#16 レン達に迫る刺客達
お待たせしました。16話公開です。レンを救出してレオスを助けに向かいます。しかしレンを助けたのも本のつかの間新たな敵がレン達にどうなる(。>ω<。)
三人は、レオスが捕らわれている研究所があると思われるノウスノーの森を目指して夜の山脈を歩きながら、安全に休める場所を探していた。
「レン君、大丈夫?」
「大丈夫だよ、アリス!」
「レン、お前は体力が回復して間もないから無理だった言えよ! お前に合わせて歩くから、それとも俺の背中に乗るか?」
「大丈夫だって言っているでしょう! 本当に無理だった頼むから、いちいち何回も聞かないで!」
ファングとアリスはレンが疲れた表情を見せたり、歩くスピードが遅かったりする度に何度もレンに大丈夫かと連呼されていた。
何なのこの二人は、いちいち大丈夫とか言ってきて、過保護過ぎだろう、異常だよ! 僕は大丈夫と言っているのに何回も聞いてきて、僕の話し聞いているの?
毎回見る二人の過保護過ぎる行動にため息を吐きながら頭を痛めていた。三人は山脈の山頂の開けた場所に小さな小屋を見つけていた。
「駄目ね、鍵が掛かっているわ!」
小さな小屋を見つけていたが扉は鍵が掛かっていて開いてなかった。
「でも、この小さな小屋使われてないよね!」
月の光が小屋の窓の中に注がれていて、小屋の中の様子がくっきりと見えていた。小屋の中を除くと物など一切なくホコリだらけであった。
「もう誰も使われていないんじゃないか?」
「そうね! だったら扉を壊しましょう! レン君を外にいさせたくないから」
「アリス、扉を壊すの?」
「レン大丈夫だ、使われてないなら壊しても問題ないぜ、少しでも今はレンを安全な場所で休ませたいからな」
「そうかも知れないけど、扉を壊すのはちょっと‥‥‥」
扉を壊すのに乗り気じゃなかったがファングが扉を壊して、アリスが魔法でホコリなどを取り除いてから三人は小屋の中に入った。
「小さな小屋の割にはしっかりしてるね!」
「そうだねレン君、これでゆっくり眠れるね!」
三人は小屋の床を手で押したり、ジャンプしたりして床を確認した後、ファングとアリスが持って来た食料を食べながら話していた。
「ねぇ、食料って足りるの?」
ファングとアリスの鞄を見ると、食料が余り入ってなかった。
「そうね! 足りないわ、何処かで食料を集めないといけないかも! ファングがそもそも食べ過ぎよね!」
「何だとアリス、俺は食べ盛りだから仕方ないだろう!」
「いや、普通遠慮するよね! これから食料どうするつもりなの?」
「そんなの近くの森の植物やモンスターの肉を食べるしかないだろう!」
ファングはノウスノーの森に行くんだからそこで食料を調達しようと言っていた。
「イヤよ、適当な肉何か気持ち悪いし?」
「何だと、食べられるんだから増しだろう」
「二人とも、ご飯食べながら喧嘩しないで」
ファングとアリスは食料の事で喧嘩していた。
相変わらず一言が余計なの、何で喧嘩するような事をつけ足すんだこの二人は! そんなに喧嘩がしたいの、ストレス発散なの?
二人の喧嘩はいつも見ているが毎回しょうもない一言が原因で喧嘩しているので非常に二人の扱いが面倒くさかった。
「ノウスノーの森はここからどの位掛かるの?」
ノウスノーの森は山脈を越えた先にある平原の奥に存在するので、今いる山頂からどの位歩くのかアリスに聞いていた。
「ここからだと二日あれば行けると思うわ!」
「二日も掛かるの? それじゃレオスが生体兵器にされてしまうんじゃ‥‥‥」
「レン、落ち着け。今焦れば、レオスをさらった奴らの思うつぼだぜ」
「だけど‥‥‥」
「レン君、行きたい気持ちは分かるけど、今は体力をしっかり回復しましょう!」
今にもレオスのもとに行きたかったが二人に止められ、今は体力を回復させて、明日の朝早くから出発する事を決めて、三人は寄り添うように、小さな小屋の中で寝たが、レンが眠った後、ファングとアリスは起きていた。
「レンは眠ったか?」
「眠ったわよ、凄く気持ちよさそうに寝ているわ! 私達がいるから安心したんだわ!」
「そうかそれじゃ、レンを頼むぞ! 外に数人いるから倒してくる、レンが起きないようにアリス頼むぞ!」
「分かっているわ、レン君に特殊な魔法を掛けて周りの音を聞こえないようにしておくわ。それにレン君の傍にいるからファングは全力で暴れてきなさい。まだやり足りないんでしょう?」
「俺を狂者みたいに言うな! まぁ、どう思われても構わないけど、レンが寝ている邪魔は絶対させない。レンに近付く敵は全て俺が排除してやる!」
アリスは小さな小屋の周りに特殊な魔法を掛けて外部からの音を遮断して、レンが寝ている傍に寄り添っていた。ファングはアリスの魔法を確認した後、断魔の剣を掴み、冷酷な表情で小さな小屋から外に出て、少し離れた所で足を止めていた。
「おい、隠れて俺達が眠るのを待っているみたいだけど、無駄だぜ、さっさと隠れてないで出て来いよ!」
ファングは誰もいない山頂を大声で叫んでいたが、誰も現れる事はなかった。
俺達が眠るのを待つ気か、仕方ないな隠れても無駄なのに!
ファングは軽く息を吐いた後、相手の魔力を探知して、目に見えない速さで走り出した。
「何だ、小屋の近くにいたガキが消えたぞ!」
「何よそ見してるんだ?」
「何でガキが俺の背後に入るんだ、さっきまではあそこに‥‥‥ウァー!」
「これで、分かっただろう! 隠れるのは無駄だぜ!」
ファングは黒いローブの一人を倒して、再び周りに向かって叫んでいると、複数の黒いローブ達が現れた。
「ほう、我々が隠れている場所を的確に見付けるとは、貴様ただのガキじゃないな!」
「やっと現れたか! 何故、レンを狙うんだ!」
「クククッ、あのガキはレオスと契約してるだろう、リハイル様の命であのガキを始末する!」
「そうかよ、だけどお前達には悪いけど、レンには一歩も近づけさせない!」
「お前達、まずはあの生意気なガキを始末しろ!」
「畏まりましたグレッド様、いくぞ貴様ら」
「ハッ!」
グレッドの命令で手下達が一斉に、ファングに向かって、剣を向けたり、魔法を撃ってきた。
へぇ、大勢で俺に向かってくるんだ! 良い度胸だな、だけど面白い、もっと俺を楽しませろ!
ファングは不敵な笑みをしながら、襲ってきた黒いローブの集団を一瞬にして、倒していた。
「馬鹿な、あの集団を瞬殺だと! 貴様何者だ!」
「あっ、貴様に名乗る必要ないだろ、レンに危害を与える奴らは全て消すだけだ!」
「そうか、なら私直々に始末してやろう!」
ファングは勢い良くグレッドに向けて、素早い剣を相手の腰あたりを狙ったが、グレッドに交わされて、強烈な魔法をくらって岩に強打していた。
「グッハ!」
「どうした、さっきの威勢は貴様の動きは見ていたからな、余り貴様と遊んでいる暇がないんでな!」
グレッドは、ファングを魔法で吹き飛ばした後、レンとアリスがいる、小屋に向かって歩き出した。ファングは直ぐさま立ち上がり、小屋に行かせないように、グレッドに再び攻撃をしていた。
「いくらやっても無駄だと分からんのか!」
「グッ、絶っていレンのもとには行かせない」
ファングは必死にレンのもとに近付かせないと、攻防を続いているが、全て交わされて、グレッドの魔法攻撃をくらっていた。
「ウァー!」
「しつこいガキだ、何故、あの中にいるガキを守る必要があるんだ。たかが一人を殺しても、お前には関係ないだろう!」
「今、何って言った!」
「アッ!」
「今、何って言ったんだって聞いているんだ、お前!」
「はぁ、ガキ一人殺しても、お前には関係ないだろう!」
「お前、今触れてはいけない事を言ったな、絶対にお前を殺す!」
グレッドの一言でファングの内心に溜め込んでいた憎しみが一気に爆発して、異様な殺気を纏い始めていた。
「何だ、その目つきと殺気は、そんなに早く死にたいのか、なら私の最強の魔法で消してやろう!」
ファングは、素早く移動してグレッドの正面に剣を振りかざしていたが、グレッドに読まれていて避けられた。
「貴様の動きは見切っている、これで終わりだ!」
「それはどうかな!」
「何?」
ファングは相手の正面から素早く体を動かして、相手の背後に回り込み剣を振るっていた。
「斬擊青龍波」
ファングの剣から青い龍が現れて、グレッドを青い龍の波動で切り刻んでいた。
「馬鹿な、こんな事が‥‥‥グフ」
「まだ行くぜ、斬擊昇龍波」
グレッドは瀕死状態だったがファングは剣を下から上に向かって振り、龍が昇るように強烈な一撃をくらって死んでいた。
フゥ、何とか片付いたな、まさかレンのテクニックが役に立つとは思わなかったぜ! やっぱりレンは凄いな、レンがいなかったら今頃俺はやられていただろうな!
レンが授業でやっていた動きに助けられ事を実感しながら、改めてレンの存在が大きいと感じていた。それからファングは一旦、小屋に戻り、アリスを連れて倒した死体を崖に落とし、戦闘していた痕跡を隠蔽してから二人は小屋に戻り、レンに寄り添いながら眠りに入った。
一夜が明け、小屋の窓から太陽の光が降り注ぎ、朝を迎えていた。
「ウーンおはよう、ファング、アリス!」
「おはよう、レン君、昨日はよく寝れた?」
「おはよう、レン、よく寝れたか?」
「うん、よく寝れたよ! それよりもファング何で服ボロボロなの?」
昨日の夜、ファングが戦闘をしていることを知らなかった。
「えっ! ‥‥‥それは朝練していて、岩に足を躓いて転んだからだよ」
「そうなんだ、朝から鍛錬してるなんてファングらしいね。だけど、朝から心配させないでよね、間際らしいよ!」
「悪かったよ、今すぐ、換えを着るから!」
ファングは何とか昨日の事を誤魔化せて、ホッとしていた。
「ファング、よく誤魔化せたわね!」
「俺はヒヤヒヤしたよ、だけど、俺が朝練やって入ることを言えば信じてもえると思ってな!」
「昼間だったらどうする気だったの?」
「それは‥‥‥」
「考えてなかったのね!」
ファングとアリスがヒソヒソと話していた。
二人は何朝からヒソヒソ話しているんだ?
ファングとアリスの様子を遠くから見つめていた。三人は朝食を取り、一夜過ごした小屋を後にして、ノウスノーの森に向かって、山頂から反対側を下山していた。
「そういえば朝、出発する時に血の匂いがしたけど何だっただろうね!」
ファングとアリスがドキッとしていた。
「さぁ、モンスターの死骸が風で流れて臭っただけだろう!」
「そうよ、レン君深く考え過ぎよ!」
「確かにそうだね! モンスターがいるんだから当たり前か!」
レンは納得しながら頷いていたが、ファングとアリスは軽く息を吐いていた。
「レン君って、時々鋭くついてくるよね!」
「そうだな、この先誤魔化せるか不安だよ! でもそこがレンの良さだと思うぜ!」
ファングとアリスは互いに小さな声で耳打ちしながらヒソヒソと話していた。
「ファングとアリスは、何を朝からヒソヒソと話してるの?」
レンが鋭く聞いてきた。
「えっ! それは‥‥‥」
「レン君を今後どうやって護っていくか話していたのよ!」
「そうだぜ、レン! お前はまだ狙われる身だからどうやって護ってやるか話していたんだ」
ファングは一瞬言葉を詰まらせていたがアリスの手助けで誤魔化せていた。
朝からこの二人は何を考えているんだ! 僕を護る必要はないの? 普通に戦えるでしょう、授業でファングに証明したよね?
朝からため息を漏らしていた。三人は半日掛けて下山して、ノウスノーの森がある平原、グリル平原を歩いていた。
「もう少し、歩くとノウスノーの森に入るわ!」
「もうすぐ、レオスに会えるかな?」
「分からないわ、研究所があると信じるしかないわ!」
「それよりもレン、今日は森に入るのはやめようぜ!」
ファングは二人に霧の濃い森なら今から入るのは危険だと言っていたので明日の朝、森に入る事を決めて、今日は早めに寝ることにするべく、平原で野宿する事にした。
「ここに、しようぜ!」
ファングは周りが見渡せる見通しが良い場所を選びそこで近くから枯草や枯れ木を集めて暖を取りながら、夕食を取り、明日の事を話していた。
「ノウスノーの森は霧が濃いんだよね! 何か目印しないと駄目かな?」
「そうね、木に等間隔に簡単な切り込みを入れて進みましょう!」
「クククッ、木に切り込みか随分と熱心に考えているな!」
「誰だ!」
「クククッ、貴様らは森に入る前にここで死ぬけどな! お前達あの三人を始末しろ!」
「ハッ!」
三人が暖を取りながら話していると、知らない男性の声がして終わると、黒いローブの集団が現れていた。
「クッ、彼奴らもう嗅ぎ付けてきたのか!」
「ファング、レン君がいるから平常で戦ってよ」
「分かっているよ、レンお前は後ろを頼む、ただし無理はするなよ」
「分かっているよ、ファング。君も気をつけてね」
「分かってるぜ、レン。アリス!」
「分かっているわ、レン君にあれでしょう! プロテクト!」
「アリス、何で毎回、僕だけなの?」
三人は戦闘の体制を取り、レンとファングは左右半分ずつ倒すことにして、アリスはレンの支援に回り黒いローブに向かって攻撃を始めていた。
「アリス、僕は黒いローブに近付くから何か足止め出来る魔法お願い!」
「分かったわ、レン君! 無理だけはしないでね!」
黒いローブにアリスの魔法で足止めしてレンが剣で攻撃する筈が、
「オールチェーンロック、ライトニングサンダー!」
「何だこれ、ウァー!」
「えっ!」
アリスが一人でレンが担当する黒いローブ達を一瞬で倒していた。
あれっ、僕の出番は? これから、僕の実力を二人に見せつける筈が何で、アリスが倒すの?
アリスの方を見ると手をピースして、笑顔で応えていた。
このままだと、僕の実力を証明出来ないよ、朝二人が言っていた事が現実になっちゃうよ! そうだ、ファングの方に手助けすれば!
二人に自分の実力を証明して、護る事をやめてもらおうと、ファング方に走っていったが、
「何だ、来るなぁ‥‥‥」
「フゥ、こっちは終わったぜ!」
既に、ファングの方も片付いていた。
何で終わってるの? この二人凄すぎるよ! てか、僕の実力はどこで証明するの?
ファングとアリスは笑顔でレンに応えていたが一人だけ、全然戦わせてくれないので、表情を変えてアリスに訴えていた。
「まぁまぁ、レン君! さっきは悪かったって」
「僕だって戦えるんだけど!」
「アリス、たまには軽くやらせてやれよ、レンだってストレス溜まっているんだから」
「ファングがそう言うなら、でもまだ戦いは終わってないわよレン君!」
「そうだね! 今度こそ戦わせてね!」
「そうだぜ、早く隠れてないで、出て来いよ!」
「クククッ、まさかあの人数を倒すとはやはり報告通りか!」
黒いローブの集団を倒した後、レン達の様子を伺っていたのか、三人がある程度話した後、姿を現した。
「クククッ、まさかこのリハイル自ら貴様らを始末する事になるとは」
「遂に、姿を現しやがったな!」
「どうして、僕達を狙うんだ!」
「クククッ、貴様がレオスと契約しているから、関わった者は全て消すようにと、スペード様から仰せつかったのでな!」
「その、スペードが今回の主犯者よね!」
「クククッ、そうだったら何だって言うんだ! 貴様らはここで死ぬのだからな!」
リハイルは不気味な笑い声をあげながら、レン達に襲ってきた。
「死ね、シャドーロック」
リハイルが魔法で唱えると、レン達の地面の周りが暗くなり、地面から黒い手が現れて、レン達を襲い始めた!
「何、これ?」
「不味いわ、レン君ジャンプして早くこの黒い地面から離れて!」
アリスに言われて、黒い地面から離れようとしたら、黒い手に捕まれていた。
「ウァー、何これ、気持ち悪いんだけど!」
「レン君!」
「レン、てめえ、卑怯だぞ!」
「卑怯? クククッ関係ないな、貴様らを殺せばいいだけだからどんな手段を使おうと私の勝手だ!」
「ごめん、ファング、アリス、僕が上手く避けられなくて」
「レン、謝る必要はないぜ、悪いのは彼奴だから、それに俺達は仲間だろう。レンを殺したりは絶対にさせないから安心しろ! それに俺達なら直ぐにレンを助けられるし」
「そうね、ファングの言う通りだわ、レン君、今すぐ助けてあげるね!」
「クククッ、助けるだと、こっちは人質を取った。貴様らは手出し出来ないで、俺の魔法の嵐で死ぬ!」
リハイルが不気味な笑い声で喋っている間、ファングは軽く息を吐いた後、断魔の剣を鞘から抜き、レンが捕まれている、黒い手を断魔の剣で切り刻んで、助けていた。
「馬鹿な、どうやって助けた!」
「お前に答える必要ないだろう! それよりレン、大丈夫か!」
「大丈夫だよファング、ありがとう! あの剣の能力を使ったんだね」
「あぁ、そうだ! だから俺達は別にお前が魔法で捕まっても、焦ったりはしなったんだぜ」
「本当かしら、レン君が捕まった時、ファングの表情が一瞬変わっていたわよ!」
「そんなわけないだろ、アリスの見間違いだよ!」
「貴様ら、どんなトリックを使ったか知らんが、もう一度捕まえるだけだ、シャドーロック!」
リハイルは再び同じ魔法でレン達を捕まえようとしたが、ファングがため息を吐きながら、軽く剣を黒い地面に向けて、衝波斬を繰り出し、地面に衝撃波が伝わり、黒い地面が消えていた。
「馬鹿な、何故私の魔法が消えている!」
リハイルは自分の魔法がファングの持っている剣で無効化されている事実を受け入れられなくて、混乱していた。
「アリス、彼奴を拘束しろ! レン、アリスが拘束したらやるぞ!」
「分かったよファング! 僕の実力見せてあげるから!」
「はいはい、分かったわよ! でも殺しては駄目よ! こいつからレオス君の居場所を聞き出すんだから!」
「大丈夫だよ! 僕達がそんな事するわけないでしょうファング!」
「えっ! ‥‥‥あぁ、大丈夫だよレン俺がそんな事するわけないだろう!」
ファングが一瞬言葉を詰まらせていた。
今、ファング言葉詰まらせていたよね。聞き出す前に殺す気だったの?
ファングに向かって疑いの目で見ていると、
「レン、頼むから疑いの目で見ないで、大丈夫だから」
「本当に大丈夫なの、もし殺していたらファングと絶交だから」
「待ってレン、絶交だけは勘弁して、俺、レンがいないと生きている意味がないんだよ!」
「そんなの、僕には関係ない事だし!」
「レン、頼むから絶交だけは‥‥‥!」
ファングがレンの肩を掴みながら泣きつくように、必死に相手を殺さないからと説得していた。
「本当、ファングはレン君には頭が上がらないのね、他の人なら威張ったりするのに!」
「うるさいアリス、レンと他の奴を一緒にするな! レンは俺にとって掛け替えのない人なんだよ! レンと絶交されたら、俺は路頭に迷い気力を無くして彷徨っているかも。それにアリスだって同じだろう。レンに嫌われたり、絶交されれば俺と同じ気持ちになるだろう!」
「ヘェ、そうなんだ!」
「ちょっと待ってレン君、今、ファングに誘導されて変なこと考えてないよね!」
アリスもレンに近づいて、泣きつくように必死に考え直してと言っていた。
この二人は何でこんなに泣きついて必死なの? 冗談で言っただけなのに、この様子だと本当に逃げられる感じがしない。それに、僕が二人の人生を握っているとかあり得ないんだけど。どこで、選択を間違ったんだ!
二人に泣き付かれて、困っていると、
「貴様ら、何、三人でいちゃいちゃしているんだ!」
「レン君がファングに疑い掛けるから、相手が正常に戻ってしまったわね」
「えっ、僕なの? ファングがクダクダと泣き付いてくるのが悪いんだけど!」
「それは、レンが絶交とか言うからだろう!」
「貴様ら、さっきから俺を無視するな!」
三人はさっきの事で未だにクダクダと話している中、リハイルを無視していた。
「何処までも、私を愚弄しやがって死ね、シャドーボール! 闇に飲まれて、この世から消えろ!」
リハイルは魔法で黒い玉を出して、三人が話している所に向かっていた。黒い玉が三人に近づいてくると、ファングの剣で真っ二つにて魔法を消滅させた後、アリスのチェーンロックで拘束して、レンとファングがリハイルに斬擊を与えて弱らせてからファングの剣をチェーンに絡ませて、リハイルの魔力を奪っていた。
「馬鹿な、こんなガキに捕まり、しかも何故俺の魔力が減っているんだ!」
リハイルは自分に起こっている事が理解出来ないでいた。
「ネェ、レオスはどこにいるの?」
「はぁ、貴様らに答える分けないだろう」
「へぇ、答えないんだ、アリス何か魔法で喋らす事出来ない!」
「レン君、何か恐いよ、あるけど!」
「アリス、レンは今、俺達と同じ気持ちなんだよ! でも、レンのあの表情見るの初めてかも! レンを怒らせるとヤバいな!」
ファングとアリスはレンが無表情で淡々とあらゆる手段を講じようとしている姿に恐怖を感じていた。アリスは、魔法で洗脳させて喋らせていたが、リハイルの体が突然光始めた。
「何? 何か光っているんだけど」
「まずい、ファング早く剣を回収して、レン君は急いでこの男から離れて!」
「分かってるぜ、よし、レン俺に掴まれ、俺の脚力で離れるから!」
「いや、一人でこの位の距離、離れられるよ!」
リハイルから離れると、リハイルの体は爆発して無残に死んでいたが周りを見ると、黒いローブの集団達も次々に体が爆発して死んでいた。
「嘘だろう、これじゃレオスの居場所聞き出せないよ!」
「おい、アリスこれは!」
「間違いないわ、レン君をさらった男と同じ魔法だわ、だけどこっちは喋らした同時に発動するみたいね!」
「アリス、僕を助ける時も同様な事があったの?」
ファングとアリスは、レンを助けに行くまでの経緯を簡単に話していた。
「そうか、そんな事が、でもここまでやるならレオスが捕らわれている研究所は近いのかも!」
「そうだねレン君、敵も焦っているみたいだし、研究所が近いのかも!」
「レン、研究所が近いと分かれば、今日はゆっくり休んで、明日、レオスを絶対に助けようぜ!」
三人はレオスが捕らわれている研究所を見つける事を信じて、明日の戦闘に備え、グリル平原の一角で暖を取りながら、交互に寝る時間を決めて、敵からの襲撃に怯えながら一夜を過ごしていのであった。
次回更新は明日です。温かくお待ち下さいm(__)m




