135:死ね!!!!!!!!!!ユーリちゃん!
コミカライズ発表のめどがつきましたわ~・・・!
「――な、なんスかこの滅茶苦茶ビジュアルが濃い人……! オレなんかと違って、色々派手過ぎません……?」
「よろしくゥーッ♡」
「えぇと、アナタ大丈夫? 背中さすりましょうか……?」
「うぅ、ありがとうねぇ……!」
マーリンに圧倒させるヤリーオと、アリスを介抱するクルッテルオ。
なんともカオスなことになってしまった。まさかこんなところでこいつらと再会するとは。
「あ、お前ら気をつけろよー。そいつら『女神側』のプレイヤーだから」
「「えッ!?」」
ババッと距離を置く二人。流石の反応速度である。
彼らは一瞬で武器を構え、マーリンとアリスを睨みつけた。
「って敵だったんスか……! やけに馴れ馴れしいから、ユーリ師匠のお知り合いかと」
「そういえばこのチビっこ、ペンドラゴンと一緒に師匠を襲った刺客プレイヤーの一人だったわね……!」
一触即発の空気が古城の前に流れる。
そうしてヤリーオとクルッテルオが攻めかからんとしたところで、マーリンが苦笑しながら手を挙げた。
「ストップストップ……! 先日のペンドラゴンちゃんと同じく、今日のところはアタシも降参するわぁ。アナタたち二人相手ならともかく、そっちのボスがちょっとどうしようもなさすぎてねぇ……」
冷や汗を流しながら俺のことをチラ見するマーリン。
なんだやらないのか残念だ。こいつの戦法はなかなか面白かったから、いつでも再戦ウェルカムなんだが。
「いいぜマーリン。今は殺さないでおいてやるよ」
「あっ、殺すこと自体はもう確定なのねぇ……! やっぱりユーリちゃん、裏切ったアタシのことを恨んでる……?」
「ははっ、んなわけあるかよ。お前の情報のおかげでポン太郎たちは進化できたし、普通に感謝してるくらいだぜ? ただ陣営が違うからブッ殺すだけだ、よろしくな!」
「ひえっ、相変わらず恐ろしい子っ……!」
というわけで一旦停戦協定だ。
まぁこれがマーリン以外のヤツなら問答無用で消し飛ばしてたんだが、こいつは『情報屋』だからなー。
「じゃあマーリン。仲間になったところで、お前が調べたっていうこの島の情報、俺たちにも教えてくれるか? ちなみに断ったらぁ……!」
「って断らない断らないわよぉっ!? だからその死んだ目で笑いながら迫ってくるのやめて頂戴ッ!」
手をブンブンと振りながら後ずさりするマーリン。
ヤツはコホンッと咳ばらいをすると、この『ヴォーティガン王の呪い島』の背景を語り始めた。
――マーリン曰く。かつて『ヴォーティガン』という頭アッパラパーのおっさんがいたらしい。
そいつは魔導実験がご飯のおかずにするくらい好きで、ハイテンションで民衆を実験台にするようなクソ野郎だったそうな。
当然ながら人々はブチきれて反乱。その結果、ヴォーティガンはこの島に逃げ込んだらしいとのこと。
俺たちにかかったステータス半分の呪いや、島中の暗黒植物たちは、その男の魔導の成果だとか。
「――ある村の言い伝えによると、飲まれたが最後、死体が絶対に見つからなくなる急流があるらしいの。
それがこの地の発見に繋がるヒントだったわ。ヴォーティガン王も逃亡中にその川に流されて亡くなったとされているけど、それからも時折、彼の人造モンスターらしき暗黒植物の死体が海から流れてくることがあって、生存が示唆されていたのよ」
「あぁ、そういえばお前さっき言ってたな。時速百キロで渦潮に突っ込まないとたどり着けないとか」
「そう。どうやら例のハイテンションクソ野郎はあの渦に呪法をかけていたみたいでね~。そのアホみたいな条件を満たした者にのみ、死の渦潮は転移陣として働くってワケ。検証として普通に渦に入ったら溺れ死んだわぁ……」
「って無茶するなぁ。大戦前にデスペナ食らうのはキツいだろうに」
いまいち掴みどころのない男、マーリン。
しかし情報収集に関しては本気なヤツだ。先日『魔王側』に流れてきた考察スレ民とかいう連中曰く、『あの人は様々なVRゲームに潜り、嬉々として探求を続けてきた人です。このブレスキの攻略サイトに乗せた新情報も数知れない』と誇っていた。
俺も以前から世話になってたかもだな。
「残念だぜ、ぜひ仲間にしたい人材なんだがな」
「あら、アタシもユーリちゃんのことは嫌いじゃないわよ? いつだって新戦法を身に付けまくりなアナタは見てて飽きないし。
……でもねー。VR技術の女神様な竜胆さんに、リアルで直々に仲間になるよう誘われちゃったらねぇ……。アタシVRゲーム大好きだから……」
あん? 竜胆ってたしか、フルダイブ機能を作り上げてVRMMOを進化させた人だよな? それでノーベル賞とか取った人。
子供のころにテレビに出まくってたぜ。
「……えっ、ペンドラゴンって竜胆なの!?」
「あっ違う違う違う! あくまでも『ペンドラゴンの仲間になれ』って言われただけよ、オホホホ……!」
「ほ~ん……」
まぁそういうことにしておいてやるが、ペンドラゴンがフルダイブの始祖なら納得かもだ。
アバターを自由に動かすには、センスだけじゃなく操作時間も大事になってくるからな。その点アイツの攻撃は速すぎて鋭すぎて意味わからんかったし、こちらを完全に詰ませに来る知略も、最高峰の学者と考えれば納得できる。
……あと、敗走時の捨て台詞が明らかに言い慣れてなかったのもな。
「へっ……相手にとって不足なしだ。じゃあアイツをぶっ倒すためにも、この古城を攻略してさらに強くなってやるぜッ!」
「気をつけなさいよユーリちゃん。さっき言った通り、ヴォーティガンって男はどうしようもないヤツらしいからねえ。よくトラップを作っては民衆をひっかけて笑い転げていたそうよ」
「情報サンキュー。うし、気を付けて進むとするぜ……!」
そうして俺が入り口のドアノブに手をかけた――その時。不意にチクリと握り手に痛みが走った。
なんだなんだと手を放し、ドアノブの裏側を見てみると……。
「……っておい、なんか画鋲が張り付けてあるんだが……?」
「あ~……それってたぶん、ヴォーティガンの仕掛けた罠の一つなんじゃないかしら?」
「ッッッッ!?」
その瞬間、ブチッッッとこめかみから何かが切れる音がした――!
俺は足元に巨大召喚陣を出現させると、城内のクソ野郎へと吼え叫ぶッ!
「しょっ、小学生みたいなトラップ仕掛けてんじゃねぇぞオラァァアアーーーッ!!!」
『グガァアアアアアーーーーーーーーーーーッッッ!』
巨大モンスター『ギガンティック・ドラゴンプラント』召喚ッ!
俺は怒りのままにギガ太郎に命じ、『ヴォーティガン王』の住まう居城に大熱線レーザーをブッぱなさせるのだった――!
『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『こんな展開が見たい!!!』『これなんやねん!』『こんなキャラ出せ!』
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