144︰テンプレカラーが仇になったよ、アザトースちゃん!!!
――絶滅大戦まで、あと0日。ついに俺はその日を迎えた。
開始直前の昼一時前にログインする。魔王側プレイヤーの本拠地であるヘルヘイムの街は、すでに人の波でごった返していた。
「いよいよ来たって感じだな……!」
やる気と元気は十分だ。打てる手だってバッチリ打った。
俺は「ステータス、オープン」と唱え、最後に自身の状態を確認する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
名前:ユーリ
レベル:96
ジョブ:ハイサモナー
セカンドジョブ:バトルメイカー
使用武器:弓 刀剣 大剣 槍 鎌 盾 呪符
所属ギルド:『ギルド・オブ・ユーリ』(ギルドマスター)
カルマポイント:-127万1145(超極悪)
ステータス
筋力:0 防御:0 魔力:0 敏捷:0 幸運:1050×3×2+105+1200=『7605』
スキル
ステータスアップ系スキル:【幸運強化】【逆境の覇者:HP1のため発動状態。全ステータス二倍】
食いしばり系スキル:【執念】
ダメージアップ系:【致命の一撃】【真っ向勝負】【ジェノサイドキリング】【非情なる死神】【アブソリュートゼロ】【異常者】
武器回収系スキル:【ちゃんと使ってッ!】
使い魔補助系スキル:【魔王の眷属】
その他アバター強化・システム拡張系スキル:【神殺しの拳】【魔弾の射手】【魔王の波動】【魔王の肉体】【悪の王者】【武装結界:限定スキル①】【紅蓮の魔王】【冒涜の略奪者】【死の商人】【万物の王】【豪剣修羅:限定スキル②】【剛拳羅刹:限定スキル③】
固有能力
【調教】【キマイラ作成】【召喚】【禁断召喚】【巨大モンスター召喚】【生産】【運搬】【転送】【武装百般】
装備
・頭装備『怨天呪装・闇飾り』(作成者:フランソワーズ 改変者:グリム)
装備条件:プレイヤーの筋力値・魔力値・防御値・敏捷値全て半減 MP+300 幸運+400
装備スキル【大天狗の申し子】:天魔流アーツの使用MPを半減する。
限定装備スキル①【六道魔界の後継者】:異世界のアーツ“修羅道呪法『斬魔の太刀』”“餓鬼道呪法『暴食の盾』”“獄道呪法『断罪の鎌』”“人道呪法『欲望の御手』”“天道呪法『衰弱の矢』”“畜生道呪法『禁断の猛火』”が使用可能となる。※アーツに対応した装備が必要となります。
・体装備『怨天呪装・闇纏い』(作成者:フランソワーズ 改変者:グリム)
装備条件:プレイヤーの筋力値・魔力値・防御値・敏捷値全て半減 MP+300 幸運+400
限定装備スキル②【騎士王への反逆者】:残りHPが30%以下の時、異世界のアーツ“『業炎解放・煉獄羅刹』”が使用可能となる。
・足装備『怨天呪装・闇廻り』(作成者:フランソワーズ 改変者:グリム)
装備条件:プレイヤーの筋力値・魔力値・防御値・敏捷値全て半減 MP+300 幸運+400 マーくん憑依状態
限定装備スキル③【大悪魔の祝福】:残りHPが30%以下の時、異世界のスキル“【憤怒の意志(調整版)】”の効果を適用。消費MPが三分の一となる。
・武器:『初心者の弓(魔鋼改造)』 装備条件なし 威力51 ポン十一郎憑依状態
・装飾品:『呪われし姫君の指輪』(HPを1にする代わり、極低確率でスキル再発動時間ゼロに) 『邪神契約のネックレス』(HP1の時、幸運値三倍) 『耐毒の指輪』(低確率で毒を無効化)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「――よし。不足は一切ありゃしないな」
いよいよレベルは100近く。間違いなく、ブレスキ内ではトップ中のトップクラスなはずだ。
アーツだって師匠NPCのところを巡りまくって覚えまくったからなぁ。あとは女神側にぶつけるだけだ。
「来たかユーリよ、重役出勤だな」
「昨日はよく眠れたかぁ?」
と、そこで。ステータス画面を眺める俺に、ザンソードとスキンヘッドが声をかけてきた。
「よぉお前ら。いよいよ大戦当日だな」
「うむ。差し当たっておぬしに伝えなければならないのだが……」
何やら難しい表情のザンソード。彼はウィンドウを表示させると、俺に見せてきた。
「ブレスキの公式サイトでござる。つい先ほど、こちらにて最終的な女神側プレイヤーと魔王側プレイヤーの総数が発表された」
「ほうほう!」
それは気になるところだぜ。
一体どんな感じになったんだと思いながら、ウィンドウを覗き込むと……、
「――総参加プレイヤー25万。その内17万人が女神側で、魔王側は8万人……か……!」
はははっ……こりゃまたずいぶん差が付いたもんだなぁ。敵はこちらの倍以上かよ。
だけど。
「上等じゃねえか。全員全部ぶっ潰してやるぜ……!」
やる気いっぱいに拳を打ち鳴らす。
ああ、不安なんて一切ないさ。むしろ敵が多い分、活躍を見せつける機会が多いってもんだろ?
「ヘヘッ、それでこそオレ様のユーリだぜ。オメェに比べてザンソードの野郎はすぐに暗くなっていけねぇや」
「ぬぬぅっ、なんだと貴様!? 拙者だって臆したわけではないでござるぞッ!」
「そうかぁ~?」
またもや言い合う二人。ここまで来るとこいつら、逆に仲がいいかもだな。
「お前ら、間違っても今日は殺し合うなよー?」
睨み合う彼らに、俺が笑いながら注意した――その時。
『――人々よ、よくぞ我が下に集まった!』
不意に、地の奥底より女性の声が響き渡った。
それと同時にヘルヘイムの空が暗雲に包まれていく。周囲のプレイヤーたちが何事かとざわめいた。
『女神と相討ち幾星霜……墳墓に眠りて、どれほどの時が経ったか。あぁ人々よ、本当によく妾の魂を解き放ってくれた』
やがて地面より、黒き粒子が沸き立ち始めた。
それらは天へと昇っていき、徐々に一つに集まっていく。
『そしてこの日ッ! 幾万年の時を経て、再び女神と雌雄を決する時が来た! さぁ戦士たちよ、妾のために存分に戦うがよいッ! このっ――』
かくして次瞬。黒き光が、爆発的に輝きを増した。
眩む視界の中、粒子の数々は女性的なシルエットを描いていき――、
『――この、「魔王アザトース」がお前たちを祝福しよう……ッ!』
ヒトを超えた存在が、天の果てに再臨を果たした。
俺たちの頭上に現れたのは、漆黒のドレスを纏った女性だった。
一目見ただけで人外とわかる。その背中には七枚の黒翼が生え、さらに頭の上には闇色の光輪が輝いていたからだ。
「なるほど……アイツがアザトースか」
そういえば絶滅大戦って、『魔王アザトース』の使徒たちと『女神ユミル』の使徒たちのぶつかり合いって設定だからな。
しかし……だ。本来ならばとても盛り上がるイベント演出のはずなんだが、周囲のプレイヤーたちは微妙な表情をしていた。
というのもあのアザトースさん。髪色が白銀で、目の色は赤色で、しかも目付き悪くて『魔王』という異名を持ってて……それってぶっちゃけ……!
「「「「「ま――魔王ユーリのパクリキャラだァァアアアーーーーーッ!?」」」」
『って誰がパクリキャラじゃああああああぁぁああッ!?』
プレイヤーたちの発言に、アザトースは降臨早々涙目になるのだった……!
『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『こんな展開が見たい!!!』『これなんやねん!』『こんなキャラ出せ!』『更新止めるな!』
と思って頂けた方は、感想欄に希望やら疑問やらを投げつけたり最後に『ブックマーク登録!!!!!!』をして、このページの下にある評価欄から『評価ポイント!!!!!!!!』を入れて頂けると、「出版社からの待遇」が上がります! 特に、まだ評価ポイントを入れていない方は、よろしくお願い致します!!!
↓みんなの元気を分けてくれ!!!