#33 月光貝を食べてみよう!
お待たせしました。第33話ですm(_ _)m海底遺跡で月光貝を発見何かするみたいですね(。>ω<。)
五人は海底遺跡の階段を下りて、道なりに歩いていた。
しかし、何処まで続いているんだろう? 歩いているけど全然付かないよ?
道はずっと続いているので、何処まであるのか不安になっていた。
しかし、遺跡の中は常にあかりが灯っているから明るいけど先が見えないよ。
周りは松明の明かりが均等に並んでいて、通路内は明るいが道が永遠に続いていた。五人は不安になりながらも歩き進めると周りが海水で囲まれた部屋に来ていた。
うわ、綺麗だよ。これが月光貝なんだね。上から光が落ちていて、光っているよ。
天井を見上げると小さい穴が無数に開いていて、太陽光か月の光か分からないが、五人のいる場所に降り注いでいた。
「凄いわ、太陽光か月の光か分からないけど、光が貝に反射して光っているわ」
「綺麗だぜ、月光草みたいに光っているよ」
「僕、こんな綺麗な光景、見たの初めてだよ。レオスも僕の目で見ているけどかなり興奮しているよ」
「本当に綺麗ですね。あまりに綺麗すぎて見取れてしまいます」
周りある大量の月光貝が光っていて、あたり一面の水が七色になっていた。五人はまるで、七色の絨毯の上にいるような錯覚を味わっていた。
「でもどうやって貝を採りにいくの?」
床の下に貝が見えているが、かなり深い所にいるのでどうやって採りに行くか考えていた。
「そうね。貝を採りに行ける場所は、透明な床の両端にある一角から入れそうね」
周りを見渡すと、床の四方四面がない部分が点々としていて、そこから潜って採りに行けるみたいである。
「でも、誰が潜って採るの? 僕が泳いで採りに行こうか?」
「ダメだよマスター。マスターに危険な仕事をさせたくないよ」
「それは、ダメよ。レン君が潜る必要はないわ。ここはファングとレイスに任せましょう」
「おい何で俺が潜って採る前提になっているんだ?」
「ファングさん良いじゃないですか、潜って採りに行きましょう。それともレン師匠に採りに行かせるのですか?」
「いや、レンは行かせるつもりは無いけど他に方法がないかと思って」
四人は溺れる危険がなく簡単に月光貝を採れる方法を考えていた。
はぁ、この人達は何を言っているの、過保護過ぎだよ? 僕が名乗りを上げて、率先してやろうとしているのに何で否定される必要があるの? しかも、四人は僕に何もしないでと訴えられているんだけど、何時までこの四人はやる気なの?
相変わらず四人の言動は絶えず、レンの過保護はまだまだ続いていた為、レンは何時までこの状態が続くのか、この先不安だらけだった。
「あのう、やっぱり僕が泳いで採りに行くよ」
四人に任せてばかりなので、たまには率先してやろうと考えていた。
「レン君、ダメだって言っているでしょう。ファングも何か言って」
レンは泳ぐ準備を始めていたが、ファングに掴まって、押さえられていた。
「はぁ、仕方ないなぁ。レン、頼むから泳いで採りに行くのはやめてくれ。もし溺れてお前を失ったら俺達は生きていけないんだよ」
ファングがあれこれ意味不明な事を付け足しながら説得していた。
はぁ、僕が死ぬと生きていけないとかおかしいよね。この四人は本気で言っているの? 僕が死んだら、四人も死んで付いてくるつもりなの、そんな一生嫌だよ。
あまりにも過度すぎる発言が多くて、ファングの腕の中で俯いていた。
「それじゃ、誰が採りに行くの?」
「そのことだけど、レン君の精霊を使えないかな。月光草を採りに行った時、エレントさんに採りに行ってくれたでしょう?」
誰が月光貝を採りに行くか考えていると、アリスが精霊を使えないかな言って来たので、手をポンと叩いて納得していた。
「なる程、ならアクトが最適だね」
「そうよ。アクトさんに頼みましょう」
アクトを呼び出すと、二人の会話を聞いていたのか、かなりやる気になっていて、何故か目を輝かせていた。
「アクト、何でそんなにやる気満々なの?」
【えっ、だって俺を使ってくれるし、それにこんな凄い光景を見せてくれたお礼だよ。エレントとアルトニスも食い入るように見てるぜ。お前らも姿を現せよ】
アクトが言うとエレントとアルトニスは姿を現してアクトの近くにいた。
【アクト、レン様が呼んでないんですから別に姿を晒す必要がないと思うのですが?】
【別に良いだろう。姿を晒しても何もないんだし?】
【アクトらしい答えだね。でも僕達は精霊何だから、レンさんは僕達を見せたくないんだよ。複数の精霊がレンさんの回りを飛んでいた目立つでしょう?】
【うっ、それは分かっているけど、ここは人が居ないんだから大丈夫だろう。たまには姿を晒して、レン達に俺達の事を見てもらおうぜ。なぁレン良いだろう?】
アクトは姿を晒して、行動したいと言っていたので、レンは別に僕達しかいないから、迷惑を掛けなければ自由にして良いと言うと、精霊達は喜んで飛び回っていた。
「あまり、変な行動はしないでね。万が一他の人がいるかも知れないんだから」
【分かっていますわ。マナで人を感知出来るからレン様達以外の人が来たら姿を消しますわ。アルトニス、一緒に月光貝を見ましょう。アクトはレン様の手伝いがあるんでしょう?】
【あぁ、俺は月光貝を採らないと行けないからな。まぁお前達と途中まで行くよ】
【アクト、張り過ぎて、全部採らないようにね】
【分かっているよアルトニス。そんな事しないよ。全部採ったら資源が枯渇するだろう】
精霊達はそれぞれ、行動しようとしているとレンが声を掛けて精霊達を止めていた。
「ちょっと待って、アクトは分かるけど、エレントとアルトニスも水の中に入るの? 溺れたりしない? 特にアルトニスは火と炎を司る精霊何だから、水は天敵じゃないの、そんな所に行ったら死んじゃうよ」
エレントとアルトニスが水の中に潜ろうとしていたので、必死に止めようとしていた。
【レン様、大丈夫ですわよ。精霊は簡単に泳げるし、水の中でも普通に息できますから】
【レンさんが心配するのは分かるよ。僕は火と炎の精霊だからね。でも大丈夫、レンさんのマナを分けてくれれば、普通に水の中にいられるから】
「えっ、僕の魔力を与えれば大丈夫なの?」
魔力を与えれば大丈夫とエレントとアルトニスが言っていたので本当かどうか心配になってきた。
【あぁ、そうだぜ。前にも言ったが俺達はレンと魔力をリンクしているから、常にレンの魔力を取り込んで入るんだぜ】
「それは前に聞いたから分かっているけど、僕の魔力と何の関係があるの?」
精霊と契約すると、常に契約者と精霊の間に魔力を共有することが出来るみたいだけど、エレントとアルトニスが水に入るのと、どんな関係があるのか疑問に思っていた。
【それはね、レンさんの魔力を取り込む事で属性の抗体が出来るんだよ。分かりやすく言えば、レンさんはエレント、アクトと契約しているよね。僕達は契約者と魔力をリンクしているから、レンさんの魔力を経由させて、エレントとアクトの持っている属性の耐性を付けてもらって入るんだよ】
「それじゃ、アルトニスはアクトに水耐性を付けてもらっているの?」
【うん、そうだよ。レンさんの魔力を経由して、アクトの水の魔力を借りているんだよ】
【だからレンは心配する必要はないぜ。俺の能力の一部をエレントとアルトニスに貸しているから水の中は自由に移動出来るぜ。まぁ、俺の力を貸さなくても、数十分程度なら普通に水の中にいられるけど、衰弱するよりマシだろう? 俺もエレントとアルトニスの力借りてるし】
【私もアルトとアルトニス同様にアクトとアルトニスの力を一部借りているんで水や火の中でも自由に移動出来ますよ】
精霊達は自慢気に言っていたので、エレントとアルトニスを月光貝がいる、水の中に行かせてあげることにした。
はぁ、普通はあり得ないと思うよ。ただ精霊達が幼馴染みで、仲が良いから出来ることで、普通は精霊達で力を分け合ったりしないと思うんだよね。
レンの知らない所で精霊達が色々と試しているので、今後もレンの想像を超える事をするんじゃないかと心配だらけであった。精霊達三人は仲良く水の中に入ると楽しそうに水の中を泳ぎ、レン達に手を振ってアピールしていた。
「楽しそうに泳いでいるわね。精霊達が水の中で泳いでいるなんて、普通はあり得ないわ。かなりの激レアよ」
「アリス、僕がエレント、アクト、アルトニスと契約しているから出来ることで、普通はあり得ないよ」
五人は透明な床の下を覗き込みながら、時々精霊達に手を振って応えていた。
「さて俺達も準備を始めようぜ。こんなに月光貝があれば少しは食べても大丈夫だよな」
「ファングさん、さっそく食べる気満々ですね」
「当たり前だ、まだ朝食を取ってないんだぞ」
「そうだね。アリスがかなり美味しいって言っていたから、採れたてはかなり美味しいと思うよ」
「マスター、僕も月光貝食べてみたい、いまの話し聞くとよだれが出そうだよ。レオスも早く食べたいって言っているよ」
「そうね、私も食べてみたいと思っていたのよ。折角だから素材をそのまま使った網焼きでいきましょう」
五人は月光貝を食べる為、リュックから敷物を敷いて、四人は座り込み、アリスは自分の調理セットを取り出して四人が休んでいる場所に置いてアクトが月光貝を採って来るのを待っていた。
「アリス、この調理セット何なの?」
「これは私が設計して作ってもらった特注品よ」
アリスが取り出した調理セットは明らかに七輪に近い形をしていた。
これ明らかに僕の世界にあった七輪に似ているよね。異世界だから驚かないけど、この世界は色々な情報をもとに造られていませんか?
明らかに前にいた世界の道具や食べ物が時々出てくるので、この世界の事がかなり不安だが既に転生してしまった身なので、後戻りは出来なかった。
女神セレスティアは今頃、どうしてるのかな? 未だに女神セレスティアのプレゼントが分からないよ。
アリスの調理セットを見て、昔の世界を思い出しながら、女神セレスティアの事を考えていたが、レンは既に女神セレスティアのプレゼントを使っている事を知らなかった。
「レン君どうしたの? 急に固まって何か悩み事?」
「えっ、何でもないよ。アハハッ」
レンが考え事をしていたので、心配して声を掛けていた。
「本当に悩んでないのか? さっき真剣に考え事していたぞ」
「大丈夫だよ。この調理セットどうやって使うのか考えていただけだよ」
「何だそんな事を考えていたね。それは、ここの網の下に薪を入れて火を起こして網をしいて、その上で焼くのよ。でも今回は薪を持って来てないからレン君の精霊をまた貸して欲しいわ」
レンは違う事を考えていが、上手いこと話しをすり替えて四人に心配を掛けないようにしていた。暫く話しているとアクトが大量の月光貝を魔法で運んで来たので、その月光貝を網の上に置きアルトニスの火で月光貝を網焼きにして待っていた。
「ごめんね、アルトニス。精霊をこんな事に使いたくなかったんだけど、どうしても月光貝を網焼きで食べたかったから」
レンはアルトニスに申し訳なさそうに謝っていた。
【何でレンさんが謝るんですか? 僕は別に構いませんよ、むしろ僕をたくさん使って欲しいです。それに三人と楽しく泳げましたから満足してますよ】
【そうだな。久しぶりに三人で泳いだぜ。だけどあの時はエレナもいたよな】
【そうですね、あの時は四人でいつも楽しく遊んでいましたね】
精霊達は精霊界で昔遊んでいた事を懐かしんでいた。
「えっ、もう一人、精霊達の仲間がいたの?」
【そうだぜ。かなりドジッコなエレナがいたんだぜ】
【エレナって言うのは、土と雷を司る異色の精霊何だよ。本来は土の精霊何だけど、エレナは雷も持つ珍しい精霊何だよ】
【エレナ、今頃何していますかね。あの精霊はかなりドジッコで面倒見るの大変ですが、かなり面白い子ですから、また会いたいですね】
【まぁ、エレナも今頃、他の精霊使いと契約してるんじゃないのか?】
【そうだね、僕が悪い人と契約していたみたいに誰かと契約しているかも知れないね】
【それは、残念だわ。もしレン様がエレナと契約すれば四大精霊を扱う精霊使いになれるのに!】
精霊達はエレナの事を色々話してくれたけど、若干引っかかる部分があった。
はぁ、絶対に土と雷を司る精霊エレナと契約しろと言っているよね。まぁ契約していない前提だけど、これ以上精霊と契約したら、絶対に死ぬと言っているのに何で聞かないんだろう? しかも四大精霊使いになったら、絶対に目立って楽しい冒険ライフが出来ないでしょう。
レンは精霊エレナが他の精霊使いと契約をしていること信じて、何とか精霊と契約することを回避しようと模索を始めようとしていた。
「精霊エレナの事は分かったけど、多分契約しているよね。僕はエレント、アクト、アルトニスの三人が入れば十分だよ」
【レン様、嬉しいですわ。大好きです】
【レン、嬉しいぜ。やっぱりお前と契約出来てよかったよ】
【レンさん、ありがとうございます。かなり嬉しいですよ。僕を助けて、大切に扱ってくれるのはレンさんだけですよ】
【でも、エレナがいたら絶対に楽しいけど。彼奴も今頃幸せにしている可能性もあるから、俺達はレンのもとで幸せにしていればエレナも喜ぶと思うな】
【そうですね、お互い幸せな事を知れば、エレナも安心して、契約者に尽くす事が出来ますね】
精霊達はエレナの事を思いながら、レンに感謝をしていた。
はぁ、相変わらず素直過ぎる精霊達だよ。逆に僕の方が罪悪感になるよ。でもこんなに活き活きしている精霊達は普通いないよ。
精霊達はいつも楽しそうにしているので、嫌なことはないのか時々疑問に感じる時があるが、精霊達が聞いてきたり、レンに言ったりしないので、レンから精霊達に聞く事はなかった。暫く精霊達と話していると、網の上で焼いていた月光貝の殻が開いたので、アリスが調味料を貝かけると香ばしい匂いが辺り一面に広がり食欲を誘っていた。
「さぁ、出来たわよ。熱いから気をつけて食べてね」
「ウォー、スゲー良い匂いだぜ」
「そうだね、香ばしい匂いが充満して、食欲を誘うよ」
「マスター、早く食べよう」
「僕が取り分けますね。アリスさんお皿ありませんか?」
レイスがみんなの分を取り分けるとそれぞれ月光貝を食べ始めていた。
「ウォー、スゲー美味いぜ」
「何これ、肉厚がかなりあるけど、あっさりしてとても美味しいよ」
「マスター。こんなに美味しい貝を食べるの初めてだよ。マスターの弟になれてよかったよ。レオスの為にたくさん食べるよ」
「食べるのは構わないけど、体はレオスなんだから考えて食べなよ」
「分かっているよ。マスター」
「なるほど、確かに美味しいわ。これならご飯やパスタなどに混ぜてもいけそうだわ」
「僕こんなに美味しい貝を食べるの初めてです。僕、皆さんの仲間になれてよかったです」
五人は月光貝に舌つづみながら月光貝を味わっていた。
【確かに、美味いな】
【そうですね。ほっぺが落ちそうなくらい美味しいですわ】
【まさか、僕達精霊にも月光貝を食べさせてくれるなんて思いませんでしたよ。だけど月光貝凄く美味しいですね】
【そうだな。俺達は別に食事しなくてもマナがあれば生きられる存在だから、レンから月光貝を渡された時は驚いたぜ。月光貝を食べても体内で一瞬にしてマナに変換されちまうから食べた気分にならないぜ】
【確かに体内に入ると食べた気分にならないけど味だけは堪能出来たし、食べた物が変換されてマナが増えた感覚は味わえるよね。僕は今まで経験した事がなかったから、レンさんから月光貝を渡された時は戸惑いましたよ。レンさんのが月光貝を渡した時の表情を見た時は断れませんよ】
【そこがレン様の良い所なんですよ。私達精霊もレン様の家族だと思って扱ってくれているんですから、皆さんと一緒に食事をして楽しみたいんだと思いますよ】
【レンらしな、レンを見ていると本当に飽きないぜ。俺達を楽しませてくれるからな。それにしてもこの月光貝マジで美味いぜ】
【アクト、食べた気分にならないと言うわりには結構食べているよね。僕にも頂戴よ。僕もたくさん食べたいんだから】
【アクト、アルトニス、レン様に笑われますよ。もっとゆっくり食べなさい。それと私の分も残して下さい】
精霊達も月光貝に夢中になって食べていた。
はぁ、何か精霊達が月光貝の取り合いしているんだけど、別にそんなに食べなくても生きていけるとか言ってなかったけ?
精霊達が月光貝の取り合いをしているので、エレントが前に言っていた事とかなり矛盾しているんじゃないのと思いながら見ていた。
【レン、月光貝はもうないのか?】
【レンさん、アクトが独り占めするんですよ。僕、もっと食べたいのに】
【レン様、もう月光貝はないのですか? アクトとアルトニスがほとんど食べてしまって】
【エレント、アルトニス、嘘を付くなよお前らも沢山食べていただろう】
精霊達が月光貝の取り合いで揉めていた。
はぁ、何をやっているの、この精霊達? 月光貝如きにこんなに喧嘩するの? 人前だと恥ずかしいんだけど
しょうもない事で喧嘩をしていたので、レンは恥ずかしかった。
「君達、精霊だよね。そんな事して恥ずかしくないの?」
【別に良いだろう? 他の精霊と一緒にしないで欲しいよ】
【そうだよ。僕達は基本的に姿を見ることが出来ないから、喧嘩してもバレないよ】
【それよりもレン様、月光貝はもうないんですか?】
【エレント、抜け駆けは許さないぞ。レン早く月光貝をくれよ】
【そうですよ、一人だけ食べようなんて許しません。レンさん早く月光貝を下さい】
精霊達は恥ずかしくないのか、小学生みたいな行動をして、レンに月光貝をねだっていた。
はぁ、小学生みたいな行動しないでよね。君達いい歳なんだから、それに姿を消していればバレないとか言っているけど、普通に姿を晒して言っているよね。そこら辺どうなの?
精霊達の態度が急激に変わるので、レンは呆れていたが、精霊達が月光貝をもっと食べたい表情をしていたので、レンの分を三等分にしてあげると、精霊達は急に断っていた。
【それは、レンが食べている月光貝だよな】
「そうだけど、月光貝を食べたいんでしょう? あげるよ」
【そんなレンさんの分から貰うなんて出来ませんよ。僕達は余って入ればおかわりを貰おうとしていたので】
【レン様の分を食べたら、レン様の栄養が心配になりますわ】
「アハハッ、大丈夫だよ。別に一日食べなくても生きていけるし」
【そんな嘘を言うなよ。一日食べなかったらお前死ぬだろう】
【そうですよ。レンさんを死なせる事は出来ませんよ】
「いや、一日食事を抜いても大丈夫何だけど、何なのこの精霊達わ?」
たかが一日食事を抜いた所で死ぬ分けではないけど、精霊達にとっては一日食事を抜く事がレンの命に関わる事だと思っていた。レンは呆れていたが、精霊達が頑な断っていたので、そんなに月光貝を食べたいんなら、月光貝をとって来て、アリスの調理器具で焼けば良いでしょうと言うと三人は目を耀かせながら水の中に入り、自分達が食べる分を採ってくると、アルトニスの火で月光貝を焼いて美味しそうに食べていた。
「はぁ、まさか精霊達が月光貝に夢中になるなんて思わなかったよ」
「それだけ、美味しい証拠よ。精霊達のお墨付きだものね。それよりもよく食べるわね。精霊達の体を調べたいわ」
精霊達は大量の月光貝を採ってきて食べていたので、食べた物がどこに行っているのかアリスは興味があった。
「それよりも、食べた貝の殻どうする? 大量にあるんだけど?」
精霊達がたくさん食べているので大量の月光貝の殻があった。
「そうね、殻は細かく砕いて、水の中に戻してあげましょう。殻に栄養があるから月光貝の餌になるわ」
「なるほど、分かったよ。アクト食べ終わったら、ギルドに渡す月光貝を採ってきてね。なるべく大きい物で貝のツヤが良い物を選んでね。その間に僕達は貝を砕いているから」
【分かった任せておけ。大きい物は残してあるから安心しろ】
【僕もアクトの手伝いをします。レンさんから月光貝を頂いたので少しは貢献したいです】
【私もアルトニスに賛成だわ。私達三人で探せば早く終わるわ】
「エレント、アルトニス、アクトと一緒に行くのは構わないけど、無理だけはしないでね」
エレントとアルトニスを心配していたが、二人は大丈夫だよと元気に言っていたので、レンは精霊達を好きなようにさせてあげることにした。
相変わらず、元気過ぎる精霊達だよ。しかし、どんだけ月光貝を食べているんだよ。貝を砕くの大変だなぁ。
精霊達は月光貝を食べた後、三人は水の中に入り月光貝を採りに行った。その間に五人は近くにある瓦礫から石を見つけて月光貝の殻を細かく砕いて、精霊達の帰りを待っていた。
「しかし精霊達、結構食べたよね。普通に食べ過ぎだよ」
「そうだね。レン君の精霊達、かなり美味しそうに食べていたわね」
「彼奴らは、俺達みたいに食べたりしないから、嬉しかったんじゃないか?」
「多分そうですね。精霊達も僕達みたいに食事が出来て嬉しかったんですよ」
五人は月光貝の殻を砕きながら、精霊達の話をしていると、精霊達が大量の月光貝を持ってきたので、五人は月光貝の選別を始めていた。
「三人ともご苦労さま。月光貝を選別している間、自由にしていいからね」
【俺はお前達の月光貝の選別を見ているぜ】
【僕もレンさん達の選別を見てますよ。十分楽しみましたから、五人の様子を見ながら休んでいますよ】
【私もレン様達の様子を見てますわ。水の中は十分に楽しめましたから、レン様の上で休みながら見ていますわ】
精霊達はレンの頭上から見ていると言っていたので、邪魔だけはしないでと言うと、元気よく分かったと言っていたが元気過ぎて逆に心配だった。
「アリス、月光貝の選別するけど、どうやるの? それと月光貝を運ぶ容器はあるの?」
「あるわよ。私が魚を持ってきた箱があるでしょう。それに月光貝の選別は、穴から漏れている光を当てれば、月光貝の輝きを確認出来るわよ」
アリスの説明を聞いて、五人はそれぞれ月光貝を手に持って、月光貝の選別を始めていた。
しかし、こうして月光貝の殻に光を当てると本当に七色に輝いて綺麗だよう!
月光貝の殻を光に当てると七色に輝いていたので、レンの頭上にいた精霊達も食い入るように、レンの手のひらの近くにきて一緒に月光貝を眺めていた。それから五人は黙々と選別をして、レンは精霊達と一緒に月光貝の選別をやっていた。
「だいぶ溜まったね。この量ならいくらになるの?」
「そうね。大きさや殻の品質が良いからかなり高値で引き取ってくれるはずだよ」
「そうなんだ。期待出来そうだね。これも精霊達のおかげだよ」
五人は精霊達にお礼をすると精霊達は照れていた。
「それにしても、月光貝が生息している場所の奥にまだ道があるんだね?」
奥を見ると、まだまだ道が続いているので、この先に何があるのか気になっていた。
「多分、この先に遺跡の壁画があるんじゃないのか? まだあの壁画の謎が解けてないだろう?」
「それは、そうだけど。何か奥に行くと嫌な予感がするんだよね」
「レン君、奥に行かないの? 確かにレン君は勘が当たるけど私達が付いているから大丈夫よ」
【レン、俺達精霊もいるから安心しろよ。お前が心配する必要はないぜ。お前はやりたいようにやれよ。俺達はずっとレンの傍で護っているんだから】
四人や精霊達に促され、レンは軽くため息を吐いていた。
相変わらず、危機感のない仲間だよ。まぁ、そこが四人の良いところ何だけど、精霊達にも言われると行かないわけにはいかないね。
五人は砕いた月光貝の殻を水の中に入れた後、精霊達は一旦姿を消して、レンの頭上を飛び回り、五人は奥の道に向かって進み始めているのだった。
次回は明日の0時になります。温かくお待ち下さいm(_ _)m




