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成り行き天文部員牧田君の番外編  作者: 甘木 


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2/2

入部届のその後で

第5話『新天文部員誕生』の後のちょっとしたやり取りです

「これで、いいですか」


 僕は、天文部の入部届を書き終えて、ひと息ついていた。


「⋯⋯問題なさそうだね。⋯⋯あらためてよろしく、牧田君」


「こちらこそよろしくお願いします」


 ちょっとしたきっかけで天文部の部室に来る事になって、そのまま入部する事になってしまったけれど、本当に大丈夫なのかな。


「一輝君って1等星みたいな名前ね」


「1等星?」


「星の中でも1番輝いている星のグループよ。本当はもっと細かく分かれているけれどね」


 さすが結星先輩、優しくて可愛いな。


「結星は星の事、本当に好きだよね〜」


「だって私の名前は星を結ぶ星座をイメージしているんだから」


 キラキラと輝く、その笑顔は確かに星座級かもしれない。


「本当に似合っていますよね」


「えっ?!」


 しまった、つい本音が。


「いや、あの、瞳も輝いていて星みたいだし。その、髪の色も夜空みたいにつやつや輝いているし」


「⋯⋯おやおや、やはり牧田くんは」


 嬉しそうに手元の怪しい地図のような物を覗き込む竹内部長。


 後で知ったのだが、星図というもので、天体の位置を書き込んである物らしいけれど、その時の僕には、黒魔術か何かのように思えたのだった。


「え〜。牧田くんは結星狙いだったの〜」


 なんだかにやにやしている、宮前先輩。


「はい、はい。みんなで、新入生からかうのやめましょうね」


 あまり気にした様子も無い結星先輩。それはそれで少しショックなんですけれど。


「牧田くんも色々あって疲れているでしょうから今日はこの辺で」


「そ、そうですね。そろそろ失礼しないと」


 そう言って立ち上がろうとした時にふと気付いた。


「もしかして、天文部って男の人居ないのですか?」


「え〜。牧田くんってやっぱり〜」


「そ、そんなんじゃ無いです」 


「紗英はすぐ人をからかうから。ちゃんと居るし、男の人の方が多いわよ。今日はたまたま」


「⋯⋯またあらためて顔合わせの機会があるからその時に」


「ありがとうございます。それと⋯⋯」


 僕がどうしても気になっていたのは、やっぱり天文部というからには全員が星の事に詳しいのかなという事。


「⋯⋯色々な部員がいるからあまり気にする事も無い。⋯⋯私も本業は」


 部長なのに本業は別って、占星術の事ですよね。


 余計に不安が増した気もするけれど、後日、僕はあまり気にする事も無いと言われた言葉の意味を知るのだった。 


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