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ボクの住まいは教会です

作者: 蒼月 六花

 ボクの住まいは小さな教会です。

今は使われていないらしく人は来ません。

キミは人ではないのか、ですって。

すみません、ボクは猫なんです。

ええ、真っ黒の。

生まれてからずっと、野良暮らしでして。

ここは雨宿りにもってこいなんですよ。

さあ、お昼寝もすんだことですし、そろそろ『あの方』がいらっしゃる時間ですね。

え、あの方とは誰のことなんですか、ですって。

それは、待っていただければわかりますよ。

あ、あの方です。

今、入ってきた少女ですよ。

いつもこの時間にいらっしゃるのです。

いつも祭壇まで歩いてきては、お祈りをして帰っていくのです。

毎日欠かさずいらっしゃるようで、大変そうですよね。

ん、あなたはさっき『人は来ない』と言ったじゃないか、ですって。

はい、言いました。

あの子は人じゃないか、そう言いたそうですね。

ボクも不思議に思い、後ろをついていったことがあるのですが。

教会から出て行った瞬間にいなくなってしまったのです。

狐に摘ままれたような心地でしたよ。猫ですけど。

けむりのように人が消えるなんて、ありえますか?

ボクは確かに『人は来ない』と言いました。

どう受け取るのかは、あなたにお任せしたいと思います。

もうすぐ夜が来ますね。ボクはそろそろご飯を探してきます。


 それでは、ごきげんよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] ネコが時々あらぬ方向をじっと見ているのは、幽霊が見えているからだって話を思い出しながら読んでいました。 少女がなんにせよ、何のためにお祈りしているのかを想像すると色々世界が広がって楽しいで…
2013/05/15 14:36 退会済み
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