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飛輪警察団物語り  作者: 星鈴トキオ
3、慈善活動延長戦
22/26

3-5

毎回短くて済みません。


 「わたくし読めましたわ!ずばり『輝力酔い』の話ですわね!!」


 「花桃、大大大正解!!」


 わたしは察しの良い正解者の花桃へと、パチパチッと拍手を送った。一を聞いて十を知る、彼女はまさにそれが出来る人。


 「何だ?そなた等二人だけで分かり合うんじゃない!!我にもどういう事か説明してくれ!」


 「……蛍火、貴女テスト勉強したりとか…いえ、失言でしたわね。ここはわたくし蛍火アナタにも分かるように説明致しましょう!」


 「頼みました」


 頬を膨らませながら不満気にそう言った蛍火の顔を、チラリと見て何か悟ったのか花桃は一つ頷くと、わたしの話を引き継ぎ、拳を握ると「いいですか?」と彼女に人差し指を突き付けながら、分かりやすく『輝力酔い』についての説明を始めてくれた。


 「蛍火は、私達輝術師とそうでない普通の人の違いは何かご存じ?」


 「馬鹿にするなよ花桃!それくらい我にも分かるぞ!!」


 フンっと鼻を鳴らした蛍火が、薄い胸を誇らしげに張って花桃に答える。


 「輝術師は輝術が『使え』て、普通の人は輝術が『使えない』だろ!?」


 「ぶっぶー!!蛍火不正解!!」


 「なにぃっっつ!?」


 「一般常識では無かったのか!?」とショックを受ける蛍火に、わたしは大きく両手でバツを作った。


 「蛍火少し頭を使って考えてごらん?普通の人でも別に『輝術』は使う事が出来るんだよ?『輝鉱石これ』があれば」

 

 わたしはそう話しつつ制服のポケットの中から、輝石チョークと少し大きめの石が付いたブローチを取り出して、テーブルの上に置く。


 「蛍火が尊敬している騎士の人達の中にも、普通の人なのに輝術を使って戦う人っているでしょう?つまり『輝鉱石を使った道具』を使えば、一般的には普通の人でも知識さえあれば輝術を使うことが出来るって事で、花桃の質問に対する蛍火の答えでは不正解~」


 「くっ!なんてことだ……」


 悔しそうに顔を背け拳を握る蛍火に、ちょっと言い過ぎたかな?と思ったけど、これ事実だしね。

 輝鉱石とは、この世界に漂う輝素の結晶体の事で、輝素の濃い地の鉱山から採掘され、輝石師により輝鉱石として加工され、色々な輝術道具となって使われている。使い方さえ分かれば、輝力を持たない普通の人でも、輝力の少ないわたしでも使いこなせるお手軽道具なのである。


ただ、手軽に輝術が使える道具が在るとは言っても、輝鉱石自体が貴重な鉱石の為輝術道具自体も貴重で、国によっては厳重に管理されていたりもするので、一般的にあまり出回っている物でも無く、貴重な上に売っていても高額。わたしの様な庶民が気軽に買える値段では無く、一般にはあまり流通していない。


 輝術師が自分の輝力を使って、輝力石を作る方が輝鉱石を購入するより安上がりとか事実だしね。

 「……まあ、蛍火の認識は、王立飛輪学園の生徒としての一般常識としては不正解ですが、普通の人の中での一般的な認識としては正解なのかも知れませんけどね。でも貴女も今はもう王立飛輪学園の一生徒なのですから、しっかりとした輝術師こちら側の常識を覚えておく必要があるのです」


 「じゃないといつまでも補習生徒のままですわ」と花桃がぽつり溢した本音に、わたしはコクコクと頷き、こっそりと同意を示した。


「では、これまで普通の人の一般常識の中で生きて来られた蛍火には、少し衝撃的な答えを御伝えすることになるかも知れませんね?」


 「いやもう、これ輝術の座学の教科書の冒頭に乗ってる言葉だからね!?」


 そうだ、しっかりと覚えている。わたしも蛍火と同じで、普通の人の一般常識の中でこれまで生きて来たから。

 王立飛輪学園へと入学して初めての輝術学の授業で、生徒全員に配られた輝術学の教科書、その表紙を開いて直ぐ目に入るあの言葉。約三か月前に初めて知った輝術師こちら側の常識。

 

 『輝術師とは人族の姿を模していても人で非ず。創造の神ソティルシアにより作られた世界の代弁者。輝族言う名の一種族』


 「……と、言う訳で、つまりわたくし達は人では無いのです!」


 「何だとっつ!?」


 ……まあ、そりゃ驚くよね?



お読み下さり有難うございました。

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