#32 海底遺跡の奥に進む前の休息?
おまたせしました。第32話です。海底遺跡で一夜を過ごしたけど動きませんね(≧∇≦)b
おかげ様でPV10000達成ありがとうございます(。>ω<。)
五人は海底遺跡の内部で一夜を過ごし、時間が分からないまま朝だと思いそれぞれ目を覚まし始めた。
うーん、朝かな? 外が見えないから朝だか分からないな。それよりもかなり重いんだけど?
レンは起き上がろうとしたが、何か重いもので体を押さえられていた。
僕はレオスと一緒に寝たはずなのに何でこんなに重いの? レオスの体重が急に増えるのは変だし?
目を擦って、レオスを見ると何故か兄の姿になっていて、レンに抱き付きながら気持ちよさそうに寝ていた。
おいレオスの兄、何時の間にレオスと入れ替わって、僕と寝ているんだよ。
レオスの兄は気持ちよさそうに寝ているが、あまりにも重すぎるので、レオスの兄を叩き起こしていた。
「おい起きろレオスのバカ兄、何時の間にレオスと入れ替わったの?」
あまりにも重すぎるので、起きる早々機嫌が悪かった。
「痛いよマスター。それに僕をバカ兄呼ばわりしないでよ」
レオスの兄は気持ちよさそうに寝ていたのにレンに叩き起こされて不機嫌になっている。
「バカ兄呼ばわりされたくないなら、何で兄の姿になる必要があるの?」
レオスからレオスの兄に入れ替わっても、基本的にレオスの弟の体を使っているので、兄の姿に変身するのは本当に緊急時以外なることがほとんどなかった。
「最初はレオスの姿で普通にいたよ。ただ僕も兄の姿でマスターとハグしたかったの、ハグしてたら気持ち良くなってマスターの匂いを嗅ぎながら寝ちゃったの!」
レオスの兄は、必死にあれこれ理由を付けてレンを納得させようとしていた。
はぁ、兄弟揃って求愛行動する必要があるの? もはやこの兄弟は本気で僕の子供しか産まないつもりなの?
兄弟揃って同じ行動をしているので、呆れて何も言えなかった。
「はぁ、分かったよ。別に替えたりしないよ。昨日、兄に代わるように頼んであるから」
「マスター本当に代えたりしないでよ。替えられたらレオスに怒られるんだから」
「別にレオスに替えたりしないよ。だからそろそろもとに戻ってくれないかな重いんだけど」
「えっ、この姿でマスターとハグしたいよ。それにマスターの匂い凄く落ち着くよ。だからもう少し良いでしょう?」
「いやダメだから、早く退いてくれないと本当にレオスに替えるよ」
レオスは頑なにレンともう少しこのままでいたいと言うので、一旦レオスに入れ替わってもらい、体をもとの状態に戻させていた。
「フゥ、死ぬかと思ったよ。レオス、兄をちゃんとコントロールしてといったよね。何で兄の姿になる必要があるの?」
レオスはいつも兄を叱ったりして、兄を更生さているので何であんな状態になったのか聞いている。
「えっ、それは‥‥‥うるさい兄さんは黙っていて僕が説明するから。それは僕が、たまには兄さんもレンお兄ちゃんと一緒に寝たらと勧めてあげて入れ替わったのだけど、僕が寝ている間に兄の姿になっていたから僕も驚いていたよ。レンお兄ちゃんごめんね。兄さんには僕がキツいお仕置きをしておくから安心してね」
「別に怒ったりしないから、あまり兄さんを困らせないようにね。ただ理由を知りたかったから、ただ兄の姿はあまりならないで、兄弟なのに変だと思われるから?」
「うん、分かってるよレンお兄ちゃん。兄さんにはちゃんと伝えておくよ。もし次も人前でやったら暫く兄さんと口聞かないと言えば反省するよ!」
ただ理由を聞きたくてレオスに替わったが逆に怒っていたので、レオスの兄はとんだとばっちりを受けていた。しかも兄弟なのに変だとレンは言っているがそもそもレオスは猫科の種族なので、全くレンと似ていない。
「はぁ、それじゃレオス、僕は寝袋を畳んでいるから、アリス以外起こしてきて」
「オッケー分かったよ。マスター」
アリスは既に起きていて、遠くからレオスの様子を眺めてから、レンのもとに来ていた。
「レン君、おはよう!」
「おはよう、アリス! なんか機嫌悪くない?」
「当たり前でしょう。何でお兄さんの姿でレン君と寝ているの?」
「えっ、そんなことで怒るの?」
レオスの弟は昨日話してアリスと和解していたが、兄に替わることを知らなかったため嫉妬していた。
はぁ、普通に兄と寝ていると思えば良いのに、何でいちいち突っかかることを言うの?
アリスは納得していないのか、レオスの兄に近寄り理由を聞いていた。
「えっ、僕はレオスに言われて替わっただけだよ。別にマスターと変な事してないよ。ただ抱き付いて、僕の匂いをマスターに擦り付けていただけだし?」
「それがダメなのよ。何で抱き付いて、しかも自分の匂いをレン君に付ける必要があるの?」
「それは、マスターとはぐれた時に見付けるためだよ。僕達は特殊な匂いに魔力を混ぜて、マスターに付けているんだよ。普通の人は匂いを感じないけど、僕とレオスは匂いを感じるんだよ。確かに求愛行動に近いけど、マスターを護るには必要だよね?」
「えっ、それじゃ求愛行動みたいにレン君に擦り付けているのは定期的に匂いを付けて、レン君を監視してるの?」
「うん、そうだよ!」
アリスはレオスの兄の説明で納得していたが、遠くで聞いていたレンは疑っていた。
アリス、レオスの兄に騙されているよ。確かに本当の部分はあるかも知れないけど、一部嘘を混ぜて言っているよ。
レオスの兄は頭が良いので、アリスを上手く交わして、引き続き二人を起こしていた。
「ファング、レイス、起きろ」
レオスが言うとレイスは目覚めたがファングは爆睡していた。
「おはようございます。ファングさんはまだ寝ているんですか?」
「おはようレイス。レオスの大声で起きないなんて凄いね」
「おはようレイス君。そうね、普段なら早く起きて、一目にレン君を起こすのに、珍しく爆睡してるわね」
暫く、レオスが何回も叫んだが、起きないのでレンは精霊を使って遊ぼうとしていた。
「ねぇ、アリス、レイス。精霊達に遊ばせてもいい?」
「良いけどファングになにするの?」
「僕も何をするのか気になります?」
二人に聞くとやって良いよと言っていたので、レオスを下がらせて、精霊達を呼んでいた。
【おはようございますレン様、どうかしましたか?】
【おはようレン、どうした? 何か俺達に頼みたいことがあるのか?】
【おはようございます。レンさん。なにか僕にやって欲しいことがあるんですか?】
「実は三人に頼みたい事があって‥‥‥」
精霊達に説明すると三人は、ウキウキしながらファングの回りを飛んで眺めていた。
【なぁ、レン。本当にやって良いんだな?】
「うん、やって良いよアクト。あの時の恨みをファングに味わってもらいたいし」
レンが許可を出すと、精霊達は行動を始め、まず最初にエレントが風魔法を使ってファングをゆっくりと浮き上がらせていた。次にアルトニスがファングの浮いている地面に炎を上がらせてファングの背中を煽っていた。
「可哀相だわファング。火傷はしないけど炎の熱風で体が暑そうだわ」
「別に大丈夫でしょう。ファングと炎の距離はかなり離れているから、丸焦げになったりしないよ。そのためにアクトが入るんだから」
「それにしても、ファングさん全然起きませんね。ここからでもアルトニスさんの炎の熱が伝わっているのに」
「本当だわ、ファングの体がおかしいのかしら?」
「いや、ただ単に耐えているか、皮膚が鈍感になっているかじゃない?」
四人は少し離れた場所からファングを眺めていたが、一向に起きる気配を感じないので、アルトニスに炎の高さを少しづつ上げてもらうと、ファングの額から汗が出始め、寝苦しそうに唸り、やがて飛び跳ねるように起きた。
「アッチー、何だよ。俺の体が燃えてるんじゃないか。てか何で俺宙に浮いているんだ? 俺の下に炎が上がっているんだけど?」
ファングは自分の身に何が起こっているのか、まだ理解出来ないでいた。
「おはようファング。よく眠れた?」
「おはようレンじゃない。何で精霊達が俺の近くで笑って見てるんだよ」
精霊達はファングの目の前で姿を見せていて、楽しそうにファングを見ていた。
「えっ、僕が呼んで、精霊達にやってもらっただけだよ?」
「まて、レン。俺、お前を怒らせる事をしたか?」
レンを怒らせる事を一切してないのに、何故こんな状況になっているのか理解が出来なかった。
「したよねぇ。課外授業の時に毎朝早く、僕の部屋の扉を叩いて起こしていたよね。おかげで課外授業中は寝不足だったよ。レオスもゆっくり寝れなかったんだよ」
「マスターの言うとおりだよ。レオスも寝不足だったんだよ。定期的に入れ替わってレオスを眠らせていたけど、レオスの体の成長が心配だよ」
「えっ、レオスの兄さん、そんな事していたの?」
課外授業中に入れ替わっていたのを知らないで驚いていた。
「そうだけど、レオスから喋る口調は絶対、僕にしてと言っていたから、上手くレオスの喋り方でやっていたんだよ。レオスの喋り方で維持するの大変何だからね」
「はぁ、まさかそんな芸当をやっていたなんて気付かなかったよ」
「多分、レオスは言い辛かったと思うよ。マスターが頑張っているのに自分だけ眠いなんて言えないからね。だから僕に頼べば、僕も寝不足だけど頑張っているとアピールしたかったんだよ。レオスはマスターに人一倍尽くしたいからね」
二人が課外授業中の事の出来事を話し始めて、ファングの事を忘れていた。
「レン、俺を無視しないで! あの時は本当に悪かったと思っているから、あの時の事は忘れようぜ。レオスもあの時は本当に悪かったよ」
「本当にもうやらないんだね?」
「あぁ、緊急以外は叩かないから許してレン。それよりもこれどうなっているんだ。俺宙に浮いて自由に動けないんだけど? それにこのままだと俺、脱水症状で確実に死ぬよ。と言うか熱いんだけど!」
「ファング、本当に熱いの?」
「当たり前だろう。見ろよ俺の体から汗が滴っているだろう?」
ファングを見るとアルトニスの炎で熱せられて、凄い汗をかいていた。
「仕方ないなぁ、アクト、ファングにあれをお願い!」
「ちょっとまて、レン。俺に何するつもりだ」
レン、アリス、レオス、レイスはファングからかなり離れていたので、ファングの顔色が次第に悪くなっていた。
【了解、ファングいくよ。アクアシャワー】
アクトが魔法を唱えると、ファングの頭上から勢い良く滝のように水が流れ落ち、若干苦しそうにしていた。やがてアクトの魔法が終わるとエレントとアルトニスの魔法も解除されて、地面に降ろされていた。
「はぁはぁ、絶対に死ぬぜ」
「アハハッ、ファングお疲れさま。目覚めスッキリだね」
「当たり前だろう。あんな事されれば、誰だって目覚めるよ」
「確かに正論だけど、ずぶ濡れで説得力がないわね」
「ファングさん、前髪が凄い状態ですよ。まるでお化けみたいですね」
「ファング、もの凄く怖いよ。レオスが怯えているよ」
「そうだね、まるであの時みたいだよ」
「まて、レン。またあの時の事を思い出しているのか?」
四人はファングの姿に笑っていたが、ファングはレンが昔の事をまだ覚えているため、必死に過去を忘れようとしていた。それからファングはエレントとアルトニスの融合魔法で服を乾かしていた。
「それよりも、ファング。今日は珍しく爆睡してなかった? 普通なら一番に起きているのに?」
「それは、レン達が寝た後、剣の練習を少しやっていたから寝るのが遅くなったんだ」
四人が寝た後、ファングも寝ようとしたが中々眠れなかったので剣の練習をして、眠気が来るのを待っていたが一向に眠りにつけなかった為に今の状況になっていた。
「ファングも寝れない時があるんだね。それじゃ精霊達はファングの様子を見ていたの?」
エレント、アクト、アルトニスに聞くと三人は笑いながら、ファングは真剣に剣を構えて、普段見せない顔をしていたと言っていた。
「えっ、お前ら見ていたのか?」
【あぁ、そうだぜ。お前があんなに真剣な表情をするの初めて見たぜ】
【僕も見ていましたが、あの顔は何か大切な物を絶対に護る表情でしたよ】
【恐らく、レン様を絶対に護りたいんですね。あの出来事があったから】
「そんなんじゃないよ。頼むからあまり、俺の事を話さないでくれよ。秘密にしてるんだから」
【クスクス、分かっていますよ。レン様の為ですからね】
ファングの裏の表情はレンには内緒にしているので、絶対に喋るなと言っていた。
ファングは何で必死なんだ? 別に顔の表情を見られても良いと思うんだけど、恥ずかしいのかな?
精霊達とファングが話しているのを聞いていたが、レンはファングの裏の顔を知らないので何故ファングが必死になっているのか不思議に思っていた。
「それよりも、服乾いたの?」
アクトにずぶ濡れされて、服が密着して動き辛そうだったので確認していた。
「あぁ、乾いたぜ。しかし凄いよな。これが精霊の力なのかあまり熱さを感じないのに服や髪などがすっかり乾いてるぜ」
【当たり前だ。俺達精霊をなめるなよ】
【アクト、騒ぎ過ぎですよ】
【相変わらず元気だねアクト。僕達は精霊だからこのくらいの芸当は簡単だよ】
ファングは精霊の力に驚いていると、アクトが胸を張っていたので、ファングの服を乾かしていないアクトに対してエレントとアルトニスが笑っていた。
相変わらず自由で元気すぎる精霊達だなぁ。
五人は荷物をまとめた後、奥の階段に向けて歩き始めようとしていた。
「レイス君、荷物を持たせて悪いわね」
「大丈夫ですよ。皆さんの荷物を持てるだけでも嬉しいので」
「それに比べて、ファングは荷物を持たないのね」
「当たり前だ。俺はレイスの面倒を見ているんだかな」
ファングとアリスは荷物の事で話していた。
「僕達は先に行くけど、また後から付いて来るんでしょう?」
【あぁ、そのつもりだけど。少し話したら後から行くよ】
【レン様、心配しなくても大丈夫ですよ】
【レンさん、僕達は壁など簡単にすり抜けて移動出来るので、すぐに追い付きますよ】
「そうなんだ。だけど精霊達でも天敵はいるよね。気をつけて来てよ」
レンは精霊達に話した後、五人は階段がある場所に歩いて行った。
【相変わらず、レンは心配症だなぁ。まぁそこが彼奴らしいし俺は好きだよ。何回も言うけど俺を自由にしてくれたからね】
【そうだね。僕達にいつも優しくしてくれるから僕はレンさんが好きだよ。レンさんの新しいパートナーになってよかったよ】
【アクトやアルトニスが気に入るのは分かりますよ。レン様は常に仲間に対して優しくしてくれますから。それに間違った時は正してくれますから】
精霊達はレンの長所と短所の部分を述べて、色々とレンの今後の事を話していた。
【それよりもエレント、ファングの前であの時とか言っていたけど、俺とアルトニスが契約する前に何かあったのか?】
【僕もその言葉が気になっていたんです。一体何があったんですか? 僕達が力になれるのなら協力しますよ】
【えっ、それは‥‥‥分かりたしたわ。アクトとアルトニスはレン様と契約していますから話す資格がありますし、それにまた起こるかも知れませんから話しますね】
エレントはアクトとアルトニスにレンが誘拐された事件に付いて話していた。
【そうか、レンにそんな事があったのか?】
【その時、エレントはレンの傍にいようとしたが仲間を呼ぶように言われたんだね】
【そうですよ。私はレン様の傍で護ろうとしたかったけど、多分レン様は精霊で大事にしたくなかったと思いますよ】
エレントはレンが誘拐された時もレンの傍に居たかったが、レンの指示に逆らえなかった為にあの時の自分の行動を後悔していた。
【彼奴らしい行動だなぁ】
【そうですね、でも万が一レンさんの身に何かあったら一大事ですよ】
【それは、分かっているけど。レン様の真剣な表情を見たら断れませんでしたよ】
【確かに、エレントだけで誘拐された奴を倒してレンを助けるのは不可能だな。レンの判断は正しいけど危険な判断だなぁ】
【そうですねよね。本当、レンさんは危険な所に突っ込もうとしますよ。だけどこれからは僕とアクトもいますから手分けしてやれば大丈夫です】
【まぁ、三人の内、一人が仲間を呼んで二人がレンの傍に付いていられるから大丈夫だな】
【アクトとアルトニス、感謝しますよ。これからは三人でレン様を護りましょう】
【あぁ、任せろ。レンは絶対に死なせたりさせないぜ】
【僕もレンさんを死なせたりさせませんよ。それもレンさんの所に行きましょう。話していると心配になってきました】
アクトとアルトニスはレンの過去を知ってから、より一層レンの傍で護っていこうと決意して、三人は姿を消してレンの後をもの凄いスピードで追っ掛けて、レンの上で飛びながら話していたのである。その頃、五人はまだ階段を下りている最中で、精霊達がレンの傍でレンの事を色々話していることなど知らずに、レンは四人と楽しく会話しながら階段を下りているのだった。
次回は明日の0時なります。楽しみにお待ち下さいm(__)m




