王女様とご対面
今回は王女様との遭遇。
「さあアレク、お誕生日のパーティよ。準備はいい?」
「はい、母様。」
倒れた精霊を起こした後、一応王女の外見の説明を聞いてから別れ数日間のんびりと過ごしていた。そして今日ついにその王女様と出会う可能性のあるお誕生日パーティだ。はたして無事に終わるだろうか?…終わらせねえけどな。たっぷりと楽しませてもらおう。
「おお、アレク。皆様紹介いたします。この子が私の息子であるアレク・ラ・サラマンドです。」
「はい。私がサラマンド家が長男アレク・ラ・サラマンドです。若輩者でありますので拙い部分もあるかと思いますがどうかご容赦をお願いいたします。」
まあ、挨拶はこんなもんでいいか。お辞儀もしっかりできたし。
「あれが噂の・・・。」「なるほどまさに神童…。」「あの年でこれほどか・・・。」
やりすぎたか?俺は侯爵家を継ぐ気はないんだぞ?
「よしアレク。おいしいものがいっぱいあるからお母様と一緒に食べてきなさい。」
「はい、父さま。」
俺の誕生日ということで明らかに王様が座るであろう場所に一番近いところに座らされる。それからはしばらくおとなしく食事をとる。
ふむ。おいしいが…、味が薄いな。この世界には調味料が少ないのか?家での食事も薄味だったし。まあいいか。食えないほどじゃない。それに素材本来の味を楽しむのも乙というものだ。
『なあ、精霊さん?』
『気づいてたんだ…。それよりもうすぐ来るよ?」
『分かってるさ。』
尋常じゃないほどの魔力。勝手に魔眼が発動するほどの。正直想像以上だ。闘ってみたいが…無理か。精霊にダメージを与えるすべがない。いや正確にはないこともないがこの方法はできる限り使いたくない。
「皆様、国王陛下、后様、王女様がいらっしゃいます。」
その声とともに座っていた人たちが立ち上がる。もちろん俺も含めて。そして三人が入ってくる。まず一人目は明らかに国王だろう。男だし。白いひげはないが貫禄がある。太ってるわけじゃない。むしろ筋肉質だな。それに銀髪かよ。イケメンだし。外見だけじゃむしろ王子様だな。けれど雰囲気は人の上に立つものだ。まさに王。次は后様。見事に金髪だ。美人という言葉がこの人以上に似合うやつもそうはいないはず。いや、ホント。俺の母も相当だがそれ以上だな。そして、精霊に聞いた通りの女の子が王女か。まだ5歳らしい。なるほど人形のようなかわいさという評価もうなずける。両親の青い瞳に対し彼女のみが赤い瞳。真っ赤に燃える紅。父譲りの銀髪。怖いほどのかわいらしさだ。そして彼女の周りを回る4体の精霊。別段威圧しているわけじゃないだろうに、俺の血が騒ぐほどの存在感。ああ。闘りたい。許されるのなら今ここですぐに。この命が続く限り。でも、まだ駄目だ。まだ勝てない。まだ闘っても面白くない。もっともっと俺が強くならなきゃ面白くならない。
「おお、リジェルド。久しぶりだな。」
王の威圧感が消え父親に和やかに話しかける。
「おう、ギンお前も元気そうで何よりだ。」
ため口かよ。本当に仲がよさそうだ。
「あなた、公の場で陛下にそんな口きかないの。」
「王様?もう少しだけ威厳というものをお持ちくださいな。」
あーあ。奥さんに怒られてやがる。さて王女様は?…精霊を目で追ってるだけか。…ステータス。
名前:ギン・ア・ポリス
種族:人
性別:男
年齢:18
lv:105
ストロング:290
スピード:250
タフネス:320
魔力:100/100:
精神力:500/500
スキル
覇気 根性 起死回生
名前:アイシェ・ア・ポリス
種族:人
性別:女
年齢:16
lv:2
ストロング:10
スピード:12
タフネス:13
魔力:700/700
精神力:1000/1000
名前:サクラ・ア・ポリス
種族:人
性別:女
年齢:5
lv:1
ストロング:3
スピード:2
タフネス:3
魔力:800/800
精神力:100/100
スキル
精霊の目 秘密の誓い
加護
精霊王の加護
秘密の誓い:全属性の精霊との契約が可能
精霊王の加護:精霊王との契約が可能。火、水、土、風魔法に耐性。
なるほどね。まさに精霊のお気に入りってとこか。じゃあ、行くか。
「ほら、アレク。挨拶しなさい?」
「はい。国王陛下、本日は私のために宴を開いていただきありがとうございます。」
「いや、よい。お前の父とは友だからな。君も私と仲良くしてくれるかね?」
「はい。国王陛下。」
「そうかそうか。私の娘は君と年が近いから娘とも仲良くしてくれると嬉しいぞ。」
そういって国王が王女を俺の前に出す。
「ええと。サクラです、よろしく。」
王女はおどおどと俺にあいさつする。ここからだな。
「ええ、よろしくお願いしますね?あなたの周りにいる精霊と同じくらい仲良くしてくれると嬉しいです。」
「なっ!!」
「え!?」
さあてどうなる?