39話 財宝を守る者
そして休息も十分とったという事で再び探索に向かう事にした。
「部屋の敵は一度倒すと次はアンデッドが出てくるわね」
「そりゃ毎回出てきたらたまったもんじゃない。特にヒュドラとかはな」
そして地下13階まで降りた。ガーゴイルのいた部屋の先には階段があった。
地下14階である。かなり迷宮は小さくなっていた。扉が2つある。
一方の扉に入った。
「今度はサラマンダーね。ブリザードで決めるしかないわ。レオン!ヴィンセント!」
3人で魔法陣を展開する。
「ブリザード!」
目の前が吹雪に覆われた後、ドスンという音が聞こえた。進んでみるとサラマンダーが倒れていた。あの音はサラマンダーが落ちた音だろう。
恒例の首切が終わるとサラマンダーの首はトマスのバックパックに収納された。
地下14階のもう一方の扉にはサイクロプスがいた。巨体に苦戦したが、私とヴィンセントで倒す事ができた。
サイクロプスの頭はさすがに持ち帰る事ができないので角を持って帰ることにした。
「サイクロプスって分かるかしら?」
「どうだろうな」
扉の出口を抜けた先に下の階段があった。
ついに地下15階にたどり着いた。そこには目の前に扉があるだけだった。他に道はない。
「よし、じゃあ開けるぞ」
扉に手をかけると
「ちょっと待って下さい!何か書いてある」
アメリアがそう叫んだ。
どうやら扉の上部に何か書いてあるらしい。古代の文字だろうか?私には全く分からない。
「私、古代文字をある程度読めます。以前、教会で習ったんです」
教会では教養として古代言語についても習うらしい。
「えっと……一人で……うーん……」
アメリアは扉の前で考え込んでいた」
「解りました。どうやらこの部屋には一人で入らなければならない、そうでなければ厄災が起こるようです」
アメリアは得意げにそう言った。
「どうする、書かれてることを信じて一人で入る?それとも無視する?」
「一人で入ろう」
「そうね、誰が行く?私はリーダーだけどパス。やっぱりレオンでしょ、優勝したし」
「私でもかまわんぞレオン」
「いや、俺がここは行こう」
「わかった、任せたわレオン」
そして一人で扉の前に立ち、深呼吸して扉を開けた。
扉の向こうは薄暗いが光があった。
部屋の中に入ると扉が自動的に閉まった。
部屋の中を見渡すと、奥に鎧を着たスケルトンが椅子に座ってこちらを見ていた。
スケルトンに近づいていくと、突如声が聞こえた。いや、声ではない、脳に直接語りかけてくるようだ。
「よくここまでたどり着いたな『勇者』よ。私は大魔道士サリウス様に造られた最強の戦士。私はサリウス様の命を受けこの部屋と財宝を守る。サリウス様はおっしゃった、私に勝った者だけがこの財宝を受け継ぐ資格があると。勇者よ参れ」
そしてスケルトンは立ち上がり剣を構えた。
私も剣を構え、神速の突きを放つ。
スケルトンはそれを軽く躱す。
私は何度も剣を振るうが全て躱されてしまう。
「その程度では私には勝てない」
心なしかスケルトンは笑っているように見えた。
神速を超える神速の突きを繰り出すがこれも躱されてしまう。
手詰まりになってきた。
すると今度はスケルトンが攻撃してきた。
スケルトンの剣を躱し、時に剣で受ける。スケルトンの攻撃は止まらない。
だが、攻撃される方がまだやりようもある。接近して剣を打ち合う。
そして接近している最中に神速を超える神速の突きを出す。これはどうやら躱せないようだ。剣がスケルトンの頭蓋骨に吸い込まれる。
「見事だ、勇者よ」
「お前の名は?」
「私に名など無い。ただの戦士だ」
そしてスケルトンは崩れていった。
扉を開けて皆を部屋にいれる。
「で、どんな魔物だったの?」
「スケルトンだ」
「ただのスケルトンなの?」
「いや、最強の敵だった」
「私も戦ってみたかったな」
「それでここが最後なの?」
「ああ、最後だ。スケルトンは財宝を守っていたらしい。それを受け取って地上へ戻ろう」
「私たち最奥部まで来たのね!」
「ああ」
そして部屋の中を探すと剣と黄金色に輝く石があった。
剣を鞘から抜くと眩い光を放っていた。
それらを回収して地上へと戻った。
〜〜
崩れたはずのスケルトンがゆっくりと姿を元に戻す。
「サリエル様、なかなかの勇者でございましたな」
何もない空間からローブを着た老人がゆっくりと姿を現す。
「そうだな。お前が破れるとは」
「恐るべき練達の剣でございました」
「あの若者、これからが楽しみだな」
「迷宮はどうなさいますか?」
「奴らが倒した魔物は元に戻さなければならないだろう。面倒なことだ」
そう言うとローブを着た老人はゆっくりと姿を消した。
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