霊体少女 鹿跳幽香
「自己紹介も何も、僕がオマエを紹介すりゃいいだろ」
「そうなんだけどそうじゃなくて……」
幽香はもじもじしながら顔を赤らめる。意外と可愛いなこの人。人って言うか霊。
「あ、あそこのぬいぐるみに取り憑けば……!」
「それ僕の時に無理だっただろ」
「そうだったァ!!!!!」
幽香は頭を抱える。ほんと可愛いな。
「もういい。僕が説明する」
そう言うと幽鬼は頭をかきながら幽香の紹介を始めた。
「改めて、黒部クンには見えないが、僕の妹の鹿跳幽香だ。享年0歳。幽霊歴は……確か……24……くらいか?」
「23年だよ!?」
幽香は顔を真っ赤にして突っ込む。女子のその位の年齢はひとつ違うだけでもかなり違うのだ。怒るのも無理はない。
「髪型は黒部クンに近いかな」
志希より少し長めの綺麗な黒髪だ。もう少し短い髪型の方が彼女は似合いそうだが……ベリーショートというか……ボーイッシュというか……あぁ、あの髪の毛切りたい。
「口に出てます」
本人に突っ込まれた。死にたい。穴があれば入りたいしなんなら掘りたい。掘ってそこに埋まりたい。
「で、でも……思い切ってバッサリ……あぁあでも似合わなかったらどうしよう……」
幽霊になっても女子は女子なんだな……というか0歳で死んだくせに女子女子し過ぎでは。
「……まぁ性格やらその辺はこれから説明するよ。姿かたちのことも含めてな。ちなみにコイツの死体はもちろん胎児の姿だぜ?」
「今その話しないでくれる!?」
死体の話は恥ずかしいものなのだろうか?
「コイツ、実際の人間のごとく成長……もどきをしてるみたいだ」
「……霊、なんですよね? なんでですか?」
志希の疑問ももっともだ。私だってそう思う。だって死んでるじゃん。
「なんだろうな……本人が言ってたのは、10歳未満で死んだ場合、25までは成長出来るみたいだ」
どういうシステムなのだろうか。しかもそろそろ幽香の成長も止まるのか。
「……あと、僕はもともと霊が見えたり霊に触れる訳じゃない。……天木クンならわかるだろ?」
「……まぁ、ね。私もいつだったかな。急に見えるようになった」
「僕もだ。幽香を初めてこの目で見て……唐突に見えるようになった。幽香にこの手で触れて、唐突に触れるようになった」
幽香が原因なんじゃないか、と幽鬼は口にする。
しかしその場合、私の原因が分からない。なんで私は霊が見えるんだ……?
「それはさすがに僕にも分からんし……幽香にもわからんだろ」
「うん……見たところは分からない、ですね」
先天的でもなければ、特にこれと言った原因も分からない。どういうことだろう。