹を触っていたがプニプニ感がなかったのでがっくりしてた。
「ごめんレン師匠、お腹が膨らんでいるときしかプニプニ感がなくて」
「いや、大丈夫だよ、そんな顔をしなくても、ただあの感覚が忘れられなくてね」
「なら俺がレイスに命令しようか?」
「ダメだよファング、やたらに使ってレイスの体が更に変になったらどうするの?」
「確かにそうだな。ごめんなレイス、お前に命令しようとして」
「ファングさんが謝る必要はないですよ。僕がレン師匠の要望に応えられなかっただけですから」
レイスはレンの要望に応えられなくて残念だったが、またお腹が膨らんだら触らせてあげますよと約束をしていた。それからレンは再びベットに入り、時間になったので二人に起こされて、三人がベットから起き上がっていた。
「はぁ、レン君と一緒に寝られてよかったよ」
「僕もレンお兄ちゃんと寝れてうれしいよ」
「いや、レオス君はレン君といつも一緒に寝てるよね」
「アハハッ、それじゃ夕食になったから行こうか」
二人はレンと一緒に寝られてよかったと言っているが実際には、ずっと二人の傍にいなかったのでかなり複雑だった。五人はボードゲームを片づけた後、部屋を出て夕食を取るため食堂に向けて歩いているのだった。
次回更新は明日です。温かくお待ち下さいm(__)m 次は本編に戻ります(^-^)




