48:最強の男、降臨!
・書籍化によりキャラの細かな容姿を決めないといけないのですが、シルちゃんの容姿、ロリにしようか普通に赤髪美少女にしようか迷ってます……!
ご意見お待ちしてます!
ライバルであるスキンヘッドからあれほど熱烈な宣戦布告をされては、男として落ち着いていられない。
次のバトルイベントまであと三日。俺は出来る限りの準備を行うことにした。
まず、ギルドメンバーについては無作為に募集するような真似はしない。
街を丸々一つ取り込んだことから、俺のギルドはトップクラスの資源と資産を持っているからな。教皇の城にあったよくわからん絵画を売り払うだけでも数千万ゴールドだ。ゆえに盗難目当てで近づくヤツだって多いはずである。
テキトーに人員を入れまくった結果、イベント前に金やアイテムだけ持ち逃げなんてされたら目も当てられないだろう。そんなやつを追いかけてぶっ殺している余裕もない。
だから今回は、その資金力を最大限に活かして、各地の街にいる最上級の傭兵NPCを雇いまくることにした。雇用金額は超高額な分、レベルも戦闘技術も一流らしい。
その役目を任せたシル曰く、『傭兵NPCは悪人格のヤツが多いから、スキル【悪の王者】の効果でみんなすんなり従ってくれるようになったわ』とのこと。
アイツも俺と一緒に暴れ回って、死刑一万回の条件を満たしてるからな。例のスキルが役立っているようで何よりだ。
まぁメンバー募集についてはそんな感じだな。もしも信頼できるようなプレイヤーが見つかったら声をかけるかもしれないが。
そして職人のグリムには、戦闘には参加しなくていいからシルやNPCたちの装備作りに集中してもらうことにした。木を隠すには森の中というわけで、俺の恰好を紛らせるために女キャラたちの装備は全部セクシー系にしておけと言っておいた。
あいつも『クックック。流石は魔王殿、よくわかっておる! 古来より悪の組織の女たちは、黒くてきわどい衣装と相場が決まっているからな!』と納得してくれたしな。天才エロ装備職人の腕前に期待だ。あと悪の組織じゃねーから!
んで、最後に俺はというと、
「体内爆殺矢ドーンッ! スキル【武装結界】オラァッ! 『滅びの暴走召喚』オラオラオラオラァッ! 死ねーッ!」
『グギャァアアアアアーッ!?』
暗い洞窟の中、矢を射ちまくり、スキルで剣や槍を飛ばしまくり、必殺アーツで使い魔たちを百体召喚し、敵モンスターたちを薙ぎ払っていった!
当然倒したモンスターどもは俺の上がり過ぎた幸運値により、全て使い魔になっていく。
「ふぅ……もう何百体かは倒したかな」
いい加減に身体も疲れてきたところで、俺は適当な岩の上に腰を下ろした。
とにかく狩りまくること。それがサモナーである俺の仕事だ。
ギルドの敷地内にはモンスターを9999体まで配置できるっていうからな。だったらレベル上げも兼ねて、上限値いっぱいまでゲットしまくるだけだ。
また使い魔にしたモンスターたちをさらに強化するために、イベントポイントを消費してこんな限定スキルを覚えてみた。
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・サモナー専用限定スキル【魔の統率者】:戦闘に参加していない使い魔にも経験値が入るようになる。
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数日前にこのスキルを知ったときは手を出そうか悩んでたんだけどな。限定スキルは三つしか覚えれないし、直接戦闘力が上がる効果じゃないから。
でもギルドを作り上げた今ならこれほど有用なスキルはない。コイツのおかげで戦えば戦うほど、使い魔が手に入る上に全体のレベルがどんどん上がっていくって寸法だ。
さらにギルドマスターの俺が経験値を獲得するとギルドに所属しているNPCたちもレベルアップしていくシステムらしいからな。まさに一石四鳥だ。その分頑張らなければ。
「よし、狩りを再開するか。イベントまでにはレベル50くらいにはなっておきたいもんだなー」
レベル40を超えてからすっかりレベル上げが難しくなってしまったが、そこは数をこなしてカバーだ。
というわけで、俺がハイレベルダンジョン『邪神教の洞窟』の奥に向かおうとした、その時。
「見つけたぞ、魔王ユーリよ。拙者と手合わせ願おうか」
重厚な男の声が背後から響き渡った。
次の瞬間、俺は迫りくる嫌な気配にバッとその場から飛び退いた。すると一閃、俺が一秒前まで立っていた地面に剣線が刻み込まれる――!
「ほう、拙者の斬撃を避けたか。褒めてつかわそう」
「……不意打ちしといて偉そうなこと言ってんじゃねーよ、なんだお前は」
振り返ると、そこにはチャンバラ衣装のいかにも『武士』って感じの男が立っていた。
ヤツは眼光を鋭くしながら俺へと答える。
「拙者の名はザンソード。この世界において『最強』のプレイヤーだと自負している者だ」
「あぁん……!?」
この俺を差し置いて、勝手に最強を名乗るだと……!?
チャンバラ野郎の発言を前に、俺は弓を強く握り締めるのだった。
・最強の男(※自称)、降臨――!
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