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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第5章 長い夏季休暇中に巻き起こる冒険と新たな事件 第1節 帰省と海岸都市フォード王国の冒険
28/244

#23 苦悩の帰省中にレイスの特訓と家族会議

お待たせしました。23話公開です。いよいよ夏季休暇、レン君は暫くゆっくり家で休む予定があの人達で‥‥‥(。>ω<。)


おかげさまで早くも累計PV6000突破&ユニーク数1500突破ありがとうございますm(__)m

ツイッターなどで宣伝してませんが、多くの人に読んで頂きありがとうございますm(__)m

 課外授業を終えて二日が経ち、早くも長い夏季休暇を迎えていた。レンは家に帰省する為、学生寮で軽く荷物をまとめてレオス、アリスと一緒に出発していた。現在はリズワール平原を楽しく、三人で歩いている筈が何故かファングとレイスが荷物を抱えて一緒に歩いている。


「ねぇ、ファング何でいるの? しかもレイスまで? それにそのアウトドアみたいな荷物はなに?」


 ファングとレイスが何故か重そうな荷物を抱えて一緒に歩いているので不思議に思っていた。


「何って、俺良いこと思い付いたんだよ! レンと離れない方法を考えていたらな、ピーンと閃いたんだ。レンの家に泊まれば良いんじゃないかと、ダメでも近くで野宿すれば、いつでもレンに会えると思ってな!」

「僕はファングさんに言われて、慌てて荷物をまとめたんだよ。ファングさんの説明を聞いた時は驚いたけど、確かにこの手を使えばレン師匠と一緒にいる事は可能だよね」

「へぇ、そうなんだ!」

「レン君以外の男って、バカしかいないのかしら?」


 ファングとレイスが自信満々にレンの家に泊まるか近くの草原で野宿すか言っているのでアリスはため息を吐き、レンは頭を抑えて悩んでいた。


 この二人は何を言っているの? 二日前に僕達がいない間はファングがレイスの指導をするんじゃなかったの? 何で帰省するまでついて来るの、しかも帰省している間、僕の家に泊まるとかおかしいよね。僕の家族に何も言ってないんですけど、レオスの事で頭がいっぱいなのに、これ以上僕を悩ませないで!


 家に帰ったら話すことが山ほどあるのに、ファングとレイスが更に追い打ちを掛けていた。


「ファング、レイス、僕は家に泊めるとは言ってないからね! それに、僕の家に泊めるかは家族が決める事だからね!」

「分かっているぜ、急に押しかけるのは悪いし、それにこれは俺とレイスの独断だから、無理なら近くで野宿するだけだから」

「僕もファングさんと同意見です。急にレン師匠に行くと決めたのは僕自身なので、レン師匠の迷惑になるならファングさんと一緒に野宿しますので安心して下さい」


 ファングとレイスに何を言っても無駄だった。


「レオス、明日には家族に話すから、レオスの兄にも伝えてね。レオスの事を色々話さないといけないから」


 家に帰ったら、レオスの事を話すので、レオスも家族に説明してもらおうと考えていた。


「分かっているよ、レンお兄ちゃん、昨日から兄さんと話し合っていたから、僕と兄さんはレンお兄ちゃんの家族に初めて会うから緊張しそうだよ。特に兄さんが変な行動などしないか心配、それでレンお兄ちゃんの弟になれなかったら兄さんと一生口を聞かないよとくぎを刺しておいたから大丈夫だと思うけど、かなり不安だよ!」


 レオスとレオスの兄は昨日から意思疎通を交わしながらレンの家族に何を話そうか考えていた。


「アハハッ、レオス、あまり兄を苛めない。兄だってレオスの為に頑張ると思うよ!」

「分かってるよ! だけど心配なの、レンお兄ちゃんだって兄の行動に悩まされているよね!」

「それは‥‥‥そうかも知れない」


 レオスの兄は今まで、行動や言動に問題があり過ぎて、レンを悩まされ続けたので、レオスはかなり不安だった。五人はリズワール平原を南に歩き続けて、フリップ村の村に来ていた。


「レン君、今日はフリップ村で泊まるんだよね!」

「そうだね、そこで一泊するよ。まさかファングとレイスが来ると思わなかったから、お金が余計に掛かるよ!」


 ファングとレイスがついて来る事を想定していなかったので、どうしようか考えていた。


「それは悪かったなレン、今日は俺とレイスは近くで野宿するから良いだろう」

「僕はファングさんに従うから、レン師匠はお金を気にしなくて大丈夫です」


 ファングとレイスは近くにあるフリップ山脈密林で野宿すると言っていた。


「そう、ファングが言うのなら、ただレイスを巻き込んでいるんだからしっかり面倒見てね! ファングはレイスの教育をしてる身なんだから!」


 課外授業の自由行動で、ブロードアクアのお店に行った冴えに、店内で五人が話している中、ファングがレイスに体を鍛えてやるよとか、面倒をみてやるよなど言っていた。


「あぁ、任せろレン、俺はレイスを鍛えると言ったから、ちゃんと面倒をみるよ。今日は野宿しながらレイスの体を鍛えるつもりだから安心しろ。剣武術科の教育方針は知らないけど、俺が持っている技をレイスの体にぶつけるだけだからレイス覚悟しろよ!」

「アハハッ、ファングさん熱いですね。僕の体にぶつけるんですか? 体術で耐えて見せますよ。どんどん僕の体に打って来て下さいよ」

「レイス、言ったな、前の合同授業の時はお前の技に屈したけど、今度はお前が屈しるようにやってやる」

「アハハッ、僕が屈しる事はないと思いますよ。僕の鋼の体に勝てるのですか?」


 ファングとレイスがライバル関係になっていて、ファングとレイスの間に火花を散らかせていた。


「レン君も大変ね、ファングに続いて、レイス君もバカだったなんて!」

「アハハッ、レイスは真面目過ぎる所があるからね。だけど、何だかレイスはファングに弟子入りしてる感じだよね! ファングの言うことを聞いているから、バカが移ったのかな?」


 レンとアリスがファングとレイスに呆れていると、


「レン、アリス、俺はバカじゃないぞ! 真面目に考えてやっているんだからな!」

「そうですよ、レン師匠、アリスさん! 僕とファングさんはいたって真面目です」

「本当からしら? バカの発言にしか聞こえないのだけど?」


 五人はとりあえず、レン、アリス、レオスが泊まる宿に向かい、受付を済ました後、フリップ村を散策していた。


「なぁ、レン、また温泉行かないか?」

「えっ、どうしたの急に?」

「だって、温泉もの凄く気持ち良かったからまた入りたいと思って、フリップ山脈密林はここから近いからまた行きたいな」


 ファングはフリップ山脈密林で入った温泉が忘れられなかった。


「えっ、レン師匠達は温泉に入った事があるんですが?」


 レイスに以前、三人で温泉に入った事を教えると、かなり羨ましかったのか駄々を捏ねて言ってくる。


「ずるいです。僕だけ除け者にして、温泉に入るなんて!」

「レンお兄ちゃん、僕も温泉に入りたい!」


 レオスもフリップ山脈密林にいたのにレンと温泉に入れなかったのが悔しいのか、レンに向かって駄々を捏ねていた。


「ちょっと待って、そもそもレイスはその時仲間になっていないし、レオスだってその時はまだ保護する前だよね!」

「それは、そうですが、僕だけ除け者にするのは許せません」

「そうだよ、レンお兄ちゃん、僕もその時いたのに何で言ってくれなかったの?」


 二人はその後もレンに向かって温泉に今すぐ行きましょうと言っていたので、レンは今度、温泉に行く時は皆で行こうと言って、二人を説得していた。


 はぁ、何で僕の話を聞かないんだよ。ファング、アリス、レイスの扱いが大変だよ!


 頭のおかし過ぎる三人の扱い方をどうしようか、悩みながらフリップ村の中を歩いていた。五人はフリップ村の散策を終えた後、ファングとレイスはフリップ山脈密林に歩いて行き、レン、アリス、レオスは宿に入って行った。レンとレオスは同室でアリスは個室でそれぞれ過ごしていた。


 フゥ、やっとゆっくり出来たよ。しかし本当にファングとレイスは僕の家に泊まるつもりなの?


 朝、歩いている時にファングとレイスはレンの家に泊まるとか言っていたので、未だに受け入れられない状態だった。


 もし、家族がオッケー出したら、ファングとレイスはどこで寝るの?


 レンの家は一般的な家なので、友達を泊める部屋がなかった。


 はぁ、悩んでも仕方ないかぁ、あの様子だと本気で野宿も考えているし。


 ファングとレイスは重い荷物を抱えていたので、レンの家に泊まれなくても野宿の準備は万端だった。


 これじゃ、ゆっくり休めないよ。折角、ファングとアリスから離れると思ったのに、何故かレイスまで追加されるなんて。僕のゆっくり過ごす計画がぁー。何で三人は僕の傍にいたがるの?


 ファングとアリスから逃げたくて、暫く自分の家で体を休めるつもりが、何故かファングとレイスがついて来たので自分の描いていた予定が早くも崩れて、ベット中で呻いていた。


「ねぇ、レイス、明日はいよいよ僕の家に帰るけど大丈夫?」

「大丈夫だと言われると、ちょっと不安、レンお兄ちゃんの家族にちゃんと話せるか‥‥‥」


 明日はレンの家に帰るので、家族にちゃんと話せるかレオスに聞くと不安なのか、オドオドとしていた。


「大丈夫だよレオス、そんなに心配しなくても、話せないときは僕が代わりに説明するから」

「ありがとう、レンお兄ちゃん! だけど、兄さんや主従関係の事も話さないといけないから僕がちゃんと話す!」

「偉いね、レオス、それじゃそろそろ寝ようか」

「うん、レンお兄ちゃんと一緒に寝る!」


 二人はベットに入り、レオスはレンに抱きついて何時ものように二人仲良く寝ているのだった。
















 朝を迎えて、三人は宿を出るとファングとレイスが待っていた。


「おはよう、ファング、レイス、それよりファング何で蹲っているの?」

「おはよう、レン、別に蹲っていない、レンが遅いからこうして待っていたんだ」 

「アハハッ、ファングさんは強がりだね。おはようございますレン師匠、実はですね」

「レイス、レンに言ったら殺すぞ!」

「なになに、ファング昨日何かあったのレイス君」

「僕も聞きたいな、昨日の事!」

「ちょっと待って、何で二人は変な目で朝から俺を見るの? レイス、話すのはやめて‥‥‥」


 ファング昨日の事を話さないようにレイスに口止めしていたが、レンとアリスが詰め寄り、問いただすとファングは観念して、レイスが話し始めた。


「実はですね‥‥‥」


 五人はエレイント森林に向けて歩きながら、レイスが昨日の出来事を話し始めた。


「よし、ここで野宿しようぜ」

「はい、ファングさん!」


 二人は夕日の中フリップ山脈密林の中で野宿の準備を始めていた。


「レン達は今頃何してるかな、アリスとレオスがいるから大丈夫だと思うけど心配だよ!」

「そうですね、僕もレン師匠の傍に居られなくて辛いです」


 ファングとレイスはレンの傍に居られないかった為に悔やんでいた。


「レイス、野宿の準備が出来たら、お前の特訓を始めるぞ! レンに言われているからやらないと怒られるからな」


 別に今日はレイスの特訓をやらなくてもレンとアリスにバレないのに、レンのあの言葉があるために、真面目にレイスの特訓をしてあげることにした。


「はい、ファングさんご指導お願いします」


 野宿の準備を終えて、二人は少し移動してからレイスの特訓を始めた。


「それじゃ、レイスまずはお前の力を見たいから、あの木を倒してみせろ」

「はい、ファングさん」


 レイスは体勢を構えて、目の前の木に向かって、気を集中して、手を後ろに引いた後、手を前に押すように強く前に出した。

覇動旋風波(はどうせんぷうは)


 レイスが力強く前に押し出されると圧縮された空気が勢いよいよく、木に向かっていき、複数の木々をなぎ倒していた。


「スゲー、何だよ今の技は、俺が教える必要ないんじゃないか?」

「アハハッ、そんな照れるな、ファングさんに褒められるなんて、だけどこれが実践で使えれば良いんだけどね」


 ファングに褒められて、レイスは顔を赤くしていた。


「お前の実力は分かったよ。俺が教える必要はないと思ったけど、お前を更に強く出来そうだぜ」


 ファングはレイスの欠点を見抜いていた。


「レイス、お前、気を一点に集中するの長すぎ、そんなことしてたらお前死ぬぞ! まずは、自由に気を巡らせて自分の意志で思い通りにコントロールしろ!」

「えっ、ファングさん、剣武術科の先生には気を一点に集中しろと言われているんだけど、それに教わった通りに技を放ったのだけど?」


 レイスは授業で習った、技をやっていたが、ファングは授業と一緒するなと言っていた。


「レイス、甘いぜ。俺達はレンが選ぶ依頼を請けるんだぜ! お前が考えている程、生温い依頼じゃないんだぞ、下手したら死ぬよ。それに、そんないちいちお前の気を集中して放つの待っていたら時間が勿体ないしそんな事したら、レンから仲間を解除されるぞ。剣武術科の先生はお前がまだ低学年だから初歩的なんだろけど、俺達の仲間になったのならその上を行け」


 レン達は今まで危険な依頼を請けてないのに、ファングはレイスに対して危険な趣旨を幾つも並べて、今のままのレイスだとダメだと言っていた。


「ファングさん、今言った事は本当ですか、このままの僕だとレン師匠に切り捨てられるのですか?」

「あぁ、本当だぜ、レイス! だから今から気を巡らせて自由に放つ練習をしろ、お前の実力なら気を自在に把握して短時間で習得出来るだろ」


 レイスはレンに切り捨てられる恐怖か急にやる気を出して気を自在にコントロール出来る練習を始め、その様子を見ていたファングは、レイスを追い詰めること言わないと、レイスに隠された力を引き出せないと思いワザとレイスを煽っていた。


 レイスには悪いけど、俺達の仲間になるならレンを護れるくらいに、強くなってもらわないと困るぜ! それにレイスが強くなれば、俺の特訓相手にもなるし一石二鳥だぜ!


 ファングはレイスの特訓を見ながら、自分の都合の良いようにレイスの体を改造しようと企んでいた。暫くレイスは気を自在にコントロールするため、何回も木に向かって技を放って、気がどのように体を巡っているのか感じている。


 レイス、大分気を早く放てるようになって来たな、最初の時は目を瞑って、息を吐きながら集中していたけど、今は目を瞑らず、腕を素早く動かして技を出しているからな。だけど威力が弱いな、その点は毎日練習するしかないかな?


 ファングはレイスの成長速度に驚いていた。


「レイス、俺は近くで剣の練習をしているから、サボるなよ! 少ししたら練習の成長見せてもらうぜ。まぁ、最初だからあまり期待しないけど、お前が成長したの見せてみろ!」

「はい、ファングさん。僕はサボったりしません。そんな事していたらレン師匠に本当に切り捨てられてしまいます!」


 ファングはレイスの熱意を信じて、レイスを一人にしてファングはレイスから少し離れた場所で剣の練習を始めていた。それから一時間程度剣の練習をした後、レイスのもとに戻るとレイスは練習をしていなかった。


「レイス、お前練習サボっていたのか?」


 レイスが練習してないのを見て怒っていた。


「えっ、ファングさん何で怒っているんですか? 僕は真面目に練習してましたよ。何なら練習の成果みせますよ!」


 レイスは練習をしていたと言っていたが、ファングは納得していなかった。


「お前が練習したと言うなら見せてみろよ」

「分かりました、ファングさん。覇道旋風波(はどうせんぷうは)

「えっ、おい嘘だろう!」


 ファングとレイスが普通に話している間にレイスは軽く腕を前に出して、複数の木を倒していた。


「どうですか、ファングさん。ファングさんのお陰でこんなにも自由に気をコントロール出来るようになりました。僕は今夢を見ているみたいです。まるで、自分じゃないと錯覚しそうですよ」


 レイスは気を自在に操れるようになり、自分が別人になったんじゃないか錯覚していた。


「スゲー、あんな短時間で習得して更に威力まで同じに戻しているなんて凄いぜ!」


 レイスの急激な成長を見て喜んでいた。


「アハハッ、そんな事ないですよ。ファングさんに今まで指摘されていなかったら、僕に隠された能力に気付けませんでしたから、ファングさんには感謝してますよ!」

「別に俺を持ち上げる必要はないぜ、レイス。俺はお前をもともと鍛えるつもりだったからな! でも、これで気をコントロール出来たから、お前が羨ましかった魔法騎士科みたいに、剣と体武術を両方扱えるだろう」

「えっ、確かに言われて見れば本当です。ファングさん、僕は君たちの仲間に慣れてよかったです」

「レイス、泣くな、お前男だろう!」


 レイスは魔法騎士科みたいに、二刀流に憧れていた。その為、気を自在に操れ、剣も使用出来るレイス専用の二刀流を編みだした事でレイスは感動して涙を流していた。


「ごめんなさい。つい嬉しくて!」

「そうだな、これで俺はお前に教えることはないぜ、後は練習と実践を繰り返すだけだな。実践に関しては、まぁそのあれだな実際にお前が技を出せるか見極める必要があるけど、とりあえずは練習に集中しろ」

「はい、ファングさん。練習に励みます。実践はファングさんが不安がるのは分かりますよ。僕が不甲斐ないのは、ですが僕はレン師匠に恩義があるので、それ早く克服したいんですだから、戦闘になったら僕を最初にやらせて下さい」

「よく言ったレイス、それでこそ男だぜ!」


 その後もレイスはファングと一緒に練習を励んだ後、


「レイス、お前の腹に攻撃していか、あの時はお前があんなに凄いとは思わなかったからな、今日はお前を数メートル後ろに動かしてやるぜ!」

「アハハッ、あの時はごめんね。でもファングさんまたやるんですか? また腕痛めますよ?」

「あぁ、やるぜ! それにレイスのもう一つの重要な特訓だからな」


 ファングは以前レイスのお腹にパンチをして腕を痛めていたが、ファングはレイスを見てレイスのもう一つの役割を見出していた為、その事をレイスに説明していた。


「なる程、僕が体当たりしてくるモンスターを足止めするんですね!」

「そうだぜ、お前の防御力でモンスターを足止めするんだ。お前の鋼の体なら押さえつけるだろう! だからお前の腹に強力なパンチを与えて、衝撃に耐える特訓をするんだ。お前の足腰と腹の防御力が試されるぜ!」

「なる程、さすがファングさんですね。僕の能力を的確に見出すなんて、僕には気付きませんでしたよ。人に対して使う物だと思っていましたがまさかモンスターに使うなんて思いませんでした。やっぱり、レン師匠達の仲間は凄いです。普通の人なら絶対にやりませんよ。やっぱり僕、レン師匠の仲間に慣れてよかったです。レン師匠達について行けば僕はどんどん強くなれて、剣武術科の生徒達を見返す事が出来ます!」

「はいはい、感想を述べるは良いけど、特訓しないと強くなれないぞ!」

「すみませんファングさん、僕をこんなにも使ってくれる事に感動してしまって。剣武術科では仲間外れにされていたのでつい‥‥‥」


 レイスは過去の自分を思い出していた。


「それじゃ、レイス本気で行くけど何で上着脱くんだ? 別に服を着てもいいぞ?」


 レイスが突然上着を脱いだので、首を傾げていた。


「いえ、これで構いません。服を着てると、力が服で軽減するんで特訓の意味がありません。ファングさんの力を直接僕のお腹に伝えるのなら上半身裸でないと意味がないですから。さぁファングさん掛かって来て下さい。全てのパンチを僕のお腹で受け止めますよ。僕は絶対にここの立ち位置から一歩も動きません!」

「ヘェー、言ってくれるじゃんかレイス、なら本気で行かせてもらうぜ!」


 レイスに挑発されて、ファングは闘志を燃やしてレイスに向かって強力なパンチをレイスのお腹に向かって放っていた。


「グッ、さすがファングさんですね。強力に防御を張ったつもりですが、僕を数十センチ後ろに移動させるなんて、それにファングの力強い力が伝わって来ましたよ」

「イテー! どんだけ固いんだよお前の腹! 最初はめり込む用に入ったのに、奥に入って途中から反動が俺の腕に伝わって来たぞ! それになんでピンピンしているんだ!」

「アハハッ、鍛え方が違うんだよ。強いて言えば、ファングさんの放ったエネルギーは全て僕の物になるから、その反動のエネルギーをファングさんに返しただけなんだよ」

「レイスそれって凄くないか? そのエネルギーって自分の物に出来るのか?」

「うーん、出来ないと思うけど、出来たら凄いね。そんな事出来たら僕は化け物だよ! もし出来たら僕はずっとお腹を見せてばんばん攻撃されている変態さんに思われるから嫌だね。だげともし出来れば、相手の放ったエネルギーや魔法からエネルギーを補給出来るから剣で攻撃されない限り無敵だね! ちょっと興味あるよやってみよう!」


 出来もしない、能力を試すため、ファングは再びレイスのお腹に向かって強力なパンチを放っていた。


「グッ、凄い‥‥‥!」

「イテー、てか腕がぁー!」


 ファングは腕を痛めて、蹲っていたが、レイスは固まっていた。


「どうした、レイス! 急に黙り込んで!」

「すみません黙ってしまって。あのうファングさん、僕のお腹に何か魔法を放ってくれませんか?」

「はぁ、急にどうしたんだ? そんな事したらお前怪我するぞ!」

「いいから撃って下さい。僕も確認したいことがあるんです」

「よく分からんが、撃って良いんだな?」

「はい、お願いします!」


 レイスが意味不明な事を言っていたので、ファングは首を傾げていたが、レイスが魔法を撃って下さいと何回も言っていたので、レイスのお腹に向かって火球(ファイアーボール)を放つと火球(ファイアーボール)はレイスのお腹に吸い込まれて消えていた。


「はぁ、どうなっているんだお前の腹は、俺の魔法が吸い込まれたぞ!」

「はい、僕も見ていましたよ。ファングさんの魔法を吸い込んだ時は変な気分ですよ。それに今ファングさんが放った魔法が僕のお腹でエネルギーや魔力に変換されているのが分かりますよ。どういう仕組みなのか分かりませんがファングさんが放った魔法が僕のお腹で吸収されてますよ。僕のお腹今物凄く熱いですが触ってみて下さい。活発に胃袋が動いてファングさんの火球(ファイアーボール)を分解してます! だげとお腹が膨れたり、やけどしたり、体の中の臓器を焼き尽くしたりしてないし、普通なら死んでいますがピンピンしていて不思議な感覚です」


 ファングは驚きながら、レイスに近づき、お腹を触って確認していると、確かにお腹が活発に動いているのが分かった。


「レイス、お前の体大丈夫か? 物凄く熱くてしかもお腹活発に動いているぞ!」

「えっ、体は別に普通だげと、確かに変な気分だね、今もお腹がマグマのように熱いし煮だっている感覚だげと気分が悪いとかないから! 多分、魔力を吸収する酵素が出来ていないから酵素をたくさん分泌して活発に動いているのかも、だげと凄いよ。僕にこんな能力があるなんて鍛えれば、大量の魔力やエネルギーを吸収して、レン師匠の役に立てるよ!」


 レイスのお腹はファングの魔法を吸収しているのか熱を放ち若干赤く光っていたが次第に赤い光が消えるとお腹の熱さはなくなりファングの火球(ファイアーボール)を完全に分解して自分のエネルギーにしていた。レイスは化け物みたいな能力を手に入れて喜んでいたがファングは考えながら言った。


「レイス、その力は使うな!」

「えっ、どうしてですか、ファングさん! 最強の能力があるのに使わないのは勿体ないですよ!」

「そんなの人前で使ったらますますお前、仲間外れにされるぞ、化け物とか言われるし、それはお前の実力じゃないだろう! その力は本当にピンチの時に使えよ。ただし、魔法意外なら使って構わないぜバレる事はないからな。それと俺達だけの行動の時は好きに使って構わないよ」

「確かにファングさんの言うとおりだね! 人前では気を付けるよ、それにこの技は恥かしいから基本的に使わないかもね! レン師匠の前では結構使うかもアハハッ!」


 ファングに言われてレイスは納得していた。


「それより、魔法を吸収した時は、気を巡らせていたんだろう!」

「そうだけと、防御力と同時にエネルギーや魔法を吸収出来るみたいだね」

「なら何もしなかったら、吸収出来ないよな!」


 気を発動してなければ、魔法を吸収出来ないとファングは考えいた。


「うーん、どうだろう? 試してみようか、弱く撃ってね!」

「当たり前だ、お前を怪我したら俺は‥‥‥」

「ファングさん?」

「いや、何でもない、行くぜレイス!」

「はい、ファングさん」


 ファングはレイスを怪我したら、レンに何を言われるか恐怖で怯えていたが、レイスが目の前にいるので、表情を顔に出さずこらえながら、レイスに威力が弱い火球(ファイアーボール)をレイスのお腹に撃っていた。


「アッチー!」

「レイス、大丈夫か!」

「はい、大丈夫です! フウフウ!」


 レイスのお腹に一瞬熱さが来たのでお腹に息を吹きかけていた。


「やっぱり、吸収出来なかったか」

「そうですね、不思議です! やっぱりどういう仕組み何でしょうね!」


 レイスの体がどういう仕組みなのか、疑問に思っていたが深く考えると頭が痛くなるので、考える事をやめていた。


「さぁ、分からないけどな? しかしお前誤魔化せながら戦えるよな! 例えば、ワザとダメージを喰らった後、相手のエネルギーを借りて攻撃とか色々できそうだな。反則に近いけど」

「確かに戦い方にバリエーションが増えましたけど、僕は普通にやりたいので、この能力は人前では基本的に使わないようにしますよ。緊急時は別ですけどねアハハッ!」


 二人はその後も特訓を続けて、ファングはレイスの体にパンチを放って、呻いていたり、魔法を放っていた。レイスはファングが放ったパンチをお腹で受け止めて足腰を鍛えたり、放った魔法を吸収して、魔法を分解する酵素を大量に分泌したり、大量の魔法エネルギーを自分の物にする特訓を続けて一夜を過ごしていた。


「へぇ、昨日そんな事していたんだ! だからファング朝、宿で蹲っていたんだね!」


 レイスの話を聞きながら五人はフリップ村を後にして、エレイント森林を歩いている最中だった。


「そうなんだよ、レン師匠! 僕はやめようと言ったけど、ファングさんが続けると言うからね。でもファングさんのお陰で色々学べたし、ファングさんの魔力を吸収して体力や魔力を回復しているから朝からピンピンしてるんだ!」

「当たり前だろう! お前のスゲー力を目の前にしてやめる奴がいるか!」

「本当ファングはバカよね! 何で朝からレン君に頼まれてあんたに回復魔法掛けているのよ! 普通は剣武術科のレイス君の方だよね」

「だから、悪かったって言っているだろう! バカって何回も言うな!」


 ファングはアリスに魔法で治してもらっていたのでアリスに飽きられていたが、レンはレイスの話を聞いて、頭を押さえていた。


 ファングの蹲っていた理由は分かったけど、レイスの能力普通におかしいでしょう。何でお腹で魔法を吸収出来るとか深く考えないの? 僕のパーティーは危険人物だらけだよね。普通に世界征服出来るんじゃないの?


 いろいろおかしい所があるのに、何故疑問に思わないのか不思議だった。


「それよりもレン君、ここの森でエレントさんと契約したんでしょう!」

「レン師匠、エレントさんって誰ですか?」


 レイスはエレントの存在を教えていないので、食い付くように聞いていた。


「そうだよアリス、僕はここでエレントと契約したんだよ。レイスには見せてなかったから見せてあげるよ」


 レンはエレントを呼ぶとクスクスと笑いながら、レンの目の前に現れて、レイスが驚いていた。


「エレント、新たに仲間になったレイスに挨拶して!」

【わかりましたわレン様、初めて、私はレン様と契約をしている風の精霊エレントです。契約する前はこのエレイントの森に住んでいました】

「何時見ても、綺麗だよな。レン羨ましいぞ!」

「レン君、私の方が綺麗だよね!」

「レン師匠、精霊と契約しているんですか?」

「レンお兄ちゃんの精霊ちゃんと見たの初めて、綺麗だよ」

【クスクス、レン様のパーティーは賑やかですね!】

「アハハッ、そうかもね‥‥‥」


 エレインを見せるとファングとレオスはエレントに見とれ、アリスはエレントに対抗していた。レイスはレンに詰め寄り説明を求めていた。


 はぁ、この四人は自由過ぎるだろう!


 五人はエレイント森林を足早に抜けるため寄り道をしないで歩き、リノワール平原に出た後、リノワール王国に入っていた。


「へぇ、ここが、レンの故郷なんだな! かなり人で賑わっているな」


 ファングは、リノワール王国の中心都市をみて驚いていた。


「ファング、ここは中心部だから人がたくさんいるの、僕の家は人通りが少ない所なの!」


 レンの家はリノワール王国の中心外にあるので、人通りがかなり少ない所である。


「アリスは中心部に近いんだろう、早く家に帰ったらどうだ!」

「ファング、何で私を早く家に帰らそうとしているの? レン君の家を確認して帰るの」

「いや、うるさいのが減ると思って、イッテ何するんだアリス!」

「ファング、もう一回言ってみなさい」


 ファングはアリスを早く家に向かわせようとしていたがアリスが怒って、ファングに蹴っていた。その様子を見ていたレンは二人の喧嘩に呆れていた。


 何で喧嘩することを言うんだよ! 人前で恥ずかしい。


 ファングとアリスの喧嘩を見ないように、家に向かって歩いていた。やがて、中心外の住宅街の一角にあるレンの家に着くと玄関前で止まっていた。


 はぁ、ついに家に着いちゃたよ。どうしよう、レイジ兄さんが出て来たら、四人に変な目で見られるよ!


 レンが玄関前で足を止めていたので四人が声を掛けていた。


「どうした、レン急に止まって?」

「そうよレン君、もしかして、家違った?」

「早く、レン師匠の家族に挨拶したいです。レン師匠にお世話になっているので」

「レンお兄ちゃん、早く入ろう。レンお兄ちゃんの家族に挨拶したい」

「分かってるけど‥‥‥」


 外は既に日が沈み始めていたので、レイジ兄さんが家に帰っているのを危惧していたが、このまま家の玄関前に突っ立て入るわけにも行かないので、不安だけど玄関の扉を開けた!


「ただいま、今帰りました。誰もいないのですか?」


 玄関を開けて、声を掛けると一瞬シーンとしていたが、奥から誰かが走ってきて、レンに抱きしめた。


「レン、お帰り、もう夏季休暇に入ったのかい?」

「グェ、レイジ兄さん離して、友達が見ているから」


 何時ものようにレイジ兄さんに抱きしめられて手を叩きながら、抱き付くのをやめさせていた。


「おや? 君達はレンのお友達かい?」


 レイジ兄さんが尋ねると、四人は挨拶をしていた。


「レン、今そこの猫耳の少年、レオス・フォワードと言っていたけどどう言うことだ!」

「そっそれは‥‥‥家族が揃ったら話します!」


 レイジ兄さんに追及されて、レンは話しづらくなり、家族が揃ってから話す事を言って、友達を家に入れてあげた。暫くするとマイクとセリアが帰ってきて、レンと抱きしめた後、友達も席に着かせて、レンは家族に話し始めていた。


「レン、お前は何をやっているんだ。その子を養子にするなんて」


 マイクが頭を押さえていた。


「すみません、父様、僕が勝ってにレオスを僕の弟にして!」


 レンはマイクに誤っていた。


「父さん、レンが決めた事なら良いんじゃないか、僕は新たな弟が出来てうれしいよ」

「そうですわ、マイク、この子の家族は既になくなって困っていたのをレンが救ってあげたんだから、それにこの子はレンに懐いているし家族に入れない分けにはいかないじゃない!」


 レイジ兄さんとセリアはレオスを家族に迎え入れてあげようと言っていた。


「セリア、レイジ、分かっているのか、どう見ても種族が違うだろう。この子を弟と言っていたら、変な目で見られるぞ! それに養子にするにはお金が掛かったり、手続きだってあるんだぞ!」


 マイクは頭を押さえながら、悩んでいた。


「父さん、僕は別に変な目で見られても構いませんよ、レンが養子にしたいと言っているなら僕が叶えますから、それに僕も手続きの手伝いをしますよ」

「マイク、良いじゃないですか、レンが養子にしたいと言っているんだから、それに家族が増えるのは良いことですわ!」


 レイジ兄さんとセリアが、頑なに否定しないので、マイクは頭を押さえたまま観念して、レオスを正式に家族の一員にすることが決まり、レンとレオスは喜んでいた。


「父様、母様、レイジ兄さん、ありがとう僕のわがままを聞いてくれて!」

「お父さん、お母さん、レイジ兄ちゃん、今日からよろしくお願いします」


 レオスは家族にお礼をした後、


「それで、じつはレオスのことで‥‥‥」

「レン、まだ何かあるのか?」


 マイクに言われ、レンは家族にレオスのもう一つの顔について話し始めていた。


「レン、今何って言ったんだ、その子は女の子になったり、兄の人格に入れ替わったりするのか? それに主従契約をしているのか?」

「はい、そうですよ、レイジ兄さん‥‥‥」


 レイジ兄さんは驚いていたが、マイクの表情が話す毎に青ざめていた。


「レン、お前は何をやっているんだ。主従契約は奴隷を連れていると変わらないぞ」

「分かっていますよ父様、だけどレオスが勝ってにやって解除してと言っても解除しないんだよ!」

「嫌だ、僕はレンお兄ちゃんと契約を解除しない。ずっとレンお兄ちゃんの傍にいる!」


 レオスが頑なに解除したくないと言っていたので、マイクは息を吐いて、諦めていた。それから、レイジ兄さんがレオスについて興味津々に聞いてきたので、レンの命令でレオスのお兄さんに替えていた。


「はぁ、レオスの兄、家族に挨拶して!」

「分かったよ、マスター。初めましてマスターの家族さん、僕の名前はレオン・フォワードだよ! マスターから貰った名前だけど、普段は弟の名前レオス・フォワードでレオスと呼んで下さい。既に僕は死んでいる身なんで、それに体は弟の物なのでレオスと絶対に呼んで欲しいです!」


 レオスの兄は家族に丁寧に挨拶していたが、レンは腑に落ちない様子だった。


 レオスの兄、家族に嘘つくなよ! 弟より出たがっているの兄だよね。弟の体を実験体のようにして、自分の体のように今まで使っていたよね!


 レオスの兄は家族に対しての変わりように呆れていた。それから、レオスの兄に本当の姿に変えてもらったり、女の子の姿になったりした後、レオスの兄は嫌がっていたが弟のレオスに戻していた。家族はその様子を見て驚いていた。


「レン、凄いねレオスは何でも出来るんだね! 今後古代魔法を僕に見せてよ!」


 レオスの事を全て話していたので、古代魔法に興味津々に聞いてきた。


「それは、構わないけど威力が強すぎて普段は使えないよ」


 レオスの古代魔法を見ているので、あまりおすすめ出来なかった。


「へぇ、そんなに危険なのか、なら広い場所なら大丈夫だろう!」

「それはそうですが、やるのはレオスですよ?」

「僕はやるよ、レンお兄ちゃんとレイジ兄ちゃんに僕の魔法を見せる」


 レイジ兄さんは古代魔法をみたい為、あらゆる手段を使って、納得させていた。それから暫く、レオスについて家族で盛り上がっていると、


「おい、レン俺達を無視するな」

「えっ、あっそうだったね。ごめん皆!」


 ファングに小さな声で言われて思い出し、レンは家族にファングとレイスを暫く泊められないか聞いていた。


「別に泊まるのは構わないけど、部屋は無いぞ?」


 マイクはファングとレイスを泊めてあげる許可をあげたが二人を泊める部屋がなかった。


「それは大丈夫です。レンのお父さん、俺はレンの部屋の床で寝るんで」

「僕もレン師匠の部屋の床で寝るんで安心して下さい」

「ちょっと待って二人とも‥‥‥」


 ファングとレイスはレンの家に泊まれる事に喜んでいたが、レンは頭を押さえて、顔色を悪くしていた。


 まさか簡単に許可するなんて、僕の家族はなんでこんなにも甘いの? 僕の部屋に二人が来たら狭いしゆっくり過ごせないよ。レオスと一緒の部屋なのにやめてよね!


 それから、レンの友達はレンの家族に食事をお呼ばれされて皆なで食事をしてから、アリスを四人で見送る事にした。


「それじゃ、アリスまた明日ね」

「アリスお姉ちゃんまた明日ね」

「またね。レン君、レオス君、今日は食事までご馳走になってしまって悪かったわね。それとファングとレイス、レン君の家に泊まるんだから迷惑を掛けないようにね! それに二人はレン君の家でご飯をご馳走になっているんだから!」


 ファングとレイスは暫くの間、レンの家に泊まるので、泊まっている間は、レンと一緒に食事をすることになる。


「分かっているよ、アリス。レンを困らせる分けないだろう色々してもらっているんだから、それにアリスがいない間はしっかりレンを見張って護るから安心しろ」

「そうです、ファングさんの言う通りですよ、アリスさんが心配する必要はありません。僕がレン師匠をしっかり護りますので安心して、家に帰って下さい」

「はぁ、心配だけど、二人が言うのなら任せるわ、しっかりレン君を護ってあげてね。それじゃ、レン君また明日ね!」


 アリスはファングとレイスにしっかりレンを見張っていてと言って帰って言ったがレンは頭を押さえていた。


 アリスは何を言っているんだ、家にいるのに何で二人に監視される必要があるの? それにファングとレイスも何で僕を護る必要性があるの? 僕の家に何の危険があるの?


 色々と腑に落ちない部分があり過ぎて、頭を痛めそうになりながら四人はレンの部屋に向かって入っていった。


「へぇ、ここがレンの部屋か!」

「ここが、レン師匠の部屋何ですね! 色々整理されて清潔感があります!」

「今日からここが僕の部屋なんだね、レンお兄ちゃん!」

「そうだよ、レオス。ファングとレイスも適当に使って良いからね」


 三人は、レンの部屋が綺麗に整理されている事に驚きながら、各自適当に座って話し始めた。


「なぁ、レンこれからどうするつもりなんだ!」


 ファングは夏季休暇中の予定が気になっていた。


「そうだね、暫く家族とゆっくりしながら、リノワール王国周辺を探検しようかなとまだ行ってない場所もあるし」


 折角一ヶ月間くらい家にいる予定なので、家族と遊んだり、まだリノワール王国周辺で行ってない場所を探検しようと考えていた。


「へぇ、なら俺らはお前に従うよ! お前の故郷だから、俺らをワクワクさせてくれよ!」

「レン師匠が行く所なら、僕は何処までもついて行きますよ!」

「僕はレンお兄ちゃんの故郷を見たいです!」

「はいはい、好きにすれば、僕で言ってもついて来るんでしょう?」


 三人はレンが行くところなら何処までもついて来ると言っていたので、呆れていた。それから暫く話した後、レイスの話になった。


「ねぇ、レイス、今日話していた事何だけど、本当に魔法を吸収出来るの? 作り話じゃないの?」


 レイスが言っていた事が未だに信じられないので、疑いの目でレイスを見ていた。


「レン師匠、何ですかその目は僕が言った事、疑っていますね! 何なら、僕のお腹に魔法を軽く撃って下さい!」


 レンが疑いの目を晴らすべく、レイスは上着を脱いでお腹を見せていた。


「さぁ、レン師匠ここに撃って下さい!」

「分かったから、火だと家が燃えるから、水か氷系の魔法で行くよ!」

「はい、何でも撃って下さい!」


 レイスが自信満々に言っているので、ため息を吐きながら、氷の塊(コールドボール)を唱えて、氷の塊をレイスに向かって投げるとレイスのお腹に吸い込まれた。その様子を見ていたレンとレオスは驚いて、ファングはレイスが上達しているのに喜んでいた。


「えっ、レイスが言った事本当なの、このお腹どうなっているの? 氷の塊が吸い込まれたんだけど、それにレイスのお腹かなり冷たいよ大丈夫? 若干青く光っているし?」


 レンはレイスのお腹をくまなく触ったり、押したりして確認していた。


「アハハッ、レン師匠くすぐったいですよ。僕も分からないですよ。確かにお腹を触るとかなり冷たいですが、自分で触らないと何も感じませんよ! ファングさんの時は火系でお腹が熱かったですが、触らないと熱さを感じませんでした。僕のお腹の神経おかしくなっているんでしょうか? だけどお腹が動いている感じや魔法を分解して吸収している感覚などは感じるんですよ。今もお腹を触ると魔法を分解する酵素を分泌して氷の塊を分解して吸収しているのが分かりますよ。それにレン師匠の魔力が僕の中に流れ込んできます!」


 レイスはレンの魔力に何故が浸っていて、自分のお腹を触りながら、レンの魔力を感じて、味わう感覚で魔法を分解して吸収していた。


 レイス、何やっているの? お腹何回も触って変態だよ! 何で僕の魔力を味わっている感じの表情をしているの気持ち悪いよ!


 レイスの不自然な行動に非難していたが、吸収が終わると我に返ったのか、レンに自分の不甲斐なさを謝っていたので、レンは仲間以外では使わないでよと言うと、レイスは目を輝かせながら、レンに抱きついていた。


 はぁ、レイスの能力は使えるから、別に構わないけど人前で変態行為をしたら‥‥‥とりあえずくぎを刺したから大丈夫だろう!


 レイスの今後の行動に危惧していたが、とりあえず悩みの種を増やしたくないので、レイスの責任で使用させてあげることにした。四人は眠りつくため、レンとレオスは二人でベッドに入り、ファングとレイスは床で寝るために持って来た寝袋に入って、それぞれ夢の中に入っていった。

次回更新は明日に更新します。楽しみにして下さいm(__)m

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