滝と綾
1ヶ月ほど空いてしまって申し訳ないでーす!
反省してまーす!!!!(反省とは)
三連休も明け、無事学校だ。ロケランでもどこかに落ちてないだろうか。
「おはよ、白ちゃん」
私の乗る電車に、途中で乗り込んできた志希が、私に声をかける。
「おはよう、クソみたいな朝だね」
「うん、笑顔でそんなこと言わないでほしいかな」
志希に笑顔で返される。実際クソみたいな朝なんだから仕方がない。朝嫌い。連休明けの朝はもっと嫌い。
「……全く、なんでこう連休明けの朝って体が重いかな」
「まぁしょうがないよ、勉強頑張ろ?」
「そんな風に生きてみたいよ……」
ため息をつく私の頭を、志希は腕を伸ばして小突く。そんないつもの朝。
それが、学校に着いた途端にぶっ壊された。
「おい天木、時間あるか?」
「うっわ」
「うっわじゃねーわ」
話しかけてきたのは、隣のクラスの荒魂滝だった。こんな話し方だが、一応女子。一応。
「ごめんねー、アラのバカが」
滝とよく一緒にいる、髪を短く切りそろえた女子が、滝の頭を引っ掴んでそのまま頭を下げさせる。
彼女は弓切綾。男子のような顔立ちだが、どこか女の子のような面影もある。意外と乱暴。
言葉遣いが乱暴なのが滝、行動が乱暴なのが綾と覚えてもらえば問題は無い。
「誰がバカだ!!!」
滝が綾の手を振り払う。バカと言われて気持ちのいい人はいない。正しい反応というものだろう。
「んで? 話って何。それにあと2分でホームルームだけど大丈夫?」
「あー、2分じゃ無理だわ。放課後校門前に来い」
「体育館裏じゃなくてほっとした私がいるよ」
「お前アタシをなんだと思ってんだ」
「ほらほら行くよー」
綾が滝の襟首を引っ掴んで引きずっていく。
「絶対来いよー!!」
なんか不憫。うちのクラス全体の注目を浴びてしまっている。不憫。
「……志希、今日は裏門から帰ろう」
「……賛成」
さて、次の日。
「なーんで来なかったんだお前ぇぇぇぇ!!!!」
昨日私たちが校門前に来なかったことに対してブチギレる滝が目の前にいた。
「関わりたくなかったから、以外になんかあると思う?」
「ぐうの音も出ないね」
私が苛立ちながら応えると、綾が苦笑いで返す。
「私もあんたの立場だったらアラとは関わんないもん」
「でしょー?」
「でしょー?じゃねーわコラ!!!」
滝がさらにブチギレる。アレ、私なんか不味ったかな。
「ったく……んで、今日こそ来てもらうからな」
「……今日こそ行かないとめんどくさい事になりそうだね…」
「おう、めんどくさい事にするぞ、主に綾が」
「私!?」
「「お前以外に誰がいんのさ」」
そう。綾はねちっこいことで有名なのだ。元カレに振られたあと、3週間ほどつけ回して無理やり復縁したのは言うまでもないほどに。
「……仕方ないな、行くよ今日は」
「おう、絶対来いよ」
行っても行かなくてもめんどくさい約束をしてしまった。