15:進化の兆しと異変!
※ユーリくんがレベルアップするときはポン太郎たちもだいたいレベルアップしてますが、『ポン太郎はレベル23になった!ポン次郎はレベル17になった!ポン三郎はレベル16になった!ポン四郎はレベル14になった!ポン五郎はレベル13になった!ポン六郎は(以下省略)』って書いていくと頭がおかしくなるので省いてます。
『ワールドニュースッ! ヤリーオさんとマジッコさんとクルッテルオさんのパーティーが、ジャンボマーマンを初討伐しました! ダンジョン:砂浜の大洞窟、最速攻略完了!』
『ワールドニュースッ! ザンソードさんとフーコさんとエイドさんとライテイさんのパーティーが、ウルフキングを初討伐しました! ダンジョン:狼の巣穴、最速攻略完了!』
『ワールドニュースッ! ラインハルト・フォン・エーデルフェルトさんが単独で、ガチンコゴリラを初討伐しました! ダンジョン:筋肉の森、最速攻略完了!』
「お~、三日目になってからどんどんワールドニュースが流れてくるな! ていうかラインハルト以下略ってやつ、俺と同じくダンジョンをソロ攻略したのか! こりゃ負けてらんねーな!」
流れてくる情報を聞きながら、俺はポン太郎たちを打ちまくっていた!
いま俺がいるのは『食虫神の森』と呼ばれるダンジョンだ。とにかく人食いイモムシやらデカい蜂やら虫系モンスターがわんさか出る場所で、俺の周囲には三十匹以上のモンスターたちが集まってきた。
だけどッ、
「手元に戻れ、『サモンリターン』! からのオラオラオラオラオラオラァッ!」
『ピギャァアアアアアアアッ!?』
十一本ある漆黒の矢を打ちまくって手元に戻し、また打っては手元に戻しを繰り返し、イモムシたちを殲滅していく!
こりゃ良い修行になるぜ。一度に三本や四本の矢を弓につがえて打つのにも慣れてきた。
HP1の俺にとっては、強力な単体の敵よりも複数の敵を相手にしたほうが脅威だからな。どれだけ幸運値を上げようがスキル【根性】は確定で発動するわけじゃないんだ、攻撃の回転速度をあげることで弱点を克服していかないと!
『ピギャギャ~!』
「おっと!?」
頭上からデカいイモムシが奇襲をかけてきた! しかしそいつに向かってモンスターを貫通したばかりのポン太郎が“シャバ僧がッ! 姉貴に手ぇ出すんじゃねぇ!”って感じでUターンして突き刺さり、近くの木に串刺しにする。さすがは特攻隊長だな!
しかし……、
『ピギギィ……!』
「う~ん、まだちょっと生きてやがるな。やっぱり俺が直接打って当てないと、ダメージアップ系スキルは発動しないのか」
戦っていて気付いたことが一つあった。矢で打ち放つより多少速度は落ちるが、ポン太郎たちはひとりでに飛んで行ってモンスターを攻撃することも出来る。リビング・ウェポンのスキル【飛行】ってやつだ。
しかし自分で攻撃したり、別のモンスターを攻撃したあと別の相手にぶっ刺さると、『俺の攻撃を当てることで』発動するダメージアップ系スキルが適用されないみたいだ。
そうなるといくらポン太郎がレベルアップしていても、最弱武器アイテムの『初心者の矢』に憑依させているため威力がひかえめになってしまう。思わぬ欠点発見だな。
「ともかくトドメ刺すか。おーらよっ!」
弓を投げ捨て、串刺しになっているデカいイモムシに蹴りを入れる。
その瞬間、弓を捨てることでダメージが上がる【異常者】をはじめとしたダメージアップスキル群が全発動し、イモムシは『ギエピッー!?』って叫んで絶命した。わっはっはっ、正義は勝つ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
殺人イモムシ×38を倒した! ユーリとポン太郎たちは経験値を手に入れた!
ポン太郎のレベルが24になった! 何かが起こりそうだ……!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「おっ、何かが起こりそうだってどういうことだ!?」
メッセージさんが気になることを言いやがった!
ポン太郎は元々俺よりレベルが上だったモンスターだ。22の俺よりちょっち高い。
そんで次にコイツは、25っていうキリのいい数字になるわけだから……。
「まさかポン太郎、進化するのか!?」
『キシャ~!』
“わ、わかんねぇっす姉貴ィ! ただオレ、もっとビッグな男になれそうっス!”って感じで嬉しそうにバイブレーションするポン太郎。そんなアイツをポン次郎からポン十一郎たちが囲って、持てはやすようにみんなでバイブレーションしはじめた。感動的な光景だぜ。
そうして深い森の中、俺がブルブル震える黒い矢たちに囲まれていた時だ。不意に森の奥から叫び声が聞こえてきた!
「ひぎゃあああああああッ!? 誰かお助けぇえええええッ!」
女の子の声みたいだ。俺は急いでそっちに駆けていった!
『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『毎秒更新しろ』
と思って頂けた方は、最後に『ブックマーク登録』をして、このページの下にある評価欄から評価ポイントを入れて頂けると、「出版社からの待遇」が上がります! 特に、まだ評価ポイントを入れていない方は、よろしくお願い致します!!!
↓みんなの元気を分けてくれ!!!