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飛輪警察団物語り  作者: 星鈴トキオ
3、慈善活動延長戦
20/26

3-3

短いです。


 可愛らしい折り鶴の手紙が、フヨフヨとわたしの手元に飛んで来たのは、二時限目の授業を終えて直ぐだった。

 折り鶴を丁寧に崩し紙に書かれている伝言を読めば、そこには『至急食堂にて作戦会議!急げ!!』との一文が、女の子が書いたとは思えない、少々勇まし過る様な筆跡で書かれていた。


「……何ぜだろう?差出人の名前が無くても、誰から送られて来たか想像付くこの感じ」


 水色の長い髪の毛を揺らした少女が、口元に両手を当てて『急げよー!!』と叫ぶ姿が思い浮かんだ。


 仕方無いな。また飛輪の街に人捜し出るにしても、確かに作戦会議は必要だったしね。クスッと笑ったわたしは、朝輝と一緒にお昼ご飯を食べる約束を丁寧に断って、急いで学生食堂へと向かったのだ。



「おーい!夜宵~!!こっちだこっち!」


 お昼休み、昼食を求める生徒達でごった返している学園食堂にやって来ると、入ってすぐに元気な声がわたしを呼んだ。

 声のした方に目を向けると、そこにはこちらに向かって大きく手を振っている蛍火と、何故かその隣で苦笑いを浮かべている花桃が、二人でテーブル一つを占拠し座っていた。


「おやまぁ、随分いい席が取れたもんだ」


 二人の座るテーブルへやってくれば、そこは広い学生食堂の中でも端っこにある四人掛けのテーブル席で、適度に観葉植物の鉢の陰になっていて、兎に角周りから目立たないと一部で評判のテーブル席だった。


「チャイムが鳴ったと瞬間に走ったからな!」

「蛍火さんったら、このテーブル席を取った上で、わたくし達に招待状を出したんですのよ?」

「わたし達が断る可能性とかは?」

「見て下さいまし!この笑顔を!!そんな可能性など露ほども考えておりませんわ」


 成程、花桃の苦笑いはそれが原因ね。


 昨日わたし達は、飛輪学園へと帰ってきた時にはもうクタクタで、別れる前に「また、明日ね」とは言ったものの、いつ、どこで?と言う、次に会う約束を取り付ける事はしなかった。

 お昼休みに会う約束はしてなかったものの、こうやって招待状出してくれた蛍火は、しっかりと「また、明日ね」と言う社交辞令を覚えててくれた訳だ。

 

 『褒めてくれてもいいんだぞ?』とでも顔に書いてありそうな、満面の笑みで迎えられたら、約束なんてしてなかったでしょう!なんて、花桃でも言えなかっただろうし?

 それとも、花桃にはこのお昼休みに何か用事があったのかも知れないしね。


 まあ~それはそれ、これはこれ。

 わたし達には、慈善活動延長戦の作戦会議をする必要があるのだから。

 ……それに学生食堂のお昼休み座席争奪戦に、参戦しなくて済んだのが何より嬉しい。

 今日は蛍火のお陰で美味しいお昼ご飯が食べられそうだよ。わーい!


お読み下さり有難うございました。

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