後編【プロローグ】
これは本編とは違います。サイドストーリー的な感覚でお読み下さい
書き方がいつもと違うので、その点だけご理解下さい
私は飛ばされた
どこに?
異世界に
目が覚めると異世界だった
うんよくあること
そんなわけあるかー!!
でもそれが現実に起こった
すべてを包み込む闇の色。辺り一帯真っ暗なそこに私は存在する
名前は結城凛。略してユキリン
普通の高校に通う女子高生だったんだけど……
暗い闇の中を進むと何故かはわからないけど、スポットライトがあてられた場所がある。そこにはあきらかに、この場に不釣り合いの椅子がポツンと置かれている
ありえねー
信じられない胡散臭さ
椅子には金髪の超絶美形の男性が脚を組んで座っていた
今までこんなイケメン見たこと無い。容姿端麗、魅惑の金髪。私の乙女な部分が激しく反応する
これ程のレベルは逃すと最後、二度と出逢えないと……
「私はレオンハルト。貴女はこの次元にて重罪を犯しました。処分する予定なのですが、異論や反論はありますか? 」
何?
重罪?
処分?
危険なワードだらけじゃん
イケメンだと思ったけど彼は危険な感じがする
しかしこれだけの容姿、もったいない
「ちょっとまって。私が何をしたの? 身に覚えがないんだけど 」
うん!!
私は裁かれるような悪いことはしていない
多分……
目の前の彼は、意外そうな表情を見せる
あれ?
私ってば何かしたの?
「このエリアは次元管理者しか入ってはいけません。秘密を守る為の処分は妥当だと思いますけど…… 」
なにー
そんな決まりあるの?
っていうかここどこよ
「それって知らないで迷い込んでも? 」
「もちろん知らないでもです 」
「そんなー 」
納得がいかない
気づいたらここにいたのにそれで処分はあり得ない
「横暴だと思います 」
「私があらゆる次元を管理していますので、それはあてはまらないかと 」
言ってることがイマイチ理解できない。多分この人は残念なオタクなのだろう
発言は厨二くさいし
でも万が一にも処分されるのは困る
なんか怖いし
「納得がいかない 」
「困りましたね…… 」
困るのはわたしの方
この人意味わかんない
「それならこうしましょう。貴女が別次元で私を手伝うのなら、問題が片づき次第、無罪放免。もとの世界に帰してあげます。ここに関する記憶はもちろん消させていただきますけど 」
「本当に? 」
助かるならそれに越したことはない
雰囲気的にもヤバめだし……
「あまりに可哀想ですから、1つだけ願いを叶えて差し上げます 」
要するに協力させる代わりに何かしら特典をつけてくれるのだろう。もう一度彼を見てみるが、やはり見た目は爽やかなイケメン
このレベルの男はそうはいない。となればおのずと願いごとはこれしかないと思う
「貴男と結婚したい! 」
「却下です 」
即答でいらっしゃる
でもこれほどの美形
そう簡単には諦めない
「貴方と結婚したい! 」
「言い方を変えても却下です 」
むぅ……駄目なのか。でももう一度
「却下です 」
まだ何も言ってねー
うがー!!
却下多すぎ
「じゃどういうことならいいのさ 」
「この世界に関することなら構いませんよ 」
「じゃあ貴方と結婚 」
「却下です 」
どさくさに紛れて言ってみたが、やっぱり即却下だった
意味ねー
もう無駄なことはやめておこう
「それなら…… 」
「了承致します。もとの世界に戻れるよう頑張って下さいね 」
彼が遠くなる
目映い光に辺りが包まれて……
この場所と彼に関する記憶を消された私は、別次元とやらの世界に降り立つことになる