125:強く生きろよマーくんちゃん!
いい質問があったのでここに答えを載せておきます!
Q:そう言えばユーリくんちゃんのアバターはどこまで現実準拠でしょうか?
A:顔と骨格(つまりは身長も)はほぼリアルです。
このへんを大きく変えると現実に帰ったときに運動感覚や精神に悪影響が出るかもなので、大幅変更不可になりました。
もちろんリアルバレを避けるために、目を釣り上げたり撫で肩気味にしたりプラスマイナス5センチくらい身長をいじったり肉付きをちょい増減したり、ちょこちょこは変えることはできます。
ちなみにリアルで筋肉バキバキならゲームでもバキバキになりますが、ゲーム内ではステータス水準になるので意味はないです。
――『死神の地下墳墓』から帰還後。
俺は支配領域であるヘルヘイムの街を、『黒髪褐色メイド少女』を連れて歩いていた。
信じられないことにあれだ。半泣きで恥ずかしそうにトボトボする彼女こそ……、
「こっ、こんな辱めを受けることになるとは……ッ! おのれ運営っ、許さんぞッ!」
そう叫びながら、『マーくん』はグズグズと目元を拭うのだった。
――そう。こちらのお嬢さんこそ、俺の戦友『リビング・アーマーナイト』の変わり果てた姿だった。
時は少しばかり遡る。
マーくんの前に進化アイテムを突き出したところ、こんな進化先が出てきたのだ。
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・可変式神化体:『巫装神妃マジェスティー・オブ・ニトクリス』
現世に舞い戻った死神人。主君への忠義を高め続けた結果、リビング・アーマーナイトが侍りし者としての実体を得た姿。
高い筋力値と敏捷値を誇り、また霊体となる前に使用していた専用アーツ『邪剣招来』が復活(使用MPはプレイヤーが支払う)。
召喚した『リビング・ウェポン』は一分で消えるという制限が付いたが、プレイヤー自身の召喚枠を潰さない。
また、防具憑依能力も変わらず保持。
彼女自身の霊核は憑依防具に宿っているため、実体が破壊されても防具が無事なら再実体化可能。
ただし実体が破壊されるたびに憑依防具の耐久値は半分となる上、実体化中は毎秒プレイヤーのMPを消費する。
加えて、憑依モンスターが実体化している間は防具へのステータス補正が消失する。
※彼女を実体化するにあたり、ボスモンスター召喚枠は潰されません。
※プレイヤー用の武器・防具・装飾品を身に付けさせることは可能ですが、ステータス補正値や効果は適用されません。
※プレイヤー用のアーツ・スキルは覚えません。
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――その説明文を見た瞬間に『んっ?』と首を捻った。
なるほどなるほど、可変式というのはわかったさ。要するにこれまで通りの装備の能力値を補正する『憑依形態』から、一緒に戦ってくれる『人間形態』になったり戻ったり出来るわけだな。そりゃわかりやすい。
ただ……『彼女』ってなんだ!? 名前の『妃』ってどういうことだ!?
もしかしてこれ、進化したらメスになっちゃうんじゃ!?
俺がそう戸惑った瞬間――ポン太郎たちの進化を見て興奮していたマーくんが、『私も早く進化するぞッ!』って感じの鳴き声を出しながら、ピョーンと跳ねて進化ウィンドウの決定ボタンに飛び蹴りを食らわせたのだった。
その結果、見事に進化は達成されて……。
「うぅぅぅ……どうしてこんな目にぃ……!」
こうして、マーくんはマーちゃんになってしまったのだった。
ちなみに見た目は、俺のアバターを全体的に一回り小さくした感じだ。
髪と肌色さえ同じなら見分けるのに苦労しそうなレベルのあたり、『巫装神妃マジェスティー・オブ・ニトクリス』の姿はプレイヤーの容姿によって決定されるのかもしれない。
あと進化時はほぼ全裸に近かったため、以前に少しスキンヘッドと遊んだ時に手に入れたメイド服を与えて今に至る。
「くっ、騎士道に生きる私をこのような身体にするとは……運営め、運営め……!」
「いやぁ、あれは自爆に近かったような――っていやなんでもない! そうだな、運営許せないよなッ!」
マジレスしても傷付けるだけなので、マーちゃん……じゃなくてマーくんに話を合わせておくことにする。
それに俺自身も勝手に女のアバターにされた被害者だからな。気持ちは十分わかるってばよ……!
「ちなみにマーくん、そんなにその姿が恥ずかしいならなんで実体化して歩いてるんだよ?」
「ああ、一種の戦闘訓練だ。久々に得た実体の身体に慣れておこうと思ってな」
「おぉっ、武人だな……!」
勝つためならば恥は二の次なのか。見た目はずいぶん可愛くなったが、中身は相変わらずカッコいいヤツだぜ。
「んじゃ、新生ポン太郎軍団ともども、改めてよろしくなーマーくん!」
「うむ。不本意ながら貴様に負けて捕まったことで、ずいぶんとレベルが上がったからな。その恩義に報いるとしよう」
そんなキザな物言いに苦笑しつつ、俺はマーくんと握手を交わすのだった。
こうして手を握り合えたのも実体化できたおかげだな。マーくん的には不満かもだが、その点だけは運営に感謝しておこう。
「うしっ、実体化記念になんかメシでも食いに行くか!?」
「むっ、食事か……! いやまぁ確かに魅力的だが、この街に戻ってきたのは『魔鋼』化を行うためでは……」
かくして俺がマーくんと談笑していた――その時。
ふいに目の前にメッセージウィンドウが現れた。そこにはザンソードの宛名で、『緊急事態!』というタイトルが振られており……!
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・フレンドのザンソード様よりメッセージです。
『――ユーリよ、大変だぞ! 裏で行っていた調査の結果、ペンドラゴン率いる「女神側」に付くプレイヤーが八割を超えた!!!』
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「なっ、なんだってーーーっ!?」
八割……つまりプレイヤー総数を十万とすれば、こちらは二万で向こうは八万となるわけだ。
その戦力差と驚くべき結果を前に、流石の俺も「おいおい」と苦笑してしまうのだった……!
・ちなみにユーリくんちゃんとスキンヘッドが遊んでメイド服入手する話は、書籍版1巻に詳しく書かれてます!
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