#11 リレクド洞窟の試練と伝説の剣
お待たせしましたm(__)m第11話公開です。エレイン先生の言っていた洞窟に来たみたいレン達はどんな冒険をするのかな(。>ω<。)
エレンズ森の調査・討伐から一週間が経ち、本来なら新しく見つかった洞窟を探検する予定だった。しかし、エレイン先生が新しい洞窟を学生ギルドの生徒達に伝えていたので、新しい洞窟には学園の生徒達などが多数詰めかけていたので、洞窟内をゆっくり探検・調査することが出来なかった。洞窟に行くつもりだった四人は学園の生徒達などが少なくなるまでの間、レオスの特訓に付き合ったり、リズワール王国周辺を散策したりしてつかの間の休息をしていた。そして、レン達はいまリズワール平原の西側にある洞窟、リレクド洞窟に向かって歩いていた。
「そろそろ、生徒達が減っていれば良いね!」
「そうね、レン君。前、洞窟に行ったら人がたくさんいて断念したからね」
「レン、一週間も経てば、人減るんじゃないか?」
「マスター、洞窟に何人いるか調べるか?」
「いいよレオス君。今日は人が居たとしても、探検するから」
「分かったマスター。それとマスター、君付けしなくても大丈夫!」
レン達は新しい洞窟をエレイン先生に聞いた翌日に一度来ているが、その時は洞窟の入り口に生徒達がたくさんいて、入るのを断念していた。それなので今回こそは、洞窟を探検しようと意気込んでいた。歩く事数時間後、目的の洞窟に着いた。
「たいぶ人が減ったね」
レンは洞窟の入り口を見て言っていた。
「レン君。分からないわよ。もしかすると中に生徒達がたくさんいるかも?」
アリスはレンに入り口付近は確かに人は減っているが、洞窟内で生徒達が依頼などしている可能性があるからどの位減っているか分からない状態だった。
「確かにそうだね。洞窟の中に生徒達が居てもおかしくないね」
レンは自分で納得していた。
「それよりもレン、一週間経ったからめぼしいお宝とか既にないんじゃないか?」
既にエレイン先生から言われて一週間が経っているので、その間にも他の生徒達がお宝を手にしているとファングは考えていた。
「それならファング、生徒達が通ってない道を通れば良いんじゃないかな? 洞窟内は幾つも分岐しているからもしかしたら通ってない道があるかも」
レンは洞窟内は迷路の用に幾つも分岐していると考えていた。
「レン君。まだ私達、洞窟内に入ったこと無いのに大丈夫?」
レンの発言でアリスは不安になっていた。
「まぁ良いじゃんかレンが言うなら俺達は付いて行くだけだから。それよりも早く入ろうぜ」
「マスター、マスターの横にいても大丈夫?」
ファングは気楽にしていたがレオスは、洞窟内が恐いのかレンの傍に付いて歩きたいと言っていた。レン達は洞窟内に入り、探検を始めていた。
「洞窟内は若干暗いね。レオス大丈夫?」
「大丈夫。マスターの傍にいるから、それにファングとアリスもいるから」
レオスは、若干体を震わせていたが、レンの傍に付いて行くように歩いていた。
「それよりも、新しく洞窟を発見した割には、大分整備されているわね」
「多分、ギルド支部が調査したから、その時に整備したんだよ」
洞窟内は道が整備されていて、辺りには松明が等間隔に置かれていた。レン達は洞窟の奥へ足を進めていた。
「しかし、何処まで続いているだ? まだ広い所に出ないんだけど」
洞窟内は比較的横幅が広く、数人が横に並べる広さで、レン達が歩いている所は、分岐などが無い一本道である。
「こんなに単調な道なら、生徒達も一回来れば充分みたいな感じだね」
「そうよね。こんなに分かりやすい道で何も無いし。あるとすれば洞窟の岩肌削って原石取り出すだけかしら?」
レン達は洞窟内を奥へ歩いているが、ずっと一本道の為、落胆していた。レン達は更に奥に行くと、かなり広い空間に出た。
「かなり広い空間に出たね。それよりも洞窟の道はこれだけ?」
レン達は広い空間に出たが、周りは生徒達が原石を掘っていたのか、所どころ洞窟の岩肌が削られていた。
「せっかく来たのになんか残念だなレン?」
「そうだね。てっきりもっとダンジョンみたいに入り組んでいて、お宝などあると思ったのだけど!」
レンとファングは、洞窟内を探検して、お宝を探そうと考えていたが、洞窟内は既に行き止まりの為がっかりしていた。
「レン君。せっかく洞窟の奥まで来たのだからとりあえず洞窟内を調べてみましょう。何もないかも知れないけど、せっかく来たんだから」
アリスに促されて、レン達は洞窟を調べ始めた。レンとレオスは洞窟内の岩肌を調べて、ファングとアリスはファングが掘った石をアリスが調べていた。
「ウーン、洞窟の岩肌を調べるって言っても、特に何もないと思うけど? レオス何か見つかった?」
「マスター、岩肌を調べているけど、特に何も変化はないよ」
「分かったよ。レオスとりあえずこの空間の岩肌を一通り確認しようか!」
「分かったよマスター。マスターの為に頑張る!」
レンとレオスはとりあえず広い空間の岩肌一面を一通り回りながら洞窟の岩肌を調べていた。一方でファングとアリスは、
「ファングさっさと岩肌を削りなさい。何か珍しい原石が出るかも知れないし!」
「アリス。掘っているの俺なんだけど、アリスは見ているだけだよな?」
「そんな事ないでしょう。ファングが掘った石を私が鑑定してあげているんだから、鑑定するにも体力が必要なの!」
「それ、掘らない人が言うセリフか、そんなに欲しいのならアリスが掘れば良いんじゃないのか?」
「なんですって!」
ファングとアリスは喧嘩しつつも、作業を進めていた。レン達は一通り調査した後、話し合っていた。
「ファングとアリスは何か見つかった?」
レンはファングとアリスの調べた原石が気になっていた。
「何もなかったぜレン」
「そうね、ファングに掘ってもらった石を見たけど普通だったわ」
ファングとアリスは洞窟の岩肌を削って石を調べたが普通の石しかなかった。
「レンの方は、洞窟の岩肌を調べて何かなかったのか?」
「それが、一通り見たけど特に何もなかったよ、けどレオスが気になる部分があると言っていたんだよね」
レンはファングとアリスに説明した後、レオスが気になっている、洞窟内の右奥の岩肌に来ていた。
「なぁレオス。この岩肌に何かあるのか?」
ファングの見ている岩肌は周りの岩肌と変わらないので、気になると言っていたレオスに聞いていた。
「うん、この先に何かある!」
レオスは言っているが、レン、ファング、アリスは岩肌をくい入る用にみたり、岩肌を叩いてみたりしていた。
「特に何もないよね」
「そうね。ただの岩肌の壁だよね」
「なぁレオス、本当にこの先に何かあるのか?普通に行き止まりだぞ」
「本当にこの先に何かあるの! マスター僕を信じて!」
レン、ファング、アリスはレオスが言った場所をくまなく調べたが、特に変わった部分は無かったが、レオスが必死に何かあると言っているので、どうしようか三人は考えていた。
「どうする。レオスが何かあると言っているけど、この先進めないよね?」
「レオス君が言っているのなら、この岩肌を壊すしかないわね!」
「ちょっと待てアリス、下手したら俺達生き埋めになるぞ!」
三人はこの先をどうやって行こうか考えていたが良い方法が見つからなかった。するとレオスが何か唱え始めた。
「ちょっとレオス、何をするき」
レオスの行動を見て、三人は慌てていた。
「レオス君。ちょっと落ち着いて」
「そうだぞレオス、まさか俺達を生き埋めにするきか?」
「大丈夫、マスター達を生き埋めにしないから!」
レオスが大丈夫と言っていたが、三人はいまにも死にそうな表情をしていた。
「グランドテレポーテーション」
レオスが唱えるとレン、ファング、アリスはレオスが唱えた魔方陣にすっぽり入り、淡い光に包まれ始めた。
「ちょっと待てレオス、何ここの魔方陣は?」
「大丈夫マスター、隣の空間に移動するだけだから」
「レン君。ちょっとやばいよ私達魔方陣に入っているよ」
「レオス、まさか俺達飛ばされるのか?」
三人はかなり焦っていたが、レオスの魔方陣に入っていた為逃げられなかった。そして、四人は光に包まれて洞窟の岩肌の奥へ移動していた。
「ここは?」
魔方陣が消えて目を開けるとそこは暗闇で何も見えなかった。
「ちょっと待ってね! 今、明るくするから。フォトン!」
アリスが魔法を唱えると光の玉がアリスの手のひらに出来て、辺りを照らしていた。
「何ここ、洞窟の中だよね。入り口側行き止まり何だけど?」
洞窟の奥へは続いているが、肝心の出口がなかった。
「もしかして、私達レオス君の魔法で隣の空間に移動したんだわ」
「嘘だろうレオス。お前そんな事出来るのか? だけど帰る時どうするんだ」
「大丈夫、帰りも同じ魔法を使えば帰れる!」
三人はレオスの魔法を驚いていた。レン達は、レオスの魔法で隣の空間に移動した、洞窟内を奥に進めて足を動かしていた。
「この洞窟何処まで続いているのかな?」
「分からないわ。ここは、ギルド支部が調査してない場所だから整備されていないからね」
「レン。歩くしかないだろ。何か出て来たら俺達が護ってやるから」
「僕もマスターを護る!」
「アハハハ、ありがとうファング、レオス。でも、やり過ぎて僕達を生き埋めにしないでね!」
何処まで続いているか分からない洞窟内を四人は、不安な表情を示さず、むしろ誰も見つけていないお宝があるんじゃないかと、ワクワクしていた。それからどの位洞窟内を歩いただろうか、四人は洞窟内のかなり広い空間に出ていた。
「何ここ、凄い空間に出たのだけど。それに洞窟内の岩肌に何か書いてあるよ?」
レンが指差した、洞窟の岩肌を見ると文字が書かれていた。
「何だこの文字、全然読めないんだが?」
「こんな文字見たことないわ? 本でも書いてない文字だわ」
三人は洞窟に書いている文字を見て、解読出来ないか考えていると、
「古の岩を目覚めし者、二つの対に成すとき新たな試練が彼らに待つ。古の岩の試練乗り越える者、その先に新たな‥‥‥」
「えっ!レオス君読めるの?」
三人が考えてる横でレオスが書かれている文字を読んでいた。
「うん、読めるよでも途中で途切れて読めない」
三人はレオスが読めることに驚きつつも、レオスが言った意味を考えていた。
「どう言うことだろね。古の岩を目覚めし者って?」
レオスが最初に言った部分について考えていた。
「恐らくは、何らかのモンスターが出て来て戦えってことかしら」
「それって危険だよね」
アリスは、レオスが言った意味を考えて話していたが、レンの表情は暗くなっていた。
これって何かやばい気がするんだけど! でもここまで来たのに引き下がるとファングが何か言い出しそうだし!
不安に思っていると裏腹にファングが何か見つけていた。
「なぁレン。レオスが言ってた二つの対ってこれじゃないか?」
ファングが指差した所を見ると両端に松明らしき台座があった。
「レンこの台座見みたいな所に何かやれば、レオスが言ったことが起こるんじゃないか?」
ファングは何が起こるのか、ワクワクしていた。
何かもう逃げられない感じになって来たのですが! やだよ。下手なことして死にたくないよ!
レンは既に不安だらけで、ファング達の行動から逃げられることが出来なった。
「レン、何もしないで帰るつもりか? レオスが言ったことをすれば、お宝が見つかるかも知れないぜ?」
「それはそうだけど‥‥‥」
躊躇していた。確かに新しく見つかった洞窟ならお宝があるんじゃないかとワクワクしながら洞窟内を探検していた。しかし、ギルド支部の調査がない場所で万が一何か起きたらレン達は対応出来るのか不安だった。だがファングとアリスは、折角洞窟に来たんだから何か一つでも見つけて帰りたいとレンを説得していた。
「ねぇ、本当にやるのファング、アリス?」
「あたり前だろうレン。折角洞窟に来て、しかも凄いお宝が見つかるかも知れないんだぜ」
「レン君。折角レオス君が連れて来てくれたのだから、レン君が応えてあげないとレオス君悲しむよ」
「ウッ、確かにそうだけど‥‥‥」
ファングとアリスは早くやろうと言っているがレンは乗り気ではなかったが、チラッとレオスの方を見るとレンを見つめていたので渋々やることを決めた。
「それで、この台座に何すれば良いの?」
松明らしき形をした台座を見ながら魔法が得意なアリスに聞いていた。
「おそらくレオス君が言っていた二つの対とはこの台座を示しているから、台座の上にある松明らしき台に二人同時に灯せば良いと思うのだけど?」
アリスの説明を三人が聞いて、アリスとレンがそれぞれ台座に移動して、ファングとレオスはその様子を見ていた。
「それじゃレン君いくよ!」
「うん、いつでも良いよアリス」
アリスの掛け声と一緒に台座の松明らしき台に火を灯すと、岩肌に書かれている文字が光だしやがて、その場所に新たな道が出来ていた。
「マスター道が出来ているよ!」
「レン、文字が書かれていた岩肌が消えて道が出来ているぜ」
「凄いわ、おそらく台座に火を灯した事で隠された道が開かれたんだわ」
「もしかして、これも魔法の一種なのさっきまで岩の壁だったよね」
四人は道が出来た事に驚きながら、新たに出来た道を歩いていると、
「ガッタ!」
「えっ!」
振り向くとさっき通った道が塞がっていた。
嘘だろう。僕達閉じ込められたの。ファングとアリスが余計なこと言わなければ‥‥‥。
暗い表情で一人だけ頭を抱えていた。
「レン。悩んでも仕方ないだろ。とりあえず行ってみようぜ!」
「そうね。悩んでもここから出られるわけないし進みましょう!」
「大丈夫、マスターは僕が護るから」
ファングとアリスはこの先が気になるのかかなりワクワクしていた。その隣にいるレオスはレンを護ってあげると励ましていた。
ファングはともかくアリスまでノリノリ何だけど、何でそんなに気楽にいられるの? 不安になったりしないの? しかもレオスまで僕を護ってあげるとか一体何なんだよ!
三人の気楽すぎる態度に呆れていると、洞窟内の奥から松明が次々に灯り辺りが明るくなった。
「レオス、レンに魔法を掛けておけ、この先に何かいる!」
さっきまで気楽すぎるファングが一変険しい表情に変わっていた。
「分かった。今、魔法を掛けるね! プロテクトバリア!」
レオスが魔法を唱えると一人だけ、ダメージを軽減するバリアが張られていた。
「あのうファング、何で僕だけプロテクトバリアを掛ける必要があるの?」
ファングの発言に一人だけ、不満を漏らしていた。
「何言っているんだレン、お前に何かあったら困るだろう。俺達はお前を失いたくないんだ」
「そうよ。レン君。ファングの言うとおり、もしレン君を失ったら私生きていけないわ」
ファングとアリスが必要以上に熱弁をしてくる。
何言ってるのこの二人は? 何で僕、ファングとアリスの保護者みたいになっているの? しかも僕だけ防御魔法掛けてあるよね普通全員に掛けるんじゃないの?
ファングとアリスの言動に頭を痛めていた。
「ねぇ、ファング達は防御魔法掛けないの?」
一人だけ防御魔法を掛けてあるのにファング達は掛けないのか聞いていた。
「何言っているんだレン? 俺達は掛けなくて大丈夫だぞ」
「レン君大丈夫よ。私達は強いから」
「大丈夫。マスターはしっかり僕が護るから」
「いや、何言ってるの皆? おかしいよね。せめてレオスだけでも防御魔法掛けてあげてよ!」
ファング達に防御魔法を掛けるように説得したが自分達は大丈夫と一点張りで従わなかった。
何なのこの二人は頭おかしいよね! 自分達が強いとかフラグ立ててるよね? 二人のせいでレオスまで同情しちゃたよ!
三人の様子を見て何を言っても無駄だと表情を暗くしながら目線が上の空に向きかけていた。レン達はモンスターに警戒しながら奥へ進みやがて、広い場所で行き止まりになった。
「あれっ、行き止まりだよ!」
周りは松明がたくさん灯っていて明るく異様な空気が漂っていた。
「レン、アリス、レオス気をつけろ! 何か気配を感じるぞ」
ファングに言われて三人は周りを警戒していると地面に魔法陣が突如現れた。
「ねぇ、レン君、ファング、あれ何かしら」
アリスが指差した方を見ると魔法陣から岩のモンスターが突如目の前に現れた。
「ねぇ、ファング、アリス、あれってレオスが言ってた古の岩の正体なんじゃない!」
口を震えながらファングとアリスに聞いていた。
「あれって、ゴーレムよね! 何でこんな所にいるの?」
アリスはゴーレムを見て、体が震えていた。
「レン、アリス、何びびっているんだ。こいつがレオスが言ってた試練なら、倒せばお宝が手に入るんだろ!」
ファングは強気を醸しているが、体は震えていた。
レン達は目の前のゴーレムに怯えていたが逃げられる状況にないので四人はそれぞれの目を見て頷きゴーレムを倒す事にした。
「アリスとレオスは後方から魔法を撃って、僕とファングはゴーレムに直接攻撃するから」
「待って、レン君」
それぞれに指示して、行動しようとしたらアリスに止められた。
「アリスどうしたの? 今、緊迫状況だから内容は簡潔に」
ファングは既にゴーレムに向かって行動を開始していたが、レンはアリスに捕まっていた。
「分かったわ、簡潔に言うわね。レン君は後方支援をして頂戴」
「はい?」
アリスが突然、後方支援をしてねと言っている。
「アリス何言ってるの? 僕、ファングと同じ近接戦出来るのですが?」
レンとファングは同じ魔法騎士科なので、武器を使った近接戦も出来るのに、何故かレンだけは近接戦は駄目と言っていた。
何で僕、戦うの駄目なの? 前のエレンズ森と言い僕を何で護る必要があるの?
アリスの発言に頭を悩ませていた。
「ねぇ、アリス、僕は‥‥‥」
「レン君、それは駄目! 私の後ろから魔法を唱えて!」
言い終わる前にアリスが遮った。アリスの言動に困り果てていると、
「レン、お前は後方から攻撃しろ。その方が安全だからな!」
ファングもアリスと変わらないことを言っていた。
ファングまで何言っているんだよ!
ファング達の発言でレンは両手で頭を抱えて呻いていた。アリスとファングに言われたが、レンはゴーレムに向かって行こうとしたら、アリスに捕まり気付けば後方支援に回されていた。
あぁ、何で後方支援にいるんだ僕は! ファング一人で大丈夫かな? とりあえず魔法で応戦しないと!
レンは未だにファングとアリスと言動に悩まされていたが今は目の前のゴーレムに集中しようと、真剣な表情に変わっていた。
「アリス、ゴーレムにどんな魔法を放てば良いの?」
「ゴーレムは土や岩などで構成されているから、火属性で一旦熱して、水や氷系の属性で冷やせば、岩質がボロボロになると思うわ!」
アリスにゴーレムの弱点を聞いていると、
「ウァー!」
レンとアリスが弱点を話している間、ファングはゴーレムのパンチを喰らって、壁に激突していた。
「ファング!」
「大丈夫だレン、こんなの傷に入らないから!」
ファングはゴーレムの強打を受けて、若干怪我をしていた。
いや、ファング怪我してるし、それよりも何でレオスに防御魔法掛けて貰おうと頼まないの? そこが一番おかしいでしょう。
怪我をしていたファングは再びゴーレムに向かって走りだしたのを見て残念な目線を送っていると、
「レン、何で俺を残念な目で見つめてるんだ? それよりも早く援護してくれないか俺このままだとやられるんだが!」
ファングはゴーレムのパンチを避けながらレン達を見て言っていた。ファングは怪我しながらもゴーレムの攻撃を避けていると、
「レオス、ファングに防御魔法を掛けてあげて」
「レン、防御魔法は必要ないぜ! 俺は一人で修業してかなり鍛えているからこの位の傷は怪我には入らないぜ!」
怪我しているファングに気遣って、防御魔法を掛けてあげようとしたら拒否された。
何で拒否するの? しかも意味不明? 鍛えているだけで、防御魔法は必要ないとか間違っているんじゃないの? 現に今、怪我してるよね?
ファングの不可が異な発言に、右手で頭を押さえてため息を漏らしていた。
「レン君、ファングの意味不明な発言は気にすると大変だから無視して良いわ」
「アリス、何言っているんだ。俺は真面目に答えたんだぞ!」
「あらファング聞こえたの? だったらもう少しゴーレムの動き観察しようかしら?」
「待てアリス、俺がやられるの待っているだろ!」
ファングは必死にゴーレムを引き付けて、攻撃を交わしている中、レン達はファングやゴーレムの動きなどを観察していた。
「ちょっと待て、何でレンとレオスも見ているんだ! 早く援護してくれよ!」
ファングはゴーレムが放つパンチを避けながら、必死に援護魔法してくれと叫んでいた。
「アリス、もう良いんじゃない! これ以上意地悪していたらファングがやられるよ!」
「そうね! レン君が言うのなら! それじゃ始めましょうか!」
アリスの指示でレンとレオスは火属性を担当して、アリスが水や氷属性を担当する事にした。
「ファング、僕達が魔法を唱えている間、出来るだけ引き付けておいてね!」
「おう、分かったぜレン。時間稼ぎだな! 俺に任せておけ」
ファングにゴーレムを引き付けている間にレン達は魔法を唱え始めた。その間にもファングの方は、ゴーレムからの攻撃を避けながら、剣術の魔法を放っている。
「ファイアーカッター」
ファングは火と風を複合させた、炎の刃がゴーレム目掛けて放ってゴーレムに当たると凄まじい爆風が吹いていた。
凄い流石ファングだよ! これがSS級の実力か! 僕達の後方支援要らないんじゃないの?
魔法を唱えながら、ファングの凄まじい攻撃に見取れていると、
「レン! 今の技見て、後方支援は必要ないと思っているだろ!」
「そんな事ないよ! ただファングの放つ技が凄いと思って」
「いや絶対に必要ないと思っているだろう! その証拠に魔法唱えるの止めてるし。俺だけの技や魔法だけでは勝てないからな!」
ファングの強烈な技を見てレン達は一旦魔法を唱えるのを止めていた。
いつもファングはくぎを刺すような事を言ってくるよな? それに、時々僕の方を見るんだよね、よそ見して大丈夫なの?
ファングはゴーレムの攻撃を交わしながら、たまに目線がレンの方向に向いている。
「レン君。ファングの技は凄いか分からないけど、私達も負けないように頑張ろうね!」
「えっ! ファングの技凄いと思うけど? とりあえず僕とレオスも頑張ろう!」
「マスター。僕も頑張る!」
アリスはファングの技を見ていたが余り凄いとは思っていないようだった。レン達は魔法を放つ体制を取りながら、ゴーレムの隙を伺っていた。
「ファング! ゴーレムの視界をこっちに向けないようにね!」
「分かってるよレン! 今やっているけどこっちも大変なんだぞ」
レン達の視界に入らないように、ファングはゴーレムに攻撃しながら視線を向けさせていた。
大変なら最初から僕も攻撃に加わればよかったと思うんですけど? 何でファングとアリスは接近戦だけはダメなの? 僕、魔法騎士科で接近戦もやるけど授業の時どうするつもりなの?
ファングのセリフを聞いてふと今後の事を考えてしまう。
「レン、アリス、攻撃まだか?」
「攻撃して良いけど、ファングがいるとまた巻き添えくらうよ!」
「大丈夫だ、お前達の攻撃を見ながら避けるから」
「分かったよ! ただファングに何かあっても僕達の責任にしないでね!」
ファングが早く攻撃しろと言っていたので、レン達は魔法を放った。
「火球」
「ファイアーストーム」
「ブリザード」
レンは火球でゴーレムに当てた際に、ファングは火球の当たった合図で、レオスの魔法範囲から離れた後、ファイアーストームを放ちゴーレムを炎で包んでいた。ゴーレムが炎で包まれた後、アリスの氷結魔法でゴーレムを一瞬にして凍らせていた。
アリスの魔法いくつか見てるけど、今回の魔法凄くない? ファングもそうだけど、この二人絶対に将来凄い人になると思うのに、何で僕の傍にいたがるんだ?
レンは、ファングとアリスの放つ技や魔法に驚いていたが、何故僕の傍にいたがるのか疑問に感じながら首を傾げていた。その間にもファングはアリスの魔法で凍らせたゴーレムに向かって強烈な一撃を加えて、ゴーレムは結晶の用に砕けていった。
「よし、やったぜレン! 俺達でゴーレム倒したぜ! それよりもレン怪我はないか?」
「えっ! 後ろにずっといたから大丈夫だよ! それよりもファング、怪我してるんだから手当てしないと」
レン達は急いで、ファングのもとに行ってアリスの回復魔法で傷を治していた。
「ファング、大丈夫?」
「レン、俺は大丈夫だ、別に回復魔法使わなくても良かったのに! それよりもお前の無事が確認出来てホッとしてるぜ! お前を失ったら俺、生きてる意味ないから!」
「当たり前でしょう! レン君は私の傍にいたから大丈夫よ! それに危険な事はさせないから安心して! 私もレン君失ったら生きてる意味ないし!」
「マスター、怪我してなくて良かった! 僕の防御魔法役に立った!」
ファングは怪我していたがアリスの魔法で傷は治っていた。しかし三人のレンに対する執着心は日に日に増していた。
三人は何で僕の無事を確認するの? 危険な事、一切してないよね! 一番心配するのファングだと思うんだけど? しかもファングとアリスは自分の命よりも僕が大事とか言ってるよ! もし僕が死んだらこの二人も一緒に死ぬつもりなの? 僕、一生護られるのやだよ!
三人の様子を見ながら、深いため息を吐いていた。それからレン達は、倒したゴーレムの所に足を運んでいた。
「ゴーレムを倒したけど、何もないよね」
「そうね、道はここで行き止まりだしね」
レン達は周りを見たが道は行き止まりでお宝もなかった。
「レン、また岩肌を調べようぜ?」
「えっ、また調べるの? レオス何かおかしな所ある?」
「待ってマスター、今調べる!」
レン達は行き止まりになっている岩肌をくまなく探していると、
「マスター、この岩肌ちょっと変だよ」
レオスが指した岩肌をファングが斬擊を与えると、岩が崩れて奥に何かがあった。
「これ何?」
指さした所を見ると、剣と巻物が置いてあった。
「あの剣はまさか!」
ファングは剣に向かって走って行った。その後ろをレン達はついて行った。
「ファング、この剣凄いの?」
ファングは目を輝かせていた。
「レン、この剣は大昔、勇者達が所有していた、断魔の剣だ! あらゆる魔法を切り刻んで無効にしたり、相手の魔法など吸収する伝説の剣だぞ!」
「へぇ、そうなんだ」
「お前、余り関心ないな」
ファングは熱く、剣について語っていたけどレンは別の事を考えていた。
何かやばい剣見つけちゃたどうしよう! このままギルドに持って行ったら悪用されそう!
レンは考えていた、このままこの剣を持って行っていいのか、万が一悪い人に渡って世界征服されるんじゃないかと。
「ねぇ、ファングこの剣はこのまま置いていこう! 危険な剣何でしょう?」
「レン、何言っているんだ! この剣は俺達が見付けたんだぞ! それに剣を置いて行っても、何時かは誰かの手に渡るんだぞ!」
「それは、そうだけど‥‥‥」
ファングの正論に反論することが出来なかった。
「でもファング、その断魔の剣持って大丈夫なの? 昔勇者が所有していた剣何でしょう? それに下手したら断魔の剣に魔力吸われるんでしょう?」
「確かに、この剣は危険だ! 下手したら断魔の剣に命を持っていかれるかも知れない! だけど他の奴に使われるならここで破壊した方が良い」
ファングは誰かの手に渡るなら危険な剣は破壊しようとレン達に提案していた。
「ファング本当にその剣破壊するの?」
「あぁ、悪用されるよりましだろう」
「確かにそうだけど!」
「レン君、良いんじゃないファングが危険と言っているんだから! 私もこの剣は破壊した方が良いわ」
アリスも断魔の剣は破壊した方が良いと言っていたので、ファングは断魔の剣に向かって強烈な一撃を与えようとした時、断魔の剣が黒く光出して、破壊しようとしたファングを包み始めた。
「ウァー、何だこれ」
「ファング!」
「レン、来るな! アリス、レンを行かせないように押えていろ! ウァー!」
「ファング、今助けに行くから」
「ダメよ、レン君! 今行ってもファングは助からないわ」
「離してアリス、ファングが」
レンは必死にファングを助けに行こうとしたがアリスに押えられて助けに行けなかった。ファングは黒い光に包まれた後、突然刺さっていた断魔の剣が宙に浮き、ファングの包まれた黒い霧に目掛けて飛んできた。ファングは断魔の剣に殺されるとレン達は思っていた時、黒い霧の中からファングが出て来て断魔の剣を掴み、自ら黒い霧を撃ち払っていた。
「フゥー、今のはかなりヤバかったぜ!」
「えっ! ファング無事なの?」
「レン、当たり前だろう! あんなので死んだら、お前の傍にいられないだろう! それに断魔の剣の所有者に認められたみたいだしな」
ファングは何事もなかったように平然としていた。それからファングはレン達に説明していた。
「えっ! ファング、勇者に会ったの?」
「あぁ、あの黒い霧に包まれた時に目の前に現れたんだ! 一瞬敵かと思ったぜ!」
「ファング、その勇者に何を言われたの?」
「それが、ゴーレムの試練を乗り越えるた、お前にこの剣を譲ると言ってきたんだ! 俺は皆で倒したから一人の実力じゃないと断ったんだけど! だったら護りたい人に使えと言われたので、折角伝説の剣が手に入るのなら、レンの為に使おうと決めたんだ! だからこの剣はレンを護る時に使用する剣に決めたんだ! 普段はこっちの長剣を使うけどレンと冒険するときは断魔の剣を使用するぜ! レン、これで更に一歩お前の傍に近づけたよな!」
「アハハッ、そうだね」
ファングは断魔の剣を手に入れて喜んでいたがレンはふに落ちない様子だった。
何で僕を断魔の剣で護るの? しかも僕がいないと、断魔の剣を抜かないとかおかしいよね! 伝説の剣の使い方間違ってない?
いろいろとおかしすぎるファングの発言にレンは頭を悩ませいた。
「それよりもレン君、こっちにある巻物を見てみましょう」
アリスは断魔の剣の横にあった巻物を手に取り、巻物を見始めた。
「ウァー、何この文字見たことないわ!」
「アリス、読めないの?」
「私、いろんな巻物などを見ていたけど、文字が読めないのは初めてだわ」
アリスは巻物をくい入るように見ていた。
「この文字って、確か岩肌に描かれていた文字だろう?」
ファングがアリスの見ている巻物を覗き込んでいた。
「ファング、今なんて言ったの?」
「何って、ここに来る前にあった岩肌に描かれていた文字と同じなんじゃないかと言っただけだぞ?」
「もしかしたら、レオス君この文字読める?」
アリスは岩肌に描かれていた文字をレオスが読んでいたのを思い出して試しに読めるか聞いた後、レオスはアリスから手渡された巻物を見て読み始める。
「よくぞ、古の岩の試練を乗り越えし者達、その勇姿に称えて最強の剣を与えよう!」
「えっ! レオス君これだけ?」
「うん、これしか書いてない!」
アリスは書物の内容が、勇者の遺言だと分かってガッカリしていた。
「折角、最強の魔法などが書かれていたと思ったのに!」
「残念だったな、アリス! 俺は伝説の剣を手にいれたぜ!」
「何ですってファング! 危険な剣を扱えるの?」
「当たり前だろう! 俺は伝説の勇者に認められたんだぞ」
「本当かしら? まぁ良いわ今回は伝説の剣が手に入ったからよしとしましょう!」
アリスはファングに噛み付いていたが、お宝が手に入った事で自分を納得させていた。
ファングとアリスは毎回、噛みつくような言動が多いよ! それが喧嘩の原因なんじゃないの?
口喧嘩しているファングとアリスの様子を見てため息を吐いていた。
「それよりもファング、どうしてあの剣を見た時、断魔の剣だと分かったの?」
「それわ、私も思っていたわ! 大昔の勇者が所有してた剣をどうしてファングが知ってるの?」
レンとアリスはファングが何故、断魔の剣の存在を知っているのか疑問に思っていた。
「それは、俺の家系の中に勇者のファンがいたんだ! そいつは勇者に憧れていて、勇者が所有していた剣のレプリカまで作って飾ってあったからな! 俺は何回かそいつに熱く語られたし、見せて貰っていたから、すぐにこの剣が伝説の断魔の剣だと分かったぜ!」
「なるほどね! それじゃファングの家に断魔の剣のレプリカがあるんだ!」
「レン、何だその目は? 俺は一切、嘘は付いてないからな!」
ファングの説明にレンとアリスは納得して無かったがファングが必死に、信用出来ないなら俺の家で見せてやると言っていたので、本当かなと若干信じてあげることにした。
「納得いかないぜ、俺は本当の事言ったのに!」
「分かったから、ファングを信じるから元気出して!」
「それよりもファング、断魔の剣、持ち歩いて大丈夫なの?」
断魔の剣を所有した事でファングが狙われたりしないか危惧していた。
「あぁ、大丈夫だと思うぜ、この剣は選ばれた所有者しか扱えないし、仮に奪われても魔力や生命吸われて死ぬだけだぞ!」
ファングは恐ろしい事を言いながら大丈夫と言っていた。
ファングそれ人殺しだよね! 何平然と剣を奪って見ろみたいな事言っているの? もしかして剣を見せびらかすつもりなの?
ファングの横でレンは暗い表情で今後の事を考えていると、
「レン、余り深く考えるなと言っているだろう! 所有者になったから剣を持ち歩くのは当然! それに断魔の剣を専用の鞘に入れるつもりだから安心しろ! むやみに人を殺したり、お前を悲しませる事は絶対しない、それに専用の鞘に入れて置けば、普通の長剣にしか見えないから大丈夫だ!」
ファングは暗い表情のレンを見ていた為、レンを安心させようと納得出来る説明をしていた。
ファングは何でも僕の考え事はお見通しなんだな! ファングがむやみに人を殺したりしない事は分かっているけど、心配なんだよ!
若干心配していたが、ファングがむやみに人を殺したりする人じゃない事は知っているから、余り深く考える事はしなかった。それから四人は洞窟の出口に向かって歩き出した。
「なぁ、レン。次はどこに行くんだ? 今回はただの探検だったからまた学生ギルドで依頼を受けるのか?」
ファングが次はどこを冒険しようか、レン達に聞いている。
「ファング、急に言ってもレン君が困るだけでしょう! そんな事言ったらレン君から嫌われるわよ」
「レン、それだけは勘弁して! 俺、お前の傍にいないと詰まらないし、生きてる意味ないんだ!」
「アハハッ、大丈夫だよ! 別にファングを引き離したりしないから」
ファングに対して、苦笑いで答えていると、
「レン!」
「グェ! ファング離して、何急に抱きついてきて」
ファングが突然泣きつくようにレンを抱きしめていた。
「やっぱり俺、お前の相棒になれてよかったぜ! 俺を見捨てたりしないからな!」
「当たり前でしょう! ファングは僕達の仲間だから! それよりも、課外授業が近いでしょう! 僕は課外授業の準備をするつもりだから!」
課外授業を十日前に控えそろそろ、荷物などの準備を始めようとしていた。
「そうね! 課外授業が近くなって来たから、準備しながら近くでピクニックしない?」
「それいいね! どこでピクニックしようか?」
休日は近くの喫茶店や王都周辺を散策する程度だったので、たまには自然に囲まれた場所でゆっくり過ごしたいと考えていた。
「それなら、リズワール平原の北西にあるスワン湖はどうだ! かなり小さい湖だけどゆっくり過ごすなら良い場所だぞ」
「へぇ、リズワール平原の北西にスワン湖があるんだ! 僕、リズワール平原を北に歩いて来たけど知らなかったよ!」
レンは学園が始まる前にリノワール王国に向かって北に歩いていたが、スワン湖がある事態知らなかった。
「それもそうだろう。どこにでもある湖だからな! 人も集まる場所じゃないし、その分誰もいないからゆっくり出来るぜ!」
レン達は課外授業の準備をしながら、スワン湖でゆっくり過ごすそうと洞窟内を歩きながら決めていた。それからレン達はリレクド洞窟を後にして一旦学生寮に戻り、再びピクニックについて話し合った後、レンとレオスはファングとアリスを見送り、自分の部屋でピクニックや課外授業の準備に取り掛かっているのだった。
次回更新は未定です! 温かく長期にお待ちくださいm(__)m
次回から第4章に入ります。第4章初頭から番外編です。




