銀風の女帝
小説に関しては全くの素人です。感想、ご指摘等ございましたら、よろしくお願い致します。
???「銀風の意思を継ぐ者よ・・・我が声に応えよ・・・まもなく人類は滅亡の危機に陥るだろう・・・・・・銀風の意思を継ぐ者よ・・・我が力を求めよ・・・・・・・・・」
新聖暦1200年、長閑な風が吹くこの町レージェントに銀髪のロングヘアーに少し釣り目な紅い眼をした少女がいた。彼女の名はヴェント・エレガンス、エレガンス家の一人娘、年は14歳だ。エレガンス家は旧聖暦時代からの王家の血筋ではるか昔、聖魔戦争において人類を危機から救った名のある王族である。聖魔戦争は旧聖暦16000年今から5200年前の戦争で人、神、魔物が存続を賭け100年にも渡る長き戦いとなった。神は人に力を与え、人はその力を使い魔物に立ち向かった。この戦いに終止符を打ったのが銀風の女帝と謳われたエレガンス家の先祖、「ヴァン・ドゥ・ラルジャン」だ。彼女は終戦後も讃えられ現代では神格化され、レージェントの守護神として祀られている。そのおかげかこの町周辺、魔物の動きは沈静化して今は平和な町と化していた・・・。
「せいっ!はっ!たぁ!」
ある日の昼下がり、屋敷の庭で今日も槍を一心にふるう銀髪の少女ヴェントの姿が其処にあった。
「ヴェントお嬢様、今日も精が出ておりますね。」
屋敷からタオルと水を持って出てきた20代前半の女性彼女はエルガンス家の使用人クロエだ。
「クロエか、日々の鍛練を怠ってはならんからな。いつか魔物が攻めてくるやもしれん」
「お嬢様は少し危険意識が強すぎますよ。魔物なんて聖魔戦争以来、一度もこの町に入ってきてないじゃないですか、もっと息を抜いて過ごされてもよろしいかと・・・」
「クロエは逆に危険意識が薄すぎるな、お父様は年々町の結界が弱まっていると言っていたぞ?」
ヴェントは呆れ顔でクロエに叱責した。
「あうぅ・・・。確かに私は抜けてるところはございますけれども~・・・。」
というのも彼女は折り紙つきのドジっ子で何もないとこで躓いたり、食器を洗うと必ず一枚は皿を割る、挙句の果てに料理をやらすとこの世の物とも思えない物を生み出す始末・・・。