#34 遺跡の中で大喧嘩!
お待ちしました。第34話公開ですm(__)m 遺跡の奥に進む五人だけど何やらトラブル発生かな(^-^;)
五人は月光貝の生息していた場所から更に奥に進んで歩いている最中であった。
しかし、この遺跡どんだけ道が長いんだ。まだまだ道が続くよ。だけど、少しづつ地下に向かっている感じがするんだよね。
五人が歩いている通路は見た目は真っ直ぐに感じるが、実際にはスパイラル状に下っているので、五人が地下に向かって歩いていることに気付いていなかった。
「この道長すぎないか、どんだけ歩いているんだ?」
「確かに遺跡にしては長すぎだわ」
月光貝のいた場所から、数十分は歩いているが、一向に広い場所に出ないので歩き疲れていた。
「皆さん、少し休みませんか僕、疲れましたよ」
「少し休もうか、レイスは重い荷物を持っているから」
レイスがかなりへばっていたので、ほんの少し休憩することにした。
「レイス、大丈夫? 重いのなら少し持つよ?」
荷物の中に月光貝を入れた箱があるので、貝の重みで運ぶのが辛そうだった。
「いえ大丈夫ですよ。レン師匠が持つ必要がありません。少し休めばまだまだ歩けますから」
「レイス、よく言った。なら少しエネルギー回復しろ。俺の魔力やるぜ!」
「あっ、ファングさんやめて下さい。別にまだ魔法は要りませんよ」
ファングはレイスの服の中に手を入れて、お腹付近を触っていた。
「遠慮するなよ。ほらよっと! やっぱり、俺の魔法欲しがっているじゃんか、普通にお前の腹に吸い込まれてるぜ?」
ファングはレイスのお腹に手を当てて魔法を直接放っていた。
「違いますよ。吸収しないと僕、ファングさんの魔法でやられてしまいますから仕方なく吸収しているんですよ。本当ファングさんは卑怯ですよ。確実に魔法を食べさせようとするんですから」
「別に良いじゃんか、それにお前、俺の魔法美味しそうにお腹で吸収しているだろう。顔が緩んでいるぞ」
レイスはファングの魔法を吸収して、お腹の中でファングの魔法を味わっていた。
「そんな分けないじゃないですか、別にファングさんの魔法がすごく美味しいなんて‥‥‥はっ、ファングさん酷いですよ。レン師匠の前で変な事いわないで下さい」
「何をやっているのかしら二人は?」
「さぁ、あまり見ない方が良いと思うよ。レオスも見ないようにね」
「えっ、僕は面白いと思うんだけど、僕とレオスみたいに不思議な体してるよね、レイスは?」
レンとアリスは遠くからファングとレイスのやり取りを見て呆れていたが、レオスの兄はレイスの体に物凄く興味を持っていた。
「ねぇ、二人とも楽しい所悪いけどそろそろ行くよ」
三人は二人に声を掛けると先に進み始めていた。
「そうだな。レイスにこんな事しているんじゃなかったな?」
「ちょっと待って下さいよ。僕はファングさんの魔法を大量に吸収して、消化するの大変何ですけど、魔法を全て吸収するまでちょっと待って下さい!」
ファングはレイスのお腹に大量の魔法を放ち、レイスがファングの魔法を大量に吸収していたが、魔法を全て吸収出来ていないのか若干お腹が膨れていた。
「レイス、歩きながらでも吸収出来るだろう?」
レイスは歩きながら吸収出来るが、何故か立ち止まってファングに言っている。
「そんな事したら、ファングさんの魔法をゆっくり味わえないでしょう」
「いや、俺の魔法を味わうのはどうかと思うよ。そう言う所は譲らないんだな? レンに言ったらなんて言われるだろうな?」
レイスはファングの魔法を味わいながらゆっくり吸収しようとしていたので、ファングは若干退いていたが、レンに話したら何て言われるか気になっていると、レイスの表情が次第に恐い顔になっていた。
「レン師匠に言ったら、ファングさんの体に強烈なパンチを入れますよ」
「二人とも、何をしてるの早く行くよ」
「はい、今行きますよレン師匠。ちょっとファングさんと話していただけです。ファングさん早く行きますよ」
二人が遠くにいるので、レンが声を掛けると、レイスは急に表情を笑顔に戻して答えた後、荷物を抱えて三人のもとに歩いて行こうとしていたが、ファングは腑に落ちない様子だった。
「さっきお前、俺の魔法を味わってから行くと言ってなかったかってイテー何するんだよ!」
ファングはレイスのパンチを喰らっていた。
「ファングさん、余計な事を言ったら、殺しますよ。僕のパンチを喰らいたくなかったら、さっきの事は言わないで下さいね」
「お前、言っていること違っているだろうってイテー、何でパンチを撃つんだよ。ってイテー」
レイスが言っている事とやっている事が違うので、ファングが指摘すると何故かパンチを数発喰らっていた。
「ファングさん、言わない約束ですよ。次、言いそうになったら少し強めでいきますよ」
レイスはレンに指摘されて、また敬遠されるのを嫌がっていた為、人から見てもおかしくないか常に気を遣っていたのに、ファングがレンにチクろうとしていたので、若干ファングにキレていた。
二人とも何をやっているんだ。もう少し小さい声で話してよ。丸聞こえしているよ。しかしレイスがそんな事を思っていた何て知らなかったよ。別にファングがチクっても注意するくらいしかないのに、そんなに思い詰めるのかな?
二人の声は通路に響き渡っていた為、三人に丸聞こえだったが、別に二人の事は日常茶飯事の事なので、聞こえていても注意などをすることはなかった。
「レイス、ファングにかなり魔法撃たれたの? お腹が少し丸く膨れているよ」
レンは気にしないで歩くつもりが、レイスのお腹が膨らんでいたので心配していた。
「えっ、大丈夫ですよ。レン師匠が気にする必要はないですよ。全てファングさんが悪いのでアハハッ」
「グェ、レイス何をするんだ」
レンに指摘された為、レイスは機嫌を悪くしてファングに八つ当たりしていた。
「ファングさんのせいでレン師匠に変な印象持たれたでしょう。何で一気に魔法を食べさせようとするんですか? ゆっくり魔法を撃てば僕のお腹が急激に膨れる事はなかったんですよ。まだファングさんの魔法が僕のお腹に大量にあって吸収するの大変何ですけど!」
「別に良いじゃんか、大量の魔法を吸収すればお前がへばる事ないし?」
「それはそうですが、やって良い時と悪い時の判断は出来ますよね。はぁ、またレン師匠に変な印象を与えてしまったよ。これでレン師匠に嫌われたら、ファングさんを恨みますからね」
もしレンに嫌われていたら、レイスはファングに最強の技を与えて、二度とレンの前に立てないようにしようと考えていた。
「大丈夫だよ。レンがそんな事しないだろう? なぁレンはどう思うんだ?」
「えっ、何で僕に振るの、ただこれ以上、人前で変な事されたら考えるかもね」
突然、ファングがレンに振っていたので、適当に答えていた。
「ファングさん、話が違いますよ。レン師匠から嫌いにならないと言う言葉が全然ないんですけど、逆にこれ以上変な事したら僕、レン師匠に嫌われるんですけど、どう言う事ですかファングさん!」
レンがレイスを嫌いになるわけないと言ってくれるはずだとファングは思っていたが、言わなかったのでレイスはファングに詰め寄り怒っていた。
「ちょっと待てレイス。そんなに殺気を立てるな。レンは本当にレイスを嫌いになったりしないだろう。なぁレンちゃんと答えてくれよ」
レイスが今にもファングに攻撃しようとしていたので、ファングは必死になりレンに確認をしていた。
「何で僕がいちいち答える必要があるの? 言わなくても分かると思うんだけど?」
「いや、分からないよ。お前の口から言わないとレイスは信用しないだろう。レンは俺達のリーダーなんだからお前が言えば簡単に収まるんだよ!」
「はぁ、分かったよ。レイス、僕は嫌いになったりしないから、そんな顔しない。もしそんな顔をするのなら、嫌いになるからね」
レイスにいちいち答える必要がないと思っていたが、ファングがしつこく言うので仕方なくレイスに答えていた。
「レン師匠、本当に嫌いなったりしませんか?」
「嫌いにならないから安心して、それに今回はファングが悪いんだから、ファングを責めるべきだしね。ねぇファング、依頼が終わったら分かっているよね」
喧嘩の原因はファングにあるので、依頼が終わったらファングに罰を与えようと考えていた。
「レン、ちょっと待て。俺は無実だよ、悪いのはレイスなんだよ。魔法をもっとくれと言っていたから大量にあげたんだよ」
「ファングさん、酷いですよ。まるで僕が魔法を貪る化け物みたいに言わないで下さい。今回はファングさんが強引に魔法を撃ってきたのが悪いのですよ」
「そんな事を言って、戦う時は相手の魔法を貪っているくせに」
「二人ともいい加減にしろ。もう分かったよ。次の依頼は二人を外すからいいね!」
二人が再び喧嘩を始めていたので、呆れたレンは二人にキレていた。
「レン、何を言っているんだ。そんな事されたら、俺は‥‥‥」
「レン師匠、ちょっと待て下さい。何で僕もなんですか、悪いのはファングさんなんですよ。何で僕もファングさんの巻き添え喰らうんですか、僕レン師匠と一緒にいないと‥‥‥」
レンにキツいことを言われた二人は急速に気力を失いふらつきながら、二人はブツブツと独り言を言いながら、今にも死にそうな顔をしていた。
はぁ、少しキツいこと言ったかな? でもこのくらい言わないと反省しないよね。
五人は再び歩き始めたが、二人はふらつきながら、三人の後ろをゆっくり歩き、今にも倒れそうな状態になっていた。
どんだけ死にそうな顔をしているの? レイスは魔法を大量に吸収したから元気の筈なんだけど、魂が抜けた状態になっているんですが! たかが、一回依頼を抜ける話をしてみたのに何であんな姿に変わり果てるの?
後ろを振り返り二人を見ると、屍のように変わり果てていたので、レンは頭を痛めていた。
「二人とも、早く歩いて、このままだといつ着くか分からないでしょう?」
「レンに捨てられる。捨てられるだけは嫌だ。この依頼が終わったら俺はどうやって生きれば良いんだ? ねぇ、誰かレンと仲直りする方法を教えてよ。誰でもいいから俺に教えて神様!」
「アハハッ、僕はレン師匠に捨てられるんだ。僕はもう用済みなんだ。レン師匠に捨てられた僕はこの世界からいなくなれば良いんだ、アハハッ」
レンの問いかけとは関係ない事が、二人から次々と独り言のように返ってきて、今にも二人の自我が滅び掛けていた。
「はぁ、アリスやレオスも二人に何か言ってよ。二人が物凄くおかしくなっているんですが?」
「えっ、私から言える立場じゃないよ、レオス君が何か言ったら」
「えっ、僕も何も言えないよ。アハハッ‥‥‥」
「アリスとレオスも何か変だよ。急にファングとレイスみたいな表情になっているよ」
「そんな分けないないでしょう。どう見ても普通だよ。ねぇレオス君?」
「そうだよマスター。僕とアリスは普通だよ」
アリスとレオスはいつものように簡単な罰程度で済むと思っていたが、レンがファングとレイスに次の依頼を休めと突きつけていたので、アリスとレオスはその事を聞いて、強烈な恐怖に襲われていた。
「ねぇ、レオス君、私とレオス君も捨てたりしないよね?」
「分からないよ、マスターの行動は読めないから、油断出来ないよ。僕、マスターに捨てられるの嫌だよ」
「私も嫌よ、でもレン君の機嫌直さないと、ファングとレイス君が危ないわよ。二人が抜けるとレン君を護る戦力が減るわ。だけど、今言って私とレオス君に飛び火するの嫌だし。どうすればいいの?」
アリスとレオスは何とかしてレンの機嫌を直して、ファングとレイスを立ち直らせようと考えていたが、レンの機嫌を直す秘策がなかった。
「ねぇ、アリスとレオスは急にヒソヒソと話して何かあったの?」
「えっ、それは‥‥‥レン君、そろそろ二人を許してあげたらあのままだと本当に自我が滅ぶわよ。そうなったら、屍人形になるわよ」
「アリスの言うとおりだよ。このままだと本当に二人は自我が崩壊して立ち直れなくなるよ」
アリスとレオスが必死にレンを説得を始めたので、レンは困っていた。
はぁ、アリスとレオスは僕に捨てられると思っているのかな? 捨てた所で、完全にあそこにいる屍状態の二人になるから、捨てる事は絶対に無理だよね。僕はとんでもない四人を仲間にしてしまったよ。何で僕から離れる事を言うと死人みたいな状態になるの?
四人のリアクションがあまりにも分かりやすく、言葉の使い方が大変だった。
「はぁ、分かったよ。アリスとレオスは二人をここに連れてきて」
「分かったわ、レン君」
「マスター。直ぐに連れてくるね」
アリスとレオスはファングとレイスの所に走り、二人を抱えてレンの傍に連れてきていた。
「俺は、レンに捨てられるんだ。俺はもう生きていけない。死ぬしかないんだ俺は‥‥‥」
「ファング、しっかりしなさい。レン君の傍にいるのよ」
「レン? アリスは何を言ってるんだ、俺はレンに捨てられだ、俺はゴミ同然なんだよ。もう死ぬしかないよ」
「ダメだわ、完全にファングが壊れてしまったわ」
「アハハッ、僕は何で生きているんですかね、僕はレン師匠に捨てられたゴミクズ、ここにいる必要はないですよねアハハッ」
「レイス、しっかりしてよ。マスターが目の前にいるんだよ?」
「レン師匠? レオスは何を言っているの? 僕はレン師匠に必要とされてないんだよ。僕はこの世界に必要ないんだよアハハッ」
「こっちも、完全に自我が壊れているよ」
アリスとレオスは認知しているみたいだが、レンの事を言うと、恐怖なのか自我が崩壊したかのように意味不明な事を言い続けて、今にも屍状態になろうとしていた。
はぁ、アリスとレオスは認知しているのに、何で僕の事を言うと、顔を上げられないの? それにどんどん、気力が抜けているんだけど? このままだと本当に二人は屍状態に行っちゃいそうだな。
ファングとレイスがかなり危険な状態になろうとしていたので、レンは二人に声を掛けていた。
「ねぇ、ファング、レイス、僕に捨てられたく無ければ、見苦しい喧嘩はしないと約束出来る? 別に男の子だから喧嘩をしても良いけど、喧嘩が終わった後にまた喧嘩をする事だけは、僕は嫌だから守れるのなら許してあげるよ。どうなのファング、レイス?」
レンはファングとレイスの答えを待とうとしていがその必要はなく、二人は息を吹き返して勢いよく、レンに抱き付いて謝っていた。
「俺、何でも約束守るから、俺を仲間から外したりしないでお願いだからレン!」
「僕もファングさんと同じで何でも約束守りますから、二度とあんな事は言わないで下さい。お願いしますレン師匠!」
「はぁ、分かったから二人とも、僕から離れてくれない? 二人の涙で服が濡れるのだけど」
ファングとレイスはレンに捨てられなくてホッとしていたのか、急に涙が込み上げてレンの目の前で泣いていた。
はぁ、許すと直ぐ態度が変わるんだから、どんだけ僕に対するメンタルがないんだよ。このままだと本当に僕の命令で動くチームになっちゃうよ。しかも僕がチームのリーダーなんて初めて知ったし、この四人は僕に何を期待してさせているんだよ?
四人の態度がコロコロ変わったり、レンの知らない所で勝手に決めていたりしているので、レンは四人を警戒していた。
「いい加減、離れて欲しいのだけど、本当に捨てて欲しいの?」
ファングとレイスが中々離れないので、再び二人に問いかけると二人はビックっと背筋が凍り、屍みたいな表情でレンから離れて恐る恐るレンを見ていた。
「あのう、レン。さっきはその‥‥‥」
「ファングさん、ハッキリ言って下さいよ」
「言えるかよ、言葉を誤れば、今度こそ俺の人生は終わりなんだよ。そんな事を言うのならレイスが言えば良いだろう? 俺はレンに捨てられたくないし」
「えっ、それはその‥‥‥」
「やっぱり、言えないんだろう。レンの恐怖で」
「僕の恐怖が何だって?」
「レン、俺はそんな事は言ってないぜ。レイスもそうだよな」
「そうだよ。レン師匠の聞き間違えだよ」
ファングとレイスはさっきの事でレンの恐怖が染み付いていて、中々言葉を発する事が出来なかった。
はぁ、軽くからかいながら離れてと言ったのに、かなり僕の発言が堪えて、二人に恐怖を与えているみたいだな。これは良い抑止力になるけど、アリスとレオスも何故か反応しているのを見ると、完全に僕の操り人形だよね?
ファングとレイスだけに反省させている筈が何故か、レンの近くにいるアリスとレオスが顔をうつ伏せして体を振るわせているので、レンは罪悪感に囚われていた。
「それで、僕に何か言いたいのならハッキリ言ってよね。何も聞き取れないんだから」
「ごめんレン。俺が全て悪かったんだよ。だから俺を捨てないで」
「レン師匠、僕もついカッとなってしまって、不快な思いをさせてしまってすみませんでした」
ファングとレイスは屍状態になっているが、レンに向き合って必死に謝っていた。
「はぁ、最初からそう言えば良いでしょう。それから、あまりその屍みたいな表情やめてくれない? 何か恐いんだけど」
「そんな急に、表情を戻すなんて無理だよ。だって俺は‥‥‥」
「すみません、僕も直ぐに普通の表情に戻すのは無理みたいです」
ファングとレイスは直ぐも普通の表情に戻したいが、未だにレンの言った事が頭から離れなくて、恐怖と戦っていた。
これはかなり重症かな? 全く少し離れるだけで、何であんな状態になるんだよ。本当に疲れる仲間だよ。とりあえず二人が立ち直るまで待つか。
ファングとレイスが立ち直る間、レンはアリスとレオスのもとに行って、話をしようと近寄ると何故か二人の表情がかなりやばい状態になっていた。レンは頭を痛めていたが、アリスとレオスに顔の表情を戻さないとあそこの二人になるよと言うと二人は直ぐ表情を戻して笑顔で答えていた。暫くするとファングとレイスの表情は次第にもとに戻り、通常の元気を取り戻していたが、言葉の使い方が慎重になっていたので完全にもとの状態に戻るのはもう少し掛かりそうだ。
「あのう、レン。俺はもう大丈夫だから先に行こうよ」
「ファング、何で丁寧語になっているの? いつものように威勢よく言って良いよ。何か調子狂うから」
「それはその‥‥‥ごめんレン。本当にごめん。俺、ダメだな。レンの目の前だと何にも出来ないよ。レンに捨てられる恐怖が俺の頭から離れないんだ。なぁレン、俺を捨てたりしないだろう? 俺はレンがいないとダメなんだよ。レンの事が俺の頭から離れないんだよ」
「分かったから、ファングや皆を切り捨てたりしないよ。だからファング、普通の喋り方に戻して」
「はぁ、お前には敵わないよ。だけどごめんなレン。直ぐに喋り方を戻してあげたいんだけど、上手く喋れないんだ。暫くこんな感じになるけど許してレン」
ファングは普通の喋り方でレンに接したかったが、一度レンに言われた恐怖が体に染み付いて、言葉の選び方が慎重になっていた。
もう少し回復までに時間が掛かりそうだな。一度心が折れたから修復するまで待つしかないか、レイスもファング同様に言葉遣いが慎重になっているみたいだからね。
ファングとレイスはまだ恐怖が残っているのか、レンが時々声を掛けるとビックっとしながら、丁寧に言葉を選んでいた。
「それじゃ、奥に進もうか? レイスはファングの魔法を吸収終えたよね?」
「えっ、うん、吸収は終わっているけど何か問題でもあるの?」
「いや、レイスが歩きにくそうに見えたから聞いてみただけだよ。それより怯える必要ないでしょう、もう喧嘩の事は解決したんだから?」
「それは分かっているんですけど、レン師匠のあの発言が僕の体に染み付いてしまって、レン師匠の声を聞くと何故か恐いんです。レン師匠に許してくれたのに不快な思いをさせてすみません」
ファングとレイスは時々レンに声を掛けるとビックっとしていたが、立ち止まっている暇はないので、五人は先を急ぐため再び、歩き始めているのだった。




