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飛輪警察団物語り  作者: 星鈴トキオ
3、慈善活動延長戦
23/26

3‐6

また説明の回ですみません。一応これで説明の回は終わりです。


 創造の神ソティルシアにより作られた一種族、輝族きぞくは人族の身体を借りて産まれてくる。

 輝族同士の婚姻により産まれた子は、輝族の血から輝力の種子を受け継ぎ、人族同士の婚姻により産まれた子には、神ソルティシアにより選ばれた子のみに新たに輝力の種子が与えられる。

 輝力の種子は私達の体内を苗床とし、世界から輝素と言う養分を得、体内で輝花を咲かせる。

 その輝花が輝力の源と言われ、その輝花が大きければ大きいほど、より強い輝術師になると言われている。


「……と、言う訳で、現在進行形で体内で輝花きかを育てている、私達は人間ではなく輝人になる訳です」

「薄々我は人と違うとは思っていたが、本当に奇人変人の輝人だった訳か、道理でオカシイ訳だ」

「いや、それって奇人変人関係無くない!?元々蛍火がオカシイだけだよ!!」


 「それに奇人変人の奇人じゃなくて輝人だからね!」っと、紙に書いてしっかりと説明してあげたわたしは優しいでしょう?

 今日初めて自身が人間じゃないと知った蛍火の顔は青白く、余程ショックだったと見える。

 まあねぇ~。わたしも初めて自分が人間じゃないかも知れないと聞かされた時はかなり驚いたけど、周りの人の喜びようの方が凄まじかったから、別に悪い事ではないんだと理解している。

 星明兄さんも「ちょっと輝術が使えるようになっただけ」と言っていたし、見た目も人族そのもの。病気になっても、心臓が止まっても、人間と同じで死ぬ。

 ただ少しだけ輝族は人族と違い、身体が強く寿命も長くなるらしい。

 これは、体内に常用的に輝素を取り込んでいる影響で、輝術師の副作用の様なものだと言われている。


「では、蛍火。私達が輝族だと理解なさったでしょう?その上で『輝素きそ』とは、どう言う物でしょうか?」


 お、段々本題に近付いてきた。流石花桃、本筋への戻り方も上手い。


「ああ、『輝素』だな!それは我も知っているぞ、御父上ちちうえが仰っていた。『輝素は酒の様なものぞ。心地よいほろ酔い感を与えてくれる』と!!」

「蛍火パパ大正解!」

「とんだ大穴がこの度の正解を掻っ攫って行きましたわね!」


 二人でパチパチと蛍火の『お父様』の解答に拍手を送る。

 そんなわたし達の姿を見ても、首を傾げるばかりで理解した様子が無いので……


「蛍火、一番最初にわたしが言った事覚えてる?わたしが目を付けた、」

「『輝鉱石の正しい取り扱い方法』だろう?」


 テスト期間に入る前のつい最近の授業で勉強した内容だからか、蛍火の頭の片隅に記憶にどうやらまだ消えずに残っていた様で、ならばここから詰めていこうと決めて、わたしは話し出す。


「輝鉱石が、輝素が自然界で固まって出来た天然の鉱物だって事は勉強したよね?」


 うんうん、コクコクと二人が頷く様子を見てこのまま続ける。出来るだけ分かりやすく簡単に。


「輝鉱石と一括りに纏めて呼んでてもその実二種類あるよね?わたしが持っているブローチや、輝術道具に使われている輝鉱石なんかは、人の手が加えられた輝鉱石で加工物って呼んでいるでしょ?そして人の手が全く加えられていない天然の輝鉱石の事は天然物と分けて呼ばれていて、それが何故だったか覚えてる?」

「……輝鉱石は人の手が加わっているかいないかで『安全性の変わる鉱物』だから、だったか?」

「そう、それだよ!」


 普段大気に漂う輝素を吸収し輝力へと体内で変換している輝術師にとって、『輝素』とは輝術を使うための養分の様なもので、大気中に漂う輝素は人の目にも見えず、場所により異なるらしいがそれ程多くないと言われている。

 しかしその一方、自然界で長い時間を掛けて大地に降り積もって鉱物化した輝鉱石は、大地で輝素が凝縮されて出来ている為、輝素の濃度も濃くなる。

 その為天然物の輝鉱石は、その場に漂う輝素を否応なく吸収して生きている輝族にとっては近くにあるだけで、濃度の高いお酒を一気に文字通り、浴びるように飲ませられる『危険な鉱物』なのだ。

 それに天然の輝鉱石は輝族だけでは無く、持っているだけで人族の調子をも狂わせるとも言われている。


「蛍火のお父さんのように、体内で輝花を咲かせ終わった輝術師なら、天然の輝鉱石から吸収する輝素の量も調節出来るんだろうけれど、わたし達はまだ輝術師の卵で種も成長真っただ中。そんな時期に濃度の高い輝素を一気に吸収したら、さて花桃はどうなってしまうのしょうか?」

「一気に吸収してしまった輝素に、体内での精製された輝力が溢れ返り、酩酊状態に陥りましてよ。そうですわね、確かにあの時私わたくしは、人の顔も覚えられないくらい酔っていたのですね。輝力酔い位で……本当に不甲斐ないですわ」

「気にする事はないぞ花桃。我は酔って無くても、興味の無い人の顔など覚えはしない!!」


 居なくなった女性の一番近くにいたのに、その女性の顔も覚えていない花桃は悔しそうに顔を歪ませ、少し落ち込んだ様子に見えたが、蛍火が堂々と言い放った一言に何を思ったのか「そうですわね」と、あっという間に元の調子に戻った。


 まあ、いいっかと思い直して、わたしは話を続ける。長くなったけどここからが本題だ。

 やっとわたしが見つけた物の話が出来るよ~~。


「花桃が酩酊状態に陥ったことから一番考られる事は、捜している彼女が『天然の輝鉱石』を持っていたって事だと思ったんだ」

「しかし、天然の輝鉱石なんて普通の人がそう簡単に手に出来るものではないのだろう?」

「捜している女性は、わたくし達と同じ輝術師でもありませんでしたわ」


「そもそも輝術師なら、引ったくりになど「遭わん・遭いませんもの」」っと頷き合う二人に、わたしは持ってきた新聞を見せる。


「わたしは彼女捜索の鍵がこの記事にある思うんだけど、二人はどう思う?」



お読み下さり有難うございました。

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