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宇宙で生きる者  作者: 浅漬け
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序章 1

初めての投稿です。

亀更新です。

 プロローグ


 宇宙ー。

 何時から其処に存在しているのか、謎に満ちた真空世界。

宇宙の端は何処なのか。幾つの銀河が存在し、どのような惑星が在るのか。そして、其処にはどのような生き物が生活しているのか。

 疑問は幾つでも湧いてくるのだがそれに対するいらえはない。当たり前だ、宇宙は話さないのだから。

 惑星で生活を営み、知識を付けた生き物は何時しかそらに興味を持つ。

 そらの向こうに宇宙が在る事を知り、知識欲の赴くまま宇宙を調べ尽くそうとする生き物達。何時しか生活圏を宇宙へと拡げ、コロニーを造り別の惑星へ、そして銀河へと進出していった。

 今、宇宙では様々な生き物達がコミュニティ(社会)を築き上げ生活を営んでいる。

 幾つかの巨大なコミュニティ(社会)を筆頭に、大小様々なコミュニティ(社会)が点在する宇宙時代。それぞれのコミュニティ(社会)に所属する生き物達はお互いに国交を開き、講話など比較的穏和な手段を用いてギブアンドテイク(資本主義的)な交流をする銀河連邦政府や、銀河連邦を始め様々なコミュニティに拠点を置きミルダ星系に本拠地を構えるディーテ組合(何でも屋)を筆頭とした一団がいる一方、発達した技術で持って他のコミュニティ(社会)を侵略し吸収合併する、力あるものが正義を振りかざす権利を持つのだと主張する、ガルシア帝国を筆頭としたコミュニティ(社会)も存在していた。

 地球もご多分に漏れず、太陽系を訪れる同じ人型異星人や姿形が全く違う異星人と交流を持ち始めた。だが宇宙に進出し出す時代においても地球は相変わらずそれぞれの国に分かれ、国益の為にとお互いに火花を散らしあっていた。


 西暦20XX年

 太陽系に飛来したギブアンドテイク(資本主義的)な交流を主とする銀河連邦や、ディーテ組合と交流が開かれ、人類はその年を宇宙歴の幕開けだと声を張り上げた。

二千年以上続いた西暦は宇宙歴1年へと以降し、幾つもの国が先を競うようにコロニーを建設、其れを足掛かりに月や火星などに人工都市を造り始めた。それから50年余り時が経つ頃には人の移住も行われ、整理されたコロニーと人工都市にも人々の活気が満ちていた。

 だが喜びと生きる力に湧いて、我々には未来あすが有るのだと、保証されてもいない未来を地球人は盲目的に信じていた。それが確かな物ではないと、宇宙歴53年地球人は思い知る事になる。


 宇宙歴53年

 他星系のコミュニティ(社会)と国交を開いたばかりの地球は、宇宙に進出し出したばかりとあって技術的にはかなり遅れをとっていた。幸い、地球という惑星は銀河連邦やディーテ組合に所属する他のコミュニティ(社会)達と比べても様々な文化があり、地球の宗教や歴史には大して興味を示さなかった彼らも調理技術や娯楽といったものには興味をそそられたらしく、その文化を輸出する事によって技術支援を取り付ける事に成功した。

 一見順風満帆に視えた交流だが、地球と銀河連邦が上手くいくのを許容出来ないコミュニティ(社会)がいた。ガルシア帝国だ。当時ガルシア帝国のトップは、頑なまでに銀河連邦やディーテ組合に対し、反感と侮蔑に満ちた皇帝を擁していたのだ。しかもトップに立つ者としての自覚を有する皇帝ではなく、周りの者に良いように操られる顔だけが取り柄のとんでもない愚王であった。彼曰く、誇りと忠誠心を持って自身に仕えてくれんとする重臣達が彼に進言したのだそうだ。


「皇帝陛下、新しく宇宙に進出した太陽系が銀河連邦やディーテ組合に取り込まれると奴らの拡大を許す上、調子付かせる事に成るかと思われます。ここは一つ太陽系を帝国の領土とし我々の力を奴らに見せつけるべきかと具申いたします。」


重臣達にとって戦争とは、己の利権を拡大させ暴利を貪る絶好の好機チャンスなのだ。幸い銀河連邦やディーテ組合とは国交が開かれたばかり。技術支援は取り付けていても、太陽系が本来持っている軍事力は大したものではない。おまけに新しく開発した新兵器も有るのだ。重臣達は暴利を、軍部は新兵器の威力を確かめる機会に恵まれたわけだ。皇帝にとっても宇宙に進出したばかりの地球がどうなろうが知った事ではないし、痛む良心も持ち合わせてはいない。むしろ奴らの慌てふためく様を想像するだけでも笑みが零れる。地球にとっては不幸にも間が悪かったのだ。

 皇帝は言われるがまま命令を発令した。太陽系を蹂躙し帝国の領土にせよ、と。臣下達は膝ま付き、粛々と身を醜悪な悦びに浸らせながら、命令に従い行動を開始した。

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