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12:ソロ攻略達成!

「リビングウェポン以外が仲間にならなさすぎて不自然」というご指摘を受け、前回の真ん中あたりに二行ほど追記を行いました。

ゾンビが仲間になりましたが、痛みを感じない体質と脳みそが腐ってるせいで指示も聞かずに暴れまわって一行後にはトチ狂って死にましたので読み直さなくても大丈夫です。




「くらいやがれぇーーーーッ!」


『滅ぶがいい!』


 リビング・アーマーナイトとの死闘が幕を開けた。

 異空間より八本もの黒剣を射出してくるヤツに対し、俺も同数の矢を放ち迎撃する!

 それによって仲間にしたばかりのポン六郎やポン七郎やポン八郎は相討ちで地に墜ちたが、レベルの上がっているポン太郎からポン五郎までは無事に弾幕を突破できた。

 漆黒の光を放ちながらアーマーナイトに迫る!


『チィッ、ならばこうだッ!』


 ヤツは大剣を顕現させると、豪快に振るってポン太郎たちを弾き飛ばした! 

 そうして俺を睨み付け、全身鎧に見合わぬ速さで距離を詰めてくる!


「へっ、弾幕対決が駄目だったら接近戦で勝負ってか! ならばっ」


 俺は三本の矢を顕現させて握り締めた。当然どれもリビング・ウェポンだ。先ほど撃ち墜とした八本の中から仲間になった、ポン九郎からポン十一郎たちである。

 これでモンスターの召喚可能数はほぼマックスになった。呼び出せるのは十二体まで……パーティーを組める最大人数が十三人までだからなのだろう。攻略サイト曰く『大レイドパーティー』と呼ばれている数だ。

 まぁそこまで大所帯になったらフレンドリィファイヤの危険が跳ね上がる上、“ボスの部屋に突入したプレイヤーの数によってボスのHPが上昇する”という設定から、せいぜい五人か六人がベストとされている。経験値だって戦闘に参加したプレイヤー全員に分散されるそうだしな。


 でも、サモナーである俺には関係ない! モンスターたちはサモナーが獲得した経験値と同等の数値が手に入る仕様になっているし、それにこいつらはプレイヤーじゃなくて使い魔なんだからなぁ! パーティーであってパーティーではないソロプレイ扱いのため、ボスのHPには影響しないだろう。

 それにッ、


「接近戦だってやりようはあるんだよ! 弓使いの力を舐めるなぁッ!」


 俺は弓をそこらへんに捨て、矢を握り締めて駆け出した! 大剣を振り上げて飛び掛かってきたアーマーナイトに対し、俺も跳び上がって三本の矢を叩きつけるッ! 


『この異常者めっ、弓を投げ捨てる弓使いがいるか!』


「お前だって剣投げてきただろうがッ!」


 空中で火花を散らし合う刃と(やじり)

 しかし鍔ぜり合うのも数瞬のこと。俺はすぐに弾き飛ばされ、着地した後の地面を何メートルもズザズザと後退させられた。まぁ筋力値がゼロなのだから当然だろう。


 だが、


『ッ!? どういうことだ……いともたやすく弾き飛ばせたというのに、なぜ私の大剣が刃こぼれしている……?』


 俺の攻撃を受けた部分だけ刃の欠けた大剣を見ながら、困惑に固まるアーマーナイト。

 ふっ、頭のいい俺の思った通りだ。『三本の矢』の逸話に間違いはなかったみたいだぜ!


「簡単だ。リビング・ウェポンを憑依させた矢の破壊力には、奴らの筋力値が加算されるからな。そして細い矢は剣と違って何本も同時に持つことが出来る。

 それらを一気に叩きつけたことで三体分の攻撃を行ったんだよ。つまりは絆の力ってやつだ」


『なにぃッ!? だ、だからといって接近戦を挑むような頭のおかしい弓使いがいるかッ!

 それに何本もまとめたところで、そんな握っただけで折れそうな貧弱すぎる矢では、大剣の攻撃を受け続けることは……!』


「いいや、無限にだって出来るさ。……なにせこいつは最低最弱の初期アイテム『初心者の矢』だ。本来ならば威力なんてまったくないゴミアイテムだが、代わりに『耐久値』が無限に設定されてるんだよッ!」


『なっ、なにぃいいいいッ!?』


 驚愕の声を上げるアーマーナイト。そんな奴に向かって拾い直した弓を構え、戻ってきていたポン太郎たちを打ちまくった!

 さぁお前ら、死ぬことを恐れずに敵をぶっ殺せ! プレイヤーと違って死んだら消滅してしまうという恐ろしい欠点を持った召喚モンスターたちだが、お前たちは例外だ!


「まっ、憑依先はしょせん初期装備で俺の筋力は最低値だからな。普通のステータスをしたヤツが良い弓矢をぶっ放したほうが威力は出るかもしれないが、そこは絆のパワーで補うだけだ!

 さぁいけポン太郎たち、ボスの野郎を穴だらけにしてやれッ!」


『キシャァァアアーーーーーーーーーッ!』


 アーマーナイトに殺到していく漆黒の矢の暴走族軍団。さらに俺は駄目押しとして、サモナーのアーツを発動させる!


「アーツ発動、『ハイパースピードバースト』ッ! 『ハイパーパワーバースト』ッ!」


 その瞬間、ポン太郎たちは漆黒の流星となった! 


 俺が発動したのは、地下墳墓内でのレベル上げ中に習得した『スピードバースト』と『パワーバースト』の上位版だ。

 三十秒ごとにステータスを二倍に出来るあちらとは違って三分間に一度しか使えないものだが、わずか一瞬だけスピードとパワーを五倍に出来るのだ。

 猛加速した十一本の矢がアーマーナイトを貫通していく!


『キッシャーーーーーーッ!』


『ばっ、馬鹿なぁあああああああッ!?』


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 スキル【ジャイアントキリング】発動! ダメージアップッ!

 スキル【致命の一撃】発動! ダメージアップッ!

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 トドメとばかりにダメージアップ系スキルが発動。それによってアーマーナイトの全身がついに砕け散った!


『ぐがああああああああああああッ!? きっ、貴様ぁああああッ!』


 粉々になったアーマーナイトだが、それで終わりではなかった。

 ヤツは怨みの咆哮を上げながら鎧の手甲部分だけになって突進してきたのだ!


『死ねぇぇぇぇぇえええッ!』


「へっ、根性のあるヤツだぜ! だったら相手になってやらぁぁああッ!」


 再び弓を投げ捨てて俺は駆け出した! ヤツとの距離が縮まりゆく中、俺はレベル上げ中に習得したもう一つのアーツを発動させる。


「『サモンリターン』発動! 戻ってこいポン太郎ッ!」


 その瞬間、時空を超えて一瞬でポン太郎が手元に戻ってきた。

 モンスターを戦わせている間にプレイヤーが奇襲を受けた時、とっさに呼び戻して守ってもらうための危機回避用アーツなのだろう。だが俺は、それを攻撃に使わせてもらうぜ!

 握りこぶしの指と指の間に(やじり)を挟み込み、アーマーナイト向かって振り上げるッ!


「これでッ、トドメだぁあああーーーーーーーッ!」


 轟音を立ててぶつかり合う手甲と拳! その対決に勝利したのは、ポン太郎を握り込んでいる俺のほうだった!

 【根性】によってダメージを無効化した俺に対し、アーマーナイトの手甲にはヒビが入っていき……!


『こ、こんな異常者に……馬鹿な、馬鹿なぁぁあああああーーーーーーーッ!』


 咆哮と共に砕け散るアーマーナイト! その瞬間、パァァァァァンッ! というクラッカーの音が部屋中に響き渡る!



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 おめでとうございます! ダンジョンボス:リビング・アーマーナイトのソロ討伐に成功しましたッ!

 ユーリとポン太郎たちは大量の経験値を手に入れた! ユーリのレベルが20になりました!


 条件:『初心者の武器でボスを討伐する』達成!

 スキル【アブソリュートゼロ】を習得しました!



 【アブソリュートゼロ】:初期装備で与えるダメージが極低確率で二倍になる。



 条件:『HP1の状態でボスを討伐する』達成!

 スキル【逆境の覇者】を習得しました!



 【逆境の覇者】:HP1のとき、全ステータスを二倍にする。



 弓装備選択者限定条件:『ボスとの戦闘中に弓を複数回投げ捨てる』達成!

 スキル【ちゃんと使ってッ!】を習得しました!


  

 【ちゃんと使ってッ!】:投げ捨てた弓が勝手に帰ってくる。



 弓装備選択者限定条件:『弓使いでありながら弓を装備していない状態で近接攻撃でボスを討伐する』達成!

 スキル【異常者】を習得しました!



 【異常者】:弓を投げ捨てることで三秒間、近接攻撃で与えるダメージを二倍にする。



 調教成功! ボスモンスター:リビング・アーマーナイト(魂の断片)が仲間になりました!

 レベルが1になったボスモンスターを召喚出来ます!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 う、うおおおおおおおおおおっ!? なんか大量のスキルに目覚めやがった!

 特に【逆境の覇者】なんてすばらしいな。俺は常時HP1の状態でやってくつもりだから、つまりはずっと幸運値が二倍ってことじゃねえか!

 これで俺の幸運値は1200突破だ。他は全部ゼロだけどな、わははっ!


「【アブソリュートゼロ】も強力だな。幸運値のおかげで発動率を跳ね上げられるし、どうせ俺は初期装備しか装備できない身体だし。

 でも【異常者】のほうは……効果はともかくスキル名がよくわからないなぁ? 相手が拳の勝負を挑んできたら拳で返してやるのが男の世界の常識じゃないのかよ!」


 まぁいいや。弱っちくなったとはいえアーマーナイトが舎弟に出来たから大満足だ。

 明日フランソワーズから服を受け取ったら、一旦ポン太郎たちのステータスと一緒に見直してみるといいかもな。アーツやスキルがめっちゃ増えて把握できなくなってきたし。


 俺がそう決めた時だった。さらにポーンという音が響き渡り、


『ワールドニュースッ! ユーリさんが単独で、リビング・アーマーナイトを初討伐しました! ダンジョン:死神の地下墳墓、最速攻略完了!』

 

 システムメッセージが全プレイヤーたちに向かって発信された!

 スキンヘッドとフランソワーズ以外は思わないだろう。ダンジョンのソロ攻略を達成した俺が、サモナーで弓で幸運値極振りの不遇要素満載野郎だなんてなぁッ!


「よーし、この調子で三日後のバトルイベントでも大暴れしてやるぜぇ!」


 俺はポン太郎たちと一緒に意気揚々と街に帰っていったのだった!


  

  


ユーリ「幸運値常時1200以上だぜ!」


↑一般的なレベル20のプレイヤーは、一番伸ばしているステータスでもスキルや装備こみこみで最大200いけばいいところです……!



『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『毎秒更新しろ』

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― 新着の感想 ―
[一言] アーマーナイトさん『不可解な摂理によって産まれた異常者に倒された事が誠に遺憾である(訳…キャラメイク時にAIが忠告してないから異常者産まれてたけど知らないよ?!)』
[良い点] お手盛りだけどロマン構成が可能なゲームは良いね [一言] やばたにえん!
[気になる点] 空中でぶつかりあったあと、根性が発動してたんでしょうか?そうでないと飛ばされた時のダメージは? あと、ここのボスを倒して得られたスキルがあまりに都合良すぎなきがします。 初期装備でボス…
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