#3 魔法の練習と実践
お待たせしました。第3話公開です。レンとブラコン兄の魔法の練習、果たしてどうなるのか?
楽しみですね(。>ω<。)
勉強を始めて一ヶ月が経った、昼下がり。何故か、レイジ兄さんと一緒に、歩きながらリノワール平原に来ている。リノワール平原は都市から近く、森や川があり歩く道は草原で囲まれた緑豊かな所である。
「あのう、レイジ兄さん何でウキウキしてるのですか?」
明らかに、レイジ兄さんの態度が変なので尋ねてみた。
「レンが魔法を覚えたいと、兄を頼ったからつい嬉しくて」
あまりにも気持ち悪い、レイジ兄さんを見つめる。
あんなこと、言うんじゃなかった!
いまから、一週間前の夕食事に戻る。一家団欒の場で食事をしていた時、
「レン! 勉強は進んでいるか?」
レイジ兄さんから突然、レンに向かって尋ねられた。
「順調に勉強をしているよ。レイジ兄さんから借りた本、凄く分かり易いよ」
答えるとレイジ兄さんは、かなり嬉しそうな表情をしていた。
「レン、もう勉強を始めているのか?」
「レン、凄いわね!」
マイクとセレアに尋ねらて、
「はい! まだ始めた‥‥‥」
「そうなんだよ! レンが文字など学びたいと尋ねられたから、初等部で使っていた本を渡して勉強しているんだよ」
何故か、レイジ兄さんに遮られて淡々と説明している。
何で、レイジ兄さんが喋ってくるんだよ!
レイジ兄さんの熱演に呆れていた。そんな感じに会話を進めていると、以前疑問に思っていた事を思い出し、レイジ兄さんに聞いて見た。
「あのう、レイジ兄さん」
「どうした、レン?」
「学校へは、どのよう通っているのですか?」
不意を突かれた質問に、レイジ兄さんはキョトンとした顔をしていた。
「どうしてそう思ったの?」
「レイジ兄さんが、学校に行ってる国を本で調べたら、数十キロ離れているし、最低一日は掛かるので、どうやって通っているのか疑問に思ったのです」
すると、レイジ兄さんは何か悟ったのか、素直に答えてくれた。
「さすが、レンだね。もうそこまで調べているのか。それじゃ隠せないな。実は人目が届かない所で、魔法を使って移動してるんだ」
「魔法!」
魔法のフレーズを聞いて、興奮していた。
「レイジ兄さんは、魔法を使っているのですか?」
「そうだよ」
その言葉を聞いて目を輝かせながら、レイジ兄さんに言った。
「レイジ兄さん、僕に魔法を教えて下さい。」
魔法を覚えたくてしょうがない様子に、
「レン、もう魔法を覚えたいのか! しかも、兄を頼ってくれるなんて僕は凄く感動しているよ!」
レイジ兄さんは何故か、笑顔で感動していた。
しまった! 思わず口を滑らせた、レイジ兄さんに何か頼むといつもこうなるんだよ。
レイジ兄さんのいつもの行動に呆れていると、
「父さん、母さん、レンに魔法を覚えさせても良いですか?」
レイジ兄さんは、マイクとセリアに聞いていた。
「あぁ、構わないがあまり危険な事はさせたくないな」
「私も、危ない事はして欲しくないわ」
マイクとセリアの意見は正しい。レンはまだ3歳児なので、危険な魔法は普通、どの家庭でもやらせないだろう。だが、
「折角レンが、魔法に興味を持ってくれたのに、私達がそれを断つのは良くないと思うのです。だから僕がレンの面倒を見ます」
レイジ兄さんが、突然名乗り出た。
何言ってるのこの人は、レイジ兄さんに面倒を見られたら、あんなことやこんなことされるよ。
レンは嫌な表情をしていたが、レイジ兄さんは気にしていない様子だった。
「そんな訳で今度の休みに、レンと一緒にリノワール平原で魔法を教えたいのですが! 父さん、母さん、良いですか?」
マイクとセリアに聞くと、
「レイジが面倒を見ていれば、大丈夫わね!」
「レイジも立派に高等部に通っているから、モンスターが出ても対処出来るだろ!」
緩すぎる会話を聞いて、レンは半分諦めていた。
「今度の休み、楽しみだね」
「そうですね。レイジ兄さん‥‥‥」
そして、今に至る。
一人で練習する予定だったのに、まさかレイジ兄さんがついて来るのは想定外だよ。だけど、魔法を教えてくれるから言ってみて良かったかも。
そう、自分に言い聞かせていた。それから、レイジ兄さんと歩くこと数分、通行人や住民に迷惑をかけない場所を探して川沿い側に来ていた。
「よし。この辺で良いかな。レン、それじゃ魔法の練習を始めようか!」
レイジ兄さんに言われて、足を止めた。そこは、川沿い付近だが周りは草原が連なる場所で、非常に見通しが良い所だ。
「早く、魔法を教えて下さい。レイジ兄さん!」
レンは魔法を早く使って見たくて、かなり興奮していた。
「落ちつけレン、いまからお手本を見せるから」
そう、言うとレイジ兄さんは近くの枯草を集めて、小さい山にしていた。
「何をしてるのですか?」
レイジ兄さんの突然の行動に、ハテナを浮かべていた。
「これから、この枯草に魔法で火を付けるんだよ」
その言葉を聞いてレンは、行動していた意味に納得していた。
「それじゃ始めるよ! レンは初めてだから、分かり易く説明するね。まず目を閉じて、頭の中でイメージするんだ。この場合は、小さいな火の玉を思い浮かべる。思い浮かべたら、次に手を前に出して、唱える。火球」
すると、レイジ兄さんの手から、小さい火の玉が現れて、枯草目掛けて放たれた。
「ボッ!」
すると、枯草が燃えだした光景を見て、
「凄いです。レイジ兄さん!」
レンはレイジ兄さんが放った、魔法を見て目を輝かせていた。
「何とか、うまくいったな。魔法を止めたい場は、唱えるのを止めるか、手を引く事でキャンセル出来るからね。レンには無理だけど、上級クラスになると唱えるだけで十分見たいだよ、この地方では、あまり見かけないね。それじゃ、やって見ようかレン!」
どうでも良い感想が、一部含んでいるけど、気にしないで、さっき説明を受けた通りにやってみる。
確か、目を閉じてイメージするんだな。
目を閉じて、数分間イメージしていたが、突然目を開ける。
「どうしたレン?」
レイジ兄さんが、心配そうに尋ねてきた。
「あのう、イメージが出来ないのですが?」
目を閉じて、一生懸命イメージしたが、見える光景は真っ黒だった。
うそだろう! 転生前の世界にある、魔法や異○界系シリーズのア二メやマンガはすぐに、イメージしたり、唱えるだけで魔法をホイホイ使っているよ。
レンは簡単に魔法を放てる、ア二メやマンガを想像してすぐ出来ると思っていた。しかし現実はすぐには出来なかった。するとレイジ兄さんが、
「レン、最初からイメージが、出来る人はいないよ。もう一度目閉じてみて、今度は、精神を集中して、自分の世界を想像するんだ」
レイジ兄さんにアドバイスされて、再び目を閉じる。
精神を集中して目を閉じたけど、やっぱり見える光景は真っ黒何ですけど!
再び目を閉じたがやはり、見える光景は黒一色だった。しかし、数十秒経ったとき、目の前に白い光が見えてくる。
あれ! 何か白い光が見えてきた。それに周りの声が聞こえない。それに段々何かがこれは‥‥‥!
レンは不思議な光景を見て、思わず目を開けながら、
「えっ!」
思わず声を出した様子にレイジ兄さんは、
「何か、イメージが出来た見たいだね。何を見たの?」
すると、イメージが出来たことに感動しながら、
「はい、レイジ兄さんのアドバイスで、イメージが出来ました。えっと、家族の姿をイメージしました」
家族をイメージしていると、言っているが実際は水﨑レンが高校時代に好きだった、女の子を想像していた。
前世の女の子を想像していたなんて、言えないよ。
そんなことを知らない、レイジ兄さんは、
「レン、何て家族思いなんだ!」
何故か感動していたが、レンは苦笑いしながら無視していた。
「それじゃ、レン。まずは、イメージのトレーニングと動作の練習だね。イメージが出来るようになったら、魔法を唱えて実践しよう!」
「はい!」
レイジ兄さんに言われて頷き、イメージと動作の練習に入った。それから一時間程、イメージの練習やレイジ兄さんに手の動きの指導をされていた。そして、
「レン、そろそろ魔法を使ってみようか? とりあえず、さっき私がやった、枯草に火付ける実践をしよう」
「はい、やってみます」
レンは少し不安だったが、レイジ兄さんに教わったことを思い出して、ゆっくりと目を閉じる。そして、小さい火の玉をイメージしながら、手を前に出して叫んだ。
「火球!」
火の玉はレンの手から少し離れた所から現れて、枯草めがけて放れるとやがて、枯草は勢い良く燃え上がった。
「えっ!」
レイジ兄さんが驚いた声が聞こえ、レンは目を開けると勢い良く燃え上がる炎に呆然としていた。
何か、凄い燃えてるんですけど、小さい火の玉を想像したのに何で?
枯草はあまりの火力で、数秒で燃え尽きていた。すると、その光景を目したレイジ兄さんが笑顔を輝かせながら、
「凄いよレン! まだ始めたばかりなのに、もう初級程度の火力を出せるなんて。普通の人より魔力量が高いのかも? たくさん練習したら、凄い魔術師になれるかも知れないよ。」
レイジ兄さんは、一人言見たいな事を交えながら言っていた。
「本当ですか! レイジ兄さん、たくさん練習したらいろんな魔法を使えますか?」
ウキウキしながら尋ねると、
「そうだね。レンなら間違いなく、いろんな魔法を使えるよ。練習すれば唱えるだけで、魔法を発動出来るかもしれないし。」
その言葉を聞いて喜んだが、内心では気になっている部分がある。それは、女神セレスティアのプレゼントの内容。いまだに、謎に包まれているからだ。
まさか、魔力量をチート並みにしてないよね。でもレイジ兄さんの会話から、魔力量が極端に異常過ぎるとは言ってないし。違うのかな?
女神セレスティアの言った、言葉を考えていると、
「レン、どうした? 疲れているのか?」
急に真剣な表情になっていたので、レイジ兄さんに声を掛けられた。
「大丈夫です。今、放った魔法を考えていたのです。火力が強かったので、どうすれば調整出来るのか。」
誤魔化すように、先程の魔法について反省していた。
「レン、もうそんな事を考えているのか偉いぞ! だが、考えてるだけじゃ解決しないから、毎日実践して身につけるしかないね」
レイジ兄さんの言葉を聞いて、
「あのうレイジ兄さん、一人でここに来て練習をしても大丈夫でしょうか?」
恐る恐る、聞いてみる。
「それはダメだよ。レンはまだ幼いから、モンスターに襲われたり、知らない人に誘拐されたら大変だからね。父さんや母さんが、心配するでしょう」
レイジ兄さんの言葉を聞いて、肩を落としていた。
普通はそうだよね。お父様やお母様を心配させたくないし。
だが、レイジ兄さんはつけ足すように言った。
「だから、毎日僕が見てあげるよ。平日は学校だから夕方頃になるが、空間移動の魔法を使えば往き来できるし、休みの日は一日中見てあげれるからね」
レイジ兄さんは、嬉しそうな表情で話している。
いやだよ! レイジ兄さんに、毎日見られるの恥ずかしいよ。でも、魔法を練習するには仕方ないないけど。
レイジ兄さんに、毎日見られるのは非常に嫌。だが、早く魔法を練習するため渋々承諾する。
「お願いします」
「うん、分かったよ。明日から頑張ろうね。学校に行ってる間はイメージの練習をして待ってね。とりあえず今日は日も欠けて来たから、帰ろうか」
「はい」
周りを見渡すと、辺りは暗くなり初めていた。しかし、日が傾くとリノワール平原の大地は、真っ赤な絨毯みたいな一時的な風景に変わる。2人は家へ向かって、真っ赤に染まった草原を再び歩きだす。
「レイジ兄さん、魔法を使って帰らないのですか?」
「レンと少しでも、一緒にいたいから歩いて帰ろう‥‥‥」
そんな会話をしながら、家路を急がせていた。
次回更新は未定です。長期にお待ち下さい。
出来次第更新します。温かく見守って下さいm(__)m