第5話 生徒会室
「いただきます♪」
「会長、今日も伊織さんが作ったんですか?おいしそうですねぇ。」
「でしょ?胡桃ちゃんも食べる?」
書記の神崎胡桃ちゃん。
1年生で、アタシのお気に入り。
「藍成さん。その前にこの書類やってもらいますから。」
「あ~。食べながらやるからおいといて?」
「絶対ですよ?この文化祭の出し物のやつとかは今日が締め切りですから。」
副会長の蓮見海里君。
1番最初にアタシに声をかけたのもこの人。
「わ~。文化祭があるんですかぁ?楽しみだなぁ~。」
「沙織。予算が10万円以上のやつはだめだから。」
「去年の美術部の藍成さんの銅像とかそういう迷惑なものはボツにしてください。」
上から、胡桃ちゃん、瀬名、海里君。
あ、瀬名って言うのは、綿貫瀬名って言って、
施設にいたときからのアタシ達の幼馴染。
っていうかあの銅像迷惑だったかなぁ?むしろうれしかったんだけど。
「美術部には沙織達のファンクラブに入っている奴等が多いからな。そうやってポイントを集めようと必死なんだよ。ほら今年なんて『フォトアート~会長の顔作り~』だぞ?」
「フォトアート??」
「写真で絵を作るの。ほら、見たことない?東京ディ○ニーシーのミ○キーとか、24時間テ○ビのイ○トのやつとか。はい、胡桃ちゃんあーん♪」
「あ~ん♪あぁ、あれですかぁ。あれなら見たことあります。ん~、おいしぃ~♪」
「藍成さん、誤解されるからやめてください。で、書類はできました?」
「できたわよ♪はい。」
いろいろ騒がしいけど、やっぱりここで過ごすお昼は、私にとって一番幸せな時間だわ♪
藍成 羽織 Haori/Ainari ♂
仮人格。絶対音感の持ち主。
大人気バンドRarutoのリーダー。