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異世界転生したらヒロインや仲間が最強すぎて、なぜか護られています!  作者: 緑青白桃漠
第4章 課外授業に迫り来る黒い影と研究所からの脱出
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#15 牢獄に捕らわれたレンの救出

お待たせしました。15話公開です。レンを救出にファングとアリスが奮闘どうなる(。>ω<。)

 朝の太陽が降り注ぐ中、ファング、アリス、エレントはレンの手掛かりを掴んで、クロック王国の先にある山脈に足を運んでいた。


「エレント、本当にこっちであっているのか? どんどんクロック王国から離れているぜ! それに崖も険しくなってきたし」

【あっていますわ、レン様の魔力をビンビン感じてますから!】

「エレントさんが言っているんだから、間違いないでしょう! それにしてもこんな山奥にレン君がいるのかな?」


 三人がいる険しい山を必死に歩きながら、レンが居そうな場所を見渡していた。


「早く、レンを見つけたいな。エレントが感じる、レンの魔力が強くなっているって事は、かなり近いのかも!」

「そうだね! レン君は直ぐそこまで来てるかも知れないしね!」


 ファングとアリスはレンが近くに居ることが分かり、喜んでいたが、裏では憎しみなどを抱えていて、今にも爆発させそうで時々、笑顔とは裏腹に冷酷な一面を見せていた。それから山脈を歩き続けると、建物が見えてきた。


【レン様の魔力があの建物の中から感じます!】


 エレントが指さす方をファングとアリスが見ると建物の周辺に黒いローブの集団が建物の周りを囲んで監視していた。


「どうするアリス、攻め込むか!」

「待って、今攻め込むのはやめましょう!」

「何を言っているんだアリス、レンはもう目の前にいるんだぞ!」


 ファングは今にも飛び出してレンを助けに行こうとしたが、アリスとエレントに押さえられながら、夜に助けに行きましょうとファングに言っていた。


「アリス、さっきは悪かった。つい目の前にレンが居ることが分かって、無我夢中で行こうとして」

「ファングの気持ちは十分に分かっているわよ! 目の前にレン君が居ることが分かったら私だって飛び出しているわ! だけど、あの数だと直ぐに見つかって捕まるのがオチよ。今は夜になるのを待って私達の姿を暗闇に忍ばせて助けに行きましょう!」


 ファングとアリスは山脈の周りの岩壁から建物の様子を観察しながら、レンを救出する作戦を考えている。


「夜になったらファングと私は黒いローブの集団を引きつけるからその間に、エレントさんはレン君を助けに行って」

「待て、アリスそれは俺一人で十分だ!」

「ファング、何を言っているの、一人だけでは危険だわ!」


 アリスは、ファングと二人で黒いローブを引き付けると提案していたが、ファングは一人でやりたいと言っていた。


「大丈夫だよ、アリス! 俺を誰だと思っているんだ、それにこの憎しみを彼奴らにぶつけないと、収まらないんだ! それに俺を楽しませてくれそうだしな、どんな魔法や技がくるか楽しみだぜ」


 ファングは不敵な笑みを漏らしながら、早く黒いローブの集団と戦いたかった。


「それにアリスは、いち早くレンのもとに行ってやれ! 俺も行きたいけど、一番早く行きたいのはアリスだろう!」

「ファング、知っていたんだ。私の気持ち! でも、ファングを見捨てることは‥‥‥」

「心配するな、アリス! お前が悲しんだら多分、レンは危険な事をするだろう! だから、無事な姿をレンに見せてやれ! ただし、あの二人の時の表情だけはするなよ! 俺達のもう一つの顔をレンに見せたくないから」

「安心して、レン君の前ではしないわよ! むしろ喜んでレン君に抱き付くわ」

「アリス、その意気だぜ!」


 三人はその後も、レンが捕らわれている建物をエレントが姿を消して、建物の構造などを調べてもらい、ファングとアリスに伝えて、夜になるまでしっかりと作戦を立てていた。そして、夜を迎えて、三人はレンを救出するべく行動を開始していた。


「何だ、お前は!」

「ちょっと俺と遊んでくれよ!」

「何を言っ‥‥‥グフ」

「何だ、今の音は、建物の正面から聞こえたぞ」

「アリス後は頼んだぜ!」

「分かっているわ、ファング死なないでね! エレントさん行きましょう」

【分かりましたわ、アリスさん! ファングさんも気をつけて下さい】

「あぁ、分かってるぜ! ‥‥‥さてと、俺を退屈しないように楽しませてくれよ!」


 ファングは黒いローブの集団を引き付けている間、アリスとエレントは建物の中に潜入して、レンを探し始めたのだった。











 レンが牢獄に入ってどの位の時間が経つだろうか。未だに、助けが来なくて一人暗い牢獄の中で座り込みながら、レオスと契約した紋章を見つめていた。


 まだ、紋章が消えてないから、レオスが生体兵器にされる事はまだないけど、これからどうしようか! はぁ、喉が渇くし、お腹が空くし、僕はこのままあの男が言った通り、のたれ死ぬか!


 暗い牢獄の中で必死に飢えに耐えながら、ここから脱出する事を考えていた。


 しかし、周りをくまなく調べたけど、何もなかったな。せめて、何か脱出出来そうな穴があれば周りを削りながら脱出出来るのに穴すらなかったよ。


 牢獄は地下にあるため、脱出出来る穴すらなかった。


 僕はまた家族や仲間のもとに帰れないで死ぬのか! 家族が見たら何で危険な所に行ったんだって言われそうだな、特にレイジ兄さんは! それに友達になったファングとアリスは暴れていそうだな!


 暗い牢獄の中で一人弱音を吐きながら、自分が死んだ時の家族や仲間の表情を浮かべながら、自分の死を覚悟していた。レンは暗い牢獄の中で横になり、ほんの少しだけ眠りに入ったのであった。それからどの位の時間を寝てたか、目が覚めると暗い牢獄の周りが騒がしかった。


 何だ、上の階から足音がたくさん聞こえるぞ!


 上の階から地下の牢獄に向かって、足音が響いていた。その音は次第に大きくなり、足音以外にも人の声が聞こえていた。


 何だ、何か戦闘が起きているけど、仲間間で争っているのか?


 レンを助けに、ファングとアリスがこの建物に来ていること知らず、組織の仲間間での抗論だと思っていた。


 はぁ、この騒動中に脱出出来るのが一番良いけど、逃げられないしな、せめて魔法が使えれば!


 上の騒ぎに便乗して、紛れ込み脱出しようと考えていたが、魔法を無効化にされている檻の中にいるため、脱出することさえままならなかった。


 クソ、折角のチャンスなのに! 


 脱出出来る絶好なチャンスを逃して、牢獄の床を手で叩いていた。しかし、上の階から響いてくる音は消えず、未だにレンのいる牢獄に響き続いていた。


 あれっ! かなり時間が経ったけど、まだ上の階が騒がしいよ! どう言う事だ?


 一体上の階で何が起きているのか考えていると、レンの牢獄の奥から声が聞こえてきた。


「何だお前達は!」

「うるさい! サンダーボルト」

「ウァー!」


 牢獄の奥の方から、聞き慣れた声がしたが、その声は冷酷で冷たい声が響いていた。


 今の声はもしかしてアリスだよね、だけど何か喋り方が恐いんだけど! エレントちゃんと伝えてくれたんだ!


 助けが来たのか、ホッとして力が抜けるように牢獄の床に座り込んでいた。暫くすると、


【レン様!】

「レン君がいたの?」


 エレントがレンを見つけて、アリスは表情を変えてレンのもとに来た!


「レン君、無事だよね! 何これ、ウザいわね、ウォーターカッター。レン君、大丈夫!」

「グェアリス、僕、死んじゃうよ!」


 アリスは心配した様子でレンを抱きしめて泣いていた。


「アリス、僕は大丈夫だから、早く手を放してくれかな?」

「レン君、もう少しこのままにさせて、私達がどれだけ心配したと思っているの」

「ごめんアリス、生徒達を巻き込みたくなかったから」

「分かっているわ、レン君の事だから気を遣っていたのでょう! だけど、どうして私達を頼らないの仲間でしょう! もしレン君に何かあったら私‥‥‥」


 アリスはレンを強く抱きしめながら、今にも弱音を吐きながら泣いていた。


 はぁ、僕は悲しませるつもりはなかったけど結果的にアリスを泣かせてしまったな!


 アリスを泣かせてしまった事を悪く思い、今度同じ事が起きたら仲間を呼ぼうと心に誓っていた。それからアリスは衰弱しているレンを見て、軽い食事をさせながら、今の状況をアリスから聞いていた。


「えっ! ファング一人で戦っているの? 早く僕も行かないと」

「駄目よ、レン君。今は少しでもここで休んで、衰弱している体を回復させて、ファングなら大丈夫だから」

「だけど‥‥‥分かったよ! エレント、姿を消してファングの護衛に先に行って、僕達も後から行くから!」

【分かりましたわ、レン様! それとアリスさん、レン様を頼みましたよ】

「任せて、レン君は絶対に護って見せるから!」


 アリスの表情を見て、暫くここで体力を回復させている間、エレントにファングの護衛に行くように伝えて、エレントは姿を消してファングのもとに向かっていった。


 再会そうそう、アリスは何時もと変わらないな! だけど、助けに来た時のアリスは何か恐ろしい気配を感じたけど気のせいだったのかな?


 アリスは相変わらず、レンに対して護ってあげる意識が強く常に傍にいたが、レンを助けに来た時のアリスの声は何か人に対して冷たく、冷酷の感じがした。


「そうだ、レン君、これファングから預かった物だよ!」

「これは、ファングが買ってくれた剣なんでここに?」

「ファングが持ち出したんだよ、レン君の部屋からね! ファングがレンも戦えるようにって!」

「ファング‥‥‥」


 アリスはファングから預かった剣を渡して、装着させていた。


「アリス、そろそろ僕達もファングの援護に行こう」

「分かったわ、レン君。私達もファングを助けに行きましょう! その前にプロテクト! よし、これで大丈夫!」

「ちょアリスこれ何?」


 体力も回復してファングを助けに行こうとしたらアリスに防御魔法を掛けられていた。


 何で再会そうそう僕に防御魔法を掛けるんだ! でも今回は僕が招いた事だから、何も言える立場じゃないけど! 何で毎回護ってのフレーズが出るんだろう?


 レンは常々、ファングやアリスに護ってやると何時もつけ足して言っているので、そこが未だに謎に思っていた。二人はファングを助けるために、牢獄にある階段を上がり、外に出ると、既に戦いが終わろうとしていた。


「お前達は一体何者なんだ、何故我々の攻撃を交わせるんだ」

「お前、何を言ってるんだか分からないんだけど、俺をもっと楽しませてよ!」

「来るなぁ‥‥‥ウァーグフ」


 ファングは不気味な笑みをしながら、黒いローブの集団を倒していた。


 あれファングだよね。何、今の動き、それに何か冷たい気配や威圧感を感じるし、それに何か不気味な笑みをしながら戦っていたよ! 本当に僕の知っているファングなの?


 ファングの威圧感からかその場から動けなかった。


「ファング?」

「まだ、いるのか‥‥‥! レン、無事だったか!」

「ファング、苦しい、アリス同様に僕を殺さないで」

「悪ぃ、レンの無事な姿を見て興奮してしまった! でもレンが無事でよかったよ! レン頼むから二度俺達から居なくなるよなよ」

「ごめんファング、心配かけて今度からちゃんと呼ぶから」

「当たり前だ、今度俺達から消えたら俺怒るからな!」


 ファングは弱音を吐きながら、今にも泣き出しそうな声でレンの無事を喜んでいた。


「それよりもファング、戦っていた時のファングは別人のように見えたんだけど?」

「えっ! それはあれだよレン、暗い所で戦っていたから別人のように見えていたんだよ! レンの見間違いだろう! それにそんな俺がいたら恐ろしいだろう。なぁアリスもそう思うだろう」

「えっ! そうだね、そんなファングがいたらファングじゃないわ、レン君だって知っているでしょう。ファングはバカだから冷たい表情何か出来ないわ」


 ファングとアリスは何故か必死になりながら喋っていた。


「そうかな、確かに冷酷な感じがしたんだけど気のせいかな?」

「そうだぜ、レン! お前の見間違いだろう!」

「レン君は、衰弱していたから見間違いしたんだわ!」


 ファングとアリスは必死に裏顔を隠していた。


「危なかった、アリスサンキューな! レンにあんな姿を見られたら絶対拒絶されている所だったぜ」

「当たり前でしょう。私だってヒヤヒヤしたんだから、もう少し戦いには気を付けなさいよ! それにレン君の魔力を感じなさい。あんたレン君の魔力採取したんでしょう!」

「悪ぃ、つい憎しみが強くて、相手しか見えてなかった! 今度からはレンの魔力を感じながら戦うから!」

「今度、その顔をした時はそうしなさい。次レン君誤魔化せるか分からないんだから」

「ファングとアリス何、二人でコソコソ話してるの?」

「えっ! レンこれは‥‥‥ちょっとアリスに相談してるんだ」

「そうよ。レン君、ファングが私にだけ話したいと言っていたから!」


 ファングとアリスはさっきの事をひそひそ話していたが、レンが聞いてくると、二人の目線がレンから離れ、体を震えさせていた。


 ファングとアリスは何で体を震えさせているんだ。しかも何か目線を逸らしているけど? 

 

 ファングとアリスが話している内容を気にしていたが、レンの今後の事をはなしているだろうと考えていた。それからレンはファングとアリスにレオスの事を話し始めた。


「レオス君が生体兵器?」

「レン、それは本当なのか」

「うん、間違いないよ! 黒いローブの男が言っていたから!」


 レンはファングとアリスにレオスの正体が研究所で生み出された生体兵器だと教えていた。


「レン、助かったんだから! レオスを命令して呼べば終わるんじゃないか?」

「それは駄目だよ、ファング! 相手は古代魔法の事を知っているから、多分何か細工されている可能性があるから!」

「そうね! 相手はただ者じゃないから、迂闊に命令して、レオス君の身に何かあったらどうするの?」

「そうか、いい方法だと思ったけどな? 仕方ない、直接レオスがいる研究所に乗り込もうぜ!」


 三人はレオスが捕らわれている研究所に向かおうとしたが、場所を知らなかった。 


「レン、研究所の場所知らないのかよ?」

「いや、知らないよ、研究所に居ることは分かるけど場所までは」

「いや、研究所がありそうな場所に心辺りがあるわ!」


 アリスは確信はなかったが研究所のありそうな場所を話していた。


「そこに、研究所があるか分からないけど、この山脈を越えた先にある、平原にノウスノーの森があるわ!」

「ノウスノーの森?」

「そうよ、そこの森は一年中霧に包まれていて、一度森に入ると出て来られない森で有名だから、あそこに研究所があってもおかしくないわ! むしろ研究所を隠す場所には打って付けだから!」


 三人は確信がなかったがとりあえず、可能性があると思われる、ノウスノーの森に行こうと決めた。 


「エレント!」

【レン様、お呼びでしょうか】

「僕達はこのまま、ノウスノーの森に行こうと思うんだ。それで、エレントに僕達がノウスノーの森に向かったと先生達に伝えて欲しいんだ!」

【分かりましたわ、レン様! くれぐれも気を付けて下さい。私も伝えたらすぐ向かいますので!】


 エレントに伝言をお願いして、三人はレオスがいると思われる、ノウスノーの森を目指し歩き出したのであった。













 時間は少し戻りとある研究所の一室で、


「何、牢獄にいたガキが逃げただと!」

「はい、それが二人のガキにやられたと報告が来ています!」


 黒いローブの男、二人が研究所の一室でレン達の事を話していた。


「そんな馬鹿な事があるのか、たかがガキ二人にあの施設にいた全員がやられたと言うのか! レオス並の化け物がいるはずないだろう!」

「私も報告を受けて驚いているので! ですがこれでは、レオスを我々の手中に入れるのは困難では?」

「貴様、私に指図したな!」

「いや、そんな事はやめ‥‥‥て」


 報告をしていた黒いローブの一人が魔法で消されていた。


「フン、まぁ良い、おい、リハイル」

「ハッ、お呼びでしょうか、‥‥‥様」

「レオスと契約していたガキが逃げたした、助けたガキ諸どもを始末しろ!」

「宜しいのですか、殺してもレオスに知れたらまずいのでは?」

「レオスは今は気絶して寝ているから、俺達の声は聞こえない大丈夫だ! 必ず始末しろリハイル手下は何人連れて行っても構わん!」

「分かりました! ‥‥‥様」


 黒いローブの男の命令でリハイルはその場で姿を消していた。


「おいお前達、早急にレオスが細工した魔法を解析して何としてでもレオスを我々の手中に収める」

「ハッ、早急に急がせます!」 


 黒いローブの男は笑いながら、研究所の奥の部屋に入っていった。同じ研究所の別の一室では、


 うーん、僕いつの間に寝てたんだ!


 レオスは縄で張られた状態でかなり衰弱していた。 


「おい、聞いたか牢獄にいたガキが逃げたらしいぞ! ‥‥‥様がかなり怒っていた」


 扉の奥から男性の声が聞こえていた。


 レンお兄ちゃん、あそこの牢獄から脱出したのか、ファングお兄ちゃんとアリスお姉ちゃんが助けたのかな! レンお兄ちゃん、僕も頑張っているから、早く助けに来て‥‥‥ね!


 レオスは拷問で全身が傷だらけで、かなり衰弱していたが、レン達が牢獄から脱出したのを確認して安心したのか、再び眠りに付いたのであった。




次回更新は明日になります。暫くお待ち下さいm(__)m

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