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惑星ガイアのものがたり  作者: Tossy
はじまりのものがたり2
201/369

10.鉄道延伸

私とアイルが、突貫工事で作った定期船4艘はフル稼動している。


輸送量を増やすために、結局、6艘にして、毎日運行することになった。

新規に2艘の船を、私とアイルで造ったので、今はドックで内装の整備中だ。

整備点検のために、予備でさらに1艘造っておいた方が良いかもしれないね。


ガラリア王国の東南海岸沿いの各領都を廻る定期船は、既に、マリムーキリル—ゼオンを順に巡っている。

バトルノ、ヨネス、コッジが入っていないのは、大型船が停泊できる埠頭を工事中だからだ。

接岸可能な埠頭が準備出来たら、寄港するようになる。


そして、ガリアが入っていないのは、2艘の大型船が停泊できる埠頭の整備が終っていないから。


王都では埠頭を魔法でドッカンと作ったりしないのだろうか?


アウド義父おとう様ぐらいの魔法が使える人が居ないのかと聞いたら、そんな魔法が使える人は、領地の跡継ぎになってて王都には居ないんだそうだ。


国王家の人は大魔法を使えるけど、港を作るのに借り出されたりはしないんだって。


そんな理由わけで、魔法兵の人と王国立魔法学校の生徒が借り出されてポツポツ建造を進めてるらしい。


まだまだ時間が掛るんだろうね。夏前には終る予定だと聞いている。


ちなみに、婚約したこともあって、アウドおじさんは、アウド義父おとう様、フローラおばさんは、フローラ義母おかあ様と呼んでいる。


うーん。婚約した感じがヒシヒシと感じられて良いなぁ。


ちょっと前に、アウド義父おとう様から、そう呼ぶようにリクエストを受けた。


アウド義父おとう様と呼ぶ度に、ソドお父さんの目が少しだけ怖くなるのだけど……婚約を認めたよね?お父さん。


各港に寄港する各港停泊の定期船が、王都に行けなくて良いのかと思っていたら、貨物や人の殆どは、マリムとの往復が出来れば良いのだそうだ。


うーん。王都。マリムに負けているぞ。良いのかそれで?


キリル港は、義伯母おば様(仮)に懇願されて、アウド義父おとう様が出張工事した。お姉様の要請を断れなかったらしい。

まあ、どの世界でも、強いお姉さんに勝てる弟は居ないんだろう。


アイルが設置を要請していた無線ビーコンは、ちゃんと働いている。

それを設置する時の約束で、各領地の港にアトラス領の大型船が定期的に寄港することになっている。

まだ埠頭が整備されていない領都では、領主の号令で、港の建造が進められている。


陛下との約束で、鉄道を王都まで延伸する。


鉄道を敷設する場所の測量が進んで、鉄道を敷設する場所がはっきりしてきている。距離にすると、アトラス鉄道アトラス線ぐらいだった。


アトラス線の時は、領地内の工事だったから、好き勝手に素材を作製しながら敷設した。


今度のガリア線は、他の領地を横断しながら敷設していく。


現地で素材を調達して、魔法で作るのは、色々な意味でマズいという事で、資材は全てアトラス領内で準備してから敷設することになった。


ん。何がマズいんだ?

別に良いと思うんだけどねぇ。


幼い少女が、大魔法を使って、素材を作ったりするところを衆人に見せると、攫われるかもしれないというのがお父さんの意見だった。

まあ、あまり大っぴらにするのも何なんだけど、アトラス領内では、全く考慮しないで、魔法を使い捲ってたけどね。


そんなものを見せたら、安全の為に、どれだけ、他人よその領地に、騎士を配備しなきゃならないかと言われた。


「アイルは良いのか?」と言ったら、アトラス侯爵家の跡継ぎに、ちょっかいを出す勇者は居ないんだそうだ。


「私は、婚約者だぞ。」と主張したんだけど、婚約はあくまで婚約で、結婚した訳じゃないから別だって。


まあ、そんなものなのかも知れないなと、仕方無く、納得した。


そんな理由わけで、私とアイルは、ある程度の距離の敷設が可能になるだけの資材や完成品を作りまくっている。


私は、鉄と超伝導素材を作っている。


午前中に、研究所で超伝導素材を作って、ゆっくり頭を休めて、午後には、コンビナート駅の側の広場で、鉄を作っている。

鉄というか、線路のレール用や列車用や鉄橋用の鉄だね。


アイルは、石の枕木、線路のレール、列車などを作っていた。


そんな準備をしている時に、アウド義父おとう様からの依頼で、新たな発電所を作ることになった。

場所は、キリル川の支流の一つ。


アトラス鉄道ミネア線に近い場所にダムを作ることになった。


鉄道には、あらかじめ洞道が作ってあるので、その洞道を利用して、ダムで作った電力を、アトラス山脈の東側と西側に振り分ける。

この経路で、東側は、ミネアで、マリムからの電力線と接続し、西側は、アトラス鉄道のキリル川の橋のあたりで、西側の電力線と接続される。


ただ、東回りの送電線と西回りの送電線の距離が違っているために、合流地点で交流の位相がズレるとアイルが言っていた。


何やらその位相調整をする為に、巨大な超伝導コイルを作る必要があるんだそうで、また、大量の超伝導材料が消費された。


超伝導材料は、なんか、作り続けないとダメみたいだ。


誰か代りに作ってほしいんだけど……こればかりは……ムリだろうな……。


ダムを作るために、1週間ほど、寝台車に乗って、アトラス鉄道ミネア線への旅に出た。


「アイル。婚前旅行だね。」


私が言ったとたんに、アイルは真っ赤になっていた。ふふふ。可愛い。


婚前旅行って言っても、別になーんにもしないよ。まだ幼稚園の年長さんの年齢だからね。

でも、キスぐらいはしても許されると思うけど。


キリル川駅で鉄道を降りて、貨車を切り離して操車場に停車させる。

あとは、キリル川を船で移動する。

まあ、以前マリム川にダムを作ったのと同じだ。

船は、キリル川の河原で製造した。

騎士さん達が船への荷物の積み込みをする。侍女さん達が船のインテリアを整備する。


川をさかのぼる。建設する場所は、キリル川の支流で、アトラス鉄道ミネア線と交差している先だ。


2日ほどで、巨大なダムができあがった。マリム川のダムとミネア川のダムを合わせた倍ぐらいの発電量になる予定なんだそうだ。

その後、2日かけて、変電設備を作った。今回は、何度もここに来なくても良いように、全ての発電機を設置した。

水が溜ったら、必要に応じて堰を開けて発電機を動かすことになる。

位相調整用の変電設備も、この場所に設置した。


あとは、電力対応している文官さんにおまかせだね。


そこそこ大きな川で、線路の側という場所を良く見付けもんだと思ったら、もう既にこの付近の詳細地図があった。


既に、アトラス領の測量は、キリル川あたりまでは、全て終っていて、地図が出来上がっているそうだ。


そして、その測量隊は、鋭意北上中らしい。


しかし、正確な地図が出来てきて改めて見ると、アトラス領って大きいね。

前世の日本より大きいみたいだ。倍ぐらいの面積があるよ。


鉱物資源調査も進んでいる。

アトラス山脈は、思っていたとおり、希少金属の宝庫だ。

使い道の無いアクチノイド系の希土類も見つかっている。


まっ、これは無視だな。


既に知られていた、旧ノルドル王国の鉱山では、採鉱が再開している。

それもあって、アトラス領での銅の採掘量が大分増えているそうだ。


コンビナートや、海沿いのコンビナートの拡張工事もしなきゃならないみたいだ。

なんだか、こんなのの対応でしばらくは忙殺されるんだろうな。


ダムで中断していた、鉄道資材の生産を再開する。


資材が揃って、いよいよ、鉄道の延伸工事になった。

今回は、バトルノ川までの区間の敷設をする。

資材は、敷設した鉄道を使って、貨車で運ぶ。


アトラス鉄道アトラス線は、マリム駅から西に進んでコンビナートを通り、その先で、アトラス領の境界に沿って北に向っている。

その、北へ曲る場所に作った分岐駅から、西へ向けて鉄道を延伸していった。


全て、アイルの魔法による作業なんだけど、せっかくなので、私も同行した。


「この侯爵の跡継ぎの大魔法使いの婚約者でございます。」


というスタンスで大人しくしていれば、別に問題は無いんだそうだ。


それと言うのも、途中の土地の様子を見てみたいと思ったんだよ。

移動してみて分ったけど、街じゃ無ければ、ひたすら農地か林だった。

何処に行っても、あまり代わり映えのしない風景だった。


西に進んでいくと、それなりに、丘やら小川やらがあって、起伏はある。

丘は削って、低地は高架を作って、鉄道を通していく。

事故になったりすると困るので、踏切は、他の領地では作らない。

高架になっている下に新たに道を作ってもらう。

駅以外の場所では、壁を作って、線路に人や動物が入り込めないようにした。


戦争にでも行くんじゃないかと思えるような人数の騎士さん達に囲まれながら、西に進んでいった。


アトラス鉄道ガリア線の駅の場所は、鉄道が通過する領地の領都に近い場所になる。

各領地からは、駅にしたい場所を指定してもらっていた。

鉄道を延ばして、各所に駅を設置する。

駅には、引き込み線と操車場を作って、貨物車両を列車に繋げたり切り離したり出来るようにした。


領都へ線路を迂回して欲しいという要求をしていた領主さんも居たみたいだけど、国王陛下から却下された。


「領都を駅の側に遷都したら良いんじゃないか?」という話になっているそうだ。

無償で鉄道を通してもらうのに、余計な要求などするなって事らしい。


マリムに近い場所から、ポーリ男爵領、サルチ男爵領、パグリュカ子爵領を通て、バトルノ川に到達した。

バトルノ川に鉄橋を作ったところで、一旦休止になった。


また、素材を準備してから再開する。


各領地に駅が出来たら、そこまでの区間の鉄道運行を開始した。


鉄道が開通した領地では、お祭り騒ぎらしい。


早速、鉄道を使ってマリムへ向う人が多い。

家族連れが多いから、観光か遊びにでも行くんだろうね。


大浴場が噂になっているみたいだ。大浴場も増設しなきゃならなくなるのかもしれない。

マリムから王都までのアトラス鉄道ガリア線の路線図を、「惑星ガイアのものがたり【資料】」のep15に載せました。

URL : https://ncode.syosetu.com/n0759jn/15/

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