53:怪獣バトル開幕!
みなさま、いつもご感想ありがとうございます!
ご感想の中に「ギルドに憑依できるモンスターがいたら面白そう!」という提案があり、それいただきッ! と思ってクトゥルフくんは生まれることになりました。
最初はゴーレムにしようと思いましたが、なぜかクトゥルフになってました。なんでぇ?
なかなかお返事できませんが、これからもご感想よろしくお願いします!
扉を抜けた先に広がっていたのは、どこまでも広大な円形状の空洞だった。
空気中には青い光を放つ粒子が溢れ、洞窟の中だというのにとても明るい。
その幻想的な光景に魅了されてしまいそうになった瞬間――、
『ギシャアアアアアーーーーーーーーーーッ!』
地獄のような咆哮が、大地の底から響き渡った……!
そして出現する禁断邪竜。まるで大地が水飴のように変形し、ブクブクブクブクッと膨張して、タコのような巨体が姿を現したのである。その膨れ上がった身体の中心部が裂け、黄色く濁った目玉が俺を睨みつけた。
さらにタコの身体から伸びていく九本の触手。それらの先端は竜の頭のようになっており、凶悪な乱杭歯をギラリと覗かせていた。
これが禁断邪竜クトゥルフ・レプリカか。
その姿だけでも圧倒的かつ恐ろしいモノだが、脅威なのはそれだけではない。
「ははっ……地脈憑依型とはよく言ったもんだ」
目の前に広がった光景に俺は苦笑するしかなかった。
気付いた時には、壁にも、天井にも、足元にも、ビッシリと何千個もの目玉が出現し、一斉に俺へと視線を向けてきたのだ。
まるで『どこに逃げても無駄だぞ。必ずお前を喰い殺してやる』と言っているかのように。
――そんな思いを感じ取り、俺は足元にあった目玉をグチュッと足で踏みつけた。
「ハッ、舐めんなよクトゥルフ・レプリカ! 勝つのは俺だッ!」
いいじゃないか、地脈憑依型モンスター! 気に入った!
コイツを街そのものに憑依させてやれば、防衛機能は格段に跳ね上がることだろう。次のイベントで活躍すること間違いなしだ。
挑戦者たちを全部倒してイベントポイントを総取りし、運営の連中を泣かせてくれるわッ!
そうしてやる気も漲ってきた時だ。ポーンという音を立て、目の前にメッセージが表示される。
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・地脈憑依型ボスモンスターは非常に強力な相手です。
HPをゼロにするほか、その猛攻を20分耐えしのげばプレイヤーの勝利とします。
倒したのではなく再び眠りについたという判定になりますが、経験値とアイテムは手に入ります。
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なるほどなるほど。救済条件のつもりだろうが、俺にとっては余計なお世話だな。
逃げ回って惨めに勝つつもりなんて微塵もない。男だったら派手にぶっ飛ばすのみだろうがよ!
俺は背後より無数の召喚陣を出現させ、クトゥルフ・レプリカを睨み付ける。
「さぁ、やろうぜクトゥルフ! お前を必ず屈服させてやる!」
『ギギャァァアアアアアーーーーーーーッ!』
俺の言葉にヤツは怒りの咆哮を上げ、ここに戦いは始まった。
脅威となるのは目の前の巨体だけではない。壁や天井が変形し、全方位から一斉に『牙』となって向かってきたのである!
まさに物量の暴力だ。それに対し、俺も同じく物量で応える!
「スキル発動! 【武装結界】フルオープン!」
そして放たれる武装の嵐。百を超える宝剣や魔槍が迫ってきていた牙を打ち砕き、俺を脅威から守ってくれる。
さらに出し惜しみなんてするつもりはない! 俺は背後に巨大召喚陣を出現させ、アイツの名前を吼え叫ぶ!
「さぁ、怪獣バトルと行こうぜぇ! 現れろ、ギガンティック・ドラゴンプラントーーーッ!」
『グガァァァアアアアアーーーッ!』
呼び声に応え、クトゥルフを見下ろすほどの巨体が姿を現した。俺の自慢の植物龍だ。
七つの巨大な花弁を広げ、灼熱の光を集束させるドラゴンプラント。それに対してクトゥルフは唸り声をあげると、九つの口をバックリと開いて、闇色の魔力を集束させる。
かくして次の瞬間放たれる、白き熱線と黒き波動。
その二つが轟音を立ててぶつかり合い、洞窟一帯に大地震を巻き起こしたのだった――!
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