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雨の夜に  作者: 真琴
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第1話 てるてる坊主

明日は季節外れの寒さになるでしょう、私のお気に入りお天気キャスター栗原さんが、そんなことをさらっと言っていた。


つい先週には5月だというにも関わらず、兵庫のどこかで真夏日を記録したのだという。


もちろん栗原さんからの情報だ。


なのに明日は寒い。


おまけに関東では大雨が降るとまで言っている。


普通なら落ち込むところだけど、私は内心ガッツポーズをしていた。


寒いのはいやだけど、雨が降るなら我慢できる。


もしかしたら無意識のうちに握りこぶしになっていたかもしれない、というくらい嬉しかった。

「あぁ、また洗濯物部屋干しになるじゃん。乾きにく〜」なんていうお姉ちゃんの言葉なんて、気の毒にさえ思わなかった。


栗原さんの天気予報は、私が今まで見てきたどの予報よりも高い確率で当たる。


だから明日の遠足も延期になるに違いない。いや、なってもらわないと困る。


もちろん百パーセントの予報じゃないことは分かっている。


でもこれに手作りのてるてる坊主をプラスすれば、きっと大丈夫だろう。


てるてる坊主は普通いい天気を願うためのものだけど、逆さづりにしたら逆の効果を持つようになる。


つまり、天気を悪くしてくれる、ということだ。


もしも明日の朝から太陽が照りつけるようなことがあれば、栗原さんの天気予報は二度と見ないし、てるてる坊主なんてゴミ箱行きになるだけのこと。


でもやっぱりそんなことしたくなかったから、栗原さんのコーナーが終わったら、作れるだけのてるてる坊主を作ろう。


そういえば、てるてる坊主についてのテレビ番組をこの前見たばっかりだ。


確かなんていってたっけ、うーん、あ、そうそう、てるてるぼうずの顔は最初作ったときに書いちゃダメ、なんてことを言ってた。


晴れになったら、初めてにっこり笑顔を書くそうだ。


でも、雨になったらどうしたらいいんだろう。


私の心はにっこりだから、てるてる坊主もにっこりにしてやるか。


ただ、てるてるぼうずの歌にはこうある。


『てるてる坊主 てる坊主

 明日 天気にしておくれ

 それでも曇って 泣いてたら

 そなたの首を チョンと切るぞ』


作詞家もよくここまで残酷な歌詞をつくったものだ。

こんな悲惨なことにならないように、栗原さんにはがんばってもらわないと。

いや、栗原さんが天気を動かせるわけじゃないんだ。


もうこうなったら、あれしかない。

困ったときは神頼み、ってやつ。


私は両手のひらを合わせ、必死に心の中で祈った。

お姉ちゃんの「美咲、あんた頼んだ買い物やってきてないでしょ」なんて言葉に構ってられないくらい、必死だった。

そしたら案の定お姉ちゃんの怒鳴り声がリビングに響いて、私はごめんなさいを連発していた。



はじめまして、センと言います。

もし知っていた方は、お久しぶりです。


今回こそはきちんと完結させようと思います。


約数ヶ月ぶりに本格的に書くことになったので、更新が遅かったり文章的におかしかったりなど、いろんなことがあるでしょうが、よろしくおねがいします。

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