初めての狩り
今回は微グロ注意です。後狩なのにあっさり終わります
時が流れるのも早いもので今日は俺の5歳の誕生日。そして初めての狩りの日。ただし魔獣ではなくただの獣なのでちょっと物足りないかもしれない。ちなみに今回はカイルと父親とミリアさんが一緒だ。
しかし・・・
「でっけえなぁ…。」
いまおれの目の前には熊らしき生き物がいた。いや、確かに熊みたいなんだが大きさは5メートルに届きそうだった。
「あれはビッグ熊でございます。」
なんだ、その安直な名前。ってかあれって、
「あれは魔獣じゃないのか?」
「いえ。魔獣にもあのようなものはいますが大きさが違います。あれはたしかこれの倍はありましたね。」
「へぇ。ちなみに闘ったの?」
「ええ、一度だけですが殺りました。」
「…そうか。」
俺とミリアさんで同じことを言ってるのになんか違う気がする。まぁ、それはいいとしてもだ。
「どうやってついてきたのか教えてくれる?」
父親もカイルも撒くくらい本気で気配も消してこっちに来たんだけどな…。
「メイドのたしなみでございます。」
「そう?じゃあリンにもできんの?」
「あの娘はまだ教育中ですので。」
「えっ!?教育が終わったらミリアさんみたいになんの?」
あのドジっ娘が?それは教育じゃなくてもはや改造だろ。
「アレク様、いくらあの娘がお気に入りでもアレク様にふさわしいメイドにしなければいけませんので。それとも今から愛人にいたしますか?それならば教育は軽くなりますが。」
愛人って。5歳児にいうことじゃない。いやこの世界じゃそういうもんなのか?
「いや、いいよ。じゃあそろそろやるか。」
そう言って剣を構え熊を見据える。熊もこっちをにらみながら腕を上げて威嚇している。
「お手伝いいたしますか?」
「いや、いらないっよ!!」
いうと同時に熊の懐に潜り込み切り上げる。すると熊の腹が切れそこから血とはらわたがドロリと出てくる。しかし熊は俺の体に爪を立てようとしてくる。
スパンっ!ぶしゃ!
小気味のいい音を立てて熊の腕が切れる。そして血が吹き出し俺の体は血だらけになる。
「お見事です。」
「ありがと。」
しかしこの体で返り血を浴びるのは初めてだけど…不快感は感じないな。むしろ前世と同じようある種の気持ち良さもある。返り血を浴びて喜ぶなんてと言われたこともあるがこれは俺にとっては大事な証しなんだ。ま、そうは言ってもあんまり長時間このままだと血が固まるしかえって体洗うか。
「よし、かえ…」
帰るかと言おうとして思わず呆然とする。
「何、やってんの?」
「はい?」
ぐじゅぐじゅと音をたてて内臓を引っ張り出すミリアさん。その手つきは何とも手慣れたもので思わずわかりきったことを聞いてしまう。
「血抜きですね。もしかして、やりたかったでしょうか?」
「いや…ミリアさんって本業は何?」
「もちろんメイドですが?」
何をいまさらという顔で見てくる。はたして俺がおかしいのか?
「まあ、いいか。」
そう呟いて、血抜きの終わった熊を引きずって館に向かう。途中父親とカイルに出会い血だらけであることを驚かれるが全部返り血だと説明し安心させる。
「アレク、心配したんだぞ?」
はて?この程度なら大丈夫だと父親も知ってるはずなんだがな?