表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

モテさせたい奴

掲載日:2026/03/21

 「――ミステリーだと思うんだよ」

 と、オレは言った。

 「斎藤はもっと絶対にモテるべき奴なんだよ。性格も良いし、顔もそれなりに良いし、頭も良いし運動もできる。なのに、どうしてこのクラスの女の子達は誰も手を出さないんだ?」

 そのオレの主張を聞いて、「う、うん……」と同じクラスの霧島は困ったように言葉を発した。なんだかあまり納得していなさそうな感じだ。オレは彼女が納得していないことに納得していなかった。

 「お前だって助けてもらった事があったじゃないか!?」

 彼女は傘を忘れた雨の日、困っているところを斎藤に助けられている。彼は近くのコンビニでビニール傘を買って持って来てくれたのだ。

 「他にも助けてもらった女の子はたくさんいるし、それにあいつは子供にだって優しんだぞ?」

 うちの高校の近くには保育園がある。どうもそこの子供が迷子になってしまったらしく、あいつはその子を保育園まで送ってあげていたのである。

 「あんないい奴が、モテないなんて、このクラスの女の子達は、みんな、見る目がなさすぎる!」

 

 「う……、うん。そうだねぇ」

 

 霧島郁美は、新堂さんからそう言われてかなり困っていた。なにしろ、斎藤君がこのクラスであまりモテてないのは、新堂さんに原因があるのだから。

 “……好き好きオーラ全開なの、本人は気が付いていないのかなぁ?”

 ボーイッシュで、男の子っぽいところにコンプレックスを抱いている“彼女”は、それを気にしてか、斎藤君に告白できないでいる。クラスの女子生徒達は、みんなそれを分かっているのである。

 だから、彼女に気を遣って、斎藤君には手を出そうとしない……

 

 「……なら、新堂さんが彼を落としちゃえば、いいじゃないかなあ?」

 

 そう霧島が言ってみると、彼女は顔を真っ赤にしてわたわたと慌てた。

 「わた…… オレなんかじゃ、斎藤には釣り合わないから!」

 それを見ながら、“充分に可愛いと思うのだけどなぁ、新堂さん”と、霧島さんは心の中で呟く。それを、彼女は大変にもどかしく思っていたりしたのだった。

本編とはまったく関係のないオマケ

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ