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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第5章 長い夏季休暇中に巻き起こる冒険と新たな事件 第1節 帰省と海岸都市フォード王国の冒険
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#29 海底遺跡を探して

お待たせしました。29話公開です。いよいよ海底遺跡に行くみたいだけど何か問題発生みたいですね(。>ω<。)

前回投稿のPV数が通常の投稿時の三倍になっていてビックリしました。

ここから暫く海底遺跡のお話が数話程度続きます。レン君達の楽しい会話や下ネタを楽しんで下さいm(__)m

 精霊アクトの契約から既に三日が経ち本来なら海底遺跡の調査に行くはずが、肝心な海底遺跡の場所を知らず五人は未だに宿の周辺で聞き込みをしていた。そして今はフォード王国の街中にある飲食店で話しているのだった。


「はぁ、簡単な依頼だと思ったのに、何で肝心な場所が書いてないんだよ」

「そうよね、肝心な場所が大雑把過ぎるわ。選択ミスだわ」


 依頼書には海底遺跡の調査内容が書いてあって、場所も記載されているが、肝心な場所の記載がフォード王国周辺の海域と大雑把に記載されているだけだった。


「しかし、聞き込みをしても、場所が把握できないなんてあり得るの? もう三日も聞き込みしてるのに手掛かりすらないよ」


 ここ三日間フォード王国の街中のお店などを周り聞き込みをしていたが、海底遺跡の場所に繋がる手掛かりが見つからなかった。


「レン、海底遺跡は海の中にあるんだよな。何で誰も知らないんだ?」

「そんな事、僕に言われても知らないよ」


 フォード王国は海に面しているので、誰かしら知っても良いはずなのに、何故か誰も知らなかった。


「しかし、どうしますレン師匠。このまま、手付かずだとフォード王国から出られませんよ! 依頼を棄権する事が出来ますが、単位がマイナスになりますよ!」


 学生ギルドは依頼を棄権すると依頼を請けた依頼書に記載している単位分が引かれるシステムになっている。つまり自分が持っている単位が20持っていると仮定すると、依頼を請けた10単位を棄権した場合、自分の手元に残る単位は10になる。


「いや、そんな事しないし、それにまだ九日もあるんだよ」


 フォード王国には二週間の滞在予定を決めていたので、とりあえずまとめて二週間分の宿代金を支払っていた。


「確かに言われてみればそうでしたね、アハハッ。しかし、どうしますか、このまま見つからないと僕達は新しい依頼を請けられませんよ」


 学生ギルドの依頼はチームや個人で一つだけしか選べないので、大量にストックする事が禁止されている。その為、依頼を終わる度に次の依頼を請けられる仕組みになっている為、非常に面倒くさいシステムである。


「それは、分かっているよ。早く終わらせて次の依頼を請けたいし、それに食費に資金使っているから少しは稼いでおきたいし。アリス、まだ資金あるよね」

「そうね、まだプラチナ貨三枚あるけど、厳しいわね。せいぜい一週間が良いところね!」


 大量の資金を手に入れていたが、家族との食事やお祭りにも使っているので資金を見るとだいぶ減っていた。


「もう、そんだけしかないのか?」


 資金がだいぶ無いことに危機感を感じていた。


「仕方ないこうなったら、あれを使うしかないな?」

「あれって、何をするんだ?」


 四人が気になっているとレンはレオスを指差していた。


「レオスにサーチを使って調べるしかないでしょう。あまり使いたくなかったけど、仕方ないよね」

「あっ、その手があったわねレン君」

「確かに、その手がありましたね」

「レン、だったら最初から使えよ意地汚いな!」 


 ファング、アリス、レイスはレオスを見て納得していた。


「えっ、僕のサーチを使うの?」

「レオス、もしかして無理なの?」

「無理じゃないけど、広範囲のサーチはやったことないんだけど」

「えっ、それじゃどの位の距離までサーチ出来るか分からないの?」

「うん、そうだね。やってみないと分からないよ。今まで近い所しか使用しなかったから、自分の限界試してみたい!」


 レオスのサーチで海底遺跡を探せると思っていたが、試したことがないと聞いて、行き先が不透明になった。


「どうするレン君。レオスのサーチで取りあえず試してみる?」

「今はそれしか、探せる方法ないよね?」


 不安だがレオスのサーチに掛けるしかないと思っていると、


「だったら、レンの精霊依を使えば良いんじゃないか?」

「何を言っているのファング!」


 精霊の力を使って海底を調べれば海底遺跡を見つけられると言っていた。


「確かに、僕も考えたよ。だけど海は広いよね、ある程度範囲を絞らないと、ただ海の中を移動して終わるよ。それに精霊依の姿で海を泳いで誰かに見られたら、変な噂が出て使えなくなるよ!」

「そっかぁ、行けると思ったけどなぁ。確かに考えてみると、変な子供が海の中を泳いでいると言われそうだな!」

「変な子供ってなに? 変な例えやめてくれない? せめて青と水色の髪の少年が海の中を泳いでいると言うよね」


 ファングがレンに対して、変な子供呼ばわりされていたのでレンは機嫌を悪くしていた。


「悪かったってレン」

「まったく、ファングは一度レン君に絶交されてみれば?」

「アリス、何を言っているんだ。レン、頼むから絶交はやめて俺何でもするから」


 ファングはレンの機嫌を取ろうとしていた。


「今何でもすると言ったわねファング。だったら荷物持ちしなさい」

「いや、俺はアリスに言ってないぞ。俺はレンに言っているんだ」

「はぁ、分かったから。食事が終わったら外でレオスの刑にするよ!」


 レンはレオスを使ってこちょこちょの刑にしようと考えていた。


「ちょっと待って、レオスの刑ってアレだよな。それにレオス、何で俺を睨んでいるんだ!」

「ファングお兄ちゃんがレンお兄ちゃんを苛めるから、今日は兄に変わって罰を与える」

「ちょっと待ってレオスの兄は手加減してくれないんだけど」

「ダメ、少しは反省して、兄さんも怒っているから」


 ファングはレオスの兄に苦い経験があるので、レオスでやってと説得していた。


「まったく、ファングを見ていると呆れるわ。話は戻るけど、レン君は精霊に頼んで海底遺跡を調べてもらわなかったの?」

「いや、普通に頼んでいるよ、エレントは上空から調査する範囲を決めてアクトに指示を出して、アクトが海に潜って海底遺跡を探しているよ。だけど見つからないんだよね。精霊とテレパシーで時々会話してるけど手掛かりなしだよ!」


 精霊と契約してからレンは精霊と遠距離で会話のやり取りが出来るようになっていた。


「そっかぁ、精霊を使っても見つからないなんて、本当に海底遺跡はあるのかしら?」

「そんな事、言われても僕は困るんだけど、とりあえず精霊に聞いてみるよ。エレント、アクト海底遺跡見つかった?」


 ダメもとでエレントとアクトに確認していたが、やはり海底遺跡は見つからなかった。


「お待たせしました。フォード王国名物、クエピカ魚のムニエルとカルボ牛のステーキです」

「美味そうだぜ!」

「ファング、落ちつきなさい」

「アハハッファングさんはしゃぎ過ぎですよ。しかし凄く、良い匂いですね」

「そうだね、見ているとお腹が空くよ」

「早く食べよう、レンお兄ちゃん、僕も見ているとお腹が空くよ」


 五人は海底遺跡の話を一旦中断して、注文した料理を美味しそうに食べていた。


「しかしこの料理、スゲー美味いな! 俺達の国と違うぜ!」

「当たり前でしょう。各地域で獲れる物が違うんだから、ここの国は港が近いから新鮮な魚介類が食べられるのよ」

「アリスって、いろいろ知っているんだね」

「そんな事ないわよレン君、私も料理するから各地域の素材を調べているだけよ」

「そんな事、言ってレンに美味しい料理を作りたいだけだろうってイテー。足を踏むなよ」

「あら何の事かしら」


 料理の話で盛り上がっていたのに、ファングが余計な一言を言ってアリスに踏まれて、呻いていた。


 何でアリスの気にする事を言うんだろう?


 カルボ牛のステーキを食べながら、ファングとアリスを見ないで食べ進めていた。


「レン師匠。この後はレオスさんのサーチを使って海底遺跡を調べるのですよね?」

「そうだよ、その前にファングに罰を与えないとね!」

「僕、ファングお兄ちゃんと楽しく遊ぶ」

「レン、食べた後に直ぐにやるのか、それだけはやめて欲しいな、食べた物が出ちゃうだろう」

「えっ、ダメなの? ファングなら大丈夫でしょう?」

「レン、俺をレイスと同様に扱うな」

「ファングさん、酷いですよ」


 レイスはファングに怒っているが、レンはファングの言い分に納得していなかった。五人は食事を堪能した後、近くの海辺に向かって歩き、その間にファングに罰を与えていた。


「アハハッ、レン頼むから止めてくれ、このままだと食べた物が出ちゃうだろう?」

「海辺に着いたらやめてあげるよ、レオス思う存分やって!」

「了解、マスター。マスターを変な呼ばわりした罰だよ。これでも喰らえ」

「アハハッ、ちょっと待ってアハハッ、レン、それにお前らも急に歩くの遅くなってないか? しかも俺が足を止めると何でお前らも足を止めているんだよ?」

「うるさいな、足を止めなければ良いでしょう? レオス、もっと過激にやっていいよ」

「待ってレン、それ以上過激にしたらアハハッ、アハハッ、ウェ、マジで死ぬ」


 ファングはレオスにこちょこちょされて、お腹に手を当てて笑いながら立ち止まっているので、三人も足を止めて見ていた。ファングは辛そうな表情をしながらも、必死にレオスの攻撃に耐えて歩き、海岸に着くとレオスの攻撃は終わり、地面に座り込んで休んでいた。


「はぁはぁ、マジで死ぬよ、もう少し手加減しろよレオス」

「えっ、僕がやっている分けではないし、兄さんに言ってよ」

「いや、お前の兄さん、着いた途端に逃げるように入れ替わったよ」

「それは、レンお兄ちゃんの命令だから従っているだけだよ。そんなに文句があるならレンお兄ちゃんに変な事を言わなければよかったでしょう?」

「そうよ、レオス君の言う通りよ、ファングが変な事を言わなければ済んだ話よ」

「うっ、確かに‥‥‥」


 ファングはレオスに向かって文句をたくさん言っていたが、アリスに指摘された途端、レオスに文句を言うのをやめていた。


「エレント、アクトいる?」

【いますわよレン様】

【お前の上にいるぜ】


 エレントとアクトの姿は見えないが、レンの上空にいるみたいだ。


「それじゃ、エレントとアクト、海底遺跡を探した範囲を教えて」


 海岸から海を見ながら、エレントとアクトの話を聞いて、調べていない範囲を絞っていた。


「フムフムだいたい分かったよ。でもアクト、僕思った事があるんだけど、アクトはずっとこの地域に居たんだよね? 何で海底遺跡を知らないの?」


 アクトはこの地域を守護する精霊だから、この地域や海域に詳しいと思っていた。


【それは‥‥‥】

【アクトはあの地下水路から一歩も出てないからでしょう?】

「そうなの、エレント?」

【そうですわよ、アクトは楽しい事や興味がない限り一歩もその場から動きません。実力は精霊界でもトップクラスなのに何でこんな奴が精霊に慣れるんでしょうね?】

【エレント、酷いよ。俺だって、あの周辺を守って来たんだよ】

【そうでしょうか? レン様が来たとき、あなた普通に寝ていましたよね。精霊としての仕事サボっていませんでしたか】

【うっ、それは‥‥‥】


 アクトはエレントに指摘されて、何も言えなかった。


 精霊って、本当に自由過ぎない。本当に大丈夫なのこの世界? それにエレントはアクトに色々言っているけど、エレントもエレイント森林から一歩も出てないよね。


 エレントとアクトの精霊事情に呆気に取られていた。


「結局の所、アクトは一度も地下水路付近から出てないんだね」

【はい、そうです‥‥‥】


 アクトは申し訳なさそうにレンに謝っていた。


「はぁ、レオスそれじゃやろうか、エレントとアクトの話だとあの辺りをやっていないから、その辺を中心に調べてみて」

「分かったよ、レンお兄ちゃん、兄さんの力も借りて早く見つけるね」


 レオスはレンが指差した方向を中心にサーチを使って、調べ始めていると休んでいたファングが立ち上がりレンに疑問をぶつけていた。


「それよりもレン。見つけるのは良いけど、どうやって海の中にある海底遺跡に行くんだ?」

「えっ、それは‥‥‥考えていなかった?」


 海底遺跡は海の底にあるのでどうやって行くか考えていなかった。


「確かに考えていなかったわ。泳いで行ったら皆溺れ死んでしまうわ」

「そうですよね、しかも僕、荷物を持っているので荷物がダメになりますよ。しかもレン師匠とファングさんの武器も!」


 海底遺跡がどの位の水位にあるのか分からないので海の中を泳いだとしたら息が続かず多分皆溺れ死んでしまうし、荷物や武器が海の塩水でダメになると思っていた。レオスがサーチをしている間、四人は海底遺跡に行く方法を考えているとアクトが声を掛けてきた。


【レン、俺の存在を忘れているだろう? 俺は水と氷を司る精霊だぞ! お前達を海に連れて行く事は簡単だぜ】

「えっ、アクト。そんな事出来るの?」

【お前、精霊の力を信じてないだろう?】

「いや、そんな事ないけど、どうやって行くの?」

【それは行く時に説明するよ】

【大丈夫ですわよレン様、アクトは嘘は尽きませんからそれに私達の力を見せるにはうってつけかと】

「エレントとアクトがそう言うのなら」


 エレントとアクトが自信満々に言っているので若干不安があるが三人に説明していた。


「レンお兄ちゃん、あったよ、ここから真っ直ぐ、数キロ先の海の中にあるよ!」


 レオスに言われて、四人は海を見渡していた。


「意外と近くにあったな?」

「そうだね、もっと遠くにあると思ったよ。だけど海の中にあるのは変わらないからどっちみち、海を泳ぐ必要はあったよね」


 意外と近くにあったので五人は驚いていたけど、何でこの地域の人は知らないのか不思議だった。


「それじゃ場所も分かったから、海底遺跡に行くけど、アクトどうやって行くの?」


 アクトが安全に海底遺跡に連れていくと言っていたので気になっていた。


【心配しなくても大丈夫だよ、今やるからアクアプリズムボール】


 アクトが唱えると五人は青い水のボールに包まれていた。


「何これ、凄いよ。周りは水で覆われているのに、濡れてないし、水の層の上に立っていて、息も出来るよ」

「凄いよ、レンお兄ちゃん、水の中にいるのに息が出来る」

「凄いは、これが精霊の力なのね。私達の魔法とは違うわ」

「レン、凄いぜ、この中どうなっているんだ。普通に息が出来るし、水で覆っている中に水が全然ないぞ」

「確かに、僕が入っている中には水がありませんが、覆っている部分を触ると濡れるので不思議です」

【アハハッ、触るのは構わないけど、あまり覆っている部分を障らないで欲しいな。僕のマナを纏わせているから、触るとマナが薄まるよ!】

「すみません、つい興味本意で」


 五人は精霊の魔法に食い入るように見て驚いていた。


【それじゃ、皆行くよ、エレントお願い】

【分かっていますわ、アクト。皆さん、若干重圧が来るかも知れませんが我慢して下さいね】

「エレント、何をするの?」

【私の魔法で皆さんを海底遺跡の近くまで飛んでいますわ、それじゃいきますよ。ウィンドストリューム】


 エレントが魔法を唱えると五人がいる所に激しい風が起こり五人を巻き上げて、空中に飛ばして強い風の中に五人を包み込んで運んでいた。


「エレント、凄いよ。アクトもそうだけど、これが精霊のコンビネーション何だね!」


 アクトの魔法の中にいる五人はエレントの魔法にも包まれているので五人は驚いていた。


【別に僕が連れて行っても良いんだけど、移動するのが大変だから空を制するエレントに頼んだだけだよ!】

【そうですね、アクトは陸には弱いですから、私が近くまで運んであげたんですよ。別に海が近いので水が得意なアクトに任せれば、水の中を自在に移動出来て直ぐ連れて行けますが、レン様があまり精霊の力を信じていないので証明してみました】

「別にそう言う意味で言ったつもりはないんだけど!」


 エレントとアクトが遠回しに言っているので、精霊の扱いが分からなくなっていた。五人はレオスの指示でエレントの魔法で運んでもらった後、ゆっくり降ろして海に入ると、アクトの魔法で海底遺跡の中まで運んでもらった。その間に五人は海底の魚や珊瑚礁を楽しんでいたりした。


「凄いよ、遺跡の中は普通何だね! 普通の遺跡になっているよ」


 アクトの魔法を解除して、遺跡内を見ていた。


「恐らく魔法とかで、海の水が入らないようになっているんだわ」


 海底遺跡の入口を見ると淡い光で覆われていて遺跡内には海水がなかった。


「しかし、この海底遺跡凄いね、空を見上げると僕達が来た海で魚が泳いでいるよ」

「そうね、こんな光景は普通見られないわよ」


 五人は空を見上げるようにして、暫く不思議な感じを味わっていた。


「それより、レン。依頼内容は何なんだ?」


 アリスしか依頼内容を説明してないので、依頼の中身が気になっていた。


「えっとね、海底遺跡にある月光貝の回収だって」

「月光貝ってなんだ?」

「月光貝って聞いた事がありますよ。確か月光草に類似して、貝に月の光が当たると綺麗に発光するんですよね?」

「そうよ、かなり希少価値が高くてアクセサリーなどに使われているわよ。私も見てみたいわ、それにその月光貝はとても美味と聞いているわ」 

「僕も月光貝を見てみたい」

「その月光貝の品質が高ければ、追加で報酬を増やしてくれるから頑張ろうよ」


 五人は月光貝の事を色々と想像しながら、暫く話していた。


「でも月光貝って、どこで獲れるんだ?」


 海底遺跡に来たけど月光貝の生息域を知らなかった。


「多分、遺跡の最深部に生息しているんじゃない? 暗闇が好みなんだよ?」


 月光貝も月光草と類似しているのなら、夜みたいに暗い場所にいると考えていた。


「そうね、多分遺跡中にいると思うわよ。ここには海水がないもの、恐らく遺跡の中に月光貝の生息出来る水場があるはずだわ」

「それなら、行ってみようぜ!」


 ファングは早く遺跡中に行きたくてウズウズしていた。


「そうだね、エレントとアクトはどうするの?」


 エレントとアクトも一緒に付いてくるのか聞いていた。


【レン様、私は暫くここでアクトとお話していますわ】

【レン、俺達の事は気にするな。俺達はレンと契約しているんだから、お前が呼べば、直ぐ目の前に現れるぜ。そんなに心配なら精霊との会話を使えば良いだろう?】

「確かにそうだけど‥‥‥」


 精霊間で会話しようとエレントとアクトに繋ぐと、二人の会話から二人の性格や過去などを知ったり、レンについてどうやって護っていくかなど色々と聞こえてくるので、レンは精霊達の会話を立ち聞きしているみたいで罪悪感に捕らわれていた。そのため、精霊との通信をあまり使いたくなった。


【そんなに心配しなくても大丈夫ですわよ!】

【そうだぜレン、お前が精霊達を心配するのはちょっと変な気分だけど、精霊はお前達、人間とは明らかに違うんだから安心しろ】

「分かったよ。でも気をつけてよね」 

【わかりましたわ、レン様】

【とりあえず肝に免じておくよ、レン、気をつけて行ってこい。何かあったら遠慮しないで俺達精霊を頼れよ!】

「うん、分かったよ!」


 レンはエレントとアクトに挨拶してから、四人と合流した。


【レンは本当に精霊に優しいな。俺達精霊は普通の攻撃では傷を与えることが出来ないのに?】

【そうですわね、でもそこがレン様の良いところだと思いますよ。だから私達がしっかりとレン様を護る必要があるんですよ】

【そうだな、彼奴は危なっかしい部分があるからな。それにレンは拒むかも知れないけど重傷した時はレンの命令に逆らってでも精霊依を強制的に発動させてレンを護っていくつもりだから】

【そうですね、レン様は私とアクトが絶対に死なせたりしませんよ。レン様は私達を連れ出してくれた人何ですから】


 エレントとアクトは五人を見送った後、レンの今後について色々と話しているなど、レンは知るよしもなかった。五人は海底遺跡に向かって歩き出し、海底遺跡の入口を目指しているのだった。


次回更新は土曜日の予定です。温かくお待ち下さいm(__)m 多少更新が前後するかも知れませんがご了承下さいm(__)m

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