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#10 エレンズ森の調査・討伐とレオスの深まる謎?

お待たせしました。第10話公開です。レン君新たな依頼に挑戦どんな内容何でしょうか(。>ω<。)

お蔭様で累計PV2000超えましたありがとうございますm(__)m

 レオスが加わって三日が経ち、その間レン達は月光草の依頼で疲れたので学生寮や近くの喫茶店などでつかの間の休みを取っていた。今は新しい依頼を請けて、四人はリズワール平原の東側にある、エレンズ森の調査と討伐を請けることにし、四人はリズワール平原を東に向かって歩いている最中だった。


「今回の依頼は何だっけ?」


 ファングが既に依頼の内容を忘れていた。


「ファング、これだからバカだと言われるんだわ」

「何だと、アリスもう一回言ってみろ」

「ファング、レオス君が怯えるでしょう」


 ファングとアリスが相変わらず口喧嘩をしてる所、毎回のごとくレンが止めていた。


「今回、選んだ依頼はエレンズ森の調査と討伐でしょう。エレンズ森にある湖の水量が減っているから原因の調査。それと湖が減っている原因にモンスターが絡んでいたら討伐する。この二つが今回の依頼内容だよ」


 レンが説明するとファングは分かったと言っていたが、本当に分かっているのか心配していた。それから数時間後、エレンズ森の湖に着き、四人は湖の調査に入った。


「確かに湖の水量が減っているね」


 エレンズ森にある湖を見てみると水量が半分以下になっていた。


「そうね。ここまで少ないと異常だわ」


「そうだな。確かに二日前に雨が降っていたがこれは異常だぜ」


 ファングとアリスが見ても水量の減りが異常だと分かった。とりあえず四人は手分けして、湖の原因は何なのか調べていると、


 あれ、川から湖に流れている水量が異常に少ないよ。


 レンは川を上流方向に目線を向けると川の水量が少ない事に気が付いた。それから皆を呼んだが、一人だけいない事に気が付いた。


「あれ、レン君。レオス君はどうしたの?」

「えっ! さっきまで一緒に付いてきて調査してたのに」


 レンとレオスは一緒に行動していたので、いつの間にはぐれたのと疑問に感じながらも、必死にレオスを三人が探し始めた。それから三人は必死にレオスを探したけど見つからなかった。


「どこに行ったのかしら?」

「こんな短時間で遠くには行けないはずだぜ」

「そうだよね。だけど見つからないよ?」


 三人は焦っていた。一人でモンスターに襲われているんじゃないかと。


「レン君、もしかしたら君がレオス君に命令すれば帰って来るんじゃないの」

「命令って言ったって、レオス君がいないと命令出来ないよね」


 アリスはレオスに命令すれば良いよと言っているが、肝心なレオスがいないので命令出来ないと言っている。


「大丈夫よ。これは私の感だけど、レン君の手のひらにある紋章に向かって命令すれば、帰って来るんじゃないかな?」

「本当かよ?」


 アリスはレンの手のひらの紋章に命令すればレオスの首にある紋章とつながっているから来ると言っているが、その横でファングが疑いの目を向けていた。とりあえず考えていても時間が過ぎていきレオスが危険な目に遭っているかも知れないのでアリスが言った方法を試してみることにした。


「レオス、お願いだから僕の所に戻って来て!」


 すると、レンの手のひらの紋章が軽く光り出した。それから数秒後、奥から物凄い勢いでレンに向かって抱きついてきた。


 あれ、今レオスの目何か雰囲気が違ったよ。まるで別人のような何か凄い殺気や寒気を感じる。


 いきなり抱きついたレオスをレンが見ていると、首の紋章が光っていて、それと同時にレオスの目がいつもと違う目つきや色をしていた。紋章の光が消えるとレオスの目つきや色は元に戻っていた。


「レンお兄ちゃん。さっき僕に命令して呼んだでしょう」


 レオスはレンに抱き付きながら聞いてきた。


「うん、呼んだよ。勝手に僕達から離れたでしょう」

「ごめんなさい。レンお兄ちゃんに喜んで貰えるように僕も頑張りたかったの」


 レンはレオスに軽く怒っていたが、無事だと分かり三人はホッと胸をなで下ろしていた。そしてアリスがさっき命令した時の事をレンに話した。


「ねぇ、レン君」

「どうしたのアリス?」

「さっき、レン君は手のひらに向かってレオス君に命令してたでしょう。レン君に向かってレオス君を見たときの身体能力は異常過ぎるわ。それに命令した時のレオス君まるで別人見たいだもの」

「それは‥‥‥! 僕も思ったよ。目つきや色が違ったし。物凄い殺気や寒気を感じたから。それに発動している間の記憶もあるみたいだから大丈夫だと思うのだけど」


 アリスはレンの事を心配に思っていたが、レンは逆にレオスが何者なんだろと若干の不安を考えていた。それから四人はレンが見つけた、川と湖の合流地点にやってきた。


「確かに、川に流れている水量が少ないわね」


 アリスが川を覗き込んで川の水量を確認していた。


「レン、上流に何か秘密があるかも知れないな」

「そうだね」


 皆が分かっているのに、ファングが再確認していた。するとアリスが突然試してみたい事があると言ってきた。


「ファング、確か前に半径500メートルなら何か分かると言っていたでしょう。何かモンスターとか察知出来ないの?」


 アリスはファングの能力を使えないか聞いた。ファングはその手があったかと。そして、ファングは目瞑って周辺を確認していた。


「何かモンスターはいた?」

「いや、いないぞ、俺の範囲内にいないのかも」

「使えないわね」

「何だと!」


 ファングは必死に周辺を確認していたのにアリスがファングに軽くけなしていた。


「ねぇ、エレント」

【どうしました。レン様】

「とりあえず周辺の確認お願い。何かいたら教えて?」

【わかりましたわ、レン様。くれぐれも気をつけて下さい】


 エレントにとりあえず周辺の確認をさせておいた。その間もファングとアリスは喧嘩していた。レンの隣にいたレオスは二人の喧嘩を見て怯えていた。


「ちょっと二人ともレオス君が怯えているでしょう」


 レンに言われて、二人はレオスに謝っていた。


「ねぇ、レン君。ちょっとレオス君に何か命令してみて」

「アリス何言っているの? もしかして、さっきの見て実験したがっているでしょう」

「だって、魔法科だから、レオス君の能力気になるじゃん。レン君だって興味あるんじゃないの?」

「レオス君は物じゃないと言っていたでしょう。でもちょっと気になるかも」


 アリスにねぇやってよと何回も言われ、レンは余り使いたくなかったが、今後の事を考えてレオスの能力を確認することにした。


「それでレオス君に何を命令するの?」

「そうね。何が使えるか分からないけど、とりあえず使い物にならなかったファングの能力はどうかな?」

「アリス、今何て言った。俺がポンコツ見たいじゃんか」


 ファングは顔を赤くして怒っていたがアリスに軽く受け流されていた。


「レオス君、アリスに言われて命令するけどイヤなら正直言ってね。別にアリスに従わなくて良いから」

「大丈夫。僕、レンお兄ちゃんの役に立ちたい!」


 レオスは大丈夫と言っていたので、レンはため息を吐いてチラッとアリスを見ると手を両手で握りワクワクしていた。


「それじゃ始めるよ。レオス、川の上流方向にモンスターはいる?」


 すると、レンとレオスの紋章が光り出した。光り出すとやはりレオスの目つきや色が変わっていた。レオスは鼻や耳を動かしながら周りを見渡した後、詠唱文を唱え始めた。


「レン君。ちょっとやばくない聞いたことのない詠唱文唱えて入るのだけれど」

「アリスがやれって言ったのでしょう。多分古代魔法だよね?」

「どうすんだレン。レオスを止めるのか?」

「いや、待ってレン君が命令したから大丈夫だよ。それにレオス君はレン君のパートナーだから」

「本当かな?」


 三人はレオスから発する威圧感に耐えながら、レオスを見守っていた。暫くするとレオスが喋り出したが、いつもの喋り方と違っていた。


「マスター、川の上流方向にモンスターが二体いるよ。排除しようか?」

「えっ! レオス君だよね?」


 命令したレオスの姿はレンの知っているレオスではなかった。姿はレオスその者だが髪や目が赤くなって、喋り方はレオスが若干成長したような大人びた喋り方に変わっていた。


「ねぇ、アリスどうしよう。レオス君の雰囲気が変わったのだけど? しかも僕のことマスターと言っているのですが」

「そうね。レン君のことレンお兄ちゃんからマスターに変わってるしね」


 レンとアリスはレオスの雰囲気に変わって困惑していた。するとファングが、


「もしかしてレン。命令した時に発動するその紋章がレオスを別人に変えているんじゃないか?」


 ファングに言われて、レンは考えていると確かにレオスを呼んだ時も変わっていた事を思い出した。


「もしかして前にエレイン先生が言っていた、古代魔法に秘密があるのかな?」


 前にエレイン先生が言っていた事を話すと、


「分からないわ、少なくともレオス君はレン君に命令されれば強制的に実行するみたいね。扱い方次第では恐ろしい力になりそうね。古代魔法かなり興味あるわ」


 アリスはレオス君が発動してる古代魔法に興味を示していた。すると、命令が発動してる状態のレオスが言ってきた。


「マスター、どうかしたのか? 何か問題でもあったか?」


 レオスは首を傾げていた。


「大丈夫だよ。それよりアリスどうやって命令解除するの?」

「えっ! それわ‥‥‥知らないわ」


 レオスに命令しようと言った張本人が解除方法を知らない様子でレンはどうしようか頭を抱えているとファングが、普通に命令解除らしい言葉を言えば良いんじゃないかと言っていたので、とりあえずレオス、僕に抱きついてと言うとその言葉に反応して、勢いよくレンに抱きつくと命令が解除されていた。


「何とか、解除出来たよ。もしかして、解除方法は僕に抱きつくことなの?」

「さぁ、分からないわ。少なくとも解除方法はレン君に関係しているのかもね。例えばレンの紋章がレオスに触れれば解除出来るとかね」

「何それ、いちいち面倒くさいよね。発動すると時も命令するの?」

「心配なら、練習すれば。レン君がレオス君にお願いすれば受け入れてくれるよ。それにこのまま扱いづらいと後々レン君困るでしょう。私も協力するから」


 四人は川の上流に向かう前にレンは手のひらに刻まれている紋章の発動の訓練をしていた。一方でレンによって強制的に紋章を発動されたレオスはレンの命令でいろんなことをされていたがレオスは一つも嫌な表情はしてなかった。


「フゥー、とりあえず自分の意志で発動と解除が出来たよ」

「すごいな。レン、あんな短時間で習得するなんて」

「すごいわ、レン君。しかもレオス君とシンクロしてたし」


 レンは自分の意志で紋章を発動出来るようになり、更にはレンとレオスの紋章を通して意思疎通なども出来るようになっていた。


「確かに、僕は自由に紋章を発動させてレオス君に命令できるようになったよ。それにレオス君と意思疎通なども出来るようになったけど、実際はレオス君が行動してるんだよ。ごめんねレオス君無理させたて」


 レンはレオスにいろんな事させてごめんなさいと謝っていたが、レオスは何で謝るのレンお兄ちゃんと今にも泣きそうな表情をしていた。それからレンは一旦エレントを呼んで上流の地形を聞いていた。


「なるほど、川岸に沿って上流に行けるんだね」

【はい、レン様。ですが途中から木々が濃く大樹などが邪魔して移動しにくいかと】


 レンはエレントが持ってきた情報を三人に話して、湖の原因があると思われる上流に向かって歩き出したが、レンはさっきの紋章の練習で思っていたことがある。


 これ、レオス君に護られているよね。ニアンスは違うけど、僕何もしてないよ? ほとんど僕がレオス君に命令してやらせているよね。らやせだよね。僕、悪い人見たいじゃないの? レオス君は僕に何して欲しいの?


 レンは暗い表情で三人と一緒に歩いていると、レオスが心配そうに覗き込んできた。


「どうしたの? レンお兄ちゃん、もしかしてさっきの練習で疲れたの?」

「大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから」


 レンはレオスを見て心配させてしまったと思い、考え事は後回しにしようと心の内に収めた。四人は上流に足を進めながら楽しく会話していた。時々レオスの能力を見て、能力が使えなかったファングは、次使うときは前よりも格段にレベルを上げておくよと修業する趣旨を言っていた。アリスは直ぐにはレベルアップするわけないでしょうと言われて、ファングは顔を赤くして怒っていた。その横では、レンとレオスが笑っていた。次第に四人は上流に近づくにつれてエレントが言っていた通り、木々が入り組んでいて、大樹の根などが川の中に伸びていた。


「こうして見てみると、大樹の根などで川がせき止められそうだね」


 レンは川を覗き込んで、川底に伸びている大樹の根を見ていた。


「そうね。でもこんなに木々の幹根が入り組んでいると、大きなモンスターが入れば川の水をせき止められるわ」


 アリスも川を覗き込んで、周りを観察していた。すると、レオスが耳を動かしながらレンに言ってきた。


「レンお兄ちゃん、川の中に何かいるよ」


 レオスに言われて、三人はレオスが指差した方向を見ると木々によって川がせき止められ、その近くに大きな影が二つあった。


「何かいるぜ。どうやって捕まえるんだ」

「ファング、焦らないで恐らく産卵期で川をせき止めらているんだわ。確かこのモンスターは?」

「クレイシャークだっけ!」

「いや、形からして、多分ヴァルリアシャークだと思うんだよね。でもレン君の可能性もあるわ」


 四人はとりあえず、モンスターの動きなど観察をした後、どうやって川底にいるモンスターを討伐するか考えていた。


「私が魔法を使って一定時間上流の流れを止めた後、水量が減った所をファングとレオス君が叩くで行きましょう」

「待って!」


 レンがアリスの説明を止めていた。


「どうかしたのか、レン? 今の説明に問題でもあるのか?」

「いや、問題あるよね。僕、討伐に入っていないのですが」


 ファングは首を傾げいたが、レンは僕も戦いたいのですがと主張している。


「えっ! レン君戦うの? ダメだよ。危険だよ。レン君は何もしなくても大丈夫だから」


 アリスが頑なに、レン君は見ているだけで大丈夫。私達がレン君を危険な目に遭わせないと言っていた。その横でレンは頭を抱えてため息を吐いていた。


 何で僕、見ているだけなの? 依頼選んで請けたの僕なんですが。何で僕が、ファング、アリス、レオス君に依頼しているみたいになっているの? おかしいよね。これじゃ僕護られている側だよね。


 レンは必死にモンスター討伐をさせてとアリスとファングに言うと、


「分かったわ、レオス君、レン君のサポートお願いね。ただし、レン君は無理はしちゃダメだからね」

「分かった! レンお兄ちゃんを護る」


 アリスの許可が出たが、レンはふに落ちない様子だった。その横でレオスは、レンを護れるようにファングに気合いを入れてもらっていた。四人はそれぞれの立ち位置に移動して、アリスの指示で動き出した。


「それじゃいくわ。アイスグレイブ」


 アリスが魔法を唱えると川の上流をせき止めるように、氷の壁が出来ていた。その間に下流側でせき止めるいる水量はゆっくりだが湖に向かって減り始めた。暫く待つと水量が減ったので、レン、ファング、レオスが入ってモンスターの討伐を始めた。


「ファング、これはアリスが言ったヴァルリアシャークだよ。今は産卵期で気が荒いから気をつけて。特にヴァルリアシャークが放つウォーターカッターには気をつけてね」


 レンはファングとレオスに言うと分かったと返事をして、レンとファングは剣を構えて、相手の動きを観察していた。


「なぁ、レン、俺ちょっと試したい事あるんだけど使って良いか?」

「ファング、何言っているの? いつヴァルリアシャークから攻撃くるか分からないんだよ」

「大丈夫。直ぐ終わるから」


 レンは危険だよと言っていたが、ファングは二匹のヴァルリアシャークに向かって走っていった。するとヴァルリアシャークはファングに気づいて、ウォーターカッターを放ってきた。


「ファング、危ないよ!」

「大丈夫。レン、これくらいは避けられるから。それよりもレオス、レンに防御魔法をかけておいてくれ!」

「えっ! マスターに防御魔法掛けれは良いの?」


 ファングはヴァルリアシャークのウォーターカッターを軽く受け流して、近づいていた。その間にレオスはファングに言われて、詠唱文を唱えて、レンに魔法をかけた。


「プロテクトバリア」


 すると、レンだけ目に見えない厚い壁がレンの全身を覆っていた。しかし、レンはかなり不服そうにファングを見ていた。


 何で僕だけ、プロテクトかけてあるの? おかしいよね。普通全員に掛けるんじゃないの? ファングの発言もそうだが、魔法をかけたレオス君もおかしいよね? 普通気づくよね!


 レンはかなり不満を漏らしていたが、ヴァルリアシャークに向かって走りだした。


「レオス、僕もヴァルリアシャークに近づくからサポートお願いね。それとエレント、僕の合図で足止めお願いね」

「分かったよ。マスター」

【了解しましたわ。レン様】


 レンはエレントとレオスに指示して、ヴァルリアシャークに向かって走りだしたが、先に向かっていたファングに止められた。


「レン、待てそれ以上来ると危険だ」

「ファング、何が危険なの? 危険なのはファングの方だよね!」


 ファングが必要以上にそこを動くなと言われたので、こっちでサポートするよとファングに言うと、ああ頼むぜと言っていた。


 何考えているんだファングは、どう見てもファングが危険に見えるんだが。とりあえず、エレントとレオスに指示してサポートするか?


 レンはため息を吐きながら、ファングを見つめていた。ファングはその間にもヴァルリアシャークが放つウォーターカッターをギリギリで交わしていた。


「レン、今だ!」

「分かったよ! エレントよろしく。レオスは僕と一緒に火属性の魔法をヴァルリアシャークに向かって放って」

【了解しましたわ。レン様】

「分かったよ。マスター!」


 レンの指示でエレントはヴァルリアシャークに向かって植物のツタを絡み付け動きを止めていた。その間にレンは火属性の火玉(ファイアーボール)を放っていたが、レオスが放った魔法はとんでもなかった。


「ファイアーストーム」


 すると、ヴァルリアシャークの周りに炎の旋風が渦巻きヴァルリアシャークを焼き尽くしていた。その場にいたファングは、間一髪でレオスが放った魔法の範囲の外に回避していた。レンは慌てて、ファングのもとに走っていった。


「ファング、大丈夫?」

「レン、俺が大丈夫だと思うのか? あと一歩間違っていたら俺丸こげなんだが! 俺を殺すきか!」

「いや、殺すわけないでしょう。まさかレオス君があんな魔法放つと思わなかったから」


 レンはファングの安全が確認出来てホッとしていた。それからレオスを呼んでファングに謝らせていた。


「レオス君、今度魔法放つ時は、周りを確認してから放ってね。間違って僕の大切な人を傷つけてはダメだよ」

「ごめんなさいマスター。今度はちゃんとやるからマスター捨てないで」


 レオスは雰囲気その者は変わっているが、喋り口調から変化前のレオスと差ほど変わらなくて、レンは安心していた。それからアリスが降りてきて、三人のもとにやってきた。


「それにしても、レオス君の魔法凄かったね。遠くで見ていたけど威力強過ぎない」


 アリスは川をせき止めながら、三人を見ていたが、レオスが放ったファイアーストームの魔法に驚いていた。


「僕も感じていたことだからね。でもこれだとレオス君の扱い方が大変だよ。どうやって手加減させれば良いか」


 レンは今後も似たような威力で魔法を放たれたら、対処出来ないにので、どうすれば良いかアリスとファングに聞いてみた。


「そうね。それじゃ一回試してみない。説明する前に一旦川岸に上がりましょう。もとに戻さないとね」


 アリスが何か閃いたがとりあえず、四人は川底から上がり、川岸の安全な場所に移動はして、せき止められていた木々をアリスが魔法で弾き、上流をせき止めていた氷の壁を解除した。すると川の水は勢いよく湖の下流に向かって流れていった。


「とりあえず任務完了だけど、アリス試してみたいことってなに?」


 レンは改めて、アリスがレオスに対して試したい事を聞いてみた。


「レン君、それはね。多分だけどレン君が紋章を発動しなければ古代魔法見たいな強力な魔法は使えないと思うの?」

「それ本当かな?」


 アリスは確証はないと言っていたがとりあえず可能性があるのならどんな些細なことでも確認したかった。レンは手のひらにある紋章の発動を解除して、レオスに魔法を使ってもらうように頼んだ。


「レオス君、あの木に向かって全力で何か魔法放てる」

「レンお兄ちゃん、魔法を放てば良いの?」


 レンに言われてレオスは少し不安そうにオドオドしていたが、レオスは全力で詠唱を唱えて魔法を放った。


「ウィンドカッター」


 すると遠くの植物が風の刃で切り刻んでいたが、威力が弱いのかあまり植物が切れてなかった。その様子を三人は見て考えていた。


「あまり、切れてないね。と言うかさっきより格段に威力が弱すぎるよね」

「そうね。さっきは強力過ぎてヴァルリアシャークを焼き尽くしていたからね。もしかすると紋章を発動するとレン君の魔力を借りているのかな? それとも発動しているときだけレオス君に封印されている何かが解放されるのかも」


 アリスがレオスについて考えられる事を述べいたが、レン自身は魔力を吸われた様子はなかった。しかし、紋章が発動しているときのレオスは全くの別人みたいな雰囲気があるので紋章と古代魔法に何か秘密のあるのかと思ったが今は確認する方法がなかった。


「結局の所、レオスは何者なんだろうな?」

「さぁ、分かれば苦労しないわよ」

「それよりも、レン。深く考えないで楽にしようぜ。それで俺良い方法を思い付いたんだけど」


 ファングは思い付いたことをレンに言った。レオスが自分で判断出来ればいちいちレンの指示を待つ必要がないんじゃないかと。


「ファング確かに、自分で判断出来れば、次の行動出来るけど、レオス君はまだ戦闘経験少ないし、自分で判断出来ないと思うのだけど?」


 レオスはさっきの戦闘でレンの指示を待っていたり、強力な魔法を放っていたから自分で魔力の調節や判断が出来ないと考えていた。


「いや、出来るだろう。俺、お前が紋章の発動を自分の意志でコントロールしてた時レオスとシンクロしていただろ」

「シンクロしてたかな?」

「ああ間違いないぜ。俺の感が正しければ、レオスはレンや相手の思考を読み取れるはずた。そうすれば、レオスは読み取ったことを自分で判断して行動するはずだ」

「本当かな?」


 ファングのあての無い発言に若干不安はあったが紋章を発動させて試してみることにした。


「レオス君、あの木に向かって何かやって」


 レンが考えている魔法をレオスが読み取って木に向かってウィンドカッターを発動出来るか試した。


「マスター、あの木に魔法を放てば良いの?」


 レオスは首を傾げていたがレンは何も言わなかった。


「ファング、本当に大丈夫なの? レオス君首傾げているわよ」

「アリス、黙って見ていろ。いちいちレンが教えていたら意味がないだろ。レンが言った意味を今レオスは考えているんだ」


 アリスは心配そうに見ていたが、横にいたファングは大丈夫とアリスに声をかけてレンとレオスを見守っていた。レオスは一回木を見つめたあと一旦レンを見るとレオスの目が一瞬だが光った。それから、木に向かって魔法を放った。


「ウィンドカッター」


 すると風の刃が木々を切り刻んでいたが、木々の小枝が刻まれただけでほとんど無傷だった。その様子を三人は見ていた。


「凄いじゃない、レオス君」 

「やったな、レオス」

 ファングとアリスは成功して喜んでいた。

「マスター、これでよかったの?」

「うん、そうだね。木を傷つくないで小枝だけ切り落とす何て凄いよ」


 レンはレオスに褒めているとレオスは若干照れていた。


「それよりもアリス、レオス君が僕をみた時一瞬目が光ったのだけど何だったの?」

「多分それは、レン君の思考を覗いていたんだわ。魔法の書物にある真眼みたいな感じだわ」


 アリスに説明されて、レンは納得していた。


「それよりも、レン。暫く紋章発動させて、レオスを行動させた方が良いぜ」


 ファングに言われて、レンは嫌がっていたがファングが詳しい説明すると納得していた。


「なるほど、発動させた状態でレオスにいろいろ学ばせるんだね」

「そうだぜレン。見ていたが発動させているときが理解力が異常過ぎる程高かったからな、別に発動しなくても覚えているが効率面から考えると断然良いぜ」

「ファングは、そう言う所は頭の回転が良いのね」


 それから三人はレオスの事について話し合い、人目が付きにくい場所ではレオスに体術など実践的な場面を想像させた訓練を考えていた。人目がある場所や学園ではレンの判断で覚えさせたい事は一時的に発動させてレオスに理解させることにした。それから四人は学生ギルドを目指してエレンズ森をリズワール王国に向けて歩き出した。それから数時間後、学生ギルドに着きエレイン先生に依頼の報告をした。


「はい、分かりました。こちらは確認済み次第、次の依頼と一緒に付与するか、後日改めて来るかどちらにしますか?」


 エレイン先生は、まだ依頼の確認が出来てないので現時点で報酬や単位が貰えないみたいなのでレン達は、次の依頼と一緒で良いですよと言っていた。


「それと学園の生徒達が学生ギルドに来たら一人一人に案内しているのですが、最近リズワール平原の西側に新しい洞窟が発見されました。まだ新しいのですが、ギルド支部の調査が終わり学園の生徒達も入れるようになっていますので興味があれば行って見て下さい。もちろん、それ関連の依頼もありますよ」


 エレイン先生から新しい洞窟が発見されたことが伝えらて、レンは少しワクワクしていた。


 へぇ、新しい洞窟が見つかったのか。それなら次の依頼はここにしよう。もしかするとお宝があるかも?


 レンは新しい洞窟に夢を膨らませながら、学生ギルドを後にして、学生寮に戻っていた。


「なぁ、レン。エレイン先生が言っていた、新しい洞窟に行くんだよな」

「ファング鋭いね。僕が次行こうと考えていたこと当てるなんて」

「当たり前だろう。エレイン先生の説明聞いて目を輝かせていたもんな」

「そうね。レン君の事だから、発見されたばかりだからお宝でも考えていたわよね」


 ファングとアリスに言われて、レンは僕そんなに顔に出ていたのかと、頬を若干赤くして照れていた。レン達は次行くところを新しい洞窟に決めて、ファングとアリスは帰って行った。帰って行った後、扉を閉めて紋章を発動した。


「ねぇ、レオス君」

「何、マスター?」

「これから暫く、僕は何も言わないから自分の判断で行動してね」

「何でマスター? マスターは僕を捨てるの?」


 レンに見捨てられたと勘違いして、レオスは今にも泣きそうな表情をしていた。


「レオス君。僕は君を捨てたりしないよ。ただいちいち僕が言わなくても自分自身で行動して欲しいの! 万が一、僕が危険な目にあったり、どこか遠くに連れて行かれた場合、僕はレオス君に命令出来ないから離ればなれになっても良いの?」

「やだ、マスターとずっといたい!」

「だったらレオス君、君が持つ力で僕を助けて欲しいんだ。それも君一人の力でもし仲間がいなくなってもレオス君は動けるんだから自分の力を信じて仲間を助けに行くんだよ」

「分かったマスター、僕頑張る。マスターの為に僕努力するよ」


 レンに言われて、レオスはまだまだ自分が未熟だと実感していたがレンを護りたい気持ちが強く挫ける事はなかった。それから二人はベッドに入り紋章の発動を解除して二人は抱きつき眠りに入ったのである。




次回更新は未定です。温かく長期にお待ち下さいm(__)m

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