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惑星ガイアのものがたり  作者: Tossy
プロローグ
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1.高エネルギー重力研究所

西暦二〇二●年、本州の北部にある被災地に高エネルギー重力研究所と付設の先進素材技術大学院大学が設立された。



高エネルギー重力研究所は、物理学の二大理論の相対性理論と標準理論を統一して、新たな理論を構築、実証することを目的として設立された。日本の科学技術の威信を賭けた研究所として、国が多額の投資を行なった。


付設の先進素材技術大学院大学は、主に先進的な素材開発を行なうことを目的として、化学、物性物理学、生命科学を中心に研究開発を行なっていた。


高エネルギー重力研究所と付設の先進素材技術大学院大学は、ともに、国内外の新進気鋭の科学者を集めていた。


――――


西暦二〇三●年十一月二十四日、研究装置と施設が消失する事故が発生した。そこに有った施設が建物ごと消えたのだ。


その日、高エネルギー重力研究所の神崎主席研究員が、先進素材技術大学院大学の上條教授とともに、新設の重力波発生装置の調整を行なっていた。爆発などの痕跡は全くない。装置があったと思われる場所を中心に、球状の領域が綺麗に消えて無くなっていた。



国内、海外を問わず、著名な物理学者、化学者を招聘して事故調査委員会が設置された。


その委員会で、神崎主席研究員が設計した装置の設計内容を調査した。また、上條教授が準備し、使用していた素材を解析した。


しかし、事故を発生させる原因は見当たらなかった。机上の調査では原因はようとして掴めなかった。

そこで、消失した装置や計測装置や素材、さらに、試験装置を中心に球状に消えていた土壌や施設も再建した。様々な条件、方法で再現実験を行ってみた。


これまで、事故の瞬間に、計測装置が観測した現象は再現できていない。


発生から2年経った今でも、消失事故の原因は不明のままだ。



実は装置が消失した時刻に強力な重力波が観測されていた。


それは、宇宙空間で発生した重力波を含め、これまで観測された重力波強度を何十桁も上回っていた。

そして、同時刻に、この研究所から遠く離れた米国を始め世界各地の研究所で、同様の強力な重力波を観測していた。


その測定結果から、重力波の発生源は、日本の高エネルギー重力研究所と特定されている。


この現象が、消失した装置によるのであれば、物理学会には激震が走るだろう。



この事故で、神崎主席研究員(三五歳)と上條教授(三五歳)は死亡したものと推定された。遺体などは見付からず、二人は装置と一緒に消失したのだと判断された。

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