#12 クロック王国へ課外授業
お待たせしました。第12話公開です。いよいよ課外授業、だけどその裏では‥‥(。>ω<。)
続きは読んでね(≧∇≦)b
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木々に桜が散り新緑が芽生え始めた頃、レン達はクロック王国での課外授業がやってきた。レンとレオスは学生寮から五日分の荷物を抱えて、集合場所のリズワール王国魔法騎士学園に向かって歩いていた。途中、アリスとファングも加わり四人はリズワール王国魔法騎士学園の集合場所である広場にいた。
「いよいよ課外授業だね。楽しみ」
既にレンは課外授業で行く、クロック王国の事で頭がいっぱいだった。
「レンお兄ちゃん、僕も課外授業楽しみ」
「レオス、課外授業だから余り勝手な行動しないようにね!」
「分かってるよ。レンお兄ちゃんに迷惑掛けないから」
レンはレオスを学生寮において行こうとしていたがレオスが課外授業に行きたいと駄々をこねていたので、召喚獣扱いで連れて行く事にした。
レオス大丈夫かな! 学生寮において行くと言ったらかなり泣かれたからな! とりあえず僕の傍にいれば大丈夫だろう!
エレンズの森で勝手にいなくなったので、クロック王国に行ったら色んな物に興味を示してふらっと何処かに行くのを心配していた。
「そうだな、レン。俺もかなり楽しみにしてたぜ課外授業! どんな事をするか分からないけど、チーム組む時は絶対に逃がさないからな」
「アハハッ、そうだね! その時はよろしくね」
朝から苦笑いでファングに答えていた。
課外授業始まる前から熱すぎるよファング。今回こそは別の人とチームを組んでやる!
ファングから逃げたいレンは今度チーム組む事があれば別の人と組もうと決意していた。
「それよりもアリス、アリスはクラス違うよね! 魔法科は剣武術科の隣でしょう!」
課外授業は三学科合同の授業の為に各クラスごとに集合して、先生の説明を受けてから移動する予定になっていた。
「まだ先生達が来てないから大丈夫! 少しでもレン君の傍にいたいの」
集合時間までまだ時間があるのでギリギリまでレンの傍にいたいらしい。
はぁ、アリスがいると生徒の目線が僕に向けられるんだけど!
学園での騒動以降、一時期は生徒の目線がかなり痛い状態だったが、今は生徒達が毎日のようにレン達の行動を見ている為、少しずつ落ちつきを取り戻していた。だが一部の生徒達は未だにアリスを奪われた事を妬んでいる為、時々レンに睨みを効かせていた。集合時間になると、アリスは魔法科のクラスに行き各学科の先生の説明を聞いていた。
「魔法騎士科の皆、約一月振りだな。授業はまだ魔法しかやってないが、クロック王国へ行ったら、実践形式の授業や集団行動の授業を行ってもらうぞ! 詳細はクロック王国に着いたら改めて説明する! それと最終日はクロック王国の観光を予定しているから、何処を回るか後で紙に書いて貰うからな! それじゃ、荷物を馬車に積み込んで、各五人ごとに乗りこめ、全員馬車に乗ったら出発する! 移動まで半日掛かるが着き次第簡単な授業を始める!」
ベリット先生の説明を聞いた後、馬車に荷物を乗せてレン、ファング、レオスは馬車に乗り込もうとした時、
「レン・フォワード君、君の隣にいる猫耳の生徒はいたか?」
ベリット先生は魔法騎士科の生徒にレオスがいたか聞いていた。
えっ、エレイン先生。レオスを召喚獣として先生達に伝えていたのではないのですか?
ベリット先生が不審そうにレオスを見ていたのでかなり焦っていた。
「ベリット先生、この子は僕の召喚獣でレオスって言うんです! 猫科の種族で凄い魔法の使い手なんです」
恐る恐る、レオスの事を正直に伝えると、
「ほぅ、この子がエレイン先生が言ってた、召喚獣か! 私も召喚獣を初めて見るが、レン・フォワード君は可愛い子を召喚したんだな」
ベリット先生はレオスの頭を撫でまわしていたが、レオスは嫌がってレンに抱きついていた。
「おや、嫌われてしまったかな、でもその召喚獣かなりレン・フォワード君に懐いているな、召喚獣は余り懐きづらいと聞いているが、ここまで懐かせているとは相当努力したんだな! しかも、召喚獣を控えさせないでレンの傍にいるとは相当その子を信頼してるんだな!」
ベリット先生はレオスを手懐けている事を称賛していた。
「それでベリット先生、レオスを連れて行っても良いですか。僕の傍にいさせますので!」
レンはベリット先生に尋ねると、レンが手懐けているだろう。それにお前と契約している召喚獣なら問題ないと言っていたが、生徒達に危害を加えたり、破壊行為をしたら召喚獣を連れて行く事を禁止すると言われた。
「フゥー、何とか誤魔化せたよ」
「危なかっなレン、俺、かなりヒヤヒヤしたぜ」
「いや、僕の方が一番ヒヤッとしよ。レオス、ベリット先生が言った事ちゃんと守ってね!」
「分かったよ。レンお兄ちゃん、僕、約束守る」
レン、ファング、レオスが馬車に乗り込もうとした時、魔法科の馬車の方がかなり騒がしかった。
「何だ、生徒間で喧嘩か?」
「分からない、でも魔法科の方が騒がしいね!」
レンとファングは騒がしい魔法科の方を見ていると聞き慣れた声が怒号のように聞こえていた。
「何で、魔法騎士科の生徒の馬車に乗っては行けないんですか? 移動くらい、自由に馬車に乗っても良いでしょう! 私はレン君と同じ馬車に乗りたいの」
魔法科が乗る馬車の方からアリスの声が響いていた。それを先生達が押さえて無理やり先生達が乗る馬車に押し込まれていた。
「何やっているんだあいつは?」
「さぁ、見なかった事にしよう」
アリスの大胆な行動に呆れながら、レン達は馬車に乗り込んで、クロック王国へ向けて出発した。
「馬車に乗るの初めてかも」
「ウァー、レンお兄ちゃん凄いよ。僕達動いてないのに移動してる」
「そうだねレオス、でも余り馬車の窓から体を出さないようね」
レオスは馬車の窓から体を出すように、周りの景色を眺めていた。
「レンは、馬車に乗るの初めてなのか?」
「そうだね! 移動する時はずっと歩きだったから、こうしてゆったり出来るのはいいね!」
「ヘェ、レンはずっと移動は歩きだったんだ! 俺は貴族だから何回か乗っているが、俺もレンを見習って歩きで移動しようかな!」
「いや、僕に付いてくる時、ずっと移動は歩きだったよね!」
「あっ、確かにそうだな。それならずっとお前にいれば歩きで修業になるぜ!」
レンはレイジ兄さんの空間移動以外は歩きで移動していたので、初めて馬車に乗ってこんなにも楽出来るんだと思っていたが、やはり自分の足で歩いて自由に移動した方が色んな所を回れて楽しいと感じていた。
ファングはいちいち僕について行く、趣旨を付け足して言ってくるよな!
レンはどうしたらファングから離れられるんだろうと、馬車の中で考えていた。
「それよりもアリス大丈夫かな! 先生達に押し込まれていたけど」
「大丈夫だろう! 何時ものことだし、多分着いたら真っ先にレンに抱きつくと思うぜ!」
「それだけは勘弁して欲しいな! 生徒達の視線が痛いから」
レンとファングは今朝、先生達に押し込まれていたアリスの事について話している最中だった。一方で先生達と一緒に馬車に乗っているアリスは、
「クラック先生、馬車を止めて下さい。私はレン君のもとに行きたいんです。ファングだけレン君の独り占めはずるい」
「アリス・ステイ、いい加減にしなさい。あなたは新入生代表で新入生の鑑なんですよ。それなのに何ですかあの大きな声は! 確かにアリス・ステイが好きな子が魔法騎士科にいるのは知っていますが今は授業中です。授業が終わるまで我慢しなさい」
「それでも、私はレン君の馬車に乗りたいんです。ダメですかクラック先生」
「駄目です。いい加減諦めてください」
アリスの乗っている馬車の中では、先生達が頭を悩ませていた。昼食は移動する前に各生徒達にお弁当を渡されていたので移動中の馬車の中でお弁当を食べて、昼過ぎには目的地のクロック王国についていた。
「ヘェ、ここがクロック王国なんだ! リズワール王国とまた違うね」
「俺もクロック王国に来るの初めてだが、確かに俺のいた国と違うな」
レン達が来ているクロック王国は、近くに山脈が沢山あるため、鉄鋼業が盛んな地域である。そのため、街並みが工場見たいな建屋が沢山あった。また山脈の反対側は森が広がっていてそこにエルフがいると噂されている。
「なんか、武器屋やアクセサリー売り場が沢山あるね」
「そうだな! 鉄鋼業がそれだけ盛んな国なんだろう」
レンとファングは馬車の窓からクロック王国の街並みを眺めていた。馬車は学生達が泊まる宿に着いて止まると生徒達は馬車から荷物を取り出して、先生達の指示で整列していた。
「よし、皆荷物は降ろしたな! これから四泊五日間の間お世話になる宿、リベールハンス宿の店主アルゴリ・マックだ」
「リズワール王国魔法騎士学園の皆、よく来てくれましたね! 私はこのリベールハンス宿のアルゴリ・マックです! これから生徒達の皆は課外授業の間、この宿に泊まる事になりますのでよろしくお願いします。分からない事があったら遠慮しないで言って下さい」
「それでは、生徒達の部屋だが一人一人の個室になっている。各自部屋は立て札が付いているから名前を確認して、荷物を置いたら再びここに集合しろ。集合後は各学科に分かれて授業を行う!」
リベールハンス宿の店主や学園の先生達の説明を聞いた後、レンとレオスは立て札を一つ一つ確認しながら、部屋を探していた。自分の名前を見つけて、部屋に入ると荷物をおいて、ベッドに座り込んでいた。
まさか、一人部屋だと思わなかったよ。課外授業などがあるから、学生専用の宿を作ったのかな? それにしても大きい宿だよ! その分、ファングとアリスがいないから落ちつくけど!
大きな宿に驚きながらも、いつも頭を悩ますファングとアリスが部屋に居ないだけで幸せそうな表情をしていた。
「レオス、これら課外授業だけど一緒に来る?」
レオスを一人部屋に居させるのは可愛そうなので付いてくるか聞いていた。
「うん、僕、レンお兄ちゃんの課外授業に行きたい!」
「分かったよ! くれぐれも僕から離れないでね!」
「分かったよ! レンお兄ちゃんとの約束守る!」
レンとレオスが話していると扉を叩く音が聞こえて来たので、扉を開けると、
「よっレン! お前まだ集合場所に行ってなくてよかったよ」
「ファング、何しに来たの?」
「いや、レンと部屋離れているから俺寂しいんだよ。だから少しの時間でもレンと過ごしたいと思ってわざわざ来たんだぜ」
「へぇ~!」
ファングはほんの僅かな時間でもレンの傍にいたいみたいだ。
何でいちいち僕の部屋に来るんだよ! 暫く課外授業でどこも行かないのに!
ファングを見て、ため息を吐いていると、宿の通路から走って来る足が聞こえて来た。
「レン君、見つけた!」
「アリス、何で僕の部屋に?」
「そんなの簡単でしょう! 移動中、レン君と一緒にいられなかったから少しでも、レン君の姿を確認したいの」
アリスもファングと同様に同じ事を言っていたので、レンは頭を抱えていた。
一人部屋なのに僕の安らぎの場所はどこに行ったの? これじゃ、消灯時間までゆっくり出来ないよ!
四人は集合場所に集まり、アリスはまた授業が終わったら部屋に行くねと言って魔法科の方に向かった。
「それじゃ、魔法騎士科の生徒がちゃんといるか点呼を取るぞ! 一人一人の名前を呼ばれたら返事しろ!」
ベリット先生が一人一人の名前を呼んで生徒達の確認をした後、歩きで近くの広い草原に移動していた。
「それじゃ課外授業を始める! 今日は初日で時間も余りないので、二人組になって、実践形式の剣の打ち合いをして貰うぞ! それじゃ、一人一人に木製で作った剣を渡すから好きなの受け取れ!」
ベリッド先生の指示で、魔法騎士科の先生達が木製で作った色々な剣を魔法で取り出し、生徒達に渡していた。
今度こそ、ファング以外の生徒と組めるようにしないと!
周りを見渡しながら、相手になってくれる生徒を探していると、後ろから誰かに抱き付かれた。
「レン、どこに行くつもりだ!」
「何処って、僕は相手になってくれる生徒を探しているんだけど」
「だったら、俺がいるだろう? 他に探す必要ないだろう!」
「えっ、それはそうだけと‥‥‥」
ファング以外の生徒と組もうとしていた時にファングに捕まり、かなり嫌な表情で肩を落としていた。
何で毎回、僕の邪魔して来るんだよ! ファングのバカ! 僕はファングの保護者じゃない!
結局、ファングから逃げられなかったレンは嫌な表情を浮かべたまま組むことにした。
「それじゃ、二人組になったな! 今日は剣の打ち合いだから、お互い怪我の無いようにやってくれ! 対戦相手は対戦後何処が悪かったか、お互いにアドバイスをしてやれよ! それじゃ、時間になるまで剣の打ち合いをしてくれ!」
ベリッド先生の指示で各生徒達が剣の打ち合いを始めていた。
「それじゃレン、俺達もやろうぜ! お前の実力見てみたいしな!」
「分かったよ! 僕もファングと対戦するの楽しみだよ。レオスは危ないから、少し離れて見ていてね」
「分かったよ、レンお兄ちゃん。怪我だけはしないでね」
「大丈夫だぜレオス、これは授業だからそんなに本気にやり合ったりはしないぜ!」
レンとファングは互いに見つめ合い、木製の剣を構えた。レオスは、少し離れてレンとファングの戦いを見守っていた。
「レン、掛かってこいよ! 俺はここから動かないから」
「えっ! ファング動かなくても大丈夫なの?」
「あぁ、お前がどの位、剣が扱えるかみたいしな! お前の剣を全て捌いてやるぜ」
ファングは自信満々に言っていた。
ファング、随分余裕だなぁ! ここでファングに認めさせれば、今度こそ、近接戦をやらせてくれるかも!
今まで、モンスターに遭遇する度に何故か後方支援の魔法に特化していたので、ファングに自分の実力を見せ付けて、考えを改めさせようと考えていた。
「それじゃ、ファング行くよ!」
「あぁ、掛かってこいよレン!」
剣を構えて走り、素早く剣を振るとファングに軽く剣で受け流されていた。
「レン、中々やるじゃないか! でもこのくらいじゃ俺には勝てないぜ」
「そうだね、ファングがあの速さで剣を受け流す何て凄いよ!」
お互いに称賛しあっているが、レンは一撃でも剣をファングに当てたかった。
何とかしないと、このままだと僕、ずっと後方支援になるよ! ファングに当てる良い方法はないかな‥‥‥あっ、あれを試してみよう! 上手くいくと良いけど?
ファングから数歩後ろに引いた後、一呼吸して再び木製の剣を構えた。
「ファング、今度は一発当てるからね」
「おう、その意気だぜレン! 今度もお前の剣を受け流してやるぜ!」
再び走り出したレンは、素早く剣を振った。ファングも剣でレンの剣を捌こうとした時、突然ファングの視界からレンが消え、気が付くとレンの強烈な一撃を背中に食らい地面に蹲っていた。
「イテー、今のはかなり体に来たぜ」
「ファング、大丈夫? ちょっとやり過ぎたかな?」
「いや、大丈夫だ。まさか、レンが俺の背後に入るなんて思わなかったから油断したぜ」
ファングは地面に蹲っていたが、暫くすると立ち上がった。
「レン、今のは凄かったぜ! どうやってあんな短時間で俺の背後に回ったんだ!」
ファングが興味津々に尋ねてきていた。
「それは、一時的に魔法を使ったんだよ。ブーストの魔法を使って一時的に瞬発力を上げて、素早くファングの背後に回ったんだよ」
「レン、そんな高度なテクニックを使っていたのか! 流石、レンだぜ! 俺も負けてられないな!」
ファングはレンの動きに驚きいていた。それから、二人は互いにに剣を交わし合い、時々レオスにも木製の剣を持たせて、レンとファングの対戦相手になったりして、遊戯に活動していた。
「よし、今日の授業はこれまで、各自木製の剣を先生に渡したら、夕食の時間まで好きに過ごして良いぞ! ただし、夕食の時間には遅れないように、場所は宿の一階の大広間で行う!」
ベリッド先生から今後の予定を説明して、生徒達は夕食の時間まで各自別行動を始めていた。
「レン、俺達も夕食まで何処か行こうぜ」
「いや、今日は打ち合いで疲れたから宿で休もうかなと! アリスも多分いるから、僕が勝手に行動すると何言われるか分からないからね」
ファングとの打ち合いで疲れていたが、それよりもアリスが気になっていた。アリスはこれまでもレン君に対しては、勝手に行動するときは必ず言ってねと一点張りで、勝手に行動すると何をしでかすか分からない為、アリスの行動でいつも頭を悩ませていた。三人は歩きながら、学生達が泊まる宿に向かっていた。宿に着くなり、アリスが待っていたので、レンの泊まる部屋に入り夕食までの間、楽しく会話している。
「レン君は今日はどんな授業してたの?」
アリスは魔法騎士科の授業内容が気になっていた。
「今日は二人組になって剣の打ち合いをしたんだよ!」
魔法騎士科の授業を説明していると、
「レン君、打ち合いしたの怪我はない?」
アリスがかなり心配していた。
「大丈夫だぜアリス、対戦したの俺だから! それよりもレン君の剣裁き凄かったぜ」
ファングはレンと打ち合った感想をアリスに話していると、
「ファング、ずるい。私もレン君と一緒に組みたかった」
「いや、お前学科違うだろう!」
「何ですって、ファング! 毎回、ファングばかりレン君を一人じめしてずるい! 私もレン君が魔法騎士科に入る事を知っていれば入っていたわよ!」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて!」
レンの取り合いで喧嘩しているファングとアリスを見て深いため息を吐いていた。
毎回、一言が余計だよファング!
夕食の時間になり四人は宿の大広間で食事を取ったあと、就寝時間までの間レンの部屋で過ごしてから、各自の部屋に戻りレンとレオスは二人仲良くベッドで眠り、今日一日の課外授業が終わったのであった。
その日の夜、クロック王国のとあるギルド内の酒場で、
「なぁ、聞いたか今、リズワール王国魔法騎士学園の生徒達が課外授業でこっちに来ているらしいぜ」
「へぇ、だから夕方頃子供達が沢山いたんだな!」
二人組の中年男性がリズワール王国魔法騎士学園について話していた。
「そうだぜ! しかも生徒達の中に猫耳の少年がいたんだぜ!」
「珍しいな、最近の学園は色んな種族を入れているのか?」
「多分そうだぜ! あそこの国は人種問わないと有名だからな」
二人が魔法騎士学園の話題で盛り上がっていると、
「ほう、その話詳しく聞かせてくれないか?」
酒場にいた一人のローブの男が二人組に話してきた。
「別に構わないけど、お前もリズワール王国魔法騎士学園が気になるのか」
「あぁ、そうだ。特にさっき言っていた猫耳の少年について見た事を教えてくれ!」
「猫耳の少年に何かあるのか?」
「別に、ただクロック王国には居ないから興味があってな」
「あぁ、そう言う事かなら見たまんま話してやるぜ!」
二人組のうち一人が、ローブの男に見た事を話していた。それから数時間後、ローブの男は二人組に挨拶をしたあとキルド内の酒場を後にして、クロック王国の街並みの人混みがない場所を歩いていた。
「フフフッ、やっと見つけたぞ、あのくそガキ! あの時は研究所から脱走されて、行方知れずだったがまさかリズワール王国魔法騎士学園の生徒に紛れ込むとは! おそらく学園に保護されて学んでいるんだろう! おいお前達!」
ローブの男が呼ぶと、複数の黒いローブの集団が現れた。
「お呼びでしょうか? ‥‥‥様」
「あぁ、研究所から脱走したあのくそガキを見つけた」
「それは確かな情報でしょうか?」
「あぁ、間違いないだろ! 特徴が同じだからな! だからあのくそガキを回収しろ! 最悪の場合、主従関係の契約をされている可能性もある。その時はその契約者も連れてこい! 契約している場合はあのくそガキの首に契約の紋章が刻まれているはずだ!」
「契約者を始末するのは駄目なんですか?」
「契約者を始末したら、あのくそガキが覚醒してしまう可能性がある。覚醒されるとやっかいだ!」
「分かりました、直ちに回収に向かわせます!」
「あぁ、頼んだぞ、それと万が一間違いだった場合は始末して構わん。見られた者は生かすな! 私は先に研究所に戻っている」
「御意!」
ローブの男が命令すると、黒いローブの集団は一斉にその場から消えた。
「フフフッ、これで、諦め掛けた私の計画が再び復活出来るとはな! さぁ、早く私の元に戻っておいでレオス!」
ローブの男は魔法を使って、その場を後にした。この時のレン達はまだレオスが狙われていることを知らずに課外授業を受けていたが、危機がすぐそこまで迫っていた。やがて起きる事件が課外授業に来ている生徒達全員を巻き込む事になるとは、この時点ではまだ知るよしもなかった。
次回更新は未定です。温かくお待ち下さいm(__)m




