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僕のブチ猫

作者: sakurannbo

ノンフィクションです。

 


 いなくなった事に初めて気が付いたのは今日の朝だったかな。

でも、いなくなってもあまり心配しなかった。


なぜかって?


昨日の夜までは、腹をパンパンにさせて、眠ってたから。


でも、一応全部さがしてみたんだよ。


車の下も、屋根の上も、大好きだったお気に入りの箱も。ほかにもぜーんぶ。


でも、どこにもいなかったんだ。


オスだから、出て行ったんじゃないかとおもってた。







でも、それから二時間くらいたったかな。

猫が見つかったって。

急いでかけつけたよ。


そしたら、車のところに倒れてたんだ。それも血まみれで。


びっくりしたよ。驚いた。


おなかにえんぴつくらいのちいさな穴があいていてね、足も折れてたんだ。

痛かっただろうな。


どうやら、野犬におそわれたみたい。


動けない状態なのに、自分で這ってきたっぽいから、なきそうになった。




急いで、応急手当をしたよ。


でも、間に合わなかった。


すごくよわってたよ。


呼吸するのさえもくるしそうで。見てられなかった。


それでも、必死にこっちに向かってくるんだ。




こんなに弱ってるんだったら、探しても、返事ができるはずないよね。


なんでこんなことになったんだろうね。



この猫、ばあちゃんが死んだ次の日に、うちに来たんだ。


ばあちゃんの生まれ変わりかもしれないっておもってた。

でも、性格がぜんぜん違ったよ。

おもしろいくらい。







ねている間、じっと顔をみつめてきて、なにか言いたげだった。


なんて言おうとしてたのかな。


もしかして、「ありがとう」かな?


いやいや、「バカヤロー」だったりして。



なーんてね。




猫が喋ったら、いいのに。

そうすれば、何かしてあげられる事があったかもしれないのに。

無理にきまってるのに、そんなことを思った。



この猫は、一番好きだった。

人懐っこくて、いつでもごろごろしてて。

一緒にいると、とても心が安らいだ。








でも、そんなことを思ってても、もう無理だね。


もう、あの毛を触ることは出来なくなっちゃったね。


あの声を聞くこともダメ。







あまり、思い出さないようにしよう。



どんなに思い出しても、悔やんでも、戻ってはこない。









もう、この世にはいないのだから・・・。















お読みいただき、ありがとうございました。


出来れば感想を送ってください。

お待ちしてます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 悲しみと心の痛みがリアルに伝わってくるようでした。 ウチにも猫がいるので、胸が締め付けられる思いになりました。 野犬が猫を襲うとは…。外は危険が多いですよね…。
[一言] 真っ直ぐな気持ちというものは、それが痛みであれ悲しみであれ人を引き寄せます。 私は貴方の気持ちに引き寄せられた一人です。
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