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飛輪警察団物語り  作者: 星鈴トキオ
4、只今捜索中!
26/26

4-2

後で数行付け加えるかも知れませんが、思いつかないので今はこれで。

 

 これはわたしが今よりももっと子供だった時の話だ。

 これと言って特に名産品も無いうちの村のたった一軒しかない商店に強盗が入った。直ぐに強盗は村の自警団によって捕まったものの、その強盗は食料品以外の商品には目もくれず、お店の中にあるものを手当たり次第壊しまくって逃げたらしい。

 何せ村に一軒しかない商店だ。食料を買うのも生活必需品を買うのにもこの村の人たちはこの商店頼りで暮らしていたのだ。原状を回復するのに村人総出で手伝いをしても、商店の営業が再開されるまで一か月以上の長い時間が掛った訳だ。その間村人たちはちょっとした買い物をするにも、徒歩で片道二時間も掛る隣町まで行かねばならず、とても不便な生活を強いられたそうな。

 まあ、わたしは幼かったのでその間の記憶は朧げにしか無いんだけど、兄さんが隣町にある小学舎に通うついでによく両親におつかいを頼まれていた事だけは覚えていて……。


 つまり、わたしが何が言いたいのかと言うと、昨日今日強盗に遭った店が直ぐに営業再開しているなんて、凄い怪しくない?って話。


 故郷の村にある商店が強盗に入られた時の話だって実は裏があったらしく、自警団から隣町にある王国軍の駐屯所へと引き渡された強盗達の供述によると、町のとある商店の店主から依頼され、村の商店へと強盗へと入ったのだと言う。

 隣町の商店主は村の商店主とは知り合いらしく、最近店の経営不振に悩んでいたこの店の店主は、競合する店も無い村での緩やかな生活スローライフを村の商店主に自慢され、カッとなってこの計画を思い付き、ついには強盗へと依頼してしまったと言う事。村の商店が開かれなくなれば、村の商店のお客はこの町へと買い物に来るしか無く、商店から盗んだ商品を安く売れば、店の売り上げも伸びて顧客も増えるだろうと言う、とても安易な計画だったらしい。……まあ、食料品は食べちゃえば足も付きにくいし、品物から盗難品だとはバレにくいものね。ただ町の商店主の誤算は、村の自警団を舐めていた事にあるだろう。我が村の自警団は、まあ、何と言うか結構腕っぷしが立つ。辺境の村の漁師を舐めちゃダメだよって言う事を、今回の事件で隣町の人達もそしてとっ捕まった強盗達も学んだのだった。


 「過去に村でそんな事件があった事を知っているわたしとしましては、この「宝石店は怪しすぎる!」と言う十分な理由になると思うのですが……どう思う?」

  

 そう二人に問えば、わたしの説明に納得した様子は見せていないものの、ここの宝石店を調べることには賛同してくれた。花桃曰く『お店の店主が善人である可能性の方が低いですからね』と言う事らしい。蛍火は蛍火で『あの宝石店の店主の顔が気に食わん!』からの賛同って本当自由人だよね。でもわたしそんな彼女達のシンプルな理由も決して嫌いな訳じゃないんだよね。


 と、言う訳でわたし達は手分けして、このわたし的に「怪しい宝石店」の情報を集め始めた。

 すると出るわ出るわ「怪しい宝石店」が、より怪しく思えてくる情報が。


 「あの宝石店で働いているのは、どうやら三名の様ですわね」


 わたし達は一度集めた情報を整理する為に、慈善活動のゴミ拾いのスタート地点でもあった、中央区の噴水公園広場へとやって来た。ここで色の微妙なフレーバー茶を飲んだのが懐かしいって、まだあの屋台あるんだ~パレード限定じゃなかったんだ。まあつい昨日の話何ですけどね。短い間に色々ありすぎてもう一週間くらい経ったような気分になるんだよ。


 噴水近くに置いてあるベンチに腰掛けて、お互いに集めて来た情報のすり合わせを始める。


 「お金にがめつく金持ちにのみ愛想の良い宝石店店主に、お金に意地汚い根暗な守銭奴店員、そして店の雑用を一手に引き受ける、可愛いが最近顔色の悪い下働きの若いねーちゃん!だな」

 「概ね間違っちゃいないけど、めっちゃ主観が入った情報をどうも。でもそれ誰情報なの?」

 「怪しい宝石店の斜め向かいに店を構える肉屋さんの話だな。パレードの日に店の前で肉の串焼きの屋台を出していたら、肉の煙が「煙い!!臭い!」っと文句を言われて御冠だったぞ!」

 「へー……って、じゃあそのお肉屋さんの主人は、宝石店が強盗にあった時間帯にも屋台を出していたの?」


 なら、直接強盗事件を目撃したんじゃないの?と期待を込めて聞くと、蛍火は腕を組みとても残念そうに言った。

 

 「それがな~残念なことに丁度休憩時間で、店の奥で休憩を取っていたらしく「誰か!助けてくれ!!」って言う宝石店店主の叫び声を聞いて、慌てて店から出て来たらもう宝石店はめちゃくちゃで、強盗も逃げた後だったんだと」

 「宝石強盗に入られた時間帯、この辺りの殆どのお店が丁度休憩時間だったらしいですわね。強盗を目撃した人は逃げていく二人組の姿は目にしたものの、宝石店が強盗に入られている所を直接目撃した人は、わたくしが話を聞いた限りではおりませんでしたわ」

 「右に同じだ!」


 花桃がいるのは蛍火の左側だけどねっ!まあ、そんな些細なこと今はツッコまないけど。


 「周囲の店のどこも強盗に入られた瞬間は見てないんだよねぇ~。でも、店はめちゃくちゃにされ、目玉商品も盗難されている。普通近くのお店に強盗とか入ってたら、物音とか悲鳴とかで気付かないもんかね?」


 村の商店に入った強盗は、派手に暴れて物を壊している間に、騒音で村人たちに気付かれて自警団を呼ばれている。白昼堂々の犯行で、しかも宝石店も店の中はめちゃくちゃに壊されている。騒音で強盗が入ったと気付かれないって変じゃない?


 「それがあまり変でも無いのですわ」

 「変では無いのか?」

 「……それはまた何で?」

 「高級店には必ず店の内部の音を外へは漏らさない様で出来る輝術具が置かれていますの。しかし

資金繰りにも困っていそうな中級宝石店に、その様な輝術具を変える資金があるのか?と問われれば変な感じですわね?」


 高級店なんて入った事が無いから、そんな輝術具見たことも聞いたことも無かったよ。

 でも、花桃が言うならそんな輝術具があるのだろう。面白そうだから今度調べてみようっと。


 「もう少し時間を掛けて宝石店の事を調べて見ましょうか?」

 「う~ん…まあ叩けば叩くほど埃が出てきそうな宝石店であるのは間違いないんだけど」

 「我らが探さねばならぬのは強盗の行方では無く、居なくなった女性方だからな!」


 ニコリと良い笑顔で「これでも飲んで、一度頭をリフレッシュさせようぜ!!」と蛍火が差し出してきたのは、いつの間に買いに行ったのか噴水広場の露店で売っている、ランダムフレーバーと言うまた凄い微妙な色をした飲み物だった。

 昨日もこれ飲んだけど、見た目が凄い色なだけで、味はそんなに不味くはない。それでも見た目ってとても大事で、パッと見だけで飲む気を失わせる事が出来るこの飲み物は凄いと思う。


 「豆がら茶色と焦香色のフレーバー茶どっちがいい?」


 良く焦香こがれこう何て色の名前知っているな!?っとわたしが心の中で思っている隙に、花桃が素早く蛍火の手から焦香色したフレーバー茶を掻っ攫ってしまった。


 出遅れた!!


 わたしも花桃も、豆がら茶色より焦香色の飲み物の方がまだマシそうだと思う、第一印象はどうやら同じだったようで、わたしは肩お落として泣く泣く蛍火から余った豆がら茶色のフレーバー茶を受け取った。


 「…では、有り難く?」


 本当に飲めるのか?豆がら茶色のフレーバー茶を、気合を入れて一気飲みし始めて「あれ?」っと気付いた。


「そうだ。海の香り」


それはまさにデジャヴと言うような感覚で、確か昨日もこの場所で、とてもこの場所には似つかわしくない不思議な香りを嗅いだのだ。





ホントお読み下さり有難うございました。

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