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闇より生まれし光の使者 アスカ   作者: いみしんや
幻想(マーヤ)の世界
6/7

不安が愛を支え、愛が不安を支える。

アスカはハザクとの融合を果たしてエレジアとまだ融合を果たせないユリアと「宿命」として「偶然を超越して奇跡的に出会った」と言える。


出会う約束をしていたと言っても二人は未来からタイムジャンプして出会ったのだから。


ユリアと最初にデートした時には、アスカはよもやこんなに早く結婚することになるとは思いもしなかった、


しかし結婚して一週間ほどでエレジアとはまだ融合を果たせないユリアは、参加していたネットのサイトの実際には会ったこともない宗教指導者にネット上でアスカの悪い噂話を聴かされ。


ユリアのイノセントで妄信的な、宗教指導者への純粋で一途な信頼は、ユリアが結婚して人生を共にしていたアスカへの信頼さえ揺るがせた。


その時アスカはとても悲しい気がした、インターネットで顔さえ見たこともなく住所や年齢さえ知らない人間の方が、自分より信頼があるのだから。


しかしながら意外とそんなことは多々あるのだろう、人間は幻想を愛するのだ、ユリアがその宗教指導者に抱いたファンタジーな幻想にアスカは負けただけだ。


想像して頂ければ分かると思うが、他者の中の幻想の相手を敵にして戦っても勝つわけがない。


しかしながら敵はネットの世界からユリアの純朴さにつけ入りユリアがつい開いてしまうようなメールを執拗に出し続けたのだ。


アスカは彼に一生懸命に僕らは結婚していることや、ユリアが悩み傷ついていることを話したが一方通行のまま。


いつの間にか嫌がらせは終わり、しかし彼は嫉妬混じりにあくまで善意を押しつけているだけなのだ、だからこそ始末が悪い、しかししばらくしてユリアは落ち着きを取り戻した。


しかしながら彼女はアスカの仕事中に自宅でリストカットしてしまっていた、アスカは翌日から職を失った。


ユリアは自分は以前から精神疾患であると告白した、今までそれが言えなかったユリアの気持ちはとてもわかる。自分の状態さえ容易に自覚不可能な、


地球のある意味異様な、複雑怪奇な環境で、孤独に住み慣れたユリアは対人恐怖症により外出出来ずに、家族の世間体も混じり半ば実家に一人で隔離されており。


明らかな精神疾患が人格乖離として発症していながら、母親は娘の豹変する人格に対して、恐れるばかりで見守るしかできず医療的に放置されていたのだった。


外出も一人では出来ず、人間関係というものが感覚的に掴めなくなり、他者と関わることが不可能になっていたのだ。


それも仕方ない、何故ならば実にユリアは四年間を自宅軟禁状態で暮らしていたのだから!


アスカはユリアを半ば放置した結果とした母親が憎らしかった。


しかし母親は自分なりに一生懸命だったのだ、責めるのは酷である、それに二人は今は幸せなのだ、一緒に居れて。しかしプレアデス星団にいたときの記憶はほとんどない。


アスカはいつでも、そうしたかったらばユリアに話しかけたり、ユリアの知らない世界の話をしたり、ちょっと心配させてみたり、アスカはギターを弾きながら、


ユリアに「アーメインズ・グレイス」を歌ってもらうときには一番慎重に律儀にギターを弾くのだ、ユリアに歌が一番美しく響くようにアスカは細心の注意を払い、最高の演奏をするのだ。


ユリアの歌は上手いとは言えないが素直で虚飾がない美しい歌いかただった


不器用なところが愛らしくむしろアスカのギターでカバーすることでアスカは愛しき妻のサポーターとしての幸せを感じることが嬉しかったのだ。



エレジアのユリアはハザクのアスカが地球に生まれてくる前に、プレアデス星団から転生するときに計画を立てて、自ら過酷な人生を選択してきたのだ、ユリアが精神疾患を選択して生まれてきたために。


アスカの貴重な体験のなかに様々な学びがあり、本当に人を愛することがどういうことか、愛することの意味の深さをアスカは、体験的に知り得たのだ。


つまりユリアの愛は限りなく純粋で痛々しいほどに献身的であったのだ、そうした運命を選んで地球に生まれてきたのだから。


「不安が愛を支え、愛が不安を支える」


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